「美ら海(ちゅらうみ)」などの大自然を満喫できる沖縄は、多くの方にとって憧れの移住先です。しかしそれゆえに、憧れだけを抱えて移住をし、沖縄移住を失敗してしまう方も少なくありません。
そこでこの記事では、実際に沖縄に住む前に知っておきたい移住支援制度(補助金)やメリット&デメリット、仕事・子育て環境、移住に向けた準備の方法に加え、沖縄本島限定で具体的なおすすめの移住先(自治体)を紹介します。
沖縄県移住する前に知っておきたい基本情報
日本の最西端に位置する県、沖縄。美しい自然環境はもちろん、ゴーヤチャンプルーや沖縄そばなどご当地グルメも名高く、国内屈指の知名度を誇ります。
本土の人間からすれば、自分たちとは異なる文化の根付いた一種の「非日常空間」のようにも見える沖縄は、旅行先のみならず移住先としても大人気。
まずは、そんな沖縄の基本情報から確認していきましょう。
地理
沖縄は日本の最西端にある、本島と39の有人離島で構成された自然豊かな県です。県土の総面積は2,282平方キロメートルで、国内で4番目に小さな県として知られています。
本土からの移動や島同士の行き来には飛行機やフェリーが利用されますが、県内では主に車が交通手段として活躍しています。
特に、県南から県中央にかけてまたがる「沖縄自動車道」は、県民の暮らしにも観光客の移動にも欠かせない重要なインフラのひとつです。
参考元:全国からみた沖縄県( 総括表 )|沖縄県統計資料WEBサイト
人口
沖縄の人口は、2024年4月1日時点での推計で1,462,046人。男性が719,264人、女性が742,782人と、男女の比率はほとんど変わりません。
総務省の人口推計によると、2024年5月時点での国内総人口は1億2,393万人とされています。日本の人口のうち、およそ1.18%が沖縄に住んでいる計算です。
居住者が集中しているのは県庁所在地である那覇市で、310,431人と沖縄県民のおよそ5人に1人が住んでいます。一方で、沖縄北部は128,234人と人口が少なめです。
気候
驚くべきことに冬でも気温が10度を下回ることはほとんどありません。本土からは想像もできない、別世界とも言える温暖な気候です。
最高気温が30度を超える日も例年80日以上あり、イメージ通りマリンスポーツを楽しむにはもってこいのエリア。
参考元:沖縄について|おきなわ島ぐらし
産業
沖縄の産業活動を支えているのは、やはり観光業です。
2019年には1千万人以上の旅行者が訪れるなど、沖縄は国内有数の観光地。経済活動もそれを前提に発展し続けています。
観光以外の分野では、モズク・サトウキビ・ゴーヤといった海産・農産物の本土への輸出が有名です。特にゴーヤは本土の学校給食にも採用されるほど、栄養豊富な一品として愛されています。
沖縄移住のメリット|国内屈指の人気エリア
続いて、移住先として見た場合の沖縄のメリットを確認していきましょう。沖縄移住で得られるメリットは、大きく分けて以下の5つです。
- 大自然とともに生きられる
- 年間平均気温「22.7度」と温暖な気候
- 花粉症に悩まされる心配が少ない
- 都会よりも家賃が安い
- 沖縄ならではのおおらかな県民性
大自然とともに生きられる
沖縄移住のメリットとしてまず挙げたいのが、なんと言っても大自然とともに生きられること。
沖縄は現地の言葉で「美ら海(ちゅらうみ)」と呼ばれる、比類するもののない美しい海に囲まれた県。
一年中温かな気候ゆえにマリンスポーツを楽しめる時期も長く、スキューバダイビングにサーフィンに釣りにとレジャーを堪能しながら生きていける土地です。
10月ごろまでアロハシャツに短パンで過ごせるなど、開放的な日々を過ごせるのも魅力のひとつ。都会のように遊び場に困ることも少なく、子どもものびのび育てられます。
