雄大な山々に囲まれた自然豊かな長野県は、18年間連続で「移住したい都道府県ランキング」1位を獲得している人気の移住先です。
今回は、そんな長野県の魅力や移住するメリットやデメリットをご紹介します。県全体や市町村独自の移住に関する支援制度などを知りたい方はぜひ参考にしてください。
移住する前に知っておきたい長野県の基本情報
山に囲まれた自然豊かなイメージのある長野県ですが、細かな情報は知らないという方も多いのではないでしょうか。まずは、移住する前に知っておきたい長野県の基本情報を確認しておきましょう。
地理
日本列島の中心に位置し、全国第4位の面積を保有する長野県。海には面しておらず、埼玉県、群馬県、山梨県、静岡県、愛知県、岐阜県、富山県、新潟県の8つの県と隣り合っています。
県内の総面積のうち8割以上が山地を占める山岳県で、特に県の中心付近には、日本の屋根とも呼ばれる3,000m級の山々が連なっています。
日本海に流れる千曲川と犀川、太平洋に流れる天竜川と木曽川の周りには盆地が広がり、標高差のある地形が特徴的です。
長野県は、「北信」「東信」「中信」「南信」の4つのエリアに分かれているため、エリアによって気候や文化、方言や郷土料理などがそれぞれ異なるのも魅力的なポイントです。
参考元:長野県のいち、大きさ|長野県
人口
令和6年5月1日の調査結果によると、長野県の総人口は1,992,127人。そのうちの75万人ほどは長野市、松本市、上田市の都市部に集約されています。
また、令和2年の都道府県別にみた平均余命では、男性が82.68歳で全国2位、女性が88.23歳で全国4位。長寿を誇る県としても有名です。
参考元:長野県のいち、大きさ|長野県
参考元:長野県の人口と世帯数(令和4年3月1日現在)をお知らせします|長野県庁
気候
長野県は海岸から遠いため、基本的には内陸特有の気候が見られます。山々に囲まれているため、台風や梅雨の影響は少なく、夏と冬は日中と夜間の気温差が大きいのが特徴的です。
南北に長く県土も広いため、日本海側気候の特色を持つ地域と太平洋側気候の特色を持つ地域に分かれており、さらに山脈や盆地などの形状によってエリアごとに気候や天候が異なります。
豪雪地帯のイメージがある長野県ですが、積雪が多いのは主に北信エリアで、南信エリアは降雪量や積雪量はそれほど多くはありません。
産業
戦前は製糸王国として知られ、戦後はカメラや腕時計、オルゴールなどの精密機械工業が発達しました。
近年では、電気や機械工業で注目を集めているため、生産拠点を海外へ移し、技術や知識集約型へとシフトしつつあります。
また、農業の面では寒暖差を生かした農産物作りが盛んに行われていて、特に野菜や果物、花の生産量は全国トップクラスを誇っています。
長野県移住が人気の理由!6つのメリット
実は長野県は、宝島社が発行する『田舎暮らしの本』による「移住したい都道府県ランキング」において18年連続1位を獲得している県です。
なぜ長野県がそんなに人気なのか、6つのポイントに分けてその魅力を探ってみましょう。
豊かな自然のなかで生活できる
登山やスキーを楽しむために長野県を訪れる方も多いのではないでしょうか。
長野県は、標高3,000m級の山々が連なる北アルプスや日本有数の高原散策コースで有名な上高地、長野県内最大の湖諏訪湖などの豊かな自然が魅力の1つです。
広大な自然を利用して、夏はトレッキングやキャンプ、冬はスキーやスノーボードなどのアクティビティが楽しめます。アウトドア好きにとっては理想の環境といえるでしょう。
豊かな自然を感じながら暮らすことに憧れている人にとって、長野県はうってつけの場所です。
新鮮な農産物が楽しめる
長野県は、冷涼で昼夜の寒暖差が大きい気候風土が特徴的な地域です。「信州の伝統野菜」をはじめ、地域の気候を活かしバラエティに富んだ野菜や果物、花などが栽培されています。
例えば、エリンギやぶなしめじなどのきのこ類の生産量は全国1位、レタスやセロリの収穫量は全国1位、りんごやブドウの収穫量もトップクラスと、長野県が誇る農産物はたくさんあります。
