「海の近くで新しい生活を始めたい!」そう思っても、物件探しや地域の情報収集はなかなか大変ですよね。この記事では、中古戸建てや空き家も見つけやすい、移住におすすめの海辺の地域10選をご紹介。海暮らしの実情や、物件探しの具体的な進め方など、理想の移住計画のヒントになるかもしれません。


海の近くに住むメリット・デメリット【後悔しないためのチェックポイント】
海の近くでの暮らしは、多くの魅力にあふれていますが、同時に知っておくべき注意点も存在します。移住後に「こんなはずでは…」と後悔しないために、メリットとデメリット、そしてそれらを踏まえたチェックポイントをしっかり押さえておきましょう。
メリット:景色・気候・レジャー・癒し効果
海の近くに住む最大のメリットは、何といってもその素晴らしい景色でしょう。窓から広がるオーシャンビュー、刻々と表情を変える海の色、水平線に沈む夕日は、日々の暮らしに感動と潤いを与えてくれます。
また、一般的に気候が比較的温暖で過ごしやすい地域が多いのも魅力。潮風が心地よく、季節の移ろいを身近に感じられるでしょう。
多彩なレジャーがすぐそばにあるのも特権です。サーフィンや釣り、海水浴はもちろん、海辺の散歩やジョギングなど、気軽に自然の中で体を動かせます。
そして、波の音や潮の香り、広大な景色は、日常のストレスを和らげ、心身を深く癒やしてくれる効果も期待できるかもしれません。
デメリットと対策:知っておきたい「塩害」「災害リスク」「生活環境」
魅力的な海辺の暮らしですが、事前に理解し対策を考えておくべきデメリットも存在します。
塩害:潮風に含まれる塩分は、建物(特に金属部分や外壁)や車、自転車、エアコンの室外機などを錆びやすくし、劣化を早めることがあります。
対策: 塩害に強い素材の建材を選んだり、定期的な水洗い清掃、防錆塗装などのメンテナンスが不可欠です。植物も潮風に強いものを選ぶ必要があります。これらの維持管理費用も予算に含めておくと安心です。
自然災害リスク:海に近いということは、台風の進路になりやすかったり、津波や高潮といった自然災害のリスクが高まったりする可能性があります。
対策: 移住を検討する地域のハザードマップを必ず確認し、浸水想定区域や避難場所、避難経路を事前に把握しておくことが極めて重要です。非常持ち出し袋の準備や、家族との連絡方法の確認など、日頃から備えを怠らないようにしましょう。
生活環境:都市部と比較すると、スーパーや病院、学校などの生活インフラが限られていたり、自宅からの距離が遠かったりする場合があります。また、公共交通機関(電車やバス)の本数が少なく、交通の便が良くないために車が生活必需品となる地域も少なくありません。
対策: 日常生活に必要な施設へのアクセス方法や距離、時間を事前にしっかり確認しましょう。車を持つ場合は、維持費や駐車場の確保も必要です。都市部と同じような利便性を求める場合は、ギャップを感じる可能性があることを理解しておきましょう。
【地域別】海に近い&中古戸建て・空き家情報が豊富な町10選
日本には、海の近くで魅力的な暮らしを実現できる町がたくさんあります。ここでは、特に中古戸建てや空き家の情報が比較的見つけやすく、それぞれに個性的な魅力を持つ町をご紹介します。
静岡県下田市|海まで徒歩圏、サーフィンの聖地
静岡県伊豆半島の南部に位置する下田市は、美しい白砂のビーチが多く点在し、エリアによっては海まで徒歩圏の物件も見つかります。特に白浜海岸は全国的に有名なサーフスポットであり、一年を通して多くのサーファーで賑わう“サーフィンの聖地”です。幕末開港の地としての歴史も色濃く残り、風情ある街並みも魅力の一つ。
都心からのアクセスも比較的良く、移住先としても人気があります。そのため、別荘として利用されていた海近くの中古戸建てや、リフォームを楽しめる空き家情報も市の空き家バンクや不動産サイトで見つけやすい傾向にあります。
福岡県糸島市|都市近郊×海暮らしの理想郷
福岡市の西隣に位置する糸島市は、都市近郊でありながら、豊かな自然と美しい海岸線に恵まれたエリアです。おしゃれなカフェや工房が点在し、若い世代やクリエイティブな層からの移住者も多く、「海暮らしの理想郷」として注目を集めています。新鮮な海の幸や農産物も豊富で、食の楽しみも多いのが特徴です。
