福井県へ移住した人の数が過去最多を更新した。なぜ福井県への移住者が増えているのだろうか?
この記事では、福井県への移住の魅力を仕事や移住支援、子育て支援などいろいろな方面から紹介する。福井県内のおすすめ自治体も見ていこう。
移住する前に知っておきたい福井県の基本情報
移住を考えている場所の情報を事前に知っておくことは大切だ。ここでは福井県の基本情報を見ていこう。
地理
福井県は、北は石川県、南東は岐阜県、南西は滋賀県・京都府と隣り合わせになっている県である。北西は日本海に面しており、県内には多くの海岸線が広がっている。
県の西部は平坦な沖積平野で、東部は越前山脈といった山岳地帯だ。県内には、九頭竜川や北川といった河川が流れている。
人口
2023年5月1日現在の福井県の総人口は746,781人で、世帯数は294,986世帯だ。
気候
福井県には、日本海側の気候の特徴がある。夏は比較的涼しく、冬は寒さが厳しい。特に日本海からの北西の風により、冬季には豪雪地帯となることもある。
産業
福井県の主要な産業は農業、漁業、製造業など。特に、福井県は米や麦などの農産物の生産が盛んで、越前ガニやブリなどの海産物も有名だ。また、福井県は日本有数の原子力発電所の立地地域でもある。
福井への移住者が増えている
福井県へ移住を決める人の数は年々増えていて、2022年度には過去最多を更新した。2020年からは3年連続1,000人を超える人が福井県に移住してきている。
移住者の内訳はUターンよりもIターンが多く、移住者の割合が右肩上がりで伸びているのが分かる。
参考:「ふく育県」福井県への移住者が過去最多を更新 支援金導入の自治体拡大、子育て世代増える|福井新聞
「ふく育県」なる言葉も登場!福井が移住者に人気のワケとは
なぜここ数年で福井県の移住が注目されているのだろうか。ここからは福井県が移住者に人気の理由を見ていこう。
ファミリー層の移住者急増につながった「ふく育県」とは
福井県への移住者の中で目立つのがファミリー層だ。
福井県は、「日本一幸福な子育て県『ふく育県』」というブランドイメージを掲げて、子育て世帯を対象にした支援を行っており、こうした努力がファミリー層の移住に繋がっている。
子どもだけではなく、子育てする親たちも幸福を感じる福井県の子育てサポートについては後ほど詳しく紹介しよう。
独自の就労支援で仕事探しの不安が軽減される
福井県福井市では、「週末就活」プログラムという独自の就労支援を行っている。これは、福井市内在住で、かつ市内への民間企業への就職希望者とその家族を対象にしたプログラムだ。
週末就活では2日間で、就職希望先の民間企業を3社訪問。職務内容や雇用条件などを詳しく聞くことができる。
民間企業への訪問の他には、福井でスムーズに就職活動するためのサポート体制や移住支援制度などを紹介してもらったり、希望者には市内の生活環境を案内してもらったりと、移住先での仕事探しの不安が軽減につながるサポートをしてもらえる。
移住者への細やかなサポートで移住の不安が解消される
福井県福井市では、移住定住推進室を設け全国からの移住や就職を応援している。
移住相談は窓口のほか、メールや電話、オンラインなどでも可能だ。東京にも事務所があり同じく福井市での暮らしや各種支援制度など、移住に関する相談ができる。
移住だけではなく定住にも力を入れていて、移住後の継続的な支援も行っているため移住に関するさまざまな不安が解消されるのではないだろうか。
福井県の移住者サポート一覧
ここからは、福井県の移住者サポートを紹介する。
福井県の子育てサポート
福井県を日本一幸福な県「ふく育県」として、子育て世帯を支えるために、県ではさまざまな子育てサポートを行っている。
子どもの医療費サポート
福井県では、入院・通院ともに中学校3年生までの子どもを医療費サポートの助成対象としている。県内の一部の町では県内で大学または専門学校に通う19〜20歳も対象になる。
保育料サポート
年収640万円未満世帯の第2子以降保育料は無料。さらに第3子からは全員無料の対象になる。
