空き家リノベーションの費用や補助金制度｜メリット・デメリットや成功させるポイントも

移住に伴って空き家を活用したとして、どのようにリノベーションすべきか、費用はどのくらいかかるのか気になっている方が多いのではないだろうか。

リノベーションは空き家を自分好みにつくれる以外にもメリットが多く、ポイントを押さえて実施することが大切だ。

本記事では空き家のリノベーションについて、メリット・デメリットや成功させるポイント、費用相場、補助金制度まで詳しく解説する。

空き家をリノベーションするメリット

空き家をリノベーションするメリットは、以下の4つだ。

• 自分好みの住まいをつくれる
• 住まいの性能を向上できる
• 資産価値が高くなる
• 倒壊や空き巣のリスクを避けられる

空き家を利活用する前に、メリットを一つひとつ理解していこう。

自分好みの住まいをつくれる

空き家は、入手したときにすべて希望通りとは限らないため、間取りや内装などで好みに合わないこともある。

リノベーションによって、間取りや内装はもちろん、設備の追加も検討できるため、自分好みの住まいを実現できる。

空き家をベースに新築住宅のように改修すれば、理想の暮らしを叶えられるだろう。

住まいの性能を向上できる

空き家の状態によっては、耐震性や省エネ性など性能面に不安が見られる場合がある。

リノベーションは住宅性能の向上にも効果的で、より安全かつ快適に過ごせる住宅に生まれ変わらせることができる。

たとえば、耐久性や耐震性を強化すれば、この先長く暮らせる住まいになるだろう。省エネ性能を重視すれば、節電や節水によって経済的なメリットを得られる。

資産価値が高くなる

住宅は築年数が新しく、劣化が少ないほど価値が高いため、一般的に空き家は資産価値が低くなる。

リノベーションを行えば住まいの性能を高め、内装や設備などを整えられるため、資産価値を高められるのがメリットだ。

将来的に住宅を売却したい場合には、資産価値の上昇によって利益を得られるだろう。

倒壊や空き巣のリスクを避けられる

空き家は人が住んでいない期間メンテナンスが行き届かず、劣化が早く進みやすい。

湿気やほこりなどで劣化が深刻になると倒壊のリスクが高まるが、リノベーションで改修すれば安全に暮らせる住宅になる。

また、人の気配が少ない空き家は、空き巣や放火などの犯罪のターゲットになりやすい。

そのままの状態で住むのは不安があるが、リノベーションで生まれ変わればターゲットになりにくくなる。

空き家のリノベーションを成功させるポイント

空き家のリノベーションでは、以下のポイントを大切にしよう。

• リノベーションの目的を明確にする
• 改修したい箇所の優先順位を決める
• 複数の施工業者を比較する

やみくもにリノベーションすると、暮らしにくくなったり、コストが多くかかったりするリスクがある。ポイントを押さえて、空き家リノベーションを成功させよう。

リノベーションの目的を明確にする

空き家をリノベーションする際は、まず目的を明確にしよう。主な目的は、以下が挙げられる。

• 自分自身で住む
• 売却する
• 賃貸する
• シェアハウスにする
• 店舗にする

上記の目的のなかでも、さらに細かくビジョンを決めると成功しやすい。

たとえば、自分自身で住む際には、「おしゃれな家に住みたい」「省エネ化したい」などの希望をハッキリさせると、リノベーションのイメージが明確になるだろう。

改修したい箇所の優先順位を決める

空き家の状態を確認し、改修したい箇所の優先順位を決めると、理想のリノベーションを実現しやすい。

優先順位を決めることによって、コストや時間を最小限にしつつ、暮らしのために必要な箇所の改修に力を入れられる。

間取りや内装、設備などから住まいで重視したい部分からリノベーションを計画していこう。

複数の施工業者を比較する

施工業者によって、リノベーションの技術やサービスが異なるため、複数の業者を比較するのがポイントだ。

ホームページには、サービスの特徴や実績が掲載されている。なかでも、実績は似た事例からリノベーションのイメージを膨らませやすいため、空き家の施工事例を確認しよう。

料金は、内訳まで細かく確認することが大切である。何にどのくらいかかるかを比較し、予算に合った施工業者を選ぼう。

