テレワークの急速な普及もあり、現役世代の間でも関心が高まりつつある「移住」。従来よりも身近になったものの、まだまだ「移住先候補がありすぎて、結局どこがおすすめなのかわからない…」と、移住先に迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、仕事・子育て・老後・趣味など、各カテゴリー別に移住先に選びたいおすすめの人気都道府県と、失敗しないための移住先の選び方を一緒にチェックしていきましょう。
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地方移住をする3つのメリット
「自然豊かな田舎に移住して、田畑を触りながらのんびりと暮らしたい」
「海の見える場所に住み、毎日ゆったりと釣りでもして暮らせたら」
現在の自分とはどこか遠い夢物語として、このような願いを持っている方も多いはず。
牧歌的な暮らしに憧れる気持ちこそあるけれど、実際に移住するとなると困難はつきものです。
「少なくとも仕事の落ち着く定年までは…」と、なかなか現実的にイメージできないのは当たり前。
しかし近ごろは、この状況が一変しつつあります。リモートワークの普及などの働き方の変化により、現役世代でも移住する方が増加中。もはや移住は定年後の夢ではなく、その気になれば誰にでも手の届くものになったのです。
さらに現在は、国や自治体が地方移住に関する補助制度にも力を入れています。経済的な観点からも、今が移住する大チャンスです。
まずは、地方移住のメリットから見ていきましょう。なお、早速具体的なおすすめ移住先を見たい方は、記事中段以降から確認してみてくださいね。
海や山など自然に触れられる
地方移住のメリットと言えば、やはり海や山などの大自然とともに生きられること。
朝から山登りに出かけたり、日がな一日釣りを満喫したりと、都会では叶わない穏やかな生活には憧れるものですよね。満員の通勤電車や道路の渋滞、町の人混みなど大都市の喧噪から離れたい方も多いでしょう。
家の周りに田んぼや畑があり、たくさんの鳥やカエルの鳴き声が聞こえてくる。ふと、あぜ道を降りれば清流の川があり、川魚の泳いでいる様子が目に入る。
そんな心温まる移住環境も、国内にはたくさんあります。
新鮮で美味しい食べ物が手に入りやすい
自然と同じく地方移住の醍醐味とも言えるのが、新鮮で美味しい食べ物の存在です。
旅行や出張で地方を訪れた際に、その土地の食べ物の美味しさに驚いた経験はないでしょうか?
地方の飲食店やスーパーで安く提供されている魚介類が、都会のデパートの高級品と同じくらい活き活きとして美味しいというケースも珍しくありません。
「ジャガイモや乳製品が大好きだから北海道に!」「白米や日本酒に目がないので新潟へ!」なんて、食べ物をきっかけに移住するのも楽しそうですね。
もちろん、移住後始めて自分では思いもよらなかった好物と出会えることもあるでしょう。
家賃や土地代などが安い
移住の目に見えるメリットとして、家賃や土地代などの住居にまつわる金銭面が安くなる点にも注目したいところ。
都会と地方の家賃格差は想像以上に大きいものです。東京ではワンルームで家賃10万円近くの物件もある一方で、田舎であれば家賃5万円で3LDKの家も借りられます。
もちろん、土地代に関してはなおさら格差は大きなものに。都会の小さな土地を買うお金で、地方では庭付きのマイホームを所有できるでしょう。
地方暮らしに抵抗がないのであれば、都会では考えられないほど安価に快適な生活環境を手に入れられます。
地方移住をする3つのデメリット
自然、食べ物、住宅にまつわる金銭面とメリットの多い地方移住。間違いなくポジティブなものですが、一方で理解しておきたいデメリットも存在します。
デメリットを正しく理解しておくことは、移住後に前向きな気持ちで生活を送るためにも欠かせません。以下の3点について知っておきましょう。
- 都会ならではの便利さが存在しない
- 仕事を探すのは少し大変
- 「郷に入っては郷に従え」の精神が必要
都会ならではの便利さが存在しない
特に気をつけておきたいのが、地方には都会ならではの便利さが存在しないこと。
数分に1本のペースで運行している電車、どこにでもほぼ最短距離で繋がっている交通網、道を歩けば100mごとにあるコンビニなど、利便性の面では都会は群を抜いて快適です。
しかし、田舎では日に数本しか電車が走らなかったり、目的地に行くために山を越えて迂回しなければいけなかったり…。
「最寄りのお店まで車で20分」「隣町まで行かないと病院がない」なんてことも珍しくありません。「都会の便利さとはかけ離れた場所」だと、理解しておく必要があります。
田畑に囲まれた完全な田舎の前に、中小規模の地方都市に住んでみるなど、段階を踏んで移住できると安心です。
仕事を探すのは少し大変
地方移住では仕事面に関しても覚悟が必要です。地方は都会と比べて給料が低く、例えば東京では「1,113円/時」である最低時給が、地方では「952円/時」ほどに設定されています。
また、そもそもの求人数自体も少なく、気に入った仕事を見つけるのは大変です。都会の感覚で「移住してから何か仕事を探せば良いだろう」と考えては、困ってしまうことも。
とは言え最近では、リモートワークも当たり前になり、場所に左右されない働き方ができる企業も増えています。移住先によっては仕事の斡旋や就農支援をしてくれる制度もあるので、まずは自治体に問い合わせてみましょう。
「郷に入っては郷に従え」の精神が必要
最後に意識しておきたいのが「郷に入っては郷に従え」。すなわち、自分から移住先に溶け込む努力が欠かせないということです。
地方にはその土地由来の昔ながらの文化が存在します。旅行のようにお客さん気分で臨んでしまっては、地元の仲間として受け入れてもらうことは難しいでしょう。
お互いに快適に暮らしていくためには、積極的に近所の方と交流を図るなど、地域に溶け込もうとする精神が求められます。こちらが前向きに努力している姿を見れば、地元の方もきっと歓迎してくれるはずです。
近ごろは短期滞在などの「お試し移住」ができる自治体も増えており、本当にその土地が自分に合いそうかどうかは、ある程度事前に確認できます。
このような体験施策を積極的に活用しましょう。
移住先を失敗しないためにおすすめの選び方
それでは、自分にぴったりの移住先を失敗せずに選ぶ方法を紹介します。重要なのは、以下の流れに沿って徐々にイメージを固めていくことです。
- 「なぜ移住するのか」をあらためて明確にしよう
- 自分がどの移住(Uターンなど)に該当するのか知る
- おおまかなエリアから絞っていくのがコツ
- 「田舎」か「地方都市」への移住かを決めよう
- 助成金などの国・自治体による補助制度をチェック
- 移住先での収入面について検討しよう
- 「移住体験記」を探してみるのもおすすめ
- 短期移住→二地域居住→完全移住とステップを踏めると◎!
