平安時代、宇佐神宮の荘園だった田染荘。1000年以上前から変わらない田園風景が広がる。
豊後高田市DATA
人口:2万2,445人(令和3年2月末現在)
面積:約206km2
概要:大分県の北東部に位置。温暖で過ごしやすい瀬戸内式気候に属し、海、山、里の豊かな自然に恵まれる。六郷満山文化ゆかりの文化遺産や温泉のほか、懐かしい街並みが残る古き良き「昭和の町」としても注目されている。
保育園・幼稚園・認定こども園等:7つの認可保育所がある。2つの市立幼稚園では、登園前・降園後の預かり保育を無料で行っている。
小中学校:小学校10校、中学校5校のほか、小中一貫校「戴星学園」がある。
全国でもトップレベル!子育て世帯への充実支援
国東(くにさき)半島の西側に位置し、温暖で過ごしやすい豊後高田市。真玉海岸や田染荘(たしぶのしょう)といった風光明媚な景観だけでなく、温泉、六郷満山文化ゆかりの史跡など、豊富な地域資源を誇る。
そんな豊後高田市に、いま全国の移住希望者から熱い視線が注がれている。『田舎暮らしの本』(宝島社)で行っている「住みたい田舎ベストランキング」では、人口10万人未満の「小さな市」において、全4部門(総合・若者・子育て・シニア)で堂々の第1位を獲得。同ランキングで全国初の9年連続ベスト3入りを達成した。
海も山も近い自然環境や、市街地は病院やスーパーが半径1㎞圏内にまとまっているなど、コンパクトシティならではの暮らしやすさもさることながら、人々を惹きつける理由はほかにもある。
「以前から〝地域の活力は人?という考えのもと、人口増を目指して移住定住支援を行い、全国トップレベルの子育て支援を目指して支援の拡充を進めています」
定住促進担当の江口央倫さんがこう話すとおり、市の子育て支援は全国的に見ても群を抜いている。
子育て世帯にうれしいサポート
平成30年度には、中学生までの給食費無料化と高校生までの医療費の無料化を、平成31年度からは0歳~5歳児までの保育料と幼稚園授業料の無料化、最大100万円の誕生祝い金を実施。
さらに、妊産婦医療費の無料、子育てに関するワンストップ相談窓口など、一例を出すだけでもこの充実ぶり。
支援の財源には、ふるさと納税の寄付を活用しているという。
保育料、幼稚園授業料、給食費の完全無料化
国の幼児教育無償化の枠を超えて、0 ~ 5 歳児の市内保育園の保育料、所得制限なしで3 ~ 5歳児の市内公立幼稚園の授業料を完全無料化。
さらに、保育園、幼稚園の給食も無料! 給食の無償化は、市内小中学校でも実施している。
無料の市営塾で高い学力水準をキープ
「学びの21世紀塾」を開設し、土曜や放課後に多彩な講座を開催。5歳~中学生を対象に、国語や英語など各教科の予習・復習や、合唱、パソコンなど、幅広く学びをサポートしている。
ものづくりや伝統文化に親しむ体験活動も実施。
子育て応援誕生祝い金最大100万円を贈呈
子どもの誕生を祝って市から贈られる祝い金。
第1子と第2子は各10万円、第3子は50万円、第4子以降はなんと100万円を支給(第3子以降は分割支給)。子だくさんのファミリーにとっては、非常にありがたい制度だ。
そのほかの主な支援
- 不妊・不育治療費の助成
- 妊産婦の医療費無料
- 育児支援&保健サービスに利用できる「おおいた子育てほっとクーポン」
- 子育て世代いらっしゃい引越し応援金 1回500円で家事や育児をサポートする訪問型支援「ママ家事サポート」など
移住相談窓口:豊後高田市地域活力創造課定住促進係
TEL: 0978-25-6392
MAIL: katuryoku@city.bungotakada.lg.jp
URL: https://bungotakada-iju.jp/
60軒以上の登録数を誇る空き家バンクや移住奨励金のほか、空き家見学プログラムや田舎暮らし体験プログラムなども実施。現在はオンライン移住相談窓口を開設、zoom やskype での相談が可能だ。
きめ細やかなサポートで学習意欲を高める
市は「教育のまちづくり」を掲げ、学びの機会の提供や学習しやすい環境づくりにも取り組んでいる。例えば、保育園、幼稚園、小中学校、高校の全クラスに冷暖房を完備。市内全小中学校にタブレット端末と無線LANも整備した。
特筆すべきは、無料の市営塾「学びの21世紀塾」だ。土曜日や放課後にさまざまな講座を開催。放課後児童クラブに市民講師を派遣して宿題のサポートなども行っており、共働きの家庭にとっては、大きな助けとなっている。
こういったきめ細やかなサポートの成果もあって、市の学力水準は大分県内でもトップクラス。地域が支える高レベルの教育環境が、子どもたちの将来を作り、ひいては町を豊かにしている。
奨励金や空き家バンク、無償宅地で移住を後押し
住まいのサポートも充実している。マイホームを希望する移住者には土地代無料の宅地も用意しているというから驚きだ。引っ越し費用の補助や、県外から移住してくる子育て世帯に10万円を交付する「ウェルカム未来の高田っ子応援金」などの奨励金も魅力的。
就業や起業、就農サポートも行っているが、市内全域にケーブルットワークを整備し、どこでも高速インターネットが利用できるので、現在の仕事をテレワークで続けることも問題ない。
「県外の移住フェアに参加すると『豊後高田市といえば子育て支援が手厚い』というイメージが広がっているように感じます」と、江口さん。空き家バンクへの問い合わせも未就学児のいる世帯からが増えており、実際の移住者の70%を20~40代が占めるという。
幅広い支援の数々に、人気が高まっていることにもうなずける。
役立つ&楽しいオススメ施設
上述した内容以外にも、注目したい子育て支援や施設がある。移住を考えるときに、親子同士の交流ができたり、こどもが元気に遊べる遊び場もチェックポイントのひとつだ。
一時預かりも可能!子育て支援拠点「花っこルーム」
親子が気軽に集い、交流できる場。ベビーマッサージや読み聞かせなど親子で楽しめるイベントも開催。市内に3か所あり、それぞれ特色ある施設となっている。子育て相談にものってくれたり、子どもの一時預かりも行っている。
遊びの途中の休憩に利用したい「おひさまひろば」
中央公園に隣接する勤労青少年ホーム内にある。オムツ替えや授乳ができ、休憩スペースとして利用可能。市内の子育て情報の提供や、チャイルドシート、ベビーベッドなど、子育てに必要な用品のレンタルも格安で行っている。
市内中心部にある「中央公園」芝生や遊具で遊ぼう!
昭和の町商店街のすぐ近くにある約2.2ha の公園。広々とした芝生広場や、スポーツ広場、昭和の時代の乗り物をイメージした大型コンビネーション遊具などもあり、どの年齢でも楽しめる。野外ステージもあり、各種イベントも開催。
※この記事は、「複住スタイルVol.3」の記事を再編集して掲載しています。記載されている内容が本誌掲載時と異なる場合があります。