移住先を探している方のなかには、青森県が気になっている方も多いのではないだろうか。青森は、豊かな自然や日本が誇る文化など、多くの魅力がある。
本記事では、青森に移住するメリットや事前に把握しておくべき注意点に加え、移住支援制度やおすすめの自治体(市町)まで詳しく解説する。
移住する前に知っておきたい青森県の基本情報
青森県への移住を考えるにあたって、まず土地柄を知ることが大切だ。地理、人口、気候、産業など、青森県の基本情報から押さえていこう。
地理
青森県は、本州の最北端にあり、岩手県と秋田県に隣接している。2020年4月時点で10の市、22の町、8の村があり、すべて合わせると40市町村だ。
参考:場所・気候|青森県
人口
青森県の人口は、令和2年10月1日時点で、1,237,984人だ。全国では第31位に位置し、比較的人口の少ない県と言える。
気候
青森県の気候は、中央部にそびえる奥羽山脈を境に、日本海側と太平洋側で特徴が異なっている。
日本海側は、山脈に湿った空気がぶつかることで雪が多い。太平洋側には、冷たい北東風が吹き、夏に気温が低くなる日が続く傾向がある。
季節の移り変わりがはっきりしているのも特徴だ。季節の傾向がわかりやすいため、美しい自然を楽しみながら、季節ごとの準備によって快適に過ごすことができる。
参考:場所・気候|青森県
産業
青森県は、全国的に農林水産業が盛んな県である。米、野菜、果実などさまざまな品目を生産しながら、それぞれのバランスが良いのが特徴だ。
なかでも、リンゴ、にんにく、ごぼう、アカイカ、ヒバの生産量は全国1位で、長いもやホタテガイ、クロマグロなどは全国2位に位置している。
また、県土の約66%を占める森林を生かし、林業も盛んだ。ヒバやブナ、アカマツなど地域それぞれの樹種を生育し、木材の利活用促進に取り組んでいる。
青森に移住するメリット
青森に移住するメリットは、以下の4つだ。
- 豊かな自然で育まれた海産物や農産物が身近にある
- 通勤のストレスが少ない
- 子育てしやすい環境が整っている
- 魅力的なイベントが各地で開催されている
青森の良いところを知り、移住のイメージを膨らませよう。
豊かな自然で育まれた海産物や農産物が身近にある
青森県は豊かな自然を生かし、農林水産業が盛んであり、美味しい海産物や農産物が身近に多い。
スーパーでも購入できるため、美味しい食材を使った料理を食卓に並べられるのが魅力だ。
古くから青森に根付いている食文化も体験できる。郷土料理百選に選定されている、いちご煮やせんべい汁などをぜひ味わってみよう。
通勤のストレスが少ない
青森は全国的に人口が少ない県であるため、都市部から移住した場合、通勤ストレスから解放されるだろう。
面積こそ広いものの、通勤時間30分未満のエリアに世帯が多いため、通勤の負担が少ない傾向がある。通勤のストレスや負担が軽減できれば、のびのび暮らせるはずだ。
子育てしやすい環境が整っている
青森は、子育てしやすい環境が整っている県だ。
全国的に課題とされていた待機児童は、減少傾向に転じているものの、依然として保育所を利用できない児童が存在する。
青森の待機児童数は0人であり、保育所を必要とする児童がしっかり入所できているのが特徴だ。
育児支援を実施している自治体も多く、必要に応じて育児に必要な助成を受けることができる。
魅力的なイベントが各地で開催されている
青森では、青森ねぷた祭や弘前ねぷたまつりなど、歴史あるイベントが開催されている。
どれも活気あるお祭りで、青森の良さや歴史などを存分に感じられるため、余暇を充実させられるだろう。
また、北国ならではのアクティビティも楽しめる。ゲレンデでのウィンタースポーツ、海や湖、川でのマリンアクティビティなど、レジャーやスポーツを満喫できるのも魅力だ。