年間平均気温「22.7度」と温暖な気候
上述の通り、沖縄の年間平均気温は22.7度。国内でも屈指の暖かい地域で、寒さを心配する必要はほとんどありません。
しかも、沖縄は風が強いため、気温は高くとも時期によってはほど良く涼しく感じます。
台風シーズンや雨には気をつける必要があるものの、冬の寒さが苦手な方にとって、これ以上の国内移住先は存在しないでしょう。
花粉症に悩まされる心配が少ない
実は、沖縄は花粉症に悩まされている方にとってのおすすめ移住先でもあります。
と言うのも、沖縄は本土と比べてスギやヒノキが少なく、これらの花粉症が発生しにくいのです。
スギやヒノキが少ない理由は、台風で倒れてしまうから、あるいは戦後の植林政策に巻き込まれなかったから、といわれています。
実際には、沖縄でもリュウキュウマツやサトウキビの影響で鼻がムズムズする人もいます。しかし、スギやヒノキに花粉症の症状が出ても、沖縄の植物には反応しないケースもあります。
都会よりも家賃が安い
都会に比べて圧倒的に家賃が安いことも、沖縄移住の嬉しいメリットです。
知っての通り、都会ではワンルームでも月額10万円近くすることもあります。しかし沖縄であれば、家賃4万円ほどで2DKや2LDKの物件が簡単に見つかります。これまでの半分以下の家賃で、より広い家に住むことも夢ではありません。
また、仮に沖縄でも家賃に10万円ほどを支払えるのなら、新築のマンションにだって住めます。理想の住環境を見つけられるでしょう。
沖縄ならではのおおらかな県民性
沖縄県民は、おおらかでゆったりとした性格の明るい人が多いといわれています。よく聞くのが、「ウチナータイム(沖縄タイム)」という言葉です。
ウチナータイムとは、沖縄の人々の時間感覚を表した言葉。約束やイベントごとが予定時刻をオーバーしてから始まりやすいことを指します。
もちろん、個人の性格や約束の内容によっても実態は異なります。
しかし、全体としておおらかな方が多いのは事実です。電車が3分遅れてイライラするような、都会での日々とはまったく異なる穏やかな暮らしを実現できるでしょう。
参考元:沖縄について|おきなわ島ぐらし
沖縄移住のデメリット|「最悪」や「帰りたい」の声も?
上述の通り、たくさんのメリットがある沖縄移住。しかし一方で、実は沖縄移住では「最悪」や「帰りたい」といった声も後を絶ちません。
これは、沖縄移住には知っておくべきデメリットもたくさん存在するからです。
- 台風や湿気対策は必須
- 仕事が見つかりにくいことも
- 輸送費の関係で物価が高め
- 離島など子どもの通学が大変なケースも
- 都会の娯楽は少ない
- 移住支援金制度を実施している自治体が少ない
憧れだけを抱えて沖縄に移住してしまえば、失敗のリスクも高まります。一つひとつデメリットを確認していきましょう。
台風や湿気対策は必須
特に気をつけておきたいのが、沖縄では台風や湿気対策が必須なこと。
先ほど、沖縄は温暖な気温で過ごしやすいと紹介しました。これは事実ですが、一方で、夏~秋にかけて接近する台風や湿気の対策は必須です。
現存する沖縄の家屋は、台風対策も行き届いています。しかしそれでも、ときには大規模な停電が起こるケースもあり、食料を買い込んでおくなど自分でできる対策が求められます。
また、湿気で家や車がダメにならないように、こまめに手入れする必要もあるでしょう。
仕事が見つかりにくいことも
離島である沖縄は、都会に比べると働ける場所が少ないです。「移住先でどうにかなるだろう」と甘く見てしまった場合、なかなか仕事が見つからず追い込まれてしまうこともあります。
また沖縄は、令和5年度の時点で最低賃金が896円。これは岩手に次ぐ全国ワースト2位です。ドクターなどの一部の専門職を除いて、高給の仕事を見つけるのは難しいかもしれません。