一つひとつステップを踏んで検討することで、「こんなはずでは…」という失敗を避けられます。それぞれ順番に見ていきましょう。
「なぜ移住するのか」をあらためて明確にしよう
最初に行いたいのが、「なぜ移住するのか」と目的をハッキリとさせることが大切です。
補助制度の充実や働き方の変化により、以前よりも実行しやすくなっているとはいえ、それでも移住は一大イベント。単に都会の喧噪を離れたいという憧れだけでは、「想像とは違った…」と後悔してしまいがち。
失敗しないためには「移住後にはこういった暮らしがしたい」と、求めるものを明確化しましょう。そうすれば「移住前に望んでいた生活を実現できている!」と、移住後の満足度も高まります。
例えば、
「毎日釣りをしながら暮らしたいから、釣りの聖地として有名な地域に住む」
「農業に興味があるため、就農支援が盛んな自治体に移住する」
「子どもに自然の中で元気に育って欲しいから、緑や川に囲まれた田舎を選ぶ」
といった形。家族がいる場合はそれぞれの理想のライフスタイルも聞きながら、全員の希望が叶う形を見つけられると◎。
自分がどの移住(Uターンなど)に該当するのかを知る
一言に「移住」といってもその種類はさまざまです。Uターン・Iターンなど多様な言葉で表現されます。以下の主要な移住形式を参考に、自分がどれに該当しそうなのか知っておきましょう。
【主な移住の形式】
移住形式 | 内容 |
---|---|
Uターン | 田舎に生まれ、都会に就職や進学をした方が、生まれ故郷に帰る移住 |
Jターン | 田舎に生まれ、都会に就職や進学をした方が、故郷の近くの地方都市に戻る移住 |
Iターン | もともと都会で生まれ育った方が、田舎に住む移住 |
Cターン | 子ども(Child)のために、これまでに縁のない田舎に住む移住 |
Oターン | Uターンをした方が、刺激や利便性を求めて再び都会を目指す移住 |
二地域居住 | 都会の生活拠点を保ったまま、田舎にも生活拠点を持つ移住 |
二段階移住 | 本命の移住先(田舎)から近い都市にまずは移り住み、生活に慣れてから田舎に引っ越す移住 |
移住の種類を理解しておけば、自治体の担当者やコンシェルジュへの相談も簡単になります。「Iターン移住者を対象とする助成金」など、自分が該当する補助制度を見つけやすくなるのも嬉しいポイントです。
おおまかなエリアから絞っていくのがコツ
移住の目的や種類を明らかにできたなら、次は移住先のおおまかなエリアを絞っていきましょう。
いざ移住先を探そうとすると、自分のこれまで知らなかった魅力的な場所がたくさん見つかります。いきなりひとつの場所に絞ろうとすると、どうしても迷ってしまうもの。
「温暖な気候が良いから九州や沖縄」
「ウィンタースポーツも楽しみたいから冬国」
「潮風を感じたいから海沿いのエリア」
といったように、日本地図を眺めながら「だいたいこの辺かな?」という場所を決めておきましょう。実際に地図を印刷して、良さそうなエリアに丸をつけていくのもワクワクできておすすめです。
「田舎」か「地方都市」への移住かを決めよう
おおまかなエリアを決めた後は、「田舎」と「地方都市」どちらへ移住するのかを決定しましょう。
都会へのデビューやOターンを除くと、移住では今よりも田舎の地域へ移り住むケースが主流。しかし、一口に「田舎」といってもそのレベルはさまざまです。
隣家まで数km以上も間隔があるような僻地もあれば、東京など大都会よりは田舎なだけで生活に不便のない都市も。後者は「地方都市」の名前で呼ばれることもあります。
大切なのは、田畑に囲まれた完全な田舎に住みたいのか、それともある程度栄えた町に住みたいのか決めることです。以下のメリット&デメリットを参考に、自分が住みたいのはどちらかイメージを固めていきましょう。
【田舎と地方都市のメリット&デメリット】
田舎 | 地方都市 | |
---|---|---|
メリット | ・自然豊かでいわゆる「移住」を実現可能 ・家賃や土地代が非常に安い ・山登りや釣りなどレジャーを満喫できる | ・これまでの生活と大きくかけ離れない ・利便性と穏やかな暮らしを両立できる ・子どもや病気がちな家族がいる場合も安心 |
デメリット | ・お店や病院など当たり前のものがない ・土地の慣習が強く残っていることも | ・古民家生活など、本格的な移住をしたい方には物足りないことも |
助成金などの国・自治体による補助制度をチェック
希望のエリアと「田舎」か「地方都市」かを決めたら、個別の自治体について補助制度を見ていきましょう。
希望エリアをマークした日本地図を元に、自分の気になる田舎あるいは地方都市の名前をメモし、インターネットで検索してみてください。多くの自治体では、市町村あるいは県の公式ホームページで、移住補助制度や支援窓口を公開しています。
補助制度は「引っ越しや住居の確保に関して金銭的にサポートしてもらえるもの」「移住前にお試しで短期滞在ができるもの」「一定の年齢まで子どもの医療費が無料になるもの」など、自治体ごとにさまざま。
移住の際に活用できる主な支援制度・補助金については、後ほど詳しくご紹介します。
また、記事後半では、移住におすすめの都道府県と使える補助制度も紹介するので、そちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
移住先での収入面について検討しよう
実際の移住前に必ず考えておきたいのが、移住先での収入面。上述の通り、地方では家賃や土地代が安い一方で、賃金が低かったり求人数が少なかったりすることも珍しくありません。
引っ越し後はただでさえ忙しいものです。現地に着いてから仕事を探しても、思うように見つからず慌ててしまいがち。
- 現在の会社でリモートワークを継続できるのか
- 新たに移住先の土地で起業をするのか
- 就農支援などの補助制度を活用するのか
上記を参考に、事前に移住後は何を生業とするのか決めておきましょう。
「移住体験記」を探してみるのもおすすめ
補助制度や移住後の仕事を検討する際には、その土地へすでに移住した方の声である「移住体験記」や「移住インタビュー」を探してみるのもおすすめです。
移住では、やはり現地に住んでみて初めて実感できる事柄もたくさんあります。移住体験記は今の自分では思いもよらないポイントが把握できる、貴重な資料です。
「こういう風に仕事をして暮らすつもりだったが、予想外に手間取った」
「補助金の申請でこういった資料が必要になって驚いた」
「○○を心配していたが、実際に住んでみると××で解決できた!」
上記のような体験記の内容を参考に、移住後のイメージをさらに固めていきましょう。
短期移住→二地域居住→完全移住とステップを踏めると◎!
