移住にあたり、大きな課題のひとつとなるのが「住む家をどうするか」という問題ではないでしょうか?
実は、移住定住の促進に力を入れている自治体のなかには、移住すると無料で住める家がもらえるという手厚い支援を提供している自治体もあります。
この記事で、家がもらえる条件や場所をチェックして、コストを抑えた地方への移住を検討してみましょう!


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移住のコストを抑えたい方へ!住宅支援が手厚い自治体がおすすめ


テレワークの普及によって場所を選ばず仕事を行える人が増えたこともあり、都会の喧騒から離れ田舎暮らしを検討する人が増加しています。
しかし、いざ移住するとなると様々なコストがかかってしまうので、躊躇してしまう人も多いはず…。
そんな方におすすめしたいのが、住宅支援を利用して移住コストを抑える方法です。日本の各自治体では、定住促進奨励金や、住宅建築補助、リフォーム支援など、さまざまな支援制度を用意しています。
そのなかでも、今回ご紹介したいのは「移住して無料で住める家をもらう」という方法。住む家を無料で手に入れることができれば、移住にかかるコストが大幅に軽減されるため、無理なく移住に挑戦することが可能です。
無料で住める家をもらう方法は?大きく分けて3つ


移住によって無料で住める家をもらう方法を見てみましょう。
- 空き家バンクの0円物件(無償譲渡物件)利用する
- 一定期間住み続けたらもらえる家を探す
- 直接交渉でもらえる家を探す
それぞれ詳しく解説していきます。
空き家バンクの0円物件(無償譲渡物件)を利用する
空き家バンクとは、自治体が空き家情報の提供を行い、空き家を買いたい人や借りたい人を募るサービス。有料の物件がほとんどですが、なかには0円の物件も存在しています。
なぜ無料の空き家が存在するのかというと、そこには税金や維持コストの都合が関係しているから。空き家の状態で放置していると、誰も住んでいないのにもかかわらず、相続税や固定資産税は毎年支払わなくてはいけません。
また、家を取り壊すにしても、取り壊し代や更地代、家具処分の費用など、数百や多いと数千万もの費用がかかってしまいます。
過疎が進んでいるような地方では、買い手はなかなか見つからないことも。このような事情で、無料であっても空き家を引き取って欲しいという人が存在するのです。
0円物件は、長らく空き家になっていたケースも多く、そのままでは住めない状態であることも少なくありません。そのため、家を手に入れてすぐに修繕や工事をする必要が出てくる可能性があります。
そのような場合は、移住者が住宅を修繕するための費用を負担してくれる自治体もあるので、うまく制度を利用してみましょう。




一定期間住み続けたらもらえる家を探す
移住支援制度のなかには、一定期間家賃を払い住み続けることで、最終的に家がもらえるという自治体も。
例えば、茨城県の境町では、25年間住み続ければ新築戸建住宅の家がもらえます。25年間の家賃は月額68,000円。リーズナブルな家賃で25年後にマイホームになるという、夢のような制度です。
ただし、この制度の対象は町外からの移住が優先であること以外に、子育て世帯もしくは新婚世帯などの条件があります。自身が条件を満たしているかをよく確認し、応募を検討するようにしましょう。
参考元:不動産情報|境町
直接交渉でもらえる家を探す
自治体や空き家バンクを経由せず、直接交渉でもらえる家を探してみるのも有効です。地方には、空き家バンクに登録していなくても、住めない状態の空き家を持て余している人も少なくありません。
地方に親戚や友人など知り合いがいる場合は、直接声かけをしてみると、空き家を手放したい人と繋げてもらえる可能性も。
移住を後押しする住宅支援制度