すみずみ子育てサポート
親の病気や急な用事、お手伝いが必要なときなどに、子育てする家庭の負担を軽減するのがすみずみ子育てサポート事業だ。
一時保育、保育所や幼稚園などへの送迎、食事の用意や買物、掃除などの家事の支援などを、このすみずみ子育てサポートの補助を利用すると利用料金が通常の半額で依頼できる。
紹介した3つのサポート以外にも、不妊治療費や、手当の支給などのサポートや、子育てが楽しくなるサポートなども充実させ、福井県で暮らす子育て世帯を応援している。
福井県の仕事のサポート
先ほど紹介した福井市の「週末就活」以外の、福井の仕事サポートを紹介する。
UIターン就職サポート
県外からUIターンし福井で就職する人に向けて、福井Uターンセンターは無料職業紹介所を開設し、UIターン希望者向けの求人の情報提供をしている。
同センターは東京・名古屋・京都・大阪にもオフィスがあり、平日の営業時間の他にも福井は土曜日、東京は土日に相談会を実施している。
福井県交通費サポート
就職活動や情報収集などを前提とした福井県での活動をする際に交通費を支援してもらえる。対象は移住を検討している本人とその家族で、大人1人あたり最大14,000円が支給される。
お試しテレワーク利用支援
福井県外で仕事をしている人が、7日間以上福井県内に滞在してコワーキングスペースなどでテレワークをする場合に、交通費と滞在費を支給してもらえる。
福井県の暮らしのサポート
移住するにあたって気になるのが住まいについてではないだろうか。福井県では各市町と連携して、市町ごとの空き家情報をふくい空き家情報バンクで紹介している。
また、公営住宅の紹介や、民間賃貸・不動産などを通じて県内の住宅を検索できる。
福井県への移住希望者に向けたサポートふくい移住パートナー企業は、県内にある協賛事業者が割引や特典を用意し、移住希望者が利用する際の負担を軽減してもらえる。
ふくいパートナー企業は、自動車教習所や自動車販売店、住宅建築・リフォーム会社、引越業者などさまざまで、それぞれいろいろな割引が受けられる。
福井県のおすすめ移住先5選
最後に、福井県内で移住におすすめの市町を5つ紹介しよう。
坂井市(さかいし)
出典:SAKAI-TURNs
坂井市は総人口約88,000人で、約31,000世帯が暮らしている。福井県の北部に位置していて、市内から車で50分走ったところに東尋坊がある。
都市部の快適さと自然の豊かさが交じり合い、住居や教育環境も充実。子育て世帯が移住するのにおすすめだ。
坂井市の支援制度を一部紹介する。
子育て支援 | 子ども医療費助成制度 |
乳児健康診査助成 | |
多子世帯子育てすくすく支援商品券支給 | |
在宅育児応援手当 | |
就業支援 | 新規就農者定住促進等事業 |
開業・就職支援事業 | |
移住支援金(東京圏型・全国型) | |
暮らし支援 | 空家取得支援事業 |
空家改修支援事業 | |
多世帯同居のリフォーム支援事業 | |
多世帯近居の中古住宅取得支援事業 |
それぞれの支援制度の詳細は坂井市の移住サイトSAKAI-TURNsを確認してほしい。
サイトでは移住者のインタビューや移住者受け入れ企業の紹介などもあり、坂井市への移住をより身近に感じることができるだろう。
福井市(ふくいし)
出典:福井市定住促進ポータルサイト|福井市
東洋経済「都市データパック」が発表した「住みよさランキング2022」で全国2位にランクインしたのが福井市だ。
福井市は県の県庁所在地で人口は約760,000人。福井市は交通の便が良く福井県の北側も東側も通勤圏になる。
豊かな歴史と伝統文化を有し、市内には福井城跡や福井県立美術館など、歴史的な建造物や文化施設が点在する。また、福井市は能楽の発祥地としても知られていて、能楽堂や能舞台も多く存在している。
福井市の移住支援を見ていこう。
子育て支援 | 子ども医療費助成制度 |
すみずみ子育てサポート事業 | |
福井市地域子育て支援センター | |
就業支援 | 交通費支援制度 |
週末就活 | |
農林漁業への就業支援 | |
