美味しい食べ物や利便性の高さなど、多くの魅力がある福岡県。福岡県へ移住を考える場合、住み心地や仕事のこと、子育て環境などさまざまなことが気になるかもしれません。
この記事では、福岡移住のメリット・デメリットや県全体の移住支援政策、移住におすすめの市町村などをご紹介します。
移住する前に知っておきたい福岡県の基本情報


九州最大の都市である福岡県。陸・海・空の交通の結節点となっており、九州およびアジアの玄関口でもあります。
ラーメン、もつ鍋、水炊きなど福岡県ならではの郷土料理や、採れたての海の幸など、食べ物が美味しいのも福岡県の魅力のひとつ。
福岡県は、一度暮らしたら「離れたくない」と答える人が多い住み良い都市で、移住先としても大人気です。
まずは、そんな福岡県の基本情報から確認していきましょう。
地理
福岡県は九州の北に位置する都市。総面積は約4,987平方キロメートルで全国29位の大きさです。
29市・29町・2村の60市町村で形成されており、それぞれ「北九州」「福岡」「筑後」「筑豊」の4つの地域に分けられています。
福岡県は九州と本州の結節点となっており、国内では最も朝鮮半島に近い場所に位置していることもあり、古くからアジアの玄関口としての役割も果たしてきました。
人口
福岡県の人口は年々増加傾向にありますが、特に福岡市の人口は伸び率が高めです。
令和7年(2025年)5月時点の国勢調査によると、福岡市の人口は166万6千217人、5年前の調査と比較すると5万2千856人増となっています。
福岡移住の特徴は、縁もゆかりのない若い世代の移住が多い点です。これまでも、主に九州圏内からの進学や就職により移住する若者が多くいました。
さらに、最近ではリモートで働く人も増え、九州以外からの移住者の数も増加しています。
参考元:福岡市推計人口
気候
福岡県の年間平均気温は17.7度と、温暖な気候で1年を通して快適な生活ができます。山間部では冬に雪が降ることもありますが、都市部ではほとんど積雪は見られません。
福岡県は災害が少ない地域でもあります。内閣府が発表した南海トラフ巨大地震による福岡県の被害想定では、他の太平洋側の地域と比べて大災害となる可能性は低いという結果となりました。
災害を避け、安全・安心に生活できる面も福岡移住の魅力だと言えます。
産業
福岡県の主要な産業は、輸送用機械、鉄鋼業、食料品です。
福岡市ベースで見てみると、通信業、卸売・小売業、サービス業などの「第三次産業」が91.1%を占め、人口100万人以上の国内12都市の中でトップとなりました。
福岡市が第三次産業に特化した都市となった理由は、十分な工業用地や工業用水を確保できなかったからと言われています。
第三次産業主体の街づくりを進めた福岡市は順調に発展し、1972年に政令指定都市となりました。
福岡移住のメリットは?人気の理由を解説