輸送費の関係で物価が高め
沖縄にものを運ぶためには、船か飛行機による輸送費がかかります。そのため、特に一部の生鮮食品は本土と比べて販売価格が高めです。ガソリンも本土より1Lあたり2円~7円ほど高いです。
加えて、通販やオークションで商品を購入する際にも、「送料無料(※沖縄や離島は別)」のように別途費用がかかってしまうケースも多いです。
離島など子どもの通学が大変なケースも
沖縄のなかでも離島に住む場合は、子どもの通学も大変です。毎日、本島の学校に通うのが大変で、高校生になるタイミング(15歳)で島から出て寮に入る子もいます。
また、離島でなくても、住む場所によってはスクールバスの利用や両親の車での送迎が必要となるでしょう。
都会の娯楽は少ない
都会では当たり前の娯楽が、沖縄には少ない点も再確認しておきましょう。
設備の充実したジム、若者があふれんばかりに集まるクラブなど、煌びやかな娯楽は沖縄には少ないです。「お肉を食べに行こう!」と思い立っても、選べる店舗数は東京や大阪などの都会と比べるとどうしても少なくなります。
美しい海などの沖縄ならではの魅力がたくさんある代わりに、都会のメリットは存在しません。自分のライフスタイルを思い返して、本当に沖縄で楽しい日々を過ごせそうか、検討する必要があります。
移住支援金制度を実施している自治体が少ない
意外と見落としがちなデメリットが、沖縄は移住支援金制度を実施している自治体が少ないことです。
東京23区に住んでいる方が移住する場合、多くの自治体では「移住支援金」の受給対象となります。
これは都心への人口集中を緩和するための制度で、単身でも最大60万、世帯で最大100万円と高額な給付金です。
沖縄でも移住支援金制度が2023年11月8日よりスタートしました。
実施自治体は年度により異なりますが、2024年度は本島ではうるま市・国頭村・本部町の3自治体のみとなっています。
参考元:移住支援金|地方創生
参考元:【東京圏から移住をお考えの皆様へ】移住支援金制度のご案内!|沖縄県
参考元:令和6年度「地方創生移住支援事業」実施都道府県・連携市町村一覧
沖縄移住を後押しする支援金・補助金制度
沖縄は移住支援金制度の実施自治体が少ないものの、活用できる自治体においては、移住の費用負担を軽減できる心強い制度であることは間違いありません。
移住支援金制度を実施している自治体を移住候補地として検討したい方は、ぜひ制度の詳細をチェックしておきましょう。
また、自治体によっては独自の移住支援補助金を用意している場合もあります。あわせて確認してみてください。
移住支援金・起業支援金
移住支援金・起業支援金とは、地方自治体が主体となって取り組んでいる支援金制度で、国の地方創生事業の一環として実施されています。
- 移住支援金
東京圏から地方への移住者を対象とした支援金制度です。受給条件を満たすと、単身の場合で最大60万円、世帯の場合で最大100万円の給付が受けられます。
さらに、18歳未満の子どもがいる世帯の場合は、子どもひとりにつき最大100万円が加算されるのも大きなメリットです。
- 起業支援金
地方で起業する場合に最大200万円の助成を受けられる制度です。
沖縄でも、沖縄県スタートアップ起業支援事業を実施しているので、沖縄で起業予定の方は公募ホームページをチェックしておきましょう。
なお、移住支援金と起業支援金はセットで受給することも可能です。
移住支援金の実施自治体に移住して起業する場合は、最大300万円の支援金を受け取れます。
それぞれの受給要件をしっかり確認してぜひ活用しましょう。
参考元:移住支援金|地方創生
参考元:起業支援金|地方創生
自治体独自の移住支援補助金
移住支援金の実施自治体が少ないことは沖縄移住の難点ですが、自治体によっては独自の移住支援補助金を交付している場合があります。