最後はいよいよ、自治体や移住コンシェルジュと具体的な相談を進めるフェーズ。使える補助制度の確認や住居の確保などを行い、移住に向けて本格的に動き出します。
住居を決める際には、家そのものの住みやすさはもちろん、子どもの学校や仕事先との兼ね合いを考慮しながら選べると◎。「生活を始めた後、大きな不便は感じないだろうか」と念入りに検討することが後悔しないコツです。
また引っ越し前に、可能であれば短期間のお試し移住プログラムに参加したり、しばらくは元の生活拠点も残して二地域居住を選択するのも良いですね。
万が一、自分には合わないと感じた際に、慌てず別の移住先を探しやすくなるでしょう。
ステップを踏むことで心に余裕ができると、移住先の良い面にも目を向けやすくなるもの。理想の新生活の実現に向けて、一歩ずつ着実に進んでいきましょう!
移住を後押しする支援制度・補助金を知っておこう
各自治体では、移住者を地域に呼び込むためにさまざまな支援制度を用意しています。
移住を憧れだけで終わらせないためには、こうした支援制度をしっかりと把握し活用することが重要です。
ここでは、地方移住を検討する際に知っておきたい支援制度を大きく5つに分けてご紹介します。
- 移住支援金・起業支援金
- 住まいにまつわる支援制度
- 仕事体験にまつわる支援制度
- 子育てにまつわる支援制度
- お試し移住プログラム
自分にぴったりの移住先を見つけるためにも、どのような支援制度があるのかを事前に知っておきましょう。
支給額は最大300万円!移住支援金・起業支援金
東京圏から地方へ移住する際にぜひ活用したいのが、移住支援金・起業支援金制度です。
- 移住支援金
東京圏から地方へ移住する方を支援するための制度です。単身移住の場合は最大60万円、世帯移住の場合は最大100万円が支給されます。
さらに、18歳未満の子どもがいる世帯の場合は、子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
- 起業支援金
地方で起業する場合に最大200万円の助成を受けられます。移住支援金とセットで受給する場合は、最大300万円の給付を受けられます。
移住支援金・起業支援金にはそれぞれ受給要件があります。また、自治体によっては支援金制度を実施していない場合もあるので、移住希望先の情報をよく確認しておきましょう。
参考元:移住支援金|地方創生
参考元:起業支援金|地方創生
移住先での住まい探しに役立つ支援制度・補助金
どのような家に住むかは、移住先でどのように暮らすかということに直結します。
「昔ながらの古民家で田舎暮らしを満喫したい」
「都会では諦めていたマイホームの夢を実現して、家族で賑やかに暮らしたい」
「できるだけ家賃を抑えて趣味を充実させたい」
など、思い描く理想は人それぞれ異なるでしょう。
ここでは、移住先で理想の住まいを手に入れるために活用したい制度として、次の3つをご紹介します。
- 空き家バンク
- 住宅取得費用の補助・家賃補助
- 定住促進住宅
住まいにまつわる費用負担の軽減にも役立つので、ぜひチェックしておきましょう。
空き家バンク
空き家バンクとは、空き家を売りたい(貸したい)人と空き家を買いたい(借りたい)人とをつなぐマッチングサービスのことです。多くの自治体が独自の空き家バンクを運営しています。
空き家バンクのメリットは、何と言っても空き家を安く手に入れられることです。
物件によっては庭や畑付きの場合もあり、「広い庭で子どもを遊ばせたい」「移住を機に本格的な家庭菜園を始めてみたい」という方にもおすすめです。
また、空き家のリフォーム補助金を用意している自治体も多数あります。理想のマイホームを自分の手で作り上げる醍醐味を味わいたい方もぜひチェックしてみてください。
住宅取得費用の補助・家賃補助
移住準備費用の中でも大きな割合を占めるのが、住まいの取得にかかる費用です。賃貸住宅に住むとしても、月々の家賃負担はできるだけ抑えたいもの。
自治体によっては、住宅取得費用の補助制度や家賃補助制度を用意しているため、ぜひ活用しましょう。
例えば、石川県志賀町では、新築住宅を取得した移住者に最大200万円を助成しています。また、賃貸住宅の場合は、家賃補助として月額最大20,000円(最長3年間)が交付されます。
参考元:支援制度|石川県志賀町移住定住ポータルサイト「しかまちぐらし」
定住促進住宅
定住促進住宅とは、移住者の定住促進を目的とした賃貸住宅です。
通常のアパートなどと比べると家賃が安い場合が多く、自治体によっては月額10,000円台で住める定住促進住宅を整備しているところもあります。
移住後の住まいに賃貸住宅を考えている方は、月々の家賃負担を減らせる定住促進住宅も検討してみると良いでしょう。
ただし、入居条件のひとつに収入基準が設けられていることが一般的なので、利用する場合は事前にしっかりと確認してください。
移住先の仕事を体験できる支援制度
「移住するからには、その地域に根ざした仕事がしたい」という方も多いはず。
「地域おこし協力隊」や「ふるさとワーキングホリデー」を活用すれば、移住前に現地で実際に暮らしながら、その地域ならではの仕事を体験できます。
それぞれの制度の概要を見てみましょう。
地域おこし協力隊
地域おこし協力隊とは、地方自治体が地域おこしの担い手として都市部からの移住者を受け入れる取り組みのことです。
協力隊として採用された場合、実際に現地に移住して次のような地域協力活動に携わります。
【地域おこし協力隊の活動例】
- 地域の特産品開発
- 観光プロモーション
- 農林水産業への従事
- 伝統文化の継承
- 移住定住促進活動 など
地域おこし協力隊の任期は約1~3年間です。任期中は給料が支払われるため、収入面の心配をせずに協力隊の活動に注力することができます。
地域おこし協力隊を経て、地域への定住を決める方も多くいます。
興味がある場合は、各自治体の移住ポータルサイトなどで地域おこし協力隊の募集をチェックしてみましょう。