福岡移住の大きなメリットは、大きく次の5つです。
- 食文化が豊か
- コンパクトシティで暮らしやすい
- 家賃が安いエリアが多い
- 子育て支援が充実している
- 災害リスクが比較的低い
それぞれ順番に見ていきましょう。
食文化が豊か
福岡県と聞いて「食べ物が美味しい県」というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。福岡県は、とんこつラーメン、もつ鍋、明太子、水炊きなどの名物も多く、屋台文化という他県にはない特徴を持っています。
あまりイメージがないかもしれませんが、実はうどんも人気で、街の中にはラーメン屋と同じくらいたくさんのうどん屋を見かけます。
うどんを頼む際に、サイドメニューとして、かしわおにぎりを頼む人が多いのも福岡の特徴です。
コンパクトシティで暮らしやすい
福岡市は街がコンパクトにまとまっており、非常に交通アクセスが良いです。福岡空港は地下鉄空港線と直結し、博多駅からおよそ10分でアクセス可能。さらに、繁華街の天神までは、徒歩圏内です。
この利便性の高さから、はじめて福岡県を訪れた人でも迷うことなく目的地にたどり着くことができるでしょう。
また、福岡県は地下鉄の駅からのショッピングもとても便利です。博多駅は大きな駅ビルや商業施設と直結し、天神駅は100を超える店舗がずらりと並ぶ広い地下街と繋がっています。
家賃が安いエリアが多い
福岡市は、東京や大阪と比べて家賃が安いエリアが多いです。福岡市の中心地である中央区の場合は1Kで5万円程度ですが、東区西区や南区だと4万円程度で借りられます。
さらに福岡市近郊の地域であれば、1Kの物件を3万円代で借りることが可能な場合も!東京都で同じ条件の物件が7万円程度することを考えると、福岡県の家賃はかなり安いと言えるでしょう。
子育て支援が充実している
福岡県では、子育てをみんなで支える社会を目指し「ふくおか子ども・子育て応援総合プラン」を策定しています。
「ふくおか子ども・子育て応援総合プラン」の基本的方向は、以下の通りです。
- 若者が結婚や子育てに夢や希望を持つ社会づくり
- 子どもを安心して生み育てることができる社会づくり
- 子どもの健やかな育ちと自立を応援する社会づくり
子育て支援の内容は、福岡県内でも自治体によって内容は異なりますが、県庁所在地である福岡市では、次のような子育て支援を行っています。
子育て支援 | 内容 |
---|---|
幼児教育・保育の無償化 | 3~5歳児の保育施設の利用料が無償化 非課税世帯の0~2歳児の保育施設の利用料が無償化 ※保育園、幼稚園で差異があります。 |
福岡ファミリー・サポート・センター | 「子育てを応援してほしい人」と「子育てを応援したい人」が、地域の中で育児の相互援助活動を行う会員組織 会員同士で子どもを預けたり、預かったりするネットワーク |
子育て交流サロン | 公民館などの身近な会場で、子育てサポーターが見守り、乳幼児の親子が開設時間内の好きな時間に訪れて、自由に過ごすことができる場所 |
昼間校庭開放 | 子どもたちの安全な遊び場として、学校休業日(土日など)に小学校の校庭を開放 |
産後ケア事業 | 出産後、家族などから支援を受けることが難しく、かつ育児や体調に不安がある方を対象に、産科や助産院などでサポート |
引用:ふくおか子ども情報
上記は福岡市の行っている子育て支援の一部です。また、自治体によって取り組みに違いがあるので、移住を希望している地域があれば、市町村のホームページをチェックしてみると良いでしょう。
災害リスクが比較的低い
過去100年のうち、震度5以上の地震が福岡県で起きたのは3回のみ。加えて、『全国地震動予測地図』2020年版の調査報告によると、今後30年間で震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率が福岡市は6.2%と、全国で8番目に低い結果でした。
福岡県は主要な活断層が多数あるものの、海溝型地震の震源域がないため、津波の被害に遭いづらいとも予想されています。ただし、これは災害リスクがゼロになるという訳ではないため、直下型地震や南海トラフ地震の発生に供えておくようにしましょう。
福岡移住のデメリットは?後悔しやすいポイントを解説