地元の直売所やスーパーでは旬の地場野菜が安く手に入り、県内産の果物を使ったジャムや信州味噌、野沢菜漬けなど長野オリジナル商品も気軽に味わえるのが魅力の1つです。
近年は、物価高騰などで都心ではなかなか野菜や果物に手が出しにくいですが、豊かな環境でつくられた新鮮な農産物が手軽に楽しめるのは嬉しいポイントです。
土地や家賃が安い
長野県は首都圏と比べて、住居に関わる土地代や家賃相場が圧倒的に安いのもメリットといえます。
東京23区の坪単価がおよそ150万〜1,500万円のところ、長野県の坪単価は一番高い長野市で約20万円。小諸市ではおよそ4万円、ほかの村町ではそれ以下で購入が可能です。
また、長野県内で2LDKのアパートを借りる場合は月々5万円ほどで住むことができ、首都圏に比べてかなりリーズナブルな価格です。
大きなマイホームを建てたいと考えている方は、都心に比べて土地の安い長野県への移住がおすすめです。
参考元:長野県の家賃相場情報|SUUMO
観光地や温泉が身近
長野県は、魅力溢れる観光スポットが多いのもポイントです。
たとえば、軽井沢。避暑地として名高く、観光目的で訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。そして、高原ハイキングや登山などのアクティビティだけでなく、善光寺や松本城など歴史的な観光名所が豊富に揃っています。
また、県内各地には源泉を楽しめる温泉宿や日帰り温泉施設が充実しています。温泉地数は215ヶ所にものぼり、全国2位の温泉大国です。エリアごとに趣も異なるため、お気に入りの温泉を探すスポット巡りも楽しめるでしょう。
長野県に移住すれば週末や休日に限定せず、気軽に観光地や温泉を訪れることができます。
参考元:温泉ベスト10 | 日本温泉協会
首都圏へアクセスしやすい
長野県は、地図で見ると東京から遠く離れたイメージを持ちますが、実は首都圏からアクセスがしやすい県です。
例えば、軽井沢や佐久平へもつながる北陸新幹線を利用すれば、東京駅から最速1時間20分で長野駅に到着します。また、特急あずさを利用する場合は、新宿駅から乗り換えなしで松本駅までおよそ2時間30分で到着することも可能です。
新幹線は満員電車のような疲労感もなく快適に過ごせるため、通勤中に読書をしたり仕事をまとめたりなど時間を有効に使うこともできます。
このように、特急や新幹線を利用すれば2時間前後で都心まで行ける長野県は二拠点生活も始めやすい便利なエリアであるといえるでしょう。
また、令和9年にはリニア中央新幹線が開通予定で、ますますアクセスが便利になる長野県に今後も目が離せません。
田舎暮らしから便利な暮らしまで叶う
長野県と聞くと、山奥の田舎のイメージを抱く方も多いかもしれません。素朴な景観のなかで、ゆったりとした時間が流れる田舎暮らしを満喫できるのは確かです。
実は、それだけでなく、長野市をはじめ松本市や上田市などの主要都市では便利な暮らしもできるのが長野県の魅力です。
駅前には駅ビルや飲食店が建ち並び大型商業施設も充実しており、新幹線や特急あずさを使えば、都内へのアクセスも良好。
新幹線通勤に対する補助金を用意している自治体もあるので、仕事を続けながら長野へ移住することもできます。
本格的な田舎暮らしから田舎すぎず都会すぎない便利な暮らしまで、理想の移住生活を選択できるのが長野県のメリットな点です。
長野県に移住する4つのデメリット
魅力たっぷりな長野県ですが、移住前に知っておくべきデメリットも紹介します。
移住してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、あらかじめ長野県ならではの特徴を理解しておきましょう。
雪の多さと寒さが厳しい
標高が高い長野県は、全国的にも雪がたくさん降る地域で、寒さが厳しいのが特徴です。降雪量はエリアによって異なりますが、特に北信の野沢温泉や飯山は積雪が多いエリアです。
豪雪地帯では、毎日雪かきをしなければならず、寒さによる光熱費は首都圏に比べて高額になる傾向が考えられます。
