移住に興味はあるけどいきなり住むのは怖い…、という方に朗報!
現在、地方自治体では移住を検討する方に向けた体験サービス「お試し移住」を開催している場所が増えています。これを利用すれば旅行とは違う“住む”ための実用的な情報を得ることができます。
今回はそんな移住体験ができるおすすめの自治体をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください!
お試し移住とは?自治体が提案する体験プログラム&ツアー
お試し移住とは、移住を実践する前に目当ての地域に存在する住居や宿泊施設を利用して数日間実際に暮らしてみる、という体験型のプログラムです。
観光目的の旅行とは異なり、住むことを前提としたライフラインの情報や地域交流状況をサポーターの方から教えてもらったり、実際に移住した方へお話を聞けたりする機会もあります。
移住体験では自治体が主催するツアー型のイベントから、自身の好きなようにスケジュールを組み立てられるオーダーメイド型の体験まで、その種類は様々。移住候補地を実際に体感し、現地の生の声を聞くことができる貴重な機会をお見逃しなく!
移住体験用のお試し住宅や無料宿泊施設も!
自治体によっては、移住体験者に向けた住宅の貸し出しや、ゲストハウスを利用した長期宿泊を実施しているところも。
サービスの行き届いたホテルでは、どうしても旅行者感覚が抜けないもの。実際の暮らしを想定した居住スペースで過ごせば、より移住を体感しやすいのではないでしょうか?
なかには無料で利用することができる建物もあるため、金銭面でも安心して移住体験を始めることが可能です。
家具、家電、Wi-Fiなどはもとから完備されている場所がほとんどのため、体験者が行うのは掃除や調理などの家事程度。リモートワークであれば移住体験をしながら仕事をすることもできます。
お試しプチ移住体験ができる地方自治体《7選》
【北海道下川町】“余白”のある「しもかわちょっと暮らし体験」
「しもかわちょっと暮らし体験」は北海道の下川町で行われている移住体験プログラム。
有名な動物園がある旭川市から約100kmの場所に位置する下川町は、国内では珍しい含二酸化炭酸水素塩泉が楽しめる「五味温泉」や、町民の手によって15万個以上の石を積み上げて作られて中国領事館からもお墨付きを頂いた町のシンボル「万里長城」を構える憩いの場「桜ヶ丘公園」を有し、シルキースノーやアスピリンスノーと呼ばれる上質な雪の中で行うスノーアクティビティが人気な町としても親しまれています。
「しもかわちょっと暮らし体験」では、がっちりと詰め込まれたツアースケジュールは組まれていません。その理由は、あえて日程に“余白”を設けることで、体験者自身に移住と向き合う機会を設けるため。スーパーや病院、学校や公園など、住む際に知っておきたい施設を巡ることもできます。
また、“情報を知りたい”“家を探したい”“仕事を探したい”といった体験者の要望に合わせて見学内容を提案してくれるため、自身の“知りたい”気持ちを満たすことができるはず!
体験は2~3泊程度を想定したプログラムですが、こちらも体験者のスケジュールに合わせて日帰りから申し込みが可能。まずはお気軽にご相談を。
【沖縄県石垣市】「オーダーメイド型」石垣島移住体験ツアー
沖縄県石垣市に位置する石垣島は、エメラルドグリーンの海、カラフルなサンゴ礁、真っ赤な夕焼けを一望できる灯台、幻想的な鍾乳洞など、自然の美を体感できることで人気のスポット。
そんな石垣島では、体験者の希望に合わせたオーダーメイド型の移住体験ツアーが行われています。
ツアーの日程から内容まで、すべて体験者が決めてOK!知りたいことや行きたい場所、興味や不安のあるものを相談していくことで、担当者が適したツアープログラムを構築。移住目的で地域を知るための時間をともに考案してくれるので、自身に特化したオリジナルの移住体験が味わえます。
なお、ツアーにおける現地案内は無料ですが、宿泊、食事、移動費用などは自己負担。開催日程は2024年9月から2025年2月まで。期間中、最大5組まで(日程が重なった場合は先着順)の実施となっているので、気になる方はお早めに申し込みを!
【愛媛県西条市】人気No.1の田舎で完全無料の移住体験ツアー
愛媛県西条市は、「田舎暮らしの本」(宝島社)による「住みたい田舎ベストランキング」若者世代部門にて2020年から2022年にかけて3年連続で第1位を獲得した、今注目の街。
そんな西条市ならではの、若者層に嬉しい完全オーダーメイド型の1泊2日無料個別移住体験ツアーが開催中!
長期間の滞在が難しい方に向けて1泊2日のライトな日程で参加でき、土日祝でも都合に合わせて対応が可能。仕事や趣味など体験したい事柄についてリクエストをすれば、その内容を満たせるようにスケジュールをカスタマイズしてくれます。もちろんファミリー層の参加も可能なため、子育てについて相談をしてみるのも◎。
驚くべきは宿泊費・交通費・食費がすべて無料!往復交通費も不要なため、お金の心配は一切ありません。
なお、体験ツアーに申し込むためには無料のセミナー(説明会)への参加が必要。まずはこのセミナー参加から試してみては?