どのような魅力的な土地であっても、少なからずデメリットが存在します。福岡移住をする前に、ぜひデメリットについても把握しておきましょう。
福岡移住のデメリットは、以下の3つです。
- 通勤ラッシュも存在
- 給与水準が比較的低い
- 夏の蒸し暑さ
それぞれ順番に見ていきましょう。
通勤ラッシュも存在
東京都心部ほどではないものの、福岡県は日本三大都市にも数えられる主要都市のため、電車が混み合うことは覚悟しておきましょう。
ただ、住む場所によって混み合う度合いに違いはあります。満員電車を避けたい場合は、移住前に移住先を訪れたりネットやSNSなどで検索して、通勤時の混み具合を確認してみると良いでしょう。
給与水準が比較的低い
厚生労働省より発表されている「賃金構造基本統計調査」によると、昨年の福岡県全体の賃金は308万円となっています。
この金額は、九州県内では最も高い水準ですが、全国平均(330万4,000円)より低い水準となっています。
特に東京都(403万7,000円)や神奈川県(355万8,000円)、大阪府(348万円)など、年収の高い地域から移住するとなると、年収が下がってしまうかもしれません。
しかし、最近ではリモートで働ける環境も整っているため、人によっては前の会社を辞めずに同じ給料のまま移住できる場合もあるでしょう。
また、年収が多少下がったとしても生活コストは安く抑えられることが多いので、やりくりによっては、これまでより多くのお金を蓄えられる可能性も十分にあります。
参考元:都道府県別にみた賃金│厚生労働省
夏の蒸し暑さ
九州最大の都市である福岡市は、春日市、大野城市、太宰府市とともに福岡平野に位置。博多湾を通る湿った空気が筑紫山地や九州山地を越え、反対側の町々に吹き下りる際、乾燥して高温となった風が吹くフェーン現象が起こります。
さらに、都市化が進む福岡県では、ヒートアイランド現象も加速中。建築物等が吸収・放出する熱の量が増加したり、地面付近の熱がアスファルトに留まりやすく、体感温度が上昇しやすい環境となっています。
また、太宰府市は「日本一暑さが続く街」として知られ、昨年も記録的猛暑が市民を襲いました。最高気温が35℃以上の猛暑日が35日間も続き、日本記録を更新したほど。
温暖化が加速する現代では、福岡県も例にもれず、夏の暑さが今後もさらに高まり続けるでしょう。
福岡移住はやめとけって本当?先輩居住者の声
福岡県への移住は「やめとけ」と言われることもありますが、実際に移住した方はその後の暮らしをどう感じているのでしょうか?
ここでは二人の移住者・多拠点生活者の声をご紹介します
福岡県糸島市に移住「こんな場所は他にない」
千葉県我孫子市出身の林 博之さんは、長らく東京都でアウトドア系輸入商社の営業マンとして働いていましたが、2012年に福岡県糸島市に家族で移住。一週間ほど家族全員で滞在してみたところ、「こんな場所は他にない」と、あっという間に糸島への移住を決めたそうです。
今では自然豊かな糸島で「THINNING(=間伐)」と名付けられたイベントの実行委員を務めるなど、島の魅力を維持する活動を行っています。


福岡県北九州に拠点「ストレスがたまらないんです」
日本初のプロパルクール選手、そしてアーティストとしても活動するZENさん。東京都目黒区に生まれ、現在は福岡県北九州市に拠点を構えながら、ロサンゼルスやバンコクなど海外を往復する多地域居住者です。
東京都、福岡県、海外の3エリアに拠点を持つZENさんは、それぞれの場所で1年の1/3ほどを過ごしているそう。なかでも福岡県は「飲食店に入ってもほかのお客さんとの距離も広いですし、自分のパーソナルスペースが十分にあってストレスがたまらないんです」と話します。