ただし、自治体による雪かきや除雪作業体勢はしっかりとしているため、首都圏のように交通網の乱れが頻繁に起こることはありません。
積雪対策費用の補助金を交付している自治体もあるため、移住前にしっかりと確認しておきましょう。
車が必須になる
長野県での暮らしでは、移動手段として車が欠かせません。
長野県には便利な新幹線や特急がありますが、山間部や農村部は駅から離れていることが多いです。また、バスの路線や本数は都心に比べて少なく、買い物や通勤、通院など生活をしていく上で自動車は必須となるでしょう。
住まいにかかる費用は首都圏より大幅に負担が減らせますが、車の購入費や保険代、車検、ガソリン代などがかかってくることは意識しておかなければなりません。
すでに車を所持している方やマイカーを手に入れて通勤やレジャーに利用する意欲のある方にとっては、大きなデメリットにはならないものの、実際に移住する際のチェック項目として覚えておくと良いでしょう。
地域の方との付き合いが増える
首都圏に比べて地域のふれあいが盛んなため、人とコミュニケーションをとる機会が増えるかもしれません。
首都圏のアパートやマンションでは、近所の方と深く関わりを持たない場合が多いでしょう。長野県をはじめ地方暮らしをするとなると、地域の人とのコミュニケーションは避けては通れません。
たとえば、町内会や消防団への加入が義務付けられていたり、お祭りやイベントごとに参加しなければならなかったりということもあります。
地域の人との交流は、より暮らしやすくなるためのヒントにつながり、何かあったときに助け合える心強い存在になるためメリットとも捉えることができますが、人付き合いが苦手という人は心の準備をしておく必要があります。
長野県は移住者が多い県でもあるため、移住者同士のコミュニティも豊富なのが嬉しいポイントです。地域の雰囲気や人柄についてなど、先輩移住者に聞いてみるのもおすすめです。
都心に比べて年収が低い
首都圏から移住し、地域の職場に就職した場合、年収が大幅にダウンする可能性が考えられます。
都道府県別の平均年収は、東京都は612万円、長野県は442万円という結果が出ています。しかし、長野県には優良な雇用の場も多く、すべての職場で東京よりも下回るわけではありません。
また、近年増加傾向にあるリモートワークを利用すれば、都心の企業に勤務しながら長野県でゆったりとした生活を楽しむことも可能です。
長野県の移住支援制度おすすめ4選
出典:楽園信州ファミリー紹介|楽園信州
長野県が移住者に人気な理由は、自然や利便性だけではありません。充実した移住支援制度があることも大きなポイントです。
長野県では、移住や二地域居住を応援する「楽園信州ファミリー」を展開しています。会員特典として移住や二地域居住に役立つサービスや商品の優待を受けられるのが魅力です。
また、応援企業が多数あり、現地見学の際に利用するレンタカーの割引や引越し料金の割引、賃貸物件の仲介手数料割引のほか、宿泊施設やアクティビティの割引など特典はさまざま。無料で会員登録できるため、長野県への移住が気になっている人は登録しておくのがおすすめです。
ここからは、長野県が実施する移住支援制度のなかから、大きく3つに分けてそれぞれの支援内容をご紹介します。
- 住まいに関する支援
- 仕事に関する支援
- 結婚や子育てに関する支援
移住を考える際には、自分のニーズに合った支援制度を見つけることが大切なので、気になる制度があれば細かく確認しておこう。
住まいに関する支援
移住や二地域居住をする際に、始めに探さなければならないのが住まいです。移住するに当たって最もお金がかかるため、支援制度を上手に活用したいところです。
長野県が取り組む、住まいに関する移住支援を3つご紹介します。
楽園信州空き家バンク
全国各地でも取り組まれている「空き家バンク」は長野県でも実施されています。
空き家バンクとは、空き家を貸したり売ったりしたい所有者からの情報をまとめて、空き家を借りたり買ったりしたい利用者に紹介する制度です。