家がもらえるというもの以外にも、以下のような住居支援制度があります。
- 引越し費用の補助
- 家賃の補助
- 新築住宅取得にかかわる補助
- リフォーム費用の補助
- 住宅設備費用の補助
どれもお得な制度ばかりなので、利用できそうなものがあれば、積極的に活用してみましょう。
引越し費用の補助
自治体によっては、引越業者や運送業者に支払った金額を負担してくれる自治体も。
例えば、栃木県佐野市では、夫婦ふたりが39歳以下、所得が合わせて500万円未満という条件で、新居の住宅費用(購入費や、アパートの賃料・敷金など)と、引越し費用(引越業者・運送業者へ支払った費用)を、1世帯あたり最大30万円補助してくれます。
特に遠方からの移住である場合、引越し費用がかさんでしまいがちなので、このような制度を活用して少しでも負担を減らしたいですね。
家賃の補助
家賃は毎月かかるものなので、少しでも安く押さえたいと考える人が多いのではないでしょうか?そのような場合は、家賃補助制度のある自治体を選ぶのもおすすめです。
例えば、福岡県八女市では、夫婦の合計年齢が80歳未満である世帯、市税などの滞納がないことなどの条件で、月額の家賃から勤務先の住宅手当・共益費・駐車場使用料・管理費などを差し引いた実質家賃負担額の1/2(月額上限1万円)を、最長で36ヶ月補助してくれます。
移住したばかりだと、金銭的に心許ないことも多いですが、このような制度を利用して生活にかかるコストを抑えることが可能です。
新築住宅取得にかかわる補助
新築住宅取得にかかわる補助とは、地方に移住・定住するため、新たに住宅を建築する場合、その住宅取得費の一部を助成するという制度です。
例えば、群馬県桐生市では、取得した住宅の所有者であること、補助金の申請日から5年以上定住することを誓約した人などの条件で、住宅取得金額の10%(1,000円未満は切り捨て)または200万円のいずれか低い金額を上限に助成してくれます。
参考元:きりゅう暮らし応援事業(移住者住宅取得助成)補助金|桐生市
リフォーム費用の補助
リフォーム費用の助成とは、移住者が、売買または賃貸借契約を締結する空き家の改修に必要な費用の一部を助成するというもの。
例えば、長崎県雲仙市では、市内で新築住宅を取得または中古住宅を購入した移住者で、5年以上定住し、自治会に加入を誓約するなどの条件で、補助金を交付してくれます。
参考元:市内に住宅を取得する方を応援します!(雲仙市定住促進奨励補助金)|長崎県雲仙市


住宅設備費用の補助
住宅設備費用の補助とは、電気設備、排水設備、給湯設備などの改修・設置工事費など、住宅設備にかかる費用を補助する制度。
例えば静岡県浜松市では、夫婦などで移住し共に50歳未満である、市内の取得した住宅または市内の賃借した住宅に5年以上居住する意思を有するなどの条件で、住宅設備費用のほか、新築・取得費用、住宅賃貸費用などを対象経費の2分の1以内(1,000円未満切り捨て)で、上限100万円を支給しています。
参考元:ハマライフ住宅取得費等補助金(制度の概要)|浜松市移住促進ホームページ はじめよう、ハマライフ
無料で住める家がもらえる住宅支援がある自治体4選


ここからは、無料で住める家がもらえる制度を設けている自治体を4つ紹介します。
【北海道】北海道雄武町 移住宅地無料譲渡
出典:移住者へ無償で土地を差し上げます|雄武町
北海道の雄武町には、移住者に無償で土地を譲渡する制度があります。町有地の一部を移住者に無償で貸与し、一定期間内に住宅を建築した場合その土地が自分のものになるというものです。
非常に魅力的な制度ですが、土地を借りる契約を締結した日の翌年12月31日までに住宅を建築して住民登録すること、土地を譲り受けてから10年間は転居しないこと、第三者に貸し付けたり譲渡しないことといったルールがあります。
この土地で長く生活することが前提となっているので、しっかりと検討したうえで申し込むようにしましょう。


【東北】宮城県七ヶ宿町 新築一戸建てに20年住んでマイホーム
出典:まずは住まいを見つけよう。|七ヶ宿町移住定住ポータルサイト「しちかしゅ暮らし」
宮城県七ヶ宿町は、宮城県で一番人口が少ない町。人が少ないからこそ、何よりも「人を大切に」という想いで、移住者への手厚い支援を行っています。
支援住宅の対象は、40歳までの夫婦で、中学生以下の子どもがいる家族。月39,000円の家賃で住み続けると、20年後に家と土地を無償で譲ってくれるという制度を設けています。


【関東】東京都奥多摩町 0円空き家バンク
出典:0円空き家バンク|おくたま暮らし
年齢要件や定住要件に合致せず住宅支援を活用できない方でも、東京都奥多摩町の“0円空家バンク”であれば、条件を気にせず利用できます。
奥多摩町のホームページに0円空き家バンクの情報が掲載されているため、誰でも気軽に空き家を探せるのがメリット。
ただし、町はあくまで物件を手放したい人と物件を活用したい人のマッチングを行うのみ。物件の案内や譲り受けるための交渉などは、持ち主との直接交渉となるので注意しましょう。
また、物件は0円でも、契約や登記にかかる費用は自己負担となります。


【関東】茨城県 境町 25年住み続けたら無償譲渡
出典:不動産情報|境町
茨城県境町では、戸建住宅もしくはガレージハウスの2種類いずれかに25年住み続けたら、土地と住宅を無償譲渡するという取り組みを定期的に行っています。
町外から転入する方を優先に、子育て世帯もしくは新婚世帯、町の広報活動に協力できる方などの条件で、家賃は月額68,000円となっています。大人気の施策ですぐに満室となってしまうため、情報を注視しておきましょう。