参考元:地域おこし協力隊|総務省
ふるさとワーキングホリデー
ふるさとワーキングホリデーとは、地域の仕事に携わって収入を得ながら、その土地での実際の暮らしを体験できる制度です。
地域おこし協力隊と似た制度ですが、期間は2週間から1ヶ月と短く、現地に移住する必要もありません。学生から社会人まで気軽にチャレンジできるのが特徴です。
滞在期間中は地域住民の方と交流する機会もあるため、短期間の滞在ながら地域への理解を深められます。
移住先の子育て支援制度・補助金も要チェック
子連れで家族移住する方や、移住先での出産を視野に入れている方は、子育てにまつわる支援制度や補助金もチェックしておきましょう。
移住後の子育てに役立つ支援制度には次のようなものがあります。
- 出産・子育て応援交付金
- 自治体独自のお祝い金など
- 子ども医療費助成制度
- ファミリー・サポート・センター
ひとつずつ見ていきましょう。
出産・子育て応援交付金
出産・子育て応援交付金は、2023年1月から全国で順次スタートした国の制度です。
妊娠期から産後の子育てまでを一貫してサポートするため、相談支援・経済的支援を一体的に行うもので、妊娠届出時に50,000円、出生届出時に50,000円が交付されます。
制度の名称や給付方法(現金・クーポンなど)は自治体によって異なります。制度の実施有無とあわせて確認しておくと良いでしょう。
ただし、転入前の自治体ですでに受給済みの場合は、転入先で受給対象外となることがあるので注意が必要です。
参考元:妊婦・子育て家庭への伴走型相談支援と経済的支援の一体的実施(出産・子育て応援交付金)|こども家庭庁
自治体独自のお祝い金など
自治体の中には、出産祝金や子育て支援金制度を独自に設けているところもあります。
例えば、宮城県七ヶ宿では、子どもの出生時と小学校・中学校・高校それぞれの入学時に子育て応援支援金を交付しています。支援金の総額は、第1子で30万円、第2子で50万円、第3子で70万円です。
自治体によっては、前述した出産・子育て応援交付金との併給も可能です。
何かと費用がかさむ出産・子育て期を経済的にサポートしてくれる制度なので、ぜひ活用しましょう。
子ども医療費助成制度
子どもがいる家庭の場合は、移住先の子ども医療費助成制度についても確認しておきましょう。
子どもの対象年齢や具体的な助成内容は自治体によって異なり、「中学生まで医療費の一部を補助」という場合もあれば、「18歳まで医療費無料」といったケースもあります。
特に、子どもが小さいうちは何かと病院のお世話になることが多いもの。
安心して子育てをするためにも、移住を希望する自治体の制度内容は一度チェックしておきましょう。
ファミリー・サポート・センター
ファミリー・サポート・センターとは、「育児を援助してほしい方」と「育児を援助したい方」をつなぐ会員制の組織です。
残業で保育園などのお迎えに行けないときや、上の子の学校行事の際に子どもを預かってほしい場合などに、有料で育児のサポートを受けられます。
実家から離れた地域に移住する場合、両親からの育児サポートが受けられないことを不安に感じる方も多いでしょう。
しかし、ファミリー・サポート・センターが設置してある自治体なら、移住後も無理のない子育て環境を整えることができます。
参考元:ファミリー・サポート・センターのご案内|こども家庭庁
移住先での暮らしを体験できるお試し移住プログラム
憧れやイメージだけで移住してしまうと、移住後に実際の生活とのギャップを感じてしまうことも多いもの。
移住生活の満足度を高めるためには、移住前に実際に現地を訪れて、地域の雰囲気や暮らしぶりをを知っておくことが大切です。
移住先を決める際には、ぜひ自治体の「移住体験ツアー」や「お試し住宅」を活用して、イメージではない“本当の地域の姿”を見てみてください。
移住体験ツアー
移住体験ツアーは、移住支援策のひとつとして多くの自治体が実施しています。
地域体験や地元住民の方との交流を楽しめるツアーや、子育て・教育環境にスポットを当てたツアーなど、各自治体が趣向を凝らした移住体験ツアーを開催しています。
なかには、自分の希望に合わせてツアー内容を決められるオーダーメイド型の移住体験ツアーを実施している自治体もあるので、体験したい内容が決まっている場合はぜひ活用してみましょう。
移住体験ツアーの募集は各自治体の移住ポータルサイトなどでチェックできます。
お試し住宅
自治体によっては、地域でのリアルな暮らしを体験できるお試し住宅(移住体験住宅)を整備しているところもあります。
地域で実際に生活してみることで、その土地の魅力を改めて実感できたり、Web情報だけでは分からなかった注意点に気づけたりすることもあるでしょう。
旅行とは違って、その地域での「暮らし」に軸を置いた滞在になるので、移住後のギャップを減らすのにも大いに役立ちます。
滞在可能期間や料金などはお試し住宅によって異なるため、よく確認して利用しましょう。
都会も自然も楽しめるおすすめ移住先7選
「自然に囲まれて暮らしたいけど、都会の便利さも捨てがたい」という方におすすめなのが、次の7つの自治体です。
- 群馬県
- 広島県
- 宮城県
- 岐阜県
- 栃木県
- 新潟県
- 京都府
いずれの自治体も、都市部へのアクセスが良好でありながら、豊かで美しい自然を楽しめる地域です。
各自治体の魅力や移住支援制度をご紹介します。
群馬県
長野県の右隣、埼玉県の上側に位置するのが群馬県。東京まで100km圏内と近いことから、都市暮らしと田舎暮らしを両立する「2拠点居住」の移住先として人気があります。
「草津温泉」に代表される100以上の温泉地があり、スキーやパラグライダーなどのレジャーも充実。また、群馬県は日本で2番目に物価が安く、家賃や土地代以外も含めた“生活にまつわる費用全般”を節約できるでしょう。(2022年総務省統計「小売物価統計調査」より)
【群馬県の主な支援制度】
- オンライン相談デスク
- お試し移住体験
- 群馬県移住支援金事業(最大100万円)※