福岡移住は計画的に!成功に向けた6つの事前チェックポイント


移住をする際はいきなり移住するのではなく、いくつかのポイントを踏まえたうえで計画的に行うのが成功の秘訣です。
福岡移住を成功させるために、以下のチェックポイントを押さえておきましょう。
- まずは「なぜ移住するのか」明確にする
- 「都会」か「田舎」どちらが良いか決める
- 移住先での仕事をしっかり調べておく
- どの程度の費用が必要かあらかじめ計算する
- 国・自治体による補助制度・補助金を活用する
- 移住体験など段階を踏んで移住できると◎
それぞれ詳しく解説していきます。
まずは「なぜ移住するのか」明確にする
移住して失敗しないためには、「なぜ移住するのか」目的や理由をはっきりさせておくことが重要です。
例えば、「生活コストを抑えてゆとりを持って暮らしたい」「自然豊かな環境で子育てをしたい」「農業をしたい」など、人それぞれ目的や理想の暮らしはさまざまあります。
ただ漠然と移住先を決めるより、目的を持って移住する方が失敗しづらく、理想を叶える可能性は高くなります。先に移住する理由を明確にしたうえで、理想の暮らしを実現できそうな移住先を決定しましょう。
「都会」か「田舎」どちらが良いか決める
地方移住と聞くと、現在より田舎へ移住するというイメージの強い人も多いかもしれませんが、地方には田舎もあれば都会もあります。
自分がイメージする理想の暮らしを実現するには、「都会」と「田舎」のどちらが適しているのか決めておくことも大切なポイントです。
都会と田舎、いずれもメリットがあればデメリットもあります。具体的には、都会と田舎で以下のようなメリットとデメリットが存在します。
都会(地方都市) | 田舎 | |
---|---|---|
メリット | 利便性が高い 仕事の選択肢が多い 医療機関や商業施設が多い 人に干渉されにくい | 家賃や土地代が安い 生活費が安い 自然が豊か 人との交流が盛ん |
デメリット | 自然が少ない 田舎に比べると家賃や土地代は高め | 車がないと生活が不便 医療機関や商業施設が少ない 仕事が限定される 人間関係が密で煩わしさを感じることも |
地方都市へ移住する場合は、電車やバスなど公共交通機関が整っていることが多く、商業施設や医療機関も多いので、これまでとあまり変わらず便利な生活を送ることができます。
さらに、仕事の選択肢も多いので、希望通りの仕事が見つかる可能性が高いでしょう。また、田舎暮らしに比べると、人との距離も近すぎないので、程よい距離感で付き合えるのも利点だといえます。
ただ、田舎と比べると自然は少なく、家賃や土地代は高くなることは覚悟しておきましょう。
田舎へ移住する場合は、都会と比べると家賃や土地代が驚くほど安く、生活費を安く抑えることができます。
また、自然豊かな環境なので「自然の中でのびのびと子育てをしたい」「古民家でDIYをしたり昔ながらの生活がしたい」といった希望がある人には、田舎の方がおすすめです。
近所付き合いも盛んなので、人との交流を楽しみたい人にとっても、田舎は魅力的な移住先だと言えるでしょう。
デメリットとしては、交通網が発展していないため車がないと生活が厳しく、これまでのような便利な生活は望めないことです。
また、人間関係が密になりやすい田舎では、すぐに噂が広まってしまうなんてことも。ウェットな人間関係が苦手な人にとっては、息苦しさを感じてしまうかもしれません。
移住先での仕事をしっかり調べておく
移住する前にしっかり考えておきたいのが、仕事・収入面です。地方では、家賃や土地代が安い一方で、賃金が低かったり仕事の選択肢が少なかったりすることも珍しくありません。
移住してしまってから仕事を探しても、思うように見つからない可能性もあるので、移住する前に、仕事や収入面についてはしっかりと検討しておきましょう。
- 現在の仕事をリモートワークで継続できないか
- 新たな土地で自分に適した仕事がないか
- 心機一転、就農や起業をするのか
- 自治体の就職支援や補助制度を受けられないか
上記を参考に、移住先でどのように収入を確保するのかじっくり検討し決めておきましょう。


どの程度の費用が必要かあらかじめ計算する
地方移住をする際は、引越し費用や住居費用、自動車の購入費用、当面の生活費などが発生します。移住先や、単身かファミリーで移住するのかによっても必要な費用は異なります。
移住後や間際になって、「お金が足りない」と慌ててしまわないよう、あらかじめどの程度の費用が必要か計算しておくことが大切です。
移住に必要な費用については、自己負担が必要な部分と、国や自治体による補助制度や補助金を利用できるケースも◎
国・自治体による補助制度・補助金を活用する
移住先を絞ったら、気になる自治体の公式ホームページで、移住支援を行っていないかチェックしてみましょう。
「無料で家がもらえる」「首都圏からの移住者に支援金を補助」「移住前にお試しで短期滞在ができる」など、自治体によって取り組みはさまざま。お得に移住できるチャンスをお見逃しなく。


移住体験など段階を踏んで移住できると◎
本格的に移住する前に、できるようなら移住希望先を訪れてみましょう。実際に生活してみると、「思っていたのと違う」と感じることも少なくありません。
自治体によっては、短期間のお試し移住プログラムを用意しているところもあるので、元の生活拠点を残しつつ、二拠点居住をしてみるのも選択肢のひとつです。
このようなステップを踏むことで、自分には合わないと感じた場合でも、落ち着いて別の移住先を探すことができるでしょう。


