近年、フレキシブルな働き方としてワーケーションを導入する企業も増えています。このワーケーションは、本当に効果的なのでしょうか？「ワーケーション 意味ない」との声も少なくありません。
本記事では、ワーケーションが持つ効果を掘り下げ、ワーケーションが意味ないと言われる背景を探ります。
ワーケーションとは？
ワーケーション（Workation）とは、「仕事（Work）」「と休暇（Vacation）」を合体させた言葉で、仕事と休暇を両立して進める意味があります。
ワーケーションは総務省・国土交通省・観光庁・環境省のそれぞれの省庁が個々に定義を持っています。
これらの省庁の定義にある共通点は、仕事と休暇をバランスよく行うということです。
ワーケーションが注目されている背景には、リモートワークが普及したことが挙げられます。
どこにいても仕事ができるようにIT環境が整えられていれば、自宅以外でも仕事をすることは難しくありません。
企業がワーケーションを導入し従業員に推奨する場合や、ワーケーションプランを導入する宿泊施設も日本各地で見られます。
ワーケーションについての詳しい情報や導入事例などはこちらの記事もあわせてご覧ください。
ワーケーションは意味がないと言われる背景とは
ワーケーションが注目されている一方で「意味がない」と捉える声も見られます。
では、なぜワーケーションは意味がないと言われているのでしょうか。その背景を探ってみましょう。
生産性の問題
ワーケーションスポットは、観光地やリゾート地など、休暇も思いきり楽しめる場所が人気です。
ただ、このような観光地やリゾートで仕事をすることが注意散漫の原因になり、仕事の効率が落ちると感じてしまう場合も。
リラックスした環境が、かえって業務の集中力を削ぎ、生産性を低下させてしまうことが考えられます。
コストと時間の問題
非日常を感じられるような、自宅から遠い場所でワーケーションをする場合、移動や宿泊などの費用が発生します。
ワーケーションについて会社からの費用負担がない場合は、かかる費用全てが自己負担となってしまうでしょう。
また、ワーケーションで仕事と観光の両方を楽しみたくても、実際はバランスをとることが難しく、結果的にどちらも中途半端になると感じることがあるかもしれません。
ワークライフバランスが難しい
休暇を取る目的は忙しい日常から離れてリフレッシュやリラックスすることです。
しかし、ワーケーションでは仕事が常に付随するため、ワークライフバランスが難しく、真の意味での「休暇」とは異なると感じることがあるでしょう。
仕事とプライベートの線引きが難しいことに対して、ワーケーションは意味がないと感じることが考えられます。
組織的な課題
企業側がワーケーションを正式な働き方として認めていない場合、社員が自己責任で行う形になります。
そのため、ワーケーション中の健康は自分で管理する必要があり、ワーケーション中は会社からのサポートが受けられないことを不安に感じるかもしれません。
ワーケーションは意味がある！得られる効果5つ
ワーケーションが「意味がない」と言われる背景をご紹介しましたが、ワーケーションで得られる効果はいろいろあります。
新たなインスピレーションやアイデアが生まれる可能性
ワーケーションで今まで行ったことのない場所を選んだり、異なる文化に触れたりすることは、新たなアイデアや解決策が生まれる可能性があります。
日常から離れた場所で思考を刺激することで、オフィスで働いているときとは違うひらめきが生まれるかもしれません。
ストレス軽減
美しい景色が見られる場所やリラックスできる環境は、心身のリフレッシュを促し、ストレスを軽減する効果が期待できます。
2020年に行われた、温泉ワーケーションの実証実験では、温泉地でのワーケーションの参加者からは、自律神経バランスなどの改善や、ネガティブな気分の改善が見られたそうです。
自然の中や静かな環境で行う仕事は、心身の健康を向上させることにもつながるでしょう。
ワークライフバランスの向上
ワーケーションでは、仕事とプライベートの時間をフレキシブルに調整できます。例えば、仕事に集中した後では観光やアクティビティを楽しむなど、生活の質を高めるバランスを取ることが可能です。
日常とは違う変化に富んだ環境は、仕事への集中力を高め、結果的に生産性を向上させることが期待できます。
組織のチーム力強化
企業がチームでワーケーションを実施する場合、チームメンバー間のコミュニケーションと協力を強化して、チームの結びつきが強くなるでしょう。
従業員が共通の体験を共有することで、チームワークが向上することもあります。
従業員満足度の向上
従業員に柔軟な働き方を提供することは、社員ひとり一人に合ったスタイルの働き方を選ぶことができます。
自由度の高い働き方が認められることは、社員の仕事に対するモチベーションが高まることが期待できるでしょう。
ワーケーションは意味がないを払しょくするためにできること
ワーケーションを「意味ない」ものにしないためにできることを5つご紹介します。
目標を明確に設定する
ワーケーションで達成したい具体的な仕事の目標を設定しましょう。
目標は仕事の内容によって異なります。目標を設定することで、仕事の時間帯を集中して行うことができます。
ワーケーションに適切な場所を選ぶ
ワーケーションの場所は、仕事に集中できる環境を選ぶことが大切。パソコンで仕事をする人はインターネット接続が必須です。ストレスなくネットワークにアクセスできる環境を選ぶようにしましょう。
ネットワーク回線は安全性の高いものを使用するようにしてください。
普段忙しく過ごしている人や、クリエイティブな仕事をしている人は、リラックスできる自然豊かな場所や、インスピレーションを得られる環境を選ぶことも良いでしょう。
また、地域の文化やアクティビティを楽しむことで、新たなアイデアやひらめきを得られるかもしれません。
地元の市場を訪れたり、地域のイベントに参加したりすることで、仕事の合間の良いリフレッシュになるでしょう。
スケジュールの管理
ワーケーションを効率的に過ごすためには、スケジュール管理が大切です。仕事時間と観光やリラクゼーションの休暇の時間をはっきりと区切るようにしましょう。
仕事の時間帯を設定し、残りの時間は休息やアクティビティに充てることで、バランスの取れたワーケーションを実現できます。
コミュニケーションの確保
ワーケーションでオフィスを離れている間は職場と定期的な連絡を欠かさないようにしましょう。
また、ワーケーション中に緊急事態が発生した場合の対応についてもワーケーション前に用意しておくと安心です。
健康管理
ワーケーションの間は自分の体調は自分で管理する必要があります。
長期間ワーケーションをする場合は、健康を維持するために適切な睡眠、栄養バランスの取れた食事、定期的な運動を心がけましょう。
ワーケーションは意味ないから意味あるものにできる！
意味がないという声も聞かれるワーケーションは、自分自身が積極的にワークライフバランスの調整や健康管理などを行うことで、意味あるものにできます。
ワーケーションにはさまざまな効果が期待できます。満足度の高いワーケーションを実現するためにも、計画的に準備を行うようにしましょう。