例えば、南城市では、旧知念村地域へ移住した方を対象に移住定住支援補助金制度を設置。
支給要件を満たすと、新築・改築・購入費用として最大50万円が支給されます。また、新築や購入などを伴わない引っ越し(転入・転居)の場合でも、県外からの移住であれば10万円が定額で補助されます。
補助金は移住を大きく後押ししてくれる制度です。移住希望の自治体に独自の補助金制度がないか、一度問い合わせてみると良いでしょう。
参考元:【補助制度】知念地域 移住定住支援補助金について|南城市
沖縄の移住支援|仕事編
移住先として人気の沖縄では、仕事にまつわる支援が充実しています。沖縄で仕事を探す際には、次のような就業支援サービスをぜひ活用しましょう。
- りっか沖縄
- 沖縄バイオ人材マッチング
- 沖縄県キャリアセンター
- ITキャリア沖縄
りっか沖縄
りっか沖縄とは、県外からのUIターンを推進し、若年者の県内就職を促進・支援する事業のことです。
求人・企業情報の掲載やイベント情報の発信のほか、県内企業とのマッチングやキャリア相談、模擬面接など幅広い支援を提供しています。
東京・大阪にもサポートセンターを設置しているので、沖縄になかなか足を運べない方も移住後の仕事について気軽に相談できます。
沖縄バイオ人材マッチング
亜熱帯性気候特有の豊かな生物資源を有する沖縄では、バイオ産業の発展・振興に向けた取り組みも行われています。
沖縄バイオ人材マッチングはこうした取り組みを支援するために開設された、バイオ人材専門のマッチングサイトです。
医療・健康・食品・創薬・化粧品・環境などのバイオ系分野において、県内企業と日本全国の優秀な人材を結び付ける場を提供しています。
沖縄移住後にバイオ分野でのキャリア構築を目指したい方はぜひ活用してみましょう。
沖縄県キャリアセンター
沖縄県キャリアセンターでは、主に15歳~40代前半までの方を対象にさまざまな就職支援を行っています。
キャリアコーチによる就職相談・キャリアカウンセリングのほか、面接対策などに役立つ各種セミナーなども開催。各サービスは無料で利用可能です。
就職相談やキャリアカウンセリングはオンラインで簡単に予約できるので、移住後の仕事探しにぜひ役立ててみてください。
ITキャリア沖縄
ITキャリア沖縄とは、システムエンジニアやWebデザイナーなどのIT人材に特化した転職支援サービスです。
沖縄の主要産業といえば観光業ですが、実はIT産業も沖縄が大きく注力している分野のひとつ。
ITキャリア沖縄に登録すると、県内IT企業の最新の求人情報をチェックできるほか、IT転職に精通した専門コーディネーターによる転職・移住サポートが受けられます。
県内のIT企業が集結する移住・転職イベントも開催しているため、沖縄にIT移住を検討している方はぜひチェックしておきましょう。
沖縄の移住支援|住まい編
生活の基盤となる住まい探しは、移住準備における重要なポイントのひとつです。
沖縄では、住まいにまつわる移住支援として、次のようなサポートを実施している自治体もあります。
- 定住促進住宅
- 宅地の分譲販売
- 空き家バンク
こうした制度を利用することで、住まい関連の費用負担を抑えられるメリットがあります。ぜひチェックしておきましょう。
定住促進住宅
定住促進住宅とは文字通り、移住者の定住促進を目的とした賃貸住宅のこと。
通常のアパートなどと比べて家賃が安い傾向にあるため、移住後の生活費の負担を軽減できるのが大きなメリットです。
沖縄本島では、国頭村・東村で定住促進住宅を整備しています。
国頭村の定住促進住宅は空き家を活用したもので、公式サイトで不定期に入居者を募集しています。
東村では戸建てタイプと集合住宅タイプの2種類の定住促進住宅を用意。気になる方は、空き状況なども含めて公式サイトをチェックしてみましょう。
