富山県西部地域の魅力を伝える『Discover とやまWEST Life』の第2弾が2024年2月23日(祝)に開催されました。昨年12月に行われた第1弾のテーマは「移住先で私らしく働く」でしたが、今回のテーマは「移住先での家族の暮らし」です。田舎での子育てをはじめ、家族移住ならではの情報満載のイベントの様子をお届けします!
とやまWESTのご紹介
お子様連れも複数参加し、これまでの移住検討層に向けた地域交流イベントとはまた違った雰囲気のなかでスタートした今回の「とやまWEST」イベント。司会を務めるのは前回に引き続き、富山県への先輩移住者でもあるアナウンサーの山本愛美さんです。
イベントの冒頭は、まず「とやまWEST」の概略から。
「高岡市、射水(いみず)市、砺波(となみ)市、南砺(なんと)市、氷見(ひみ)市、小矢部(おやべ)市」の6市で構成された“とやまWEST”は、地元では“呉西(ごせい)地域”と呼ばれています。このエリアの特色は、なんといっても食べ物が美味しいことと、のびのびと子育てができる環境が整っていること。たとえば、呉西地域6市すべてで、高校3年生までのお子様の医療費は無料。そして待機児童の数もゼロという恵まれた環境で子育てができます!」
呉西地域6市の子育て支援と教育環境
次に、呉西地域6市について、家族移住の視点から魅力を紹介。主に子育て支援制度と教育環境にフォーカスしました。
高岡市
高岡市は呉西地域の交通の拠点。路面電車も15分間隔で走っているので、どこへ行くにも便利です。子育て支援としては、スマートフォンからいつでも簡単にお役立ち情報にアクセスできる子育て専用サイト・アプリ「ねねットたかおか」を運営。教育の面では、高岡市に根付く伝統工芸の技を学べる「ものづくり・デザイン科」を市内すべての小中学校の正式な授業科目として取り入れています。
射水市
市内に134カ所もの公園が整備されている射水市は、「仕事・学び・遊び・住まいのバランスがとれたまち」。市内だけでなく、高岡市や富山市へのアクセスも良いので、進学先や習い事の選択肢が幅広いという利点もあります。また、小学校6年生の給食に、富山湾で水揚げされたベニズワイガニが1人に1杯ずつ提供される贅沢な「カニ給食」も有名です。
砺波市
「便利な田舎」を標榜する砺波市で注目なのが「となみ暮らし応援プロジェクト」です。市内への移住定住を希望する転入世帯や子育て世帯を対象に、住宅取得支援(例:新築購入の場合107.3(となみ)万円を助成)や家賃支援など、手厚い支援を実施。最大で約178万円を助成しています。
南砺市
世界文化遺産の町として知られる南砺市は、令和5年に「南砺市こどもの権利条例」を制定。「子どもも大人もともに幸せに暮らせる町」を目指しています。子育て支援としては、お子様1人につき一律で10万円を支給するほか、市独自の子育て支援アプリ「なんとHug」を運営。また、高校生の夢を応援するため、通学費用の半額を補助する取り組みも行っています。
氷見市
山海の幸に恵まれ、豊かな食文化を育んできた氷見市。実は市内北部には温泉が点在していて、知る人ぞ知る「美人になる湯」として好評です。氷見市の自慢は、子育て世代包括支援センターに代表される全国でもトップレベルの子育て支援。さらに、教育面ではICT(情報通信技術)教育に力を入れていて、タブレットPCなどの機器やインターネットサービスを活用した教育が充実。2022年には「日本ICT教育アワード」で総務大臣賞に輝いています。
小矢部市
「若者や女性が定住したいまちづくり」を目指す小矢部市。市内中心部にある石動(いするぎ)駅の構内には、2020年に市民図書館が開館しました。教育面では市内すべての小学校に放課後児童クラブが設置されるなど、安心な子育て環境が整っています。2015年に日本海側初となるアウトレットモールが誕生した小矢部市。休日に家族揃ってアウトレットモールにお出かけというのも楽しみです♪
先輩移住者に聞く 吉田サラダさん
続いては先輩移住者に呉西地域での暮らしについて語っていただくコーナー。
今回のゲストは、よしもと住みます芸人と氷見市地域おこし協力隊の二足のわらじを履いて活躍中の吉田サラダさんです。
移住のきっかけ
「どうも~〇〇です~…違うかっ!!」のフレーズでおなじみの吉田さんは大阪府出身。お笑いの養成所を卒業した後、東京で約20年間芸人として活動し、2021年に氷見市に家族で移住しました。移住を考えるきっかけになったのは息子さんが生まれたこと。「自然豊かな場所で子育てをしたい」との思いからでした。
「移住先を探し始めて、どこが一番いいかなと考えた時、決め手になったのが寒ブリでした(笑)。芸人として営業で全国をまわったなかで、日本中で一番美味しかった食べ物が氷見の寒ブリだったんです。僕は食いしん坊なので、どうせなら一番美味しいものがあるところで暮らそうと氷見市に移住を決めました。氷見には海の幸はもちろん、氷見牛など美味しいものがたくさんあるので、今の暮らしは毎日とても幸せです!」
子育てについて
息子さんの誕生をきっかけに移住を決めた