「楽園信州空き家バンク」ではエリアごとの空き家状況がチェックできます。また、空き家に関する補助金や支援制度もあわせて確認できるため、上手に活用すれば住宅にかかる費用をグッと抑えられるでしょう。
克雪住宅普及促進事業
豪雪地域である長野県ならではの助成金が「克雪住宅普及促進事業」です。
飯山市や白馬村、野沢温泉村などの特別豪雪地帯に指定される地域において、屋根の克雪化の整備をした住宅に対し費用の一部を助成する制度です。
たとえば、熱エネルギーを使った屋根融雪方式の工事を行った場合、最大60万円の助成金を受け取ることができます。
対象地域への移住を考えている場合は、それぞれの自治体へ問い合わせ、申請もれがないよう気をつけましょう。
参考元:克雪住宅普及促進事業|長野県
信州健康ゼロエネ住宅助成金
長野県で戸建て住宅に住みたいと考えている人にぜひチェックしてもらいたいのが、「信州健康ゼロエネ住宅助成金」です。
環境への負荷が少なく高い断熱性能がある、長野県産の木材を活用した新築住宅工事やリフォーム工事をする際に、費用の一部が助成されます。
要件は細かく定められており、新築タイプで40〜150万円、リフォームタイプで最大100万円の助成を受けられるのがポイントです。
仕事に関する支援
移住するにあたって大きく変わるのは住宅だけではありません。今までの仕事を続けるのか、これを機に新しく就業や起業をしたいのか、仕事に関して悩む方も多いでしょう。
ここでは、長野県で受けられる仕事に関する支援制度を3つご紹介します。
UIJターン就業・創業移住支援
長野県と各市町村で実施している「UIJターン就業・創業移住支援事業」は、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の東京圏、または愛知県や大阪府から長野県へ移住し、県が選定した企業への就職や創業する人に対して、移住支援金を支給する制度です。
制度を利用する際は、以下の点に注意しましょう。
- 長野県すべての市町村が実施しているわけではない
- 助成を受けるためには移住に関する細かな要件に一致しなければならない
- 移住支援金には申請期限がある
「UIJターン就業・創業移住支援事業」は、テレワーカーも対象のため、今までの仕事を引き続き行う場合でも必ず要項を確認しておきましょう。
おためしナガノ
「おためしナガノ」とは、首都圏などのIT事業に従事している人が、長野県内に住んで仕事をお試しで体験できる制度です。この制度は、最長約6ヶ月間試すことができます。
オフィス利用料や引越し代、県外への交通費などの資金援助のほか、事業や生活についての相談、いざ本格的な移住を決断した際の+支援を、県がサポートしてくれます。
個人や法人は問わないため、地方でサテライトオフィスの拠点を作りたい法人や地方でIT関連事業をやってみたい方におすすめです。
2024年度の申し込み期限はすでに締め切られていますが、いまから詳しく調べておき来年に備えましょう。
参考元:おためしナガノ
ソーシャルビジネス創業支援金
長野県内の地域課題をビジネスで解決する創業を促進するための制度として「ソーシャルビジネス創業支援金」があります。
地域活性化や買い物弱者支援、子育て支援、環境エネルギー関連事業などが対象で、県内で実施することを条件としています。
対象の事業を創業する場合は最大200万円、さらに東京圏・愛知県・大阪府から移住創業した場合は最大100万円が加算されるのが特徴です。
支援金申請までの流れは、公募後審査があり、その後交付決定となります。交付決定日から翌年1月末までに支出したものの経費が補助対象です。
2024年度は、現在2次募集が令和6年7月31日まで実施されています。
参考元:ソーシャル・ビジネス創業支援金について(長野県地域課題解決型創業支援事業)|長野県
結婚・育児に関する支援
結婚や子育てに関する支援は移住に直接関係はないとしても、その後の生活に大きく関わります。
各市町村でさまざまな支援が行われていますが、ここでは長野県が実施している結婚支援と子育て支援をご紹介します。
ながの結婚支援ネットワーク