参考元:国頭村定住促進空家活用住宅(与那)の入居者募集について|国頭村(過去の募集例)
参考元:定住促進の取り組み|東村
宅地の分譲販売
大宜味村では、定住促進を目的とした宅地分譲地の販売を実施。分譲販売は不定期で実施されます。
沖縄でマイホームを取得したい方は、販売情報を見逃さないよう、大宜味村の公式サイトを都度チェックしておくと良いかもしれません。
空き家バンク
空き家バンクとは、空き家を売りたい(貸したい)人と空き家を買いたい(借りたい)人とをつなぐマッチングサービスのことです。
移住後の住まいを格安で手に入れられるのが最大のメリットで、多くの自治体が移住支援として空き家バンクを運営しています。
現時点で沖縄には県公式の空き家バンクはなく、一部の自治体が参加する全国版の空き家バンクもほとんど掲載物件がない状況です。
しかし、自治体によっては今後の導入を検討しているケースもあります。
「沖縄らしい赤煉瓦の古民家に住みたい」という方は、移住希望先の自治体に一度相談してみましょう。思いのほか良いご縁が見つかるかもしれません。
沖縄の移住支援|結婚・子育て編
沖縄では、次のような補助金・支援制度を用意して、結婚から出産・子育てまでを手厚くサポートしています。
- 結婚・出産・子育てにまつわる各種補助金
- 沖縄子育て応援パスポート
- 沖縄県バス通学費等支援事業
- 沖縄県子育て総合支援事業
子連れでの移住を検討している方や、移住後に結婚・出産を視野に入れている方はしっかりチェックしておきましょう。
結婚・出産・子育てにまつわる各種補助金
沖縄では、出産や子育ての経済的負担を軽くするために、さまざまな補助金制度が整備されています。
その代表的なものが、2023年1月から全国で順次スタートした「出産・子育て応援交付金」です。これは、妊娠届出時に50,000円、出生届出時に50,000円が交付されるものです。
沖縄では、本島にある26自治体のうち、沖縄市・名護市・うるま市などをはじめとした19の自治体が制度を導入しています(2024年5月時点)。
さらに、一部の自治体では独自の出産祝金や子育て支援金制度も設けています。
例えば今帰仁村では、子どもが生まれた方に対して「今帰仁村すこやか子育て支援金」を交付。第1子の誕生で20,000円、第2子30,000円、第3子70,000円、第4子以降では10万円といった支援金が用意されています。
また、国頭村では、独自の出産祝い金のほか、結婚祝金として20万円を支給しています。
参考元:妊婦・子育て家庭への伴走型相談支援と経済的支援の一体的実施(出産・子育て応援交付金)|こども家庭庁
おきなわ子育て応援パスポート
「おきなわ子育て応援パスポート」は、沖縄県が子育て家庭を支援するために導入した制度です。
このパスポートを持参すると、県内の対象店舗や施設でおトクな割引・サービスなどの特典を受けられます。
対象は18歳未満の子どもがいる家庭、または妊娠中の方がいる家庭です。
パスポートは無料で発行してもらえるので、ファミリーで沖縄に移住する方はぜひ活用しましょう。
参考元:おきなわ子育て応援パスポート
沖縄県バス通学費等支援事業
沖縄県では、高等学校等奨学のための給付金受給世帯などを対象に、県内の高等学校・国立高等専門学校に在籍する高校生、および県立中学生のバス通学費用をサポートしています。
交付されたバス利用券を使用することで、自宅から学校までの区間におけるバス代が無料となります。
家計の経済負担軽減に役立つ支援なので、公式サイトで要件などを確認し、該当する場合は活用を検討してみましょう。
参考元:沖縄県バス通学費等支援事業(バス・モノレール通学費支援)|沖縄県
沖縄県子育て総合支援事業
