「保育園留学」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?今住んでいる場所と違う地域の保育園で過ごし、親子共にその地域の暮らしを体験できる保育園留学について紹介します。
子育て中の方々に注目されている保育園留学。全国で保育園留学を受け入れているおすすめ地域・施設もチェックしてみてくださいね。
保育園留学®とは?
「保育園留学®」とは暮らし体験のひとつで、今住んでいる場所とは違う地域の保育園に子どもを通わせ、家族で一緒に滞在することを言います。
滞在中は、その地域ならではの生活を体験でき、保育園留学の家族を迎え入れる地域は、人口創出の機会にもつながっています。
保育園留学を入口として、その地域の魅力に気付き「また訪れたい」と思う人も多くいます。
保育園留学は、内閣府の「一時預かり保育」制度を利用。一時預かり保育とは、里帰り出産や保護者の仕事の都合などで園に在籍していなくても、空きがあれば一時的に子どもを預かってもらえる制度のことです。
保育園留学を受け入れている保育園は元々一時預かり制度があるため、保育園留学の子どもたちをスムーズに受け入れることが可能できるのです。
保育園留学をするメリット
保育園留学をする場合のメリットを見ていきましょう。
自然を感じる保育園で過ごせる
保育園留学ができる保育園は、どこも大自然を感じられる地域です。広々とした園庭や、海がすぐ近くにある保育園、山や田んぼに囲まれた園など、都市部ではなかなか味わえない自然との触れ合いを思う存分楽しめます。
自然がそばにある保育園で子どもたちは、海を散歩したり虫を捕まえて観察したり、冬には雪深い場所で雪国体験をしたりできます。
保育園留学を体験した子どもたちは、滞在日数が経つにつれ自然の中で体験することを通じて、「表情や感情がどんどん豊かになる」と感じたという保護者も。
親がリモートワークできる施設がある
保育園留学は短期間とはいえ、1週間〜2週間ほど自宅から離れて暮らすことは親の仕事にも影響は出てくるでしょう。
保育園留学中は、家族で一緒に暮らせて滞在期間中の必需品が揃った宿泊施設が用意されています。インターネット環境も整備されているため、リモートワークも可能です。
また、留学先によってはコワーキングスペースとも連携していて、子どもが保育園にいる間、親たちも普段と変わらず仕事ができます。
いつものオフィスを離れ、違う環境で仕事をすることは、最近注目されているワーケーションにも似ていて、大人にとってもリフレッシュになるのではないでしょうか。
移住前のおためし暮らしにもおすすめ
将来子連れでの移住を考えている人にとっても、この保育園留学はおすすめのシステムです。短期間、移住を検討している地域で暮らしてみることで、ネットや本などの情報では見えないことも知れるでしょう。
また、保育園に子どもを預けることで、地域の子どもたちや親たちの様子も分かります。そして何より、子どもがその土地に合うかどうかを事前に知れることが大きなメリットでしょう。
時間や仕事の状況が許せば、ぜひ保育園留学を移住前のおためし暮らしに活用することをおすすめします。
保育園留学をするデメリット
保育園留学することのメリットを紹介してきましたが、デメリットも知っておくことが必要です。
人気の園はキャンセル待ちも
保育園留学は、2021年11月に北海道厚沢部町で募集が開始されました。その後取り組みが広がり、2023年6月時点で保育園の数は全国43ヶ所(2024年7月現在)に広がっています。これからもっと広がっていくことも考えられます。
保育園留学は、教育移住を検討中の家族などからも注目を集めていて、キャンセル待ちが出る保育園もあると言います。
もし保育園留学をしたいと考えているなら、希望の保育園にはいつから入れるのかなど、事前のリサーチが重要になるでしょう。
短期間なので子どもが慣れる頃には終了する
保育園留学の期間は、1週間または2週間から選べます。子どもが現地の保育園に入っても、すぐに保育園の雰囲気に慣れるかどうかは分かりません。なかには慣れるのに長い時間が必要な子もいるかもしれません。
やっと現地の保育園の雰囲気に慣れて、楽しく過ごせるようになったとしても、2週間経てばプログラムは終了。
ただ、保育園留学を体験した人は、「また体験したい」とリピート希望の人も多くいるようです。
保育園留学は1回で終了ではなく、子どもが未就学児の間はまた申し込めます。子どもの体験の様子を見ながら、リピートを考えても良いでしょう。
保育園留学の費用は高い?