福岡市内へのアクセスも良好なため、都市の利便性と自然の中での暮らしを両立させたい方におすすめ!近年移住者が増加している背景もあり、中古物件の流通も比較的活発で、市の移住支援サイトや民間の不動産ポータルでも多様な空き家情報が提供されています。
宮崎県日南市|漁港文化と南国ライフスタイル
宮崎県の南部に位置する日南市は、温暖な気候と美しいリアス式海岸が特徴です。古くからカツオ漁などが盛んで、油津港を中心に活気ある漁港文化が根付いています。海岸沿いに並ぶフェニックスの木々は、まさに南国ライフスタイルを感じさせ、サーフィンスポットも多く存在。海の幸はもちろん、地鶏や宮崎牛などのグルメも楽しめます。
市では空き家バンク制度を積極的に運営しており、漁港町の趣を残す中古戸建てや、DIYで再生できる空き家など、掘り出し物の物件情報も期待できます。
岡山県備前市|カキと備前焼、穏やかな瀬戸内ライフ
岡山県の南東部に位置し、瀬戸内海に面する備前市は、古くから「備前焼」の里として知られ、しっとりとした風情ある町並みが残っています。
特に伊部(いんべ)地区では多くの窯元やギャラリーが軒を連ね、陶芸文化に触れることが可能です。また、日生(ひなせ)諸島をはじめとする美しい島々が浮かぶ穏やかな海では、カキ養殖が盛んで、冬場の「カキオコ(牡蠣入りお好み焼き)」は絶品。新鮮な海の幸を一年を通して楽しめます。
京阪神からのアクセスも比較的良好で、週末の小旅行から本格的な移住まで、多様なライフスタイルに応えてくれるでしょう。市では積極的に空き家バンク制度を運営しており、風情ある古民家や、瀬戸内海を望む物件、リフォームに適した中古戸建てなど、多様なニーズに応える空き家情報が見つかりやすく、移住者向けのサポートも。
千葉県鴨川市|首都圏近くで海沿い戸建てが狙える
千葉県南東部に位置する鴨川市は、首都圏からのアクセスが比較的良く、週末移住や二拠点居住の候補地としても人気があります。太平洋に面した長い海岸線を有し、海沿いの戸建て物件も探しやすいエリアの一つ。鴨川シーワールドなどの観光スポットもあり、温暖な気候で海のレジャーも楽しめます。
医療機関が充実している点も、移住者にとっては安心材料となるでしょう。週末移住やセカンドハウスとしての需要も高いことから、中古戸建ての流通が比較的多く、市の空き家バンクや不動産情報サイトでも海に近い物件やリフォーム向けの空き家情報が豊富に見つかります。
香川県三豊市|穏やかな海と移住者支援が充実
香川県の西部に位置する三豊市は、荘内半島や粟島など、瀬戸内海の美しい島々を望むことができます。波の穏やかな海が特徴で、近年「日本のウユニ塩湖」とも称される父母ヶ浜が人気を集めているようです。
市としても移住者支援に力を入れており、相談窓口の設置や各種支援制度が充実している点も魅力。移住支援の積極性と合わせて、市の空き家バンク制度も活発に運営されており、瀬戸内ライフに適した中古戸建てや、改修によって理想の住まいを実現できる空き家情報が比較的豊富です。
高知県土佐清水市|太平洋に面した自然豊かな地域
高知県の最南端に位置する土佐清水市は、足摺岬や竜串・見残し海岸など、雄大な太平洋に面した景勝地を多く有する、まさに自然豊かな地域です。黒潮がもたらす海の幸に恵まれ、新鮮な魚介類を堪能できます。手つかずの自然が多く残り、カヌーやダイビングなどのアクティビティも。
市のウェブサイトで運営されている空き家バンクなどを活用すれば、豊かな自然に囲まれた中古戸建てや、手頃な価格の空き家に出会えるチャンスがあり、情報も探しやすいでしょう。
熊本県天草市|離島風情と空き家バンクが魅力
熊本県の南西部に位置する天草市は、大小120余りの島々からなる地域で、美しい海と緑豊かな山々に囲まれています。橋で九州本土と結ばれていますが、独特の離島風情が色濃く残っているのが特徴。イルカウォッチングや教会群などの観光資源も豊富です。
また、市では空き家バンク制度を積極的に推進し、専門の相談員も配置するなど力を入れています。ウェブサイトでの情報公開も充実しており、島暮らしに適した中古戸建てや個性的な空き家が豊富に見つかる可能性が高いでしょう。
和歌山県白浜町|温泉も楽しめる海辺の観光地