青森への移住で失敗する原因や注意点
青森には多くの魅力がある一方で、注意点もいくつかある。デメリットを知らないまま移住すると、イメージとのギャップで不満を感じるケースもあるため、あらかじめ押さえておきたい。
青森県への移住で失敗する原因と注意点をチェックしていこう。
- 冬の積雪や寒さに注意が必要
- 移動には車が欠かせない
- 求人や収入は都市部より恵まれていない
- 方言など地域柄に慣れる必要がある
冬の積雪や寒さに注意が必要
青森は北国であり、冬には気温が下がり積雪も多い地域だ。雪が多く降れば、通勤前や休日に雪かきをする必要があり、体力的にきつくなることがある。
寒さに対応するために、暖房を常時使用する必要もあり、光熱費を計算しなくてはならない。寒さへの慣れや費用など、気候への理解と準備が必要だ。
移動には車が欠かせない
青森には、都市部に比べると公共交通機関が少ない。そのため、通勤やレジャーなどには車が欠かせない。
普段のショッピングにも必須であるため、車を持っていない場合は購入が必要だ。維持費用もかかるため、予算に余裕を持って移住の準備を進めたい。
求人や収入は都市部より恵まれていない
青森県の令和3年度の平均年収は、約374万円であり、全国平均を下回っている。
全国的には47都道府県中46位に位置しているため、都市部に比べると、収入が下がる可能性が高い。
求人も都市部より充実しているとは言えず、選べる求人の幅は狭くなるだろう。
移住に伴って転職する場合は、優先したい条件を明確にしたうえで、じっくりあなたに合った仕事を探すことが大切だ。
方言など地域柄に慣れる必要がある
メディアでも度々取り上げられているが、方言が特徴的なことが知られている。移住する地域によっては、言葉の意味がわからないこともあるだろう。
事前知識がまったくないと、方言や県民性に慣れず苦労してしまう。ギャップに苦しまないように、移住体験やツアーなどで青森の移住を体験するのがおすすめだ。
青森で実施している主な移住支援制度(補助金)
出典:移住支援情報|あおもり暮らし
青森では、住まいや暮らし、仕事などに対してさまざまな支援を実施している。移住相談ができる窓口もあるため、安心して準備を始められるだろう。
青森で実施している主な移住支援制度をチェックし、上手に活用してみてほしい。
住宅支援
住宅支援では、新築住宅の取得や空き家情報の提供、公共住宅の家賃軽減などの支援を各自治体で提供している。
自治体によって提供している支援が異なるので、移住を検討している自治体の制度の内容を確認しよう。
生活支援
生活支援として、暮らしに関わる支援を各自治体で実施している。例えば、藤崎町では、新婚世帯を対象に住宅取得や引越しなどに関わる費用を補助。
階上町では、保険診療による医療費の自己負担分を給付している。結婚や子育てなど幅広い支援を行っているので、各自治体の支援内容を確認してみよう。
就業支援
就業支援では、移住に伴って県内で就業した場合に、移住支援金を得られる制度を実施している。農業など産業に特化した制度もあり、就農や就漁なども検討しやすい。
移住支援金制度は、対象者や対象要件が定められている。対象に該当するかを慎重に確認しよう。
あおもり移住倶楽部
あおもり移住倶楽部は、青森県への移住に興味がある県外在住者を対象にした無料会員サービスだ。
移住に役立つ割引や特典を受けられ、移住関連情報も配信している。費用はかからないため、気軽に登録してみよう。
定住サポーター
定住サポーターとは、青森県に移住した方に向けて、あらゆるサービスや情報を提供している団体である。
検索フォームでエリアを指定することで、サービスの絞り込み検索が可能だ。移住後に役立つサービスだが、事前に目を通しておくのもおすすめだ。