移住前におすすめ!福岡の移住体験制度


ここからは、「移住前に住むエリアの様子を知っておきたい」と考える方に向けて、福岡の移住体験制度を3つご紹介します。
お試し居住施設
お試し居住施設とは、県内の各市町村が整備した住宅に一定期間滞在してその土地の暮らしを体験できる施設のことです。
お試し居住施設の利用は施設ごとで異なりますが、例えば大牟田市内の住宅の場合、3日〜14日間滞在可能です。生活に必要な備品や設備がひと通り揃っており、到着後すぐにお試し生活を開始できます。
2025年5月現在、お試し居住施設がある市町村は県内に9ヶ所あります。応募方法や条件、空き状況については市町村によって異なりますので、福岡県移住・定住ポータルサイト「福がお~かくらし」の情報を確認しましょう。
移住体験イベント
移住体験イベントは、県や市町村がその地域の特色を知って、移住へのイメージを膨らませてもらおうと開催する企画です。
イベントの種類は短期間のツアー、ワーキングステイ、セミナーなどいろいろなものがあります。
ふくおか農林漁業「産地見学ツアー」
ふくおか農林漁業ナビは、農業の魅力のPRや就農イベント、支援制度の紹介など、県内で農林漁業関連の仕事に興味のある方に向けた情報を提供しているサイトです。
このサイトでは不定期で「産地見学ツアー」を開催。農業を体験してみてから仕事にするかどうかを決めたい、農業の現場を見てみたいという方はこのツアーに参加することで就農イメージがつきやすいかもしれません。
福岡移住で仕事を探すには?就業マッチングサイトがおすすめ
福岡県への移住を機に新しい仕事を始めたい!そう考える方もいるでしょう。福岡で仕事探しの情報を集めるには、まず移住・定住ポータルサイトの「福がお~かくらし」にアクセスしてください。
ポータルサイト内の「情報を検索する」の中にある「仕事」のページでは、
- 就業・起業
- 就業体験
- 農林水産業
- その他
と、4つのカテゴリーで県内の各市町村名が掲載。気になる市町村名をクリックすると、仕事に関するさらなる詳しい情報が載っています。
ほかにも、福岡県公式「福岡県移住・就業マッチングサイト」もおすすめです。こちらも福岡県内の各市町村別に仕事を探せたり、職種別の求人を見たりすることもできます。
さらに嬉しいポイントは、移住支援金対象求人までが一覧で確認できること!県の窓口に問い合わせなくても、ご自宅でじっくり検討できるので非常に便利です。
希望に合う求人が見つかれば、サイトから直接応募することも可能。反対に、希望の条件に合う募集がない場合は、条件を登録することで、各企業の採用担当からスカウトメールを受け取ることもできるので、ぜひ活用してみてください。
福岡移住で補助金(支援金)は貰える?費用負担を軽減する方法
移住をする際には、できるだけ金銭的な負担を軽くしたいと考える方も多いでしょう。そのようなときにチェックしたいのが、県の移住支援金制度です。
福岡県移住支援金事業は移住者の負担軽減や、地方創生・地域振興などを目的とし設置されています。具体的な金額としては、単身での移住の場合60万円、世帯での移住の場合100万円(+子ども一人につき最大100万円が追加支給)を受け取ることが可能です。
この支援金制度の要件をご紹介します。
- 移住前の10年間のうち、5年以上を三大都市圏(※1)に住んでいたこと
- 住民票を移す直前に連続して1年以上三大都市圏に在住していたこと
- 移住後、県内の特定地域(※2)に住むこと
- 支援金申請時において転入後1年以内であること
- 申請日方5年以上継続してその地域に住む意思があること
- 移住後道府県が支援金対象のマッチングサイトに掲載する求人へ就業すること
- プロフェッショナル人材事業または先導的人材マッチング事業を活用し就業した場合
- 人材確保困難職種へ就業した場合
- 人材育成事業の活用で就業した場合
- テレワークで仕事をしている場合(条件あり)
- 福岡よかとこ起業支援金の交付決定を受けて起業する場合
※1:東京圏(埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県)、名古屋圏(岐阜県、愛知県及び三重県)、及び大阪圏(京都府、大阪府、兵庫県及び奈良県)
※2:北九州市・大牟田市・久留米市・飯塚市・田川市・柳川市・八女市・筑後市・大川市・豊前市・宗像市・古賀市・うきは市・嘉麻市・朝倉市・みやま市・粕屋町・芦屋町・岡垣町・小竹町・桂川町・東峰村・大刀洗町・広川町・香春町・川崎町・大任町・福智町・苅田町・みやこ町・上毛町・築上町
以上の要件はさらに細かい条件を満たす必要があるため、詳しくは福岡県のホームページで詳細をご確認ください。
参考:福岡県へ移住を考えている方へ!移住支援金を活用し、福岡県で働きませんか?|福岡県庁ホームページ