【山梨県甲州市】ワイン、果物の名産地でリアルな暮らしを体験できるお試し住宅
山梨県甲州市ではお試し移住者向けに住宅を提供。ブドウとワインの名産地である勝沼、果樹園の多い塩山藤木にお試し住宅が置かれ、3日以上7日以内という期限で生活をすることができます。
こちらは住宅提供のみのため、街の案内や地域の交流会への参加などはありません。だからこそ、体験者にとっては普段と同じようなリズムで生活を送ることができるのかを試すのに打ってつけです!
仕事の後にスーパーへ行けるか?病院に寄ってからコンビニに立ち寄れるか?電車やバスはどのくらいの間隔で運行しているか?といったことを実際に確かめることができます。
基本的な家具や家電は一通り揃っていますが、寝具やタオルは持ち込む必要があるため要注意。予約状況は「甲州らいふ」公式ページから確認できるので、まずはこちらをチェック!
【長崎県五島市】カバンひとつでコンパクトな島暮らし体験宿
美しい海や満天の星々とともにジオパークも楽しめる五島列島の福江島。五島牛、五島美豚、五島地鶏しまさざなみといったブランド肉から、ミネラルたっぷりの栄養を受けて育った新鮮な野菜・魚まで!
魅力がたっぷり詰まったのどかな福江島の南部に位置する富江町では、ゲストハウス「富江宿」にて島暮らし体験を行っています。
富江宿は商店街の電気屋さんを2024年4月にリノベーションして建てられており、“カバンひとつで移住を体験”というコンセプトを掲げている、どこかレトロで落ち着いた雰囲気のお宿です。
シングルルーム2部屋とツインルーム2部屋に加えて、共有部にはキッチン、バスルーム、トイレ、洗面台などの水回りが集まっています。1泊から長期の滞在まで都合に合わせて調整できるので、お試し移住だけでなく、家探しや仕事探しの際の拠点として利用することも可能です。
かつて城下町として栄えた富江町には、「さんさん富江キャンプ村」をはじめとした自然と触れ合える場所がたくさんあります。また、倭寇や隠れキリシタンといった歴史的文化遺産、お盆の頃に毎年開催される念仏踊り「オネオンデ」のような指定無形民俗文化財など、独自の風習や歴史も肌で感じることができる地域です。
生活面では、商店街をはじめ、スーパーや銀行、病院や学校など必要なものがきちんと揃った“コンパクトシティ”として人気が高く、近年では移住者によってカフェや宿泊施設が多数オープンするなど、のんびりとした島の空気を味わいにやってくる移住者が増えています。
【和歌山県和歌山市】漁師町の古民家宿で船のエンジン音をBGMに
「日本百名城」のひとつに数えられる和歌山城が見守る街、和歌山県和歌山市。ここではお試し移住施設として、雑賀崎にある「Fisherman’s Table & Stay 新七屋(しんちや)」での宿泊を提供しています。
「Fisherman’s Table & Stay 新七屋」は漁師町の中に佇む一日1組限定の一棟貸しの宿。築60年のレトロな古民家に住みながら海辺の暮らしを体験することができます。オプションで提供される朝食・夕食はオーナー自ら獲ってきた旬の魚介類を贅沢に使用!
イタリアのアマルフィ海岸のように美しい独特の景色も人気で、その歴史は万葉集まで遡るほど。「紀伊の国の 雑賀の浦に 出で見れば 海人の燈火 波の間ゆ見ゆ」と歌われる景勝地として、そのノスタルジックな雰囲気も魅力のひとつです。
雑賀崎は和歌山駅まで車で15分、バスで40分程度。そこから大阪府までは2時間程度で行けるため、都市部との移動も比較的短時間で行えます。
【香川県さぬき市】海・山の暮らしを異なるタイプの家屋で体験
うどんやお遍路で有名な香川県さぬき市。ここでは市の海側と山側を代表し、津田と多和という二つの地区で移住体験ハウスを提供しています。
さらに、利用者限定の体験プログラムも!「TAGATAME」という無農薬・無化学肥料の野菜の収穫や植え付けを行う1日農家体験や、住民グループ「結願の郷多和の会」とともに産直運営のお手伝い、天体望遠鏡博物館の閲覧などを行うことができます。
瀬戸内海に面した津田のハウスは平屋建ての2DKで、5分歩けば最寄りの海岸にたどり着けます。多和のハウスは、分校をリノベーションしておりレトロで懐かしい雰囲気の残る施設です。どちらも5日間以上90日以内の利用が可能。なお、寝具やタオル類は衛生面の都合上、体験者自身で用意する必要があるのでご注意を。
それぞれのハウスの予約状況はさぬき市の公式サイトから確認できます。