和歌山県南部に位置する白浜町は、関西を代表する海辺の観光地の一つです。多くの海水浴客で賑わう美しい白砂が広がる白良浜(しららはま)や、日本三古湯の一つに数えられる「南紀白浜温泉」など、魅力的なスポットが満載!アドベンチャーワールドなどの大型レジャー施設もあり、年間を通して多くの観光客が訪れます。
歴史ある観光地であるため、別荘として使われていた中古物件や、地域に根ざした空き家のストックも比較的多いよう。空き家バンクや不動産会社の情報をこまめにチェックすることで、希望に合う物件情報に出会えるでしょう。
北海道積丹町|漁師町ならではの暮らしと自然の恵み
北海道西部に位置する積丹(しゃこたん)町は、「積丹ブルー」と称される透明度の高い美しい海で知られています。ウニやアワビなどの海の幸が豊富で、漁師町ならではの暮らしが息づく場所。断崖絶壁が続く海岸線や神威岬(かむいみさき)などの景勝地も多く、手つかずの自然の恵みを存分に感じられるでしょう。
原生的な自然が魅力の積丹町では、漁師町の趣を残す中古住宅や、静かな環境を求める人向けの空き家情報があります。町の空き家バンクや移住相談窓口を通じて提供されており、掘り出し物が見つかることもあるかもしれません。
海沿いエリアの空き家・中古戸建てを探すには?
海の近くでの暮らしを夢見て、いざ物件探しを始めようとしても、何から手をつければ良いか迷うかもしれませんね。ここでは、海沿いエリアで空き家や中古戸建てを探すための主な方法と、それぞれのポイントについてご紹介します。
空き家バンク
「空き家バンク」とは、主に各自治体が運営している、空き家の賃貸・売買を希望する所有者から提供された情報を集約し、利用希望者に紹介する制度です。
メリットとしては、市場になかなか出回らない掘り出し物の物件が見つかる可能性があることや、自治体によっては改修費用の補助金制度などが利用できる場合があること。
移住を検討している自治体のウェブサイトで「空き家バンク」のページを探し、登録物件を確認します。気になる物件があれば、担当窓口に問い合わせて詳細を聞いたり、見学の手続きを進めたりします。ただし、物件情報が常に豊富にあるとは限らず、契約条件なども個別に確認が必要です。


民間ポータルサイト
大手の不動産情報ポータルサイト(SUUMO、HOME’S、at homeなど)でも、海沿いの空き家や中古戸建ての情報は数多く掲載されています。
これらのサイトでは、「海が見える」「オーシャンビュー」「海まで徒歩圏」といったキーワードや、沿線・駅、エリア、価格帯、間取りなど、詳細な条件を設定して物件を絞り込むことが可能。複数の気になる物件を比較・検討しやすく、写真や間取り図も豊富なため、効率的に情報を集められるのがメリットです。
新着物件のアラート機能を設定しておけば、希望条件に合う物件が出た際に通知を受け取ることも可能となります。
現地見学
インターネットや資料である程度情報を集めたら、必ず現地に足を運んで物件を見学しましょう。実際に自分の目で見ることで、写真だけでは分からない多くの情報を得られます。
現地見学の際には、物件の状態(建物の傷み具合、水回り、日当たり、風通しなど)はもちろんのこと、周辺環境(隣家との距離、騒音、匂い、スーパーや病院など生活施設へのアクセス)もしっかり確認してください。
特に海沿いの物件では、海からの実際の距離や道のり、塩害の影響の程度、津波や高潮のリスク(ハザードマップと照らし合わせる)などを重点的にチェックすることが大切です。事前にチェックリストを作成し、見学時に確認漏れがないようにしましょう。
理想の「海辺の暮らし」を具体的に思い描こう
多くの情報を得ることも大切ですが、何よりもまず、あなた自身がどのような「海辺の暮らし」を理想としているのかを具体的に思い描いてみることが、後悔しない移住への第一歩となります。
ご自身の趣味や価値観、ライフスタイルと照らし合わせながら、「これだけは譲れない」というポイントや、「こんな生活がしたい」という具体的なイメージを膨らませてみてください。家族がいる場合は、皆さんで理想の暮らしについて話し合うことも非常に重要です。
理想を具体的に描くことで、移住先の地域選びや物件探しの軸が定まり、数ある情報の中から自分にとって本当に必要なものを見極めやすくなります。焦らず、じっくりとご自身の心と向き合う時間を持つことが、素晴らしい海辺の暮らしを実現するための鍵となるでしょう。