- 第3子以降保育料無料化事業(桐生市)
- 移住者向け住宅改修等助成金交付事業(長野原町。増改築工事などの費用最大20万円を補助)
※1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
広島県
「ほどよく栄えた地方都市を探している」そんな方におすすめなのが、広島県。広島県はおよそ272万人(令和6年6月時点)が住む、中四国を代表する地域です。市内電車に新幹線、飛行機など交通アクセスも優れています。
それでいて、ひとたび県の中心である広島市から離れれば、瀬戸内海に面した漁港や多数のスキー場が存在する、利便性と自然環境とが共存した県です。「大都市を離れたいものの、いきなり完全な田舎は不安…」というときの二段階移住先としても◎。
【広島県の主な支援制度】
- 広島県移住支援金制度(最大100万円)※
- 地域課題解決ネットワークとの連携(広島市/移住や創業にまつわる各種相談窓口)
- 漁師弟子入り体験(呉市。実際に漁船に乗り業務を体験できる)
- 府中市お試し住宅(府中市。1泊500円で最大30日までお試し移住)
- 移住者住宅取得奨励金(三次市/定住目的の住宅取得に対して15万円)
※1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
宮城県
宮城県は「ちょうどいい」をテーマに積極的に移住者を受け入れている地域。
東京まで電車で1時間30分、大阪までは飛行機で1時間15分と“ちょうどいい”距離に位置しています。東北ながらそれほど雪が降らず、年間の真夏日と真冬日の合計が20日も満たない“ちょうどいい”気候です。
初めての移住にぴったりな環境が整っています。アワビをはじめとする海の幸にも恵まれており、グルメな方にも◎。
【宮城県の主な支援制度】
- 移住支援金(最大100万円)※
- すこやか出生祝い金(村田町。第1子20万円。第2子以降10万円)
- 子育て応援医療費助成(栗原市。18歳の年度末まで入院・通院の医療費無料)
- 私立幼稚園就園奨励事業(塩竈市。幼稚園の入園料と保育料を減免)
- 産科医・小児科医 ウェルカム奨励金(産婦人科などの医師が対象。3年間で最大1,000万円)
※1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
岐阜県
岐阜県は織田信長が命名したともいわれる「岐阜」の名を現代に受け継ぐ県。日本の中心近くにあり、名古屋まで東海道新幹線で20分と気軽にお出かけできる利便性を誇ります。
県土の8割を森林が占め、木曽三川が悠々と流れる自然豊かな県は、古民家生活などの田舎暮らしに憧れる方に◎。
外食が盛んな県民性を持ち、にぎやかさを好む人々が多いのもポイントです。田舎ならではの人と人との繋がりを感じながら暮らしていけるでしょう。
【岐阜県の主な支援制度】
- 移住体験プログラム
- テレワーク拠点施設(無料利用できる施設もあり)
- ぎふっこカード(18歳未満の子どもがいる世帯に付与。対象店舗で割引を受けられる)
- 子どもの医療費助成(市区町村ごとに異なるものの、最大18歳まで医療費無料)
- ぎふマリッジサポートセンター(結婚にまつわる各種相談。お見合いのサポートも)
栃木県
日本一のいちごの名産地として知られている栃木県。東京まで新幹線により1時間で移動できる利便性の高さから、群馬県などとともに移住先として人気があります。
栃木県は昔ながらの町並みもあれば、カフェの建ち並ぶ発展した商店街もあるなど、都会と田舎が共存した県。「自分の理想とする移住」と温度感の近い場所を見つけやすく、世代や家族構成を問わず、幅広い方におすすめです。
【栃木県の主な支援制度】
- オンライン移住相談
- お試し住宅&農業体験
- サテライトオフィス体験支援補助金(オフィス利用料などを1ヶ月当たり最大20万円)
- テレワーク移住体験補助金(テレワークのための体験滞在費用を補助。最大10万円)
- 無料創業相談(栃木県産業振興センター)
新潟県
日本海に面する縦に長い県、新潟県。米や日本酒の聖地として知られる、肥沃な大地と清流に恵まれた地です。お祭りが盛んな土地柄で、夏場の「長岡花火」は日本三大花火大会のひとつとして愛されています。
上越新幹線のお陰で、東京からの移動時間は最短1時間20分。自然豊かでありつつも「僻地」ではなく、完全な移住先にはもちろん二地域居住先としてもおすすめです。
最近では豪雪への対策も進み、雪国に不慣れな方も安心して暮らせるように工夫されています。
【新潟県の主な支援制度】
- 空き家情報検索システム
- お試し居住施設(最大半年など長期間対応の施設もあり)
- オンライン移住相談会
- U・Iターン創業応援事業(起業にまつわる経費の一部を補助)
- 虹の架け橋住宅取得支援事業(阿賀野市。住宅購入にまつわる支援最大100万円)
京都府
知らぬ人はいないであろう和の町、京都府。散歩に出歩けば国内を代表する神社仏閣があり、周りを見渡せば紅葉などの四季の移り変わりを楽しめる、ロマンにあふれた土地です。
観光地として有名だが、移住者も積極的に受け入れており、特に金銭面の補助が充実しています。「京都府民が京都を楽しむための旅行プロジェクト」も時折開催されるなど、“住んでも都”な町です。
【京都府の主な支援制度】
- 京都移住コンシェルジュ(窓口&電話&メール&オンライン無料相談)
- 不動産取得税の減免(通常の1/2の税率に)
- 起業支援(最大300万円。店舗改修などの費用を補助)
- 空き家改修支援(最大180万円)
- 借入資金の金利負担の助成(空き家取得・改修などにまつわるもの。最大0.5%相当額)
田舎暮らしを満喫できるおすすめ移住先5選
「せっかく地方へ移住するなら、田舎暮らしを満喫したい!」という方も多いはず。
海・山・川などの雄大な自然と、その大自然が育む美味しい食材を堪能しながら暮らしたい方は、次の自治体を移住先の候補として検討してみてはいかがでしょうか?