また、リアルな声を比較したいときは口コミサイトが便利で、サービス内容やスタッフ対応など、さまざまな項目を比較できる。

空き家リノベーションの予算を決めよう！費用相場はどれくらい？

空き家リノベーションを実施するうえで、費用は気になるポイントである。ここでは、部分的・小規模なリノベーション、全体的・大規模なリノベーションの相場を紹介する。

部分的・小規模なリノベーションの場合

トイレやキッチンなど一部の部屋の改修、壁紙の交換など部分的なリノベーションでは、規模や内容に応じて数十万～500万円程度が相場だ。

部分的・小規模なリノベーションは、空き家の状態が比較的良い場合、売却を検討している場合におすすめ。

状態が良ければ、最低限のリノベーションでも暮らしやすくなる。売却するならリノベーションにコストをかけすぎず、劣化している箇所を改修するのが賢い選択と言える。

全体的・大規模なリノベーションの場合

全体的なリノベーションの費用は、戸建て住宅で500万円～2,000万円程度だ。あくまで相場であり、新しい設備のグレードや種類によっては、費用を抑えられる。

施工業者によっても費用に幅があるため、まずは見積もりを取るのがおすすめだ。リノベーションの範囲を検討したうえで、予算に合ったリノベーションを実施しよう。

空き家のリノベーションで活用したい補助金制度

空き家リノベーションに対して、補助金制度を利用できる場合がある。国と自治体に分けて、主な補助金制度を解説していく。

国の補助金制度

国では、空き家の利活用を課題とし、リノベーションや活用などを支援する制度を実施している。

空き家のリノベーションにおいては、空き家再生等推進事業が利用可能だ。空き家再生等推進事業の概要は下記の表を参考にし、公式ページで詳細を確認してみよう。

対象地域	全国
補助対象	空き家などの改修費用・空き家などの取得費・空き家の所有者を特定する費用
補助率	直接補助 2分の1・間接補助 3分の1
HP	https://www.mlit.go.jp/common/001091836.pdf

自治体の補助金制度

空き家の利活用は地方自治体の課題でもあり、自治体によってはリノベーションに対して補助金制度を実施している。

主な補助金制度は、以下の通り。詳細は公式ページで確認しよう。

制度名	自治体	補助金額
空き家活用支援事業	兵庫県	40万円～150万円
空き家リフォーム助成金	岡山県総社市	～30万円
移住促進のための空き家リノベーション等補助制度	三重県鈴鹿市	～100万円
空き家リノベ補助	福岡県北九州市	～100万円
空き家リフォーム補助制度	大阪府藤井寺市	～30万円

空き家リノベーションのデメリット

空き家リノベーションにはメリットも多いが、デメリットもいくつかある。デメリットを正しく理解し、リノベーションの検討や計画を進めよう。

• 費用が発生する
• 築年数によっては耐震リフォームが必要

費用が発生する

空き家をリノベーションするためには、当然費用がかかる。リノベーションする箇所や範囲によって費用が異なり、数十万から数千万円のコストがかかるため、予算には余裕を持たなければならない。

ただ、設備のグレードを落としたり、補助金を活用したりすることで、コストを抑えられる場合もある。まずは見積もりを取り、予算に合わせてコストを検討することが大切だ。

築年数によっては耐震リフォームが必要

日本の耐震基準は1981年に改正されているため、それ以前に建てられた空き家は耐震補強工事が必要になる。

間取りや内装などの変更よりも先に耐震リフォームが必要になるため、費用や時間がかかりやすいのがデメリットだ。

安全に暮らすために耐震リフォームは欠かせないため、空き家を入手する前に築年数や耐震性を確認しよう。

空き家を自分好みにリノベーションしよう

空き家をリノベーションすることによって、住宅性能の向上や資産価値の上昇などのメリットを得られる。

一方で、規模によってコストに幅があるため、複数の施工業者で見積もりを取り、予算に合わせて細かく計画するのがポイントだ。

また、空き家のリノベーションに対しては、国や自治体で補助金制度を実施している。賢く活用し、コストを抑えて理想の空き家リノベーションを実現しよう。