長野県では少子化対策や結婚支援が積極的に行われており、「ながの結婚支援ネットワーク」では、結婚を希望する人に向けて出会いの機会を広げる活動を行っています。
県内の結婚希望者のプロフィールをデータにまとめて、自分の希望にマッチする人を検索できる「ながの結婚マッチングシステム」や、県内の婚活情報を発信する「ながの出会い応援ポータルサイトハピネスナビ信州」など、さまざまなサポートを行っているため、ぜひチェックしてみましょう。
ながの子育て家庭優待パスポート事業
長野県では、子育て家庭が買い物をする際などにカードを提示することで、割引や各種サービスを受けられる「ながの子育て家庭優待パスポート事業」を実施しています。
居住している市町村だけでなく県内の協賛店で利用可能で、商品の5%割引やポイント2倍、子ども用ソフトドリンクやお菓子の無料サービス、遊び場の利用など、子育て世代にとって嬉しい内容ばかりです。
専用サイトでは、協賛店店舗を検索できるので上手に活用しましょう。
移住相談に便利な「信州暮らし推進センター」が開設
長野県では、令和6年4月より新たに「信州暮らし推進センター」が開設されました。主に仕事と暮らしに関する移住施策を、移住関係団体などと連携を図ることを目的としています。
「信州暮らし推進センター」では、移住関係団体と共催セミナーを開催したり県内移住者との交流会を開催したりと、つながりを深めることや情報発信をする機会を増やす取り組みが行われてます。
長野県の移住を検討している方は、「信州暮らし推進センター」へ相談してみましょう。
長野県への移住|失敗&後悔しないためのポイント
「移住先は長野県に決めた!」という人でも、一度冷静になって考えることも大切です。実際に移住をしてから「失敗した」と後悔しないためにも、きちんと以下のポイントを確認しておきましょう。
費用面のシミュレーションをしておく
都会暮らしと地方暮らしでは、生活にかかる支出の比率が変わる可能性が高く、長野県は土地や物価が安くても、光熱費や車の維持費がかかります。
そのため、月々の固定費がガラリと変わったり、今までになかった必要経費がかかる場合があるでしょう。
移住を検討している方は、しっかりと費用面のシミュレーションをしておくことが大切です。転職する場合は収入も変わってくるため、慎重に考えましょう。
イベントやオンラインセミナーに参加する
インターネットで調べると、長野県や希望の市町村についてある程度の情報は手に入れることができます。しかし、実際に住んでみないと気がつかないこともたくさんあるでしょう。
イベントやオンラインセミナーに積極的に参加すれば、より現実味を持って移住先をイメージしやすくなります。
長野県では定期的に移住相談会を開催したり物件見学ツアーを実施したりしているため、ぜひ参加してみましょう。県職員や先輩移住者の生の声は、移住先を決定するうえで大きな参考になります。
参考元:イベント|楽園信州
二地域居住をしてみる
移住を決めたとしても、完全移住する前にまずは二地域居住をしてみるのがおすすめです。
たとえば、週末だけ田舎暮らしを体験してみたり、夏休みなどの長期休みを長野県で過ごしてみたりすることで、移住後の生活をグッと身近にイメージできるようになります。
「本当に田舎生活ができるのかが心配」「仕事との両立が不安」という方は、まずは試験的に仮移住をしてみましょう。
参考元:イベント|楽園信州
理想のライフスタイルに合う支援がある市町村を選ぶ
移住は生活がガラリと変わり、資金面にも影響を与えます。移住する人にとって、移住支援金やサポートがあるかどうかは重要なポイントです。
「田舎に住んでみたい」「地方で創業したい」「マイホームを建てたい」など、移住の目的は人それぞれですが、移住先選びをする際は、自分が重要視する項目は何か、何を一番支援してもらえると助かるのかを考え、そのニーズに合った支援制度を見つけることが大切です。
また、長野県に移住したいと思ったとしても、気候風土や移住支援制度は各自治体で異なります。自分の理想にマッチする支援制度を実施している市町村を選ぶのも重要なポイントです。
長野県で移住体験はできる?
