宮城県石巻市に「ふるさとワーキングホリデー(以下、ふるさとワーホリ)」を体験しに出かけた、今注目の若手俳優・樋口幸平さん。
前回はマンガ・アニメ好きの創作・交流活動拠点である「いしのまき MANGA lab. ヒトコマ」での仕事体験で、地元の子どもたちに缶バッジ作りを教えました。
子どもたちとの触れ合いの中で、「指導するというより、同じ目線で楽しむ」という世話好きな一面を見せてくれた樋口さん。
第3回となる今回は、ついに「マンガの街」である石巻市のシンボルとも言える「石ノ森萬画館」での仕事体験をレポートします!
今回はどんな素顔を垣間見せてくれるのでしょうか?
マンガ・アニメ好きにはたまらない「石ノ森萬画館」
「いしのまき MANGA lab. ヒトコマ」での仕事体験を終えた樋口さんと、「ふるさとワーホリ」の学生スタッフ、通称・ワカモノメンバーの玉井日向子さんと高橋せらさんの3人。
次に向かうのは、「マンガの街」として知られる石巻市を訪れたなら外せないスポット、「石ノ森萬画館」です。
北上川河口の中州に立つ「石ノ森萬画館」は、2001年にオープン。
「漫画はあらゆるものを表現できる無限の可能性を秘めたメディアであることから、もはや『漫画』ではなく万物を表現できる『萬画』である」と訴えたマンガ家・石ノ森章太郎先生が1998年に亡くなった後、その意志を受け継ぐべく完成した施設です。
来館者がマンガから夢や楽しさを十分に感じられるよう、「アミューズメント性」と「動き」にフォーカスした展示や常設展示に、企画展示室、オリジナルアニメシアターなどがあり、アニメ制作を体験できる工房も整備されています。
「石ノ森萬画館」に到着した樋口さんたち3人は、建物周辺に設置された数々のキャラクター像に目を奪われながらも、中へ。
ここでの仕事体験は、入館受付を手伝ったり、ショップでの販売や品出しを担当したりする予定になっています。
映像ホールでの「前説」や入館受付、グッズ販売に奮闘!
館内に入ると、まず目に入るのが受付。何と、受付のスタッフは「サイボーグ009」の制服を着用しています。こんなところにも石ノ森先生の世界観が再現されているのかと、3人は驚きを隠せない様子。
受付で、スタッフからこの日の仕事内容の説明を受ける3人。ここで、樋口さんへのサプライズな仕事依頼が。
「石ノ森萬画館」にある映像ホールでは、ここでしか見られないオリジナルの映像作品を上映しているのですが、その上映の前後に行う「前説」と「後説」を樋口さんに担当してほしいというのです。
樋口 是非!やらせてください!
この申し出に対し、樋口さんは笑顔で快諾。樋口さんが「前説」「後説」を行うことになった映像作品は、石ノ森先生が生み出した石巻のヒーローが活躍する「シージェッター海斗 -特別編-」です。
平成仮面ライダーシリーズを手掛ける制作陣・キャストを起用している、ここでしか見ることのできない贅沢な作品。
上映まで時間があったため、まずは館内を案内してもらうことに。
館内には石ノ森先生の原画や「仮面ライダー」「サイボーグ009」といった作品にまつわる展示物が所狭しと並んでいます。
中でも樋口さんの目を引いたのは、歴代仮面ライダーの仮面展示。スーパー戦隊でヒーローを演じた樋口さんは親近感を覚えたのか、立ち止まって一つ一つ丁寧に眺めていました。
館内見学が終わり、上映時間が近づくと、樋口さんは映像ホールへ。手渡された「前説」「後説」の台本を真剣に読み込んでいます。
そして、迎えた本番。集まった観客にスタッフが「今日はスペシャルゲストが来てくれています。誰が来てくれているんでしょうか」とアナウンスすると、期待でホール内がざわめきます。
そこに、樋口さんが登場。
樋口 スーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」でドンモモタロウ、桃井タロウ役を演じさせていただきました樋口幸平と申します。
自己紹介を聞いて樋口さんに気づいた親子連れも多かったのか、ホール内にどよめきと歓声、そして拍手が響き渡りました。