沖縄県では、子育て総合支援事業を通して、経済的事情により塾へ通うのが困難な家庭の子どもたちに対する学習支援を無料で行っています。
具体的には、小学1年生から中学3年生までを対象とした小中学生無料塾の設置や、進学希望の高校生を対象とした学習支援を実施しています。
また、県外大学などへの進学を目指す高校生に対しては、進学塾での学習支援を無料で提供。
子どもたちの将来の可能性を広げるためのサポートを実施しています。
参考元:沖縄県バス通学費等支援事業(バス・モノレール通学費支援)|沖縄県
リアルな沖縄暮らしを体感できる移住体験住宅
「いきなり沖縄に移住するのはちょっとハードルが高い」「沖縄が本当に自分に合っているか分からない」と感じる方にぜひ利用してもらいたいのが、移住体験住宅です。
一定期間滞在して沖縄のリアルな暮らしを体験できるので、移住後のギャップを減らすことができます。
本島では、国頭村・東村の2つの自治体が移住体験住宅を整備しています。
国頭村移住体験住宅
本島最北端に位置する、豊かな自然に恵まれた国頭村。
国頭村では、移住希望者を対象に2棟の移住体験住宅を用意しています。
どちらの住宅にも、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどの生活必需品が備え付けられているため、最低限の荷物で気軽に移住生活を体験できるのが魅力です。
1泊~90泊まで滞在可能なので、仕事などの都合に合わせてお試し移住期間を決めましょう。
参考元:国頭村移住体験住宅|国頭村
東村子育て田舎暮らし体験
国頭村と同じく豊かな自然の宝庫である東村では、アパートタイプの移住体験住宅を整備しています。
概ね45歳未満の子育て世帯を対象としており、宿泊費用は1泊あたり1,500円から、最大13泊まで滞在可能です。
アパートタイプなので、東村への移住を希望する方々との交流を楽しめるメリットもあるでしょう。
沖縄県の移住体験ツアー情報などは「おきなわ島ぐらし」をチェック!
出典:おきなわ島ぐらし
移住前に現地の様子を知りたいなら、移住体験ツアーに参加するのもおすすめです。
沖縄県の公式移住応援サイト「おきなわ島ぐらし」では、移住体験ツアーなどの情報をまとめてチェックできます。
過去には、国頭村でのオーダーメイド型移住体験ツアーや、大宜味村で地域行事に参加できる移住体験ツアーなど、趣向を凝らした魅力あるツアーが開催されました。
ほかにも、おきなわ島ぐらしでは移住セミナーや相談会、地域おこし協力隊や求人情報、入居者募集の物件情報など、移住に関する最新情報を発信しています。
先行移住者のインタビューも掲載しているため、移住前の情報収集には重宝するでしょう。お知らせページは定期的に更新されているので、頻繁にチェックすることをおすすめします。
沖縄移住前に行うべき準備|失敗&後悔しないために!
たくさんのメリットがある一方で、デメリットにも気を配りたい沖縄移住。
魅力的な移住先であることは間違いありませんが、成功のためには相応の準備が必要となります。それでは、失敗&後悔しないための、沖縄移住の準備方法を見ていきましょう。
老後だから?シングルマザーだから?移住の目的を再確認しよう
必ず最初に行いたいのが、「なぜ沖縄に住みたいのか?」と自分に問いかけ、移住の目的を明確化することです。
移住は人生のなかでも大きなライフイベントです。住まいを変え、場合によっては仕事も変え、新しい場所で新しい人と人付き合いをはじめていく。後悔しない形で成し遂げるには、相応のエネルギーが求められます。
- 老後に夫婦で海の見える場所に住むのが夢だった
- シングルマザーに優しい田舎で子どもをのんびりと育ててあげたい
- 沖縄の穏やかな時間の中で、満員電車に乗らない生活がしたい
- ともかくマリンスポーツを楽しみ尽くしたい!