住宅支援が手厚い自治体7選


全国には移住者に対して住宅支援を行っている自治体が数多く存在しますが、ここではそのなかから7つの自治体の支援制度について紹介します。
【北海道】北海道 赤井川村 300万円の住宅建設資金を支援
出典:くらしの情報|赤井川村
北海道赤井川村では、300万円の住宅建設資金を支援しています。
この取り組みは、村内に建築基準法その他関係法令に適合した住宅を新築し、その住宅に住所を有し、10年以上居住するということが条件です。
新築住宅を建築後、3年間は固定資産税が半額となり、税的な負担も抑えられます。赤井川村では、そのほかに、小・中学生の給食費無料、中学校卒業まで医療費無料と、子育て世帯に嬉しい制度が充実しています。


【中部】石川県 志賀町 移住定住促進住まいづくり奨励金最大200万円
出典:支援制度|しかまちくらし
石川県志賀町では、移住定住促進住まいづくりとして、18歳以上55歳未満までの方に奨励金を支給しています。
単身移住の場合、基本奨励金40万円と町内建設業者加算上限60万円を合わせて最大100万円。家族で移住する場合は、基本奨励金40万円と配偶者加算40万円、さらに子ども1人当たり20万円(3人まで)、町内建設業者加算上限60万円を合計して最大200万円が支給されます。
このほかにも、条件に当てはまれば家賃補助や空き家リフォームの助成も受けることが可能です。
【関東】群馬県桐生市 5年以上定住する方に最大200万円
出典:きりゅう暮らし、応援します|桐生市
群馬県桐生市では、住宅取得費やリフォーム工事費などの一部を助成するほか、首都圏から市への移住者に対して、一時的な経済負担を軽減するための補助金を出す取り組みを行っています。
取り組みのひとつである「住宅取得応援助成」という取り組みでは、住宅取得金額の3%(上限30万円)に加え、加算補助として夫婦加算、移住加算、子ども加算など、合計で最大200万円補助を受けられます。


【関西】和歌山県 有田市 空き家の購入及び改修などの費用助成
出典:移住推進空き家活用事業費補助金の募集について|有田市
和歌山県 有田市では、空き家・空き地バンクに登録された家の購入や改修、空き地へ新築する場合、その費用の一部の補助を受けることが可能です。
費用を助成してもらうには、市外に住んでいて空き家・空き地バンク利用登録した「移住者」であること、補助金交付後の10年間は有田市に定住する意思があることなどの条件を満たしている必要があります。


【四国】愛媛県松野町 住宅を新築した場合に100万円の奨励金
出典:定住促進奨励措置制度の延長について|松野町
愛媛県松野町では、10年以上居住する意思を持ち、定住するための住宅を新築または新築住宅を購入するなどの条件を満たした世帯に対して、定住住宅建築奨励金として100万円の奨励金を支給しています。
そのほか、町への定住を促進するため、他にも結婚祝金として100万円、出産祝金として第1子と第2子の場合10万円、第3子50万円、第4子70万円、第5子以上だと100万円の出産祝金を支給する取り組みを行っています。


【九州】鹿児島県薩摩川内市 対象区域に住宅を新築・購入した場合に補助金を最大150万円
出典:<転入者対象>定住住宅取得補助金|薩摩川内市
鹿児島県の薩摩川内市では、対象区域に住宅を新築または購入した移住者に対して最大150万円の補助金を支給する取り組みを行っています。
新築または購入した住宅に継続して5年以上定住する、市内業者を利用し、対象地域内に住宅を新築または購入する、住宅の価格が200万円以上などが条件です。
薩摩川内市の対象地域(甑島地域、樋脇町・入来町・東郷町・祁答院町・川内地域)への移住を希望される方は、ぜひこの制度を活用してみてくださいね。


【福島県】福島県北塩原村 県外からの移住で最大200万円の住宅取得補助
出典:【移住者向け】住宅取得支援について|北塩原村
福島県北塩原村では、移住者が新築住宅、建売住宅、中古住宅を取得する場合に、住宅取得経費の1/2を補助しています。
県外から移住をした場合には、補助基本額160万円に加え、3種類の加算対象要件を満たすごとに20万円が追加支給されるそうです。ただし、補助額は最大200万円(加算分含む)なので、計算ミスに注意してください。
県外から移住をした場合には、補助基本額160万円に加え、3種類の加算対象要件を満たすごとに20万円が追加支給されるそうです。ただし、補助額は最大200万円(加算分含む)なので、計算ミスに注意してください。


無料で住める家を最大活用!コストを抑えた地方移住へ


移住を考えるとき、「住まいをどうするか」という点が大きなハードルとなることも多いでしょう。
しかし、移住・定住のための魅力的な制度が全国各地で採用され、なかには無料で住める家がもらえる夢のような制度のある自治体も!
移住コストを最小限に抑えたい方は、このような取り組みを行っている自治体のなかから移住先を決定するのもひとつの手です。
また、移住者に対して手厚い住宅支援を実施している自治体も数多く存在するので、気になる移住希望先があれば、一度各自治体でどのような取り組みをしているのかリサーチしてみることをおすすめします。
ぜひ今回の情報を参考に、移住のハードルを下げてお得に地方移住を叶えましょう。