樋口 本日は「石ノ森萬画館」にお越しくださいまして、ありがとうございます。今から上映いたします「シージェッター海斗 -特別編-」は、仮面ライダーシリーズを手掛けた制作スタッフと当館スタッフにより実写化された、当館でしか見ることのできない作品となっております。上映時間は約15分です。上映中、ホール内でのご飲食と携帯電話のご使用はご遠慮ください。また、映像の撮影、録音は固くお断りしております。皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。それでは「シージェッター海斗 -特別編-」を上映いたします。最後までごゆっくり、お楽しみください。
樋口さんが淀みなく「前説」を終えると、「シージェッター海斗 -特別編-」の上映がスタート。
シージェッター海斗と怪人軍団ヒメラニアン帝国との戦いを描くストーリーの作品ですが、映像だけではなくシナリオも音楽も本格的で、約15分とはいえ見応えたっぷり。
上映後、「本日はご来場ありがとうございました」と、「後説」もスムーズにこなした樋口さん。ホール出口で親子連れとの臨時握手会を行い、石巻市に観光に来られた人々と触れ合うこともできました。
その後は、予定していた入館の受付とショップでの仕事を体験。
受付では来館者に館内説明を行い、ステッカーやマグカップ、プラモデルといった種類豊富なグッズが並ぶショップでは、来館者が買い求めるグッズをレジで時には手際よく、時には苦戦しながら袋に詰めていました。
樋口 初めてだったので、うまく商品が袋に入らなかった時、お客様を待たせてしまったらどうしようと思ってしまって。実際やってみると、すごく難しいと感じました。手早く袋に詰めていっているスタッフの方々はすごいなと思いました。今後買い物する時に店員さんが袋詰めに手間取ってしまっても、「いいんだよ」と笑顔で待ってあげようと思いました。
俳優になる前、学生時代は宅配ピザ店で、プロのサッカー選手を目指して上京した後は小学生を対象としたサッカーコーチのアルバイト経験があるという樋口さんですが、「石ノ森萬画館」での仕事体験はまたひと味違って新鮮で、新たな発見があったようです。
「ふるさとワーホリ」で泊まるのはどんなところ?
「ふるさとワーホリ」は地域で働くことだけではなく、暮らすことも体験できるのが魅力。
「石ノ森萬画館」でこの日の仕事体験は終了の予定でしたが、樋口さんたち3人は、実際に石巻市での「ふるさとワーホリ」に参加した人たちが宿泊する施設を見学しに行くことにしました。
「石ノ森萬画館」から車を約10分走らせ、到着したのがゲストハウス「Active Life Lab」。
運営している宮城了大さんは石巻市出身です。2011年の東日本大震災の際は学生で宮城県外に住んでいましたが、震災をきっかけに石巻市に戻ってきました。
小さい頃によく遊んでいた地元の海が津波による瓦礫などで遊べない海になってしまったことに衝撃を受け、ダイビングの資格を取り、海に潜っての清掃活動を始めた宮城さん。
今では、ビーチクリーンの活動の傍らゲストハウスを運営し、さらにはSUP(スタンド・アップ・パドルボード)やカヌーといったマリンアクティビティを通して自然と触れ合える機会をつくる活動を行っています。
3人は、宮城さんの案内で「Active Life Lab」を見学。
素泊り専門のゲストハウスで、建物中央には宿泊客が集まれる共有スペースを、建物の両脇には1~3人が泊まれる部屋を計8室用意していて、最大19人が泊まれる設計になっています。
宮城 農家さんのところで「ふるさとワーホリ」で働けば野菜をもらえることがありますし、漁業だと自分で海産物を獲ることもあります。共有スペースには自由に使えるキッチンもあるので、もらった食材を持ち寄って料理したり魚をさばいたりして食べることもできますよ。
樋口 おお~!
宮城 20人くらいが泊まれるので、大学生が貸切で合宿に使うこともありますよ。
玉井 今回もここに泊まりたかったな~。
高橋 絶対楽しいよね!
樋口 めちゃくちゃいいな。今度友達と絶対来る!
興奮を隠せない3人。残念ながら今回の「ふるさとワーホリ」体験では別のホテルに泊まる予定ですが、樋口さんはまた友達と訪れたいと思った様子。宮城さんに予約方法などについて質問していました。
これにて、石巻市での「ふるさとワーホリ」体験1日目は終了。
しかし「ふるさとワーホリ」でできることは、地域で働くことと滞在することだけではありません。余暇にはその地域ならではのアクティビティなどの「遊び」も楽しめるのも、大きな魅力。
樋口さんたち3人の「ふるさとワーホリ」体験2日目は、宮城さんのガイドの下でSUPを体験します!