- 和歌山県
- 北海道
- 熊本県
- 福島県
- 山口県
それぞれの地域の魅力を見ていきましょう。
和歌山県
近畿地方の南西側、大きく海と面した土地が和歌山県。言わずと知れたみかんはもちろん、南高梅や鰹節、醤油や金山寺味噌でも有名な、美味しいものの揃った移住先です。
世界遺産「高野山」など山にまつわるイメージが強い一方で、青く美しい海も楽しめるエリア。リアス式ゆえの荘厳な海岸線は、見るものの心を打つでしょう。
海水浴にハイキングにと自然とともに生きていきたい方へぴったりの場所といえます。
【和歌山県の主な支援制度】
- 仮想現地案内(YouTubeによる映像紹介)
- 「しごと」のある「くらし」体験(若年移住希望者への仕事体験制度)
- 起業支援(最大300万円)
- 農林水産業支援(最大50万円)
- 空き家改修補助金(最大100万円)
北海道
「移住先してみたい都道府県はどこか」と考えたとき、最初に北海道が思い浮かぶ方も多いでしょう。雄大な自然の広がる北の大地は、多くの方にとって憧れの土地。
ラベンダー畑にオホーツク海、流氷にダイヤモンドダストと北海道ならではの自然資源も多数揃っています。
広々とした土地でたっぷりの日光を浴びながら育った農産物や、海が間近であるがゆえの新鮮な魚介類は、毎日でも食べたくなる美味しさです。
【北海道の主な支援制度】
- 空き家情報バンク
- 移住支援金(最大100万円)※
- 移住体験&支援住宅(清水町)
- オンライン移住相談
- 北海道移住応援カード(移住にまつわる有益な情報を教えてくれる支援制度)
※1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
熊本県
つぶらな瞳の愛らしいご当地キャラクター「くまモン」が歴史的な大ヒットとなった熊本県。阿蘇山があるから「火の国」、湧水や温泉が豊富だから「水の国」と2つの異名を持つユニークな地域です。
熊本県の最大の特徴は、「肥後もっこす」と呼ばれる純粋かつ正義感が強い県民性。昔ながらの筋の通った頑固な人間が多く、移住者に対しても熱量高く接してくれます。
「地域の人の輪を大切にしながら過ごしていきたい!」という方にぴったりです。
【熊本県の主な支援制度】
- 移住支援金(最大100万円)※
- 空き家バンク
- 子ども医療費助成(熊本市/高校3年生相当まで)
- 熊本市職業訓練講座受講料助成(熊本市/職業訓練講座の受講料の一部を助成)
- 移住者向け中古住宅購入補助金(熊本市/最大50万円)
※1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
福島県
歴史好きな方にぜひおすすめしたいのが東北・福島県。鶴ヶ城をはじめとする歴史的建造物はもちろん、「相馬野馬追」や「会津田島祇園祭」などの重要無形民俗文化財が現代にも伝わっており、江戸時代から連なる歴史の息吹をさまざまな形で感じられます。
福島県は新潟と並び立つ米の聖地であり、日本酒造りも盛ん。晩酌に川魚とともに味わえば、お酒好きにはたまらない毎日を過ごせるでしょう。
【福島県の主な支援制度】
- 空き家バンク
- 移住オンライン相談(ふくしまぐらし相談情報センター)
- ふくしま移住支援金(最大100万円)※
- 子どもの医療費無料(18歳以下の医療費を助成。県内全市全村)
- ふくしま移住希望者支援交通費補助金(福島までの交通費を補助)
※2023年度4月より1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
山口県
本州最西端、海の向こうには九州と四国が見えるのが山口県。瀬戸内海に広く面した山口県は、温暖な気候と新鮮な魚介類、錦帯橋などの歴史的建造物に50を超える温泉も楽しめる、魅力盛りだくさんの土地です。
大鍾乳洞「秋芳洞」や全国初の道の駅など、一度は訪れてみたいスポットもたくさんあります。西に出れば福岡、東に進めば広島と、大きな都市とも新幹線や大型道路で繋がっており、利便性も◎。
【山口県の主な支援制度】
- 空き家バンク
- オンライン移住相談(やまぐち暮らしセンター)
- やまぐち創世テレワークオフィス(利用料無料)
- やまぐち移住就業マッチングサイト
- YY!ターン支援交通費補助金(移住希望者に最大30,000円の交通費補助)
海沿い・離島で暮らしたい方におすすめの移住先6選
ダイビングやサーフィン、釣りなどのマリンアクティビティが趣味の方にとって、海の近くでの暮らしは人生を豊かにするカギと言っても過言ではないでしょう。
島国である日本には海沿いで暮らせる地域が多数ありますが、そのなかでも移住人気の高い自治体を6つご紹介します。
- 静岡県
- 神奈川県
- 沖縄県
- 長崎県
- 鹿児島県
- 香川県
離島暮らしを実現できる地域もあるので、島で暮らしてみたい方もぜひ参考にしてみてください。
静岡県
最初に紹介するのは、日本一の名山「富士山」で有名な静岡県。南は太平洋に面し、西には浜名湖があり、中央には南アルプス山脈にまで繋がる大井川があるなど、海も山も川も湖も楽しめる自然豊かな土地です。
県内には、年間通してサーファーが訪れる「白浜大浜海水浴場」(下田市)や、景勝地として有名な「美保の松原」(静岡市)など、美しい海を思う存分楽しめるスポットが多数あります。
趣味のマリンスポーツを満喫するも良し、静岡ならではの海岸景観をのんびりと楽しむも良し。思い思いの方法で海と関わりながら暮らせます。
【静岡県の主な支援制度】
- 静岡県移住・就業支援金制度(1世帯につき最大100万円)※
- 静岡県オンライン移住相談センター
- 結婚新生活支援補助金(熱海市/最大60万円)
- 全保育所での休日保育の実施(伊東市)
- こども医療費助成(沼津市/高校3年生相当年齢まで通院・入院無料)
※2023年度4月より1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
神奈川県
東京の下側にあり、相模湾と面しているのが神奈川県。県の東側には大都市である横浜があり、西側には丹沢山などの山々が広がっている、場所により大きく印象の異なる地域です。
鎌倉や江ノ島のある湘南エリアは、サーフィンなどのマリンスポーツが好きな方に人気の移住先で、海のすぐそばで憧れのスローライフを叶えられます。