保育園留学の留学プランは、1週間または2週間から選べます。ただし、保育園によってはどちらかのプランに限られる場合があるため注意しておきましょう。
留学プランには以下の4つが含まれます。
- 預かり保育
- 宿泊
- 生活備品
- Wi-Fi利用料(宿泊施設内)
保育園留学費用は、大人2名・子ども1名の1週間滞在で、91,800円~376,100円まで。
参加する大人の人数や保育園留学先によって料金は上下するため、詳しくは公式サイトの留学先紹介からそれぞれ保育園の詳細を確認してみてくださいね。
保育園留学を受け入れているおすすめ保育園施設・地域7選
最後に、保育園留学を受け入れる保育園とその地域を7つ紹介します。
認定こども園はぜる|北海道厚沢部町(あっさぶちょう)
出典:認定こども園はぜる|保育園留学®️
北海道厚沢部町(あっさぶちょう)にある厚沢部町認定こども園はぜるは、2021年11月に初めて保育園留学の募集を開始した保育園です。
はぜるは、公園の芝生や小高い丘(築山)などをそのまま園庭として使用。広々とした園庭で思い切り体を動かしたり、一角にある菜園で野菜を収穫したりと、子どもたちは好き好きに遊んでいます。園内にもさまざまな遊具を用意している部屋があります。
保育園留学中は、地域のアクティビティへ親子で参加可能です。園の近くには道の駅があり、厚沢部町産の野菜を買うことができます。
宿泊施設内には生活に必要な備品が揃い、仕事する環境も整っています。 保育園留学中に子どもが急な体調不良になった場合は、オンライン診療を利用することが可能です。
- 留学費用:211,200円~
幼保連携型認定こども園 上滝保育園|富山県富山市
出典:上滝保育園|保育園留学®️
立山連峰が望める場所にある、富山市の幼保連携型認定こども園上滝保育園。園庭には晴れの日も雪の日も元気に季節の遊びを楽しむ子どもたちの姿があります。
園内の室内遊びにはモンテッソーリ教育を取り入れているのが特徴です。モンテッソーリ教育とは、「自己教育法」を行う教育法のこと。子どもたちが自立し、相手を尊重して生涯学び続ける姿勢を持った人間に育つよう保育園がサポートしてくれます。
また、縦割り保育を取り入れることによって子どもたち同士で考え、年上の子と年下の子が自然にお互いを支え合う様子が見られます。
保育園留学中の滞在施設は、生活に必要なものが基本的に揃う他、子どもと一緒に遊べるスポーツ施設が併設しています。近くにドラッグストアや病院、直売所などもあるため、安心して生活できるでしょう。
仕事に集中したい場合は、リモートワーク環境が整うコワーキングスペースもあります。立山の自然を思い切り楽しめる環境も近くにあり、地域のアクティビティに家族で参加可能です。
- 留学費用:179,400円~
INSプレスクール上田・上田原キャンパス|長野県上田市
出典:INSプレスクール上田・上田原キャンパス|保育園留学®️
子どもが小さいうちから英語に触れさせたいと考える人におすすめなのが、INSプレスクール上田・上田原キャンパスです。東京からは北陸新幹線で約90分で到着します。
このプレスクールの特徴は、国際バカロレアを導入した国際基準の英語教育を学べることです。子どもたちは、毎日英語のシャワーを浴びて、自然と英語が身に付く環境の中で過ごすことができます。
また、自然が豊かな上田市での園活動では、地域の畑で土に触れたり虫を探したり・・・保護者が参加する、ファミリーデイキャンプも行われ、家族で自然体験を楽しめるでしょう。
留学中の滞在先は保育園から車で5分の場所にある一軒家です。生活と共に仕事ができる環境も整っています。
- 留学費用:307,400円~