移住の目的は何でも大丈夫。その目的を、自分の中でハッキリと言葉にして理解しておくことが大切だ。
万が一、すべてを投げ出して帰りたくなってしまったときにも、何を目的に沖縄に来たのかを思い出せれば、あらためて現在の生活の良い面に目を向けられるだろう。
転職?リモートワーク?沖縄移住後の仕事を見つけておく
上述の通り、沖縄は求人の数も最低賃金の面からも、仕事が充実しているとは言えません。
現在の仕事をリモートワークで続けるにしても、新たに沖縄で就職するにしても、移住後の収入の柱となる仕事を見つけておきましょう。
移住後は役所で手続きをしたり、近所のコミュニティに溶け込もうとしたりと、何かと忙しいもの。仕事が未定のまま引っ越しては、思うような求人が見つからず焦ってしまいがちです。
自治体によっては、就農支援などを用意していることもあります。このような場合も、移住してから相談するのではなく、移住前に必ず問い合わせてみましょう。
おおまかに住みたいエリアを決めていく
目的と仕事面をある程度検討できたなら、沖縄の中でどのエリアに住みたいのかおおまかに決めていきましょう。
沖縄の中で移住支援が充実しているのは、離島や本島北側です。ただし、生活の利便性を重視するなら那覇もある本島の南側が良いでしょう。
通勤通学の手段や、スーパーのような日用品の購入場所、いざというときの病院。
移住前に参加できる短期体験やイベントをチェック
おおまかにエリアを決められたなら、そのエリア内で移住短期体験やイベントに参加しましょう。
どれほど入念に下調べをしたとしても、やはり現地に降り立ってはじめて理解できることはあります。
移住体験により、「こんなはずでは…」というネガティブな気づきも、「思っていたよりも何とかなるな!」というポジティブな発見も得られるはずです。
旅行で沖縄に来たことのある方も、住むとなればまた違った視点で確認できるでしょう。
家探しはスピード感が大切
体験も経て、沖縄でも楽しく暮らせる確信が得られたなら、いよいよ物件選びです。
沖縄移住での物件選びは、ほかの自治体に引っ越す場合よりもスピード感が大切となります。移住先として人気で、良い物件はあっという間に埋まってしまうためです。
「2LDK以上に住みたい」「海が見える場所が良い」「古民家暮らしに憧れる」など、自分の譲れない条件を書き出しておき、良い物件が見つかり次第問い合わせてみましょう。
物件検索では、SUUMOなどの大手物件紹介サイトのほか、「うちなーらいふ」のような沖縄に特化した紹介サービスも頼りになります。
自分から地域に溶け込む意識を忘れずに
無事に物件も見つかったなら、ついに沖縄移住を始めるときです。憧れの沖縄移住を開始する前に、もう一度、自分から地域に溶け込むことを意識しましょう。
移住では現地の方に対して、自分から溶け込む姿勢を見せるかどうかが、今後の住みやすさを大きく左右します。
積極的に地域に溶け込もうとする方と、自分に合わせるべきだと傲慢に振る舞う方では、近所の方の対応も変わって当たり前です。
特に、沖縄は移住者の多い地域。以前に迷惑をかけた移住者がいたなどで、新参者に対して警戒心を抱いている方もいます。
お互いに気持ち良く過ごすためにも、引越し後は近所の挨拶回りからはじめましょう。
ときには計画を変更する柔軟さも必要
最後に覚えておきたいのが、移住を成功させるためには、ときには計画を変更する柔軟さも大切であることです。
沖縄に限らず、移住では何もかも想定通りに行くことの方が少ないもの。ほとんどの場合、一生懸命考えたプランを修正すべき瞬間がやってきます。
計画を修正することは、決して取り返しのつかないトラブルではないのだと知っておきましょう。
いざ計画を変更するときが来たならば、パニックにならず、「まあ何とかなるだろう」とおおらかな心で受け止めましょう。それができれば、あなたも立派な沖縄県民です。
【沖縄本島編】移住支援の充実したおすすめの自治体(市町村)5選!