移住後のミスマッチを防ぐためには、実際に現地で生活してみることが一番です。
長野県内の各自治体では、本格的な移住をする前にお試しで利用できる「長野県移住お試し住宅」を実施しています。移住を真剣に考えている方へ向けた施設で、観光目的や帰省での利用はできません。
試用期間や使用料は自治体によって異なり、無料で利用できる住宅や家庭菜園体験ができる住宅、トレーラーハウスなど地域によってさまざまな魅力があります。
実際に気になる地域に住んでみることで、暮らす生活をイメージできるのは大きなメリットです。
気になる自治体があれば積極的に体験し、自分に合った地域を見つけてみましょう。
長野県移住におすすめの市町村人気ランキングTOP8
ここからは、長野県内で魅力的な支援制度を実施している市町村をランキング形式でご紹介します。就業に特化した支援制度のある自治体や子育てに力を入れている自治体など、地域によってさまざまな特色があります。
長野県に移住を決めたいけど、どの市町村が良いか迷っているという方は、ぜひ移住先選びの参考にしてみてください。
佐久市(さくし)
出典:移住情報サイト 佐久にくらす
長野県東部に位置する佐久市(さくし)は、群馬県との県境に接するのが特徴です。軽井沢などの有名リゾート地があり、丘陵地帯と平野で構成された町は、ゆったりと穏やかな空気が流れ、誰もがリラックスできる場所です。
佐久市は農業だけでなく製造業も盛んで、主に電子部品や機械製造などが製造されています。
佐久市は「佐久市UIJターン就業・創業移住支援事業補助金」や「佐久市移住検討者滞在費補助金」など、移住者に嬉しい支援制度が充実しています。
とくに「佐久市移住検討者滞在費補助金」は、移住を検討している方を対象とした制度のため、移住前に利用すれば移り住む際の不安を取り除くことができます。
日本初の取り組みとなる行政主導の無料オンラインサロン「リモート市役所」なども上手に活用してみましょう。
<問い合わせ先>
企画部 移住交流推進課
0267-62-4139(移住推進係)
上田市(うえだし)
出典:上田市移住定住サイト|上田市ホームページ
上田市(うえだし)は長野県東部に位置し、大河ドラマ『真田丸』の舞台となった街です。年間降水量が約900mmで全国有数の少雨地域です。晴天率が高い気候を活かして、さまざまな果物や野菜の栽培が盛んに行われているのが特徴です。
子育てサポートに力を入れており、応援サイト「うえだ家族」では、出会いの機会から結婚、妊娠、出産、子育てに関するさまざまな情報を発信しています。
また、「子育て支援センター・子育てひろば」では、就園前の子どもや保護者が利用できる場を無料で開放しており、子育てに関する情報交換や絵本の貸し出しなどを行っています。
2015年7月には「子育て支援コーディネーター」が配置されました。見知らぬ地で子育てをする移住者の不安にも寄り添ってくれるのは嬉しいポイントです。
<問い合わせ先>
移住交流推進課
0268-71-6734(代表)
安曇野市(あずみのし)
出典:安曇野市|楽園信州
ほどよく田舎でほどよく便利な安曇野市(あずみのし)は、北アルプスや田園風景、屋敷林に囲まれた美しい景色が自慢のエリアです。
市内には大型商業施設やスーパーマーケットが点在しているので、日々の生活に不便を感じることは少ないでしょう。
安曇野市では子育て支援に力を入れており、自然と積極的に触れ合える「自然保育」をテーマに、地域全体で子育てを見守る体制を備えているのが特徴的です。「子育て応援手当支給事業」では、要件を満たす多子世帯に子育て応援手当を支給しています。
また、幼児教育や保育の無償化を取り入れているため、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の児童と、3歳から5歳までのすべての児童は無償で施設の利用ができます。
<問い合わせ先>
安曇野市移住定住推進課
0263-71-2081
松本市(まつもとし)
出典:松本市|楽園信州
松本市(まつもとし)は中信の中心地であり、北アルプスや美ヶ原高原に囲まれた自然豊かなエリア。中心地は活気がありながらも一歩郊外へ出ると豊かな田園風景を望めることができます。