福岡移住におすすめの支援制度が充実した自治体10選!


最後に、移住支援制度が充実している10の自治体を紹介します。支援を受けてお得に移住したい場合は、以下の自治体を移住先の候補として考えてみましょう。
八女市(やめし)
出典:令和4年度 八女市の定住支援・施策を紹介します!|八女市
八女市は福岡県の南部、福岡市から南へ約50kmのところに位置しています。八女茶やイチゴなど、農産業が盛んで、仏壇・提灯・石灯ろう・手すき和紙など伝統工芸品の産地でもあります。
八女市では、市内の賃貸物件に転入・転居する若年世帯に対し家賃補助を行ったり、引越し費用を負担するなど、若者の移住・定住に積極的です。
その他にも、新築マイホーム取得支援補助金や、中古住宅取得支援補助金、空き家バンク制度など、移住者にとって嬉しい制度が揃っています。
北九州市(きたきゅうしゅうし)
出典:令和4年度 住むなら北九州 定住・移住推進事業|北九州市
北九州市は、福岡県北部に位置しており、福岡市に次ぐ九州地方第2位の都市です。都会であるにもかかわらず、家賃や物価が安いのが特徴。
病院や診療所の数が多い、過去10年以上連続で待機児童ゼロ、平日夜間・土日祝日診療が充実しているなどの理由から、NPO法人エガリテ大手前による「次世代育成環境ランキング」では、14年連続・政令指定都市第1位に輝いています。
市街から転入する新婚世帯や多子世帯などを対象に、最大家賃3ヶ月相当に当たる最大30万円の補助金を支給。単身者も条件を満たせば、最大10万円の家賃補助を受けられます。
糸島市(いとしまし)
出典:移住・定住情報|糸島市
糸島市は福岡県の最西部に位置しており、海と山に囲まれた豊かな環境と、福岡市までJRや車で約30分というアクセスの良さから、移住先としても注目を集める人気のエリアです。
糸島市では、ひとり親のための生活応援給付金として、児童扶養手当を受給しているひとり親世帯に、児童1人当たり2万円の給付金を支給しています。
さらに、施設等利用給付認定を受けることで、幼稚園・認定こども園の預かり保育、認可外(届出)保育施設などを無償で利用することも可能。子どものいる世帯に特におすすめしたい移住先となっています。
町の公式サイトにて、移住・定住イベント情報も発信しているので、糸島市が気になる人は、定期的にチェックしておきましょう。