三田保育園|東京都青梅市(おうめし)
出典:三田保育園|保育園留学®️
都心からJRでアクセスできる青梅市の三田保育園は、モンテッソーリ教育を元にした保育プログラムで、子どもたちはトライアンドエラーを繰り返しながら心身共に成長していきます。
園庭には大型遊具や自転車があり、好きな遊びを楽しめます。園外へも出かけて、自然に触れ合う体験も。住職でもある理事長から学ぶ、座禅の作法の時間があるのも特徴的です。
滞在先は2つあり、どちらもWi-Fiが完備されているため仕事に困りません。ワークスペースがある交流センターも利用でき、御岳渓谷を眺めながら仕事ができます。
青梅市は東京から電車で1本、1時間で到着できるため、急な出勤に対応できるのも良いところでしょう。
- 留学費用:261,000円~
幼保連携型認定こども園 美濃保育園|岐阜県美濃市(みのし)
出典:美濃保育園|保育園留学®️
幼保連携型認定こども園美濃保育園は、お寺の中にあります。
広い敷地の中で、子どもたちはのびのびと遊びを楽しみ、ときには森へ出かけたり、畑の野菜の収穫体験をしたりします。また、市内の8割が森林であることから、木を使った「木育」を取り入れているのも特徴です。
山々に囲まれていることもあり、自然と遊ぶアクティビティも充実。週末は家族で自然を満喫する時間を持てるでしょう。
滞在は、ホテルか1棟貸しの宿かどちらかを選ぶことができます。
- 留学費用:177,100円~
有漢こども園|岡山県高梁市(たかはしし)
出典:有漢こども園|保育園留学®️
周りを山や田んぼに囲まれ、ふるさとに帰ってきたような間隔で保育園留学を楽しめるのが、岡山県高梁市の有漢こども園です。
ここの園では、子どもたちが登園したらすぐに田んぼに出て虫の観察をしたり、シャボン玉やおままごとをしたりするなど、好きな遊びを楽しませてくれます。
保育園は、子どもたちのやりたいことがやれる環境を整えて、子どもの主体性を育てることを見守っています。
園内には畑があり、年長の子どもたちがいろいろな種類の野菜を苗植えから収穫まで担当。育てた野菜は給食にも使われ、食育にもつながっているのです。
子ども園から歩いて15分のところにある3DKの一軒家が滞在先です。生活設備が整い、仕事ができる部屋もあります。車で5分行くと産直市場があるため、地元食材を買って調理することも可能です。
- 留学費用:192,600円~
認定こども園 もぐし海のこども園|熊本県天草市
出典:もぐし海のこども園|保育園留学®️
熊本県の南西部で海が近くにある天草市のもぐし海のこども園。
この園の特徴は、園庭に遊具がないことです。子どもたちは、敷地内に落ちている葉っぱや木の実、石ころ、雨でできた泥などを使って、自分たちの遊びを見つけていきます。
また、園の側にはウミガメの産卵が見られるほど美しい海水浴場も。子どもたちは磯遊びや水遊びを楽しみながら、自然を体いっぱいに受け止め、五感を育てていきます。
保育園留学中は、地域の人が営む短期滞在用のゲストハウスに滞在します。部屋はワンフロア貸切で、共用エリアにはワーキングスペースとして利用可能です。
ゲストハウスにはオーナーがいるため、どんなことも相談しやすいのがポイントでしょう。
- 留学費用:383,600円~
保育園留学で親子・地域との思い出を作ろう
未就学児とその家族しか経験できない保育園留学は、今しかできない体験を家族でしたいと考えている人にぴったりのプログラムです。
将来教育移住や家族連れでの移住を考えている人も、お試し移住として利用してみるのも良いかもしれません。
保育園留学に興味があれば、公式サイトから留学の相談をしてみてくださいね。