青森で移住したいおすすめの自治体(市町村)6選
青森のなかでも、移住におすすめしたい自治体は以下の通りだ。
- 青森市(あおもりし)
- 弘前市(ひろさきし)
- 八戸市(はちのへし)
- 五所川原市(ごしょがわらし)
- 十和田市(とわだし)
- 大間町(おおままち)
各市町村の特徴や支援制度を知り、移住するまちの候補として検討してみよう。
青森市(あおもりし)
出典:青森市移住・交流支援サイト|青森市
青森市は、青森県の中央に位置する県庁所在地だ。八甲田連峰や陸奥湾など自然に恵まれたまちで、リンゴやホタテなど食材も豊富。
青森ねぶた祭や三内丸山遺跡など、歴史的なイベントやスポットも多い。
移住者に対しては、オンライン移住相談や移住体験などのサポートを実施している。また、各種支援制度や地域おこし協力隊の募集など、活用したい制度が整っているのが特徴だ。
弘前市(ひろさきし)
出典:弘前ぐらし
弘前市は、新青森駅からJRで約40分の場所にある市。県の都市部からほどよく離れつつ、市街地に店舗が多く利便性が高い。
桜の名所である弘前城、四季折々の景色を見られる岩木山、世界自然遺産に登録された白神山地など、見どころが豊富だ。
移住支援制度のひとつとして、移住お試しハウスを提供している。一定期間生活体験ができるだけではなく、滞在中は移住相談も可能だ。
八戸市(はちのへし)
八戸市は、農水畜産業や商工業など多種多様な産業が集まる市。交通のアクセスも良く、通勤やショッピングなどの利便性に恵まれている。
市営書店や美術館などがあり、本とアートといった文化に囲まれているのも特徴だ。
青森は雪が多いイメージがあるが、八戸市は県内でも積雪が比較的少ない。雪が不安な方でも比較的暮らしやすいだろう。
移住支援では、子育てや教育、就業、住宅など幅広い支援を提供している。移住相談窓口も設置しているため、気軽に活用してみよう。
五所川原市(ごしょがわらし)
出典:ごしょぐらし
五所川原市は、津軽平野のほぼ中央に位置する市だ。白神山地を水源とし、豊かな自然を生かした穀倉地帯がまちを支えている。
日本海側の気候により積雪は多いものの、冬を楽しむイベントやウィンタースポーツを満喫できるだろう。
五所川原市では、出産応援給付金や子ども医療費給付制度、UIJターン若者就職奨励事業など、子育てや仕事への支援が豊富だ。
十和田市(とわだし)
出典:日々コレ十和田ナリ
十和田市は、県の南に位置し、十和田湖や奥入瀬渓流などの景勝地がある。
市街地から観光地や駅、空港などがちょうどよい距離にあり、暮らしやレジャーのメリハリを付けられるのが魅力。
水資源に恵まれているため、農業が盛んだ。にんにくや長いも、ねぎ、ごぼうなどが多く生産され、スーパーや道の駅などで購入できる。
支援制度は、東京圏からの転入・就業者に対しての移住支援金や移住・定住住宅取得等支援事業補助金など、補助金制度が豊富。空き家バンク事業も実施し、空き家の情報収集もしやすい。
大間町(おおままち)
出典:大間町
大間町は、「大間のマグロ」で有名な本州最北端のまちだ。津軽海峡に面し、北海道の函館市汐首岬とは約17.5kmとほど近く、恵まれた海での漁業を中心に産業が営まれている。
農業も盛んで、大間牛や馬鈴薯なども有名。
特に力を入れている移住支援は、子育て支援だ。中学校3年生までの保険診療による医療費時負担額の助成、3~5歳児の保育料無償化など、子育て世帯に嬉しい制度を整えている。
青森への移住準備をはじめよう
青森には豊かな自然があり、美味しい海産物や農産物も魅力的だ。歴史あるイベントやレジャースポットなども多く、充実した余暇を過ごせるだろう。
青森では、住宅支援や生活支援、就業支援などの制度が充実している。気になる自治体の制度を確認し、上手く活用したうえで青森への移住を成功させよう。