暮らし支援 | 空家取得支援事業 |
空家改修支援事業 | |
若年夫婦・子育て世帯家賃支援 | |
多世帯近居の中古住宅取得支援事業 |
福井市の移住支援はほかにもある。詳細は福井市定住促進ポータルサイトを確認しよう。
鯖江市(さばえし)
出典:さばえ定住・交流情報サイト|鯖江市
メガネづくりの町としても有名な鯖江市には、人口約70,000人が住んでいる。
福井市からは車で30分ほどで到着するため、福井市からも通勤圏内だ。また、県の中心にあるため、近隣の市町にも行きやすい。
市内は医療機関や日用品を取り扱う店舗も多く、生活に不自由しない点も特に子育てする家庭には魅力ではないだろうか。
鯖江市は子育てに役立つ支援が充実している。子育て支援も含めた鯖江市の移住支援を紹介する。
子育て支援 | 子ども医療費助成制度 |
鯖江市家庭育児応援手当支給事業 | |
子育て支援センターの一時預かり | |
祝小学1年生入学おめでとう事業 | |
就業支援 | 子育て世代応援企業移住就業奨励金 |
創業スタートアップ支援事業補助金 | |
新規就農者経営支援事業 | |
暮らし支援 | 住み続けるまちさばえ支援事業 |
子育て世帯等すまい支援 | |
空き家情報バンク |
鯖江市には「JK課」というユニークな市民共同推進プロジェクトがある。メンバーは全員女子高生で、鯖江市の街を楽しむ企画や活動を行っているため注目だ。
あわら市(あわらし)
出典:あわらで暮らそう|あわら市
あわら市は、海と山、川や湖など自然と水に恵まれたエリアだ。田舎のゆったりとした環境を堪能しながらも、JR北陸本線や北陸自動車道が整備されているため都市部の利便性も味わえる。
市内は農業が盛んで、四季折々のフルーツが美味しい。また野菜の栽培も多く行われ市内には自給自足でまかなえるほど食材があるため、もし災害が起きても食料への不安が少ない。
市内には保育施設が12ヶ所あり待機児童はゼロ。移住してすぐに子どもを預けて仕事もできるだろう。
子育て支援 | あわらっこ出産お祝い金 |
子ども医療費助成 | |
児童手当支給 | |
就業支援 | 創業支援 |
新規就農者支援 | |
暮らし支援 | 空き家取得等支援補助金 |
多世帯同居リフォーム支援事業補助金 | |
多世帯同居・近居促進事業補助金 | |
結婚新生活支援事業補助金 |
あわら市があるのは福井県の最北端。そのため石川県も通勤圏内だ。市内には製造業・農業・旅館業などの産業もある。
市内で就業するのはもちろん、北陸地方の他の県で仕事をするチャンスも広がっている。
越前町(えちぜんちょう)
出典:住もっせ!
福井県の海側で暮らしたいという人の夢をかなえてくれるのが越前町だ。
町内にある越前海岸は海岸美を堪能できるほか、夕日が沈む風景は日本の夕陽百選にも選ばれる絶景だ。海沿いには温泉もある。
越前町は4つの町村が合併していて、その中の宮崎村は伝統工芸の越前焼の故郷として知られる。ものづくりや伝統工芸に興味がある人にとっては関係した仕事に就ける機会があるかもしれない。
子育て支援 | 出産祝い金 |
チャイルドシート購入費補助 | |
すみずみ子育てサポート事業 | |
就業支援 | 伝統工芸職人塾 |
海の担い手育成支援事業 | |
起業、創業促進支援事業奨励金 | |
UIターン移住就職支援金(全国型・東京圏型) | |
暮らし支援 | 持ち家住宅新築促進事業 |
地域経済活性化促進事業 | |
多世帯同居住まい推進事業 | |
伝統的な古民家の耐震改修促進事業 |
越前町は住まいや暮らしに関する支援が充実している。詳しくは越前町の移住支援サイト「住もっせ!」をチェックしよう。
福井への移住は子連れ移住を考えているファミリー層におすすめ!
子育てする人たちを応援し幸せを感じる子育てができる福井県。子連れ移住を考えている人にとって福井県への移住は魅力的に感じるだろう。
県内だけではなく、市町によっても支援の種類が変わる。もし福井県へ子連れ移住を検討しているなら、子育て支援が充実している市町を優先に検討してみてほしい。