また、南西部には自然を満喫できる大型公園「箱根ジオパーク」があるなど、都市部に住みながらも少し足を伸ばせば緑に触れられます。町中の便利な生活を保ちつつ、休日にはゆっくりレジャーを楽しめるのが魅力です。
【神奈川県の主な支援制度】
- 空き家バンク
- 子育て・子育ち応援事業(海老名市/おむつなどをプレゼント)
- 勤労者生活資金融資制度(清川村/最大300万円を融資)
- 子育て・若年夫婦世帯空き家改修事業補助金(中井町/最大100万円)
- 2世帯住宅リフォーム補助金(横須賀市/最大30万円)
沖縄県
海のそばで暮らせる移住先として高い人気を誇るのが沖縄県です。年間を通して温暖な気候なので、マリンスポーツを楽しめる期間も長いのが特徴です。
「美ら海(ちゅらうみ)」と呼ばれるエメラルドブルーの美しい海で、サーフィンやダイビング、釣りなどの趣味を思う存分満喫できます。
また、県内には石垣島や宮古島、久米島など38の有人離島があるため、島暮らしに憧れる方にもぴったりの移住先です。
【沖縄県の主な支援制度】
- りっか沖縄(若年者の県内就職促進・支援)
- 定住促進住宅(東村)
- 空き家バンク(石垣市・久米島町・粟国村)
- すこやか子育て支援金(今帰仁村)
- 移住体験プログラム(伊江村/3泊~13泊の離島暮らし体験)
長崎県
古くから外国との交流拠点として栄えてきた歴史を持つ長崎県。朝鮮半島や中国など東南アジアの国に近く、異国情緒が溢れる街並みも見ることができる地域です。
県内には、対馬・壱岐・五島列島をはじめ、離島や半島が多くあるのも特徴で、有人離島数は全国最多の51にのぼります。
海と歴史と異国情緒、豊かな自然が息づくまちで、憧れの海沿いライフを楽しめます。
【長崎県の主な支援制度】
- 長崎県移住支援金(1世帯につき最大100万円)※
- 空き家バンク
- ながさきお試し暮らし応援事業費補助金(長崎市/1ヶ月最大9万円)
- 賃貸住宅入居支援助成金(佐世保市/1世帯につき最大5万円)
- 子育て世帯引越し補助(五島市/UIターン者を対象に最大15万円)
※1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
鹿児島県
安納芋、黒豚、黒牛、地鶏、たんかん、焼酎、ウナギなど美味しいグルメの宝庫として知られる地域。
休日には史跡探訪や温泉巡りをするも良し、サーフィンなどマリンスポーツを楽しむも良し、穏やかに日々農業を進めるも良し。幅広いライフスタイルの方に喜ばれている移住先です。
県内には、屋久島・種子島・奄美群島などをはじめとする自然豊かな28の有人離島があるので、「島に移住したい」という希望も叶えられます。
【鹿児島県の主な支援制度】
- オンライン移住相談会
- 移住支援金(最大100万円)※
- 山村留学制度(小中学生が対象の移住体験)
- かごしま子育て支援パスポート事業(子育て世代を対象とした各種割引サービス)
- 医療費無料(志布志市/高校卒業まで。)
※1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
香川県
「うどん県」として有名な香川県。瀬戸内海に面する日本一小さな県ですが、県庁所在地には国の出先機関や企業の支店などが多く集まっており、拠点都市としての機能も持ち合わせています。
3年に1度「瀬戸内国際芸術祭」が開催されることもあり、美しい自然景観の中にアート作品が溶け込んでいるのも香川県ならではの風景です。
香川県には小豆島や男木島、直島など24の有人離島があり、これまでに多くの方が移住を実現させています。香川の島移住にフォーカスした冊子もあるので、気になる方はチェックしてみましょう。
【鹿児島県の主な支援制度】
- 移住支援金(最大100万円)※
- さぬき暮らし応援補助金(さぬき市/民間賃貸住宅入居者を対象に最大24万円)
- 移住体験施設(小豆島町)
- 空き家リフォーム補助制度(東かがわ市/最大100万円)
- お試し暮らし滞在助成制度(東かがわ市/ひとりあたり1泊3,000円以内)
※1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
子育て移住におすすめの都道府県4選
子どもがいる家庭にとっては、移住先の子育て環境も大いに気になるポイントです。
ここでは、子育て支援や教育環境が充実している移住先として、次の4つの自治体をご紹介します。
- 石川県
- 福井県
- 岡山県
- 富山県
石川県
全国的に子育て支援の進んでいる県として知られる石川県。保育所普及率は全国第6位(2020年)で、待機児童ゼロを達成しています。
教育熱心な県のため小中学校の教育水準も高く、文部科学省の全国学力・学習状況調査では常に全国トップクラスの成績を誇っています。
海・山などがあって四季折々の美しい自然に触れることもできるため、「自然豊かな場所で充実した教育を」と考えている家庭にとって良い移住候補地となるはずです。
【鹿児島県の主な支援制度】
- オーダーメイド型いしかわ子育て移住ツアー補助金(交通費・宿泊費の一部を補助)
- マイ保育園登録制度(育児相談や未就園児の一時預かりなど)
- 放課後児童クラブの利用料無料(第2子以降※所得制限あり)
- プレミアム・パスポート(協賛店で割引などの特典)
- 子どもの医療費助成(小松市/18歳まで医療費無料)
福井県
日本総合研究所の全47都道府県幸福度ランキング2022年版で総合1位を獲得し、幸福度No.1の県として知られる福井県。
そんな福井県では、日本一幸福な子育て県=「ふく育県」を宣言し、社会全体で妊娠・出産・子育てを手厚く応援しています。
県独自のキッズ・ベビーシッター「ふく育さん」や、妊婦・子育て世帯の外出をサポートする「ふく育タクシー」など、子どもがいる家庭に嬉しいサービス・支援が充実しています。
全天候型の遊び場も多く、雨や雪を気にせず子どもをのびのび遊ばせられる点も魅力です。
【福井県の主な支援制度】
- ふく育パスポート(割引・特典などの優待サービス)
- 子どもの医療費助成(18歳年度末まで※池田町除く)
- すくすく保育支援事業(2人目以降の保育料が原則無料)
- すみずみ子育てサポート事業(2人目以降の一時預かり利用料が原則無料)
- 在宅育児応援手当(在宅で育児をする方に月額10,000円/人を支給※第2子以降)
岡山県
温暖な気候と晴れの日が多いことから、「晴れの国おかやま」と呼ばれる岡山県。太陽の光がさんさんと降り注ぐことから、清水白桃やピオーネなどのフルーツの生産も盛んな地域です。