松本市では仕事に関する支援に力を入れていて、転職や就農支援などを実施しているのが特徴的です。とくに「松本新規就農者育成対策事業」では、市内で新規就農を目指す人を研修生として受け入れ、農業研修と就農支援をしています。
また、松本商工会議所をはじめとする支援機関が一丸となって、創業者希望者に対してのサポートをする「創業支援」も必見です。
<問い合わせ先>
松本市移住推進課
0263-34-3193
伊那市(いなし)
引用元:移住定住応援サイト 伊那に住む
伊那市(いなし)は、伊那市・高遠町・長谷村が合併し新たにつくられた地域で、総面積667.93平方キロメートルで長野県の約5%を占めています。良質な水と土地に恵まれており、米や野菜、果物などの農作物が盛んに栽培されています。
移住すると仕事探しに困ることがありますが、伊那市では移住者へ就業支援やサポートが積極的に行われているのがポイントです。
たとえば、「伊那市無料職業紹介所」を利用すれば、伊那市内の就職情報を無料で教えてもらえるため、仕事を探している方の心強い味方になるでしょう。
また、「通勤助成金」を申請すれば、通勤距離が片道10キロメートルを超える方に対して、ひと月上限5,000円の助成が受けられます。
移住だけでなく定住にも嬉しいサポート制度が充実しています。
<問い合わせ先>
伊那市役所 企画部 地域創造課 移住定住促進係
0265-78-4111
塩尻市(しおじりし)
出典:塩尻市|楽園信州
長野県のほぼ中央に位置する塩尻市(しおじりし)は、北アルプスの山並みと田園風景に囲まれた町です。松本市の市街地から車で約20分ほどのため、ショッピングやレジャーなど生活に便利な施設が揃っています。
塩尻市では「就農関連各種補助制度」を実施しており、市内に居住または居住予定の新規就農者に対して、収納支援金を交付しています。
さらに、農業機械や器具購入に必要な経費の補助、果樹棚や雨避け設備の導入に必要な経費の補助なども行っているのが特徴です。
また、子育て世代が多いこともあり、独自の保育料減免制度を設けていたり、学用品や学校給食費の援助をしていたりと、子育てに関する支援も多く魅力溢れる町となっています。
<問い合わせ先>
しおじり街元気カンパニー
0263-88-8530
飯山市(いいやま)
出典:飯山市|楽園信州
長野県最北端に位置する飯山市(いいやま)は豪雪地帯としても有名ですが、春には菜の花、夏には新緑の田園風景、秋には色鮮やかな紅葉など四季折々の自然も見ごたえたっぷりです。
独特の文化や歴史、伝統を感じながら生活できたり、新幹線で東京駅から最速で1時間40分でアクセスできたりするのも魅力的です。
また、飯山市では結婚や出産に関する支援制度が充実しています。「新婚生活支援事業」では、結婚の新生活を経済的に援助するため、住居費や引越し費用に対する補助金を交付しています。
さらに、出産に伴う経済的負担を軽減するため、児童ひとりにつき10万円を交付する「飯山市出産特別給付金」も設けられているため、子育ての負担を軽減できるのが嬉しいポイントです。
<問い合わせ先>
飯山市移住定住推進課
0269-62-3111
喬木村(たかぎむら)
出典:喬木村|楽園信州
南信に位置する喬木村(たかぎむら)は、伊那谷を流れる天竜川の東にあり河岸段丘による豊かな自然に囲まれたエリアです。比較的温暖で積雪も少なく、飯田市に隣接しているため買い物や医療の利便性が良い地域といえます。
喬木村にはさまざまな支援制度がありますが、なかでも住宅に関する支援が特に充実しています。たとえば、「住宅取得支援」では住宅用地取得補助金として最大60万円、新築補助金として20万円の補助が利用可能です。
また「空き家活用支援」では、村が管理する空き家を改修する場合に最大50万円、不用品処分に対し最大10万円の補助金を受けとることができます。
<問い合わせ先>
喬木村企画財政課
0265-33-2001
魅力たっぷりの長野県への移住を検討してみよう
自然豊かで意外と利便性の高い長野県は、希望移住地として人気が高い。各市町村ではさまざまな移住に関する支援制度を用意していることも、移住先に選ばれる理由だ。
後悔のない移住を実現するためには、長野県の魅力とデメリットを事前にしっかり理解して、自分が希望する支援制度を見つけることが大切だ。
まずは、実際に長野県での暮らしを体験できるお試し住宅や体験ツアーを上手に利用して、移住生活をイメージしてみよう。