大牟田市(おおむたし)
出典:|それなら、おおむた
大牟田市は、福岡県の南部に位置する市で、自然災害が少なく教育環境が整った安心して子育てができる街です。
三大都市圏(東京圏・名古屋圏・大阪圏)から大牟田市へ転入し、就職・起業した方などを対象に、2人以上の世帯の場合は100万円、単身世帯の場合は60万円の補助金を支給します。
また、UIJターンで市内に転入した若者が賃貸住宅に居住し、さらに中小企業などに就職した場合、最大3年間36万円の奨励金を受けることが可能です。
久留米市(くるめし)
出典:くるめのくらし
久留米市は、北部九州に位置する30万人の人が暮らす中核都市。
九州新幹線が全線開通したことで、九州の各都市に加え、関西や中国地方の都市と直結し、久留米市の交通アクセスが抜群に良くなりました。
市内に住宅を新築または購入し市外から移住した方を対象に、最大30万円補助金を支給します。
さらに、三大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)から移住する方であれば、世帯での移住の場合100万円、単身世帯の場合は60万円が支給されます。
飯塚市(いいづかし)
出典:飯塚市移住支援金事業|飯塚市
飯塚市は福岡県のほぼ中央に位置し、福岡中心部や各地域にアクセスしやすい立地です。
小学6年生を対象にマンツーマン式のオンライン英会話を導入したり、タブレットパソコンや電子黒板の導入を進めたりするなど、教育に積極的なのも飯塚市の特徴のひとつ。
小中学生の学力が、全国や県の平均値を上回り「教育先進地域」として注目を集めています。
東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)から、飯塚市に移住して「就業」または「起業」した人を対象に、最大で100万円の移住支援金を支給します。
さらに、筑豊地域外から飯塚市内に住宅を取得する移住者に対し、経費の一部を奨励金として支給する取り組みも行っています。


宗像市(むなかたし)
出典:ムナカタに住む。
宗像市は、福岡市と北九州市のちょうど真ん中に位置する市。海や川、山や森に囲まれた自然豊かな土地で、都会でも田舎でもない暮らしやすい街です。
大学等を卒業または修了後に宗像市内に住む人を対象に、最長5年間で年間最大24万円の奨学金返還を支援する制度があったり、中古住宅の購入および宗像市内の事業者でリフォーム工事をして居住する子育て世帯に最大40万円を補助したりと、子育て世帯に嬉しい支援策がたくさんです。
福岡市(ふくおかし)
出典:福岡市 ホームページ
福岡市は、県内の中でも都市機能が集約されているエリア。交通機関・ショッピング施設・医療機関などが充実しており、コンパクトな都市構造のため移動も便利です。
都市部と自然のバランスも良く、美しい公園などもあり自然を身近に感じながら生活を楽しめるでしょう。温暖な気候で冬でも快適に過ごせるのも魅力です。
福岡市は、移住希望の子育て世帯が暮らしやすいよう、住宅の住み替え支援を行っています。具体的には、中古住宅購入費用・礼金・仲介手数料・引越し運送費用などの一部が助成されます。
助成金額は、対象になる経費の合計額の1/2(上限15万円)。親世帯と同居・近居・子ども2人以上の多子世帯の場合は、上限金額にそれぞれ5万円を引き上げた額が上限となります。
糟屋郡(かすやぐん)
出典:移住支援|粕屋町
7つの町からなる糟屋郡(かすやぐん)は、福岡市に隣接しているエリアです。糟屋郡は近年、次世代都市を目指した再開発で注目を集めています。
県内最大級のショッピングモールが進出するなど、住みやすい住環境へと変わっていき、糟屋郡内の町が県内の人口増加率のランキング5位以内に入っているなど、注目の高さがうかがえます。
糟屋郡の糟屋町では、町内への移住・定住促進や人材不足解消を目的とし、要件を満たす移住希望者に向けて移住支援金を用意。2人以上の世帯移住は100万円、18歳未満の世帯員を帯同して転入する場合は、18歳未満の者一人につき100万円を加算、単身移住は60万円が支給されます。
憧れの福岡移住に向けてしっかりと計画を立てよう


この記事では、福岡移住のメリット&デメリット、移住を成功させるための事前チェックポイント、福岡の移住支援制度が充実している自治体などを紹介しました。
移住を成功させるには、「なぜ移住するのか」目的や理想の暮らしを明確化し、それを実現させるためにひとつずつステップを踏むことが重要です。
最近では、地域活性化に積極的な自治体も増えており、思っていた以上に手厚い補助を受けられる可能性も十分にあります。
移住先として気になる地域があれば、市町村のホームページをチェックしたり、ポータルサイトを活用したりするなど、少しずつ情報を集めてみてくださいね。