県内には、児童館や子育て支援センターなどの遊び場・交流の場が多数整備されています。子育て経験者がボランティアとして地域の子育て活動に関わることもあり、地域ぐるみで子育て支援環境の充実を図っているのが特徴です。
また、幅広い世代を対象にした「親育ち応援学習プログラム」を提供しており、家庭における教育力の向上にも力を入れています。
【岡山県の主な支援制度】
- 移住支援金(最大100万円)※
- おかやま子育て家庭応援カード(ももっこカード)
- ももっこステーション/地域子育て支援拠点(親子が気軽に集える遊び場)
- ファミリー・サポート・センター
- 小児医療費公費負担制度(新見市/18歳まで通院・入院の医療費無料)
※1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
富山県
「子どもを自然の中で育ててあげたい」そんな願いを叶えられるのが富山県。「子どもと暮らしたい国、とやま」をモットーに、さまざまな子育て支援制度を実施中。待機児童もゼロ、物価も安く、若者夫婦がありがたみを実感しやすい町作りを進めています。
しかも、富山県は正規雇用者の割合が全国で2位と、国内有数の働きやすい地域といえます。就職にまつわる各種相談会や説明会も充実しており、移住を機に転職も考えている方にも◎。
【富山県の主な支援制度】
- オーダーメイド型オンライン現地案内
- 移住体験プログラム
- とやまの魅力体験助成制度(富山県までの往復交通費・宿泊費を補助)
- とやまっ子 子育て応援券(子育て世代が利用できる金券)
- こども医療費助成(富山市/中学生3年生までの入院・通院の医療費無料)
老後の移住先におすすめの都道府県4選
定年・早期退職などを機に、自然豊かな地方へ移り住もうと考えているシニア世代の方も多いはず。
老後に移住するなら、「趣味などを楽しめる環境か」「医療施設が充実しているか」といった点に注目して移住先を選ぶと良いでしょう。
シニア移住におすすめの自治体を4つご紹介します。
- 長野県
- 山梨県
- 福岡県
- 宮崎県
長野県
「長生きできそうな、穏やかな環境に移住したい…」そんな方にぴったりなのが、令和元年の健康寿命全国1位に輝いた信州・長野県(公益社団法人 国民健康保険中央会調べ)。雄大な自然に囲まれ、都会の喧噪とは無縁の県は、田舎暮らしを希望する方におすすめの移住先です。
愛らしく可憐な花「アルストロメリア」の生産量が全国1位を記録するなど、ふと周りを見渡せば、そこには四季折々の植物たちが。鳥や虫の鳴く声を耳にしながらゆったりと過ごす、理想のライフスタイルを実現できるでしょう。
【長野県の主な支援制度】
- 就農関連各種補助制度(塩尻市。就農支援金。農業機械や器具などの購入補助)
- 楽園信州ファミリー(移住&2地域居住を支援する無料会員制度)
- 空き家活用補助金交付事業(須坂市/空き家改修や不用品処分に最大60万円)
- 小中学校給食費無料(王滝村)
山梨県
東京の隣に位置しつつも、緑とふれあう生活を堪能できるのが山梨県です。山梨県は県土全域が海に接しない土地。南部には富士山、西部には南アルプス山脈、北部には八ヶ岳と登山やハイキングにもってこいの地域です。
山梨県は国内のミネラルウォーター生産量の約4割を担うなど、新鮮な湧き水が豊富にあります。ブドウやスモモなどの果物の栽培や国産ワインの醸造も活発で、日々、県の風土を活かした町作りを進めています。
【山梨県の主な支援制度】
- やまなし地域課題解決型起業支援金(起業支援金。人件費などを最大200万円補助)
- 移住支援金(1世帯につき最大100万円)※
- ふるさと山梨定住機構(移住に関する内容を何でも質問できる窓口)
- 婚活やまなし(県公式の結婚支援制度。1対1のお見合いをマッチング)
- 病児・病後児保育(小学6年生までの子どもが対象。県内全域の保育施設を利用可能)
※1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
福岡県
九州上部、本州にもっとも近い場所に位置するのが福岡県。ほどよく雨が降り、雪は都市部ではほとんど降らず、年間平均気温が17.7度と1年中過ごしやすい気候で人気の移住先です。
福岡県の魅力はなんといっても食。大粒イチゴ「あまおう」に代表される果実類に、漁獲量全国上位の「天然ふぐ」など新鮮な食材が豊富に揃っています。
ラーメンや水炊きといった郷土料理も充実しており、グルメな方にはたまらない県といえるでしょう。
【福岡県の主な支援制度】
- お試し移住施設&移住体験
- ふくおかよかとこ移住支援センター
- 移住コンシェルジュ
- 住むなら北九州 定住・移住推進事業(北九州市/最大30万円の家賃補助)
- 乳児全戸家庭訪問事業(行橋市。生後4ヶ月までの赤ちゃんがいる家庭に保育士が訪問)
宮崎県
宮崎県は「日本のひなた」とも呼ばれる、日照時間が長く暖かい県。年間の平均気温はおよそ17度(全国3位)、日照時間も全国3位、快晴日数も全国2位と、太陽の下でのびのび暮らせる移住先です。
温暖な気候で海・山を問わずレジャーを楽しみやすいのはもちろんのこと、宮崎市・日南市・都城市などは医療施設も充実していて安心して暮らせます。
交通網が充実しており、自然と利便性の両立に成功しています。
【宮崎県の主な支援制度】
- 宮崎県空き家バンク
- 宮崎ひなた移住倶楽部(引っ越しやレンタカーなどの費用が割引される会員制度)
- 宮崎県移住支援金(最大100万円)※
- お試し滞在(農家民泊、体験ツアーなど)
- 定住住宅取得奨励事業(都農町。住宅購入にまつわる補助金最大100万円)
※2023年度4月より1世帯につき最大100万円の支給に加え、18歳未満の子どもがいる世帯は子どもひとりにつき最大100万円が加算されます。
地方移住実現に向けて少しずつ計画しよう!
この記事では移住のメリット&デメリット、失敗しない移住先の見つけ方、移住におすすめの都道府県について紹介してきました。
移住では「なにを希望して移住するのか」を最初に明確化することが大切です。自分や家族の理想をハッキリとさせ、ひとつずつステップを踏むことで失敗しない移住を実現できます。
近ごろはオンラインで無料相談に乗ってくれる自治体も増加中。自分では思いもよらない補助制度が存在することもあるので、まずは一度気になる都道府県の窓口に相談してみましょう。