最後に、沖縄本島で移住におすすめの自治体(市町村)を紹介します。いずれも沖縄の中では、移住支援に積極的に取り組む自治体です。
自分や家族のライフスタイルに合った場所はどこか、ぜひ吟味してみてください。
名護市(なごし)
子育てを重視して沖縄に住みたい方には、あけみおのまち「名護市」がおすすめです。沖縄本島の北部に位置するものの、那覇から車で1時間半で到着する、比較的アクセスの良好なエリア。
名護市は総人口が63,554人と、寂れすぎていない街。保育園から大学まで学校もあり、病院やスーパーもたくさん存在するなど、子育て生活に必須の施設が充実しています。
こども医療費助成により高校生までの医療費を助成してもらえるほか、認定こども園の保育料や食材料費も無償(月5,400円まで)。小中学校の給食費も無料であるなど、子育て施策が充実しています。
親子ともにのびのびと暮らせるでしょう。
国頭村(くにがみそん)
沖縄本島の北端に位置するのが、国頭村。人口は4,517人と少なく、村域の84%が森で占められているというまさに大自然の中の村。
2021年7月には「やんばる国立公園(注:やんばるとは「山原」を意味する言葉)」が世界自然遺産に登録されるなど、近年は注目度も増加中。
村内には空き家を活用した定住促進住宅も整備されています。
また、2棟の移住体験住宅があり、1泊あたり1,000円~3,000円と安価な費用で現地の生活をお試し可能。最大90泊まで対応しているので、まずは憧れの沖縄に降り立ってみてはどうでしょうか。
東村(ひがしそん)
出典:移住定住等支援制度|東村 おきなわ島ぐらし
国頭村のひとつ下に位置するのが、東村。ツツジが村のシンボルの花とされており、「花と水とパインのむら」をうたった穏やかな地域。実は、パインの生産量は日本一だそう。
人口は1,598人と国頭村よりもさらに少ないものの、保育園から中学校までの学校が存在。
さらに、18歳までの医療費助成や出産祝い金の支給、体育施設の無料開放など、大人も子どももゆったり暮らせる村づくりを進めています。
戸建て・集合住宅タイプの2種類の定住促進住宅を用意しているほか、東村子育て田舎暮らし体験住宅という移住体験施設もあります。
今帰仁村(なきじんそん)
世界遺産である「今帰仁城跡」で有名なのが、今帰仁村です。本島の真ん中辺り、ぷっくら膨らんだ部分に位置しています。
村土の大部分が海に面しているうえ、少し西に足を伸ばせば沖縄美ら海水族館があるなど、城跡だけでなく海の魅力も堪能できる村です。
総人口は8,894人と多すぎず少なすぎず、学校施設は保育園から高校までとほど良く揃っています。
支援制度には、出産祝い金の支給や、今帰仁村こども医療費助成制度(中学生まで医療費無料)があります。
うるま市(島しょ地域)
出典:移住定住等支援制度|うるま市 おきなわ島ぐらし
最後に紹介するのは、沖縄本島の中心であるうるま市の島しょ地域です。うるま市は本島部分と島しょ地域で分かれているが、島しょ地域はここ10年間で20%住人が減るなど、人口減が進んでいます。
そのため、島しょ地域は沖縄では珍しく積極的に移住者を迎え入れています。専門の地域コーディネーターを窓口に設置しており、移住希望者が気軽に問い合わせられるのが◎。
制度面でも、お試し移住ツアーの実施や空き家マッチングサポートなど充実。貴重な移住を希望してくれる人材として、可愛がってもらえるはず。
沖縄移住の実現に向けて|現実を理解して準備を行うことが大事
この記事では、沖縄移住の実現に向けて、メリット&デメリット、失敗&後悔しない準備の進め方、移住支援の充実したおすすめの自治体5つを紹介しました。
沖縄は国内でも屈指の人気移住先だが、だからこそ憧れだけにとらわれるのではなく、現実を見据えた準備を進めましょう。
仕事面の対策など、ひとつずつ適切に準備を進めれば、憧れの沖縄移住はすぐそこです。
移住に失敗しないためには、自治体担当者をはじめとする現地の人々とのコミュニケーションも大切となります。まずは、気になる自治体に問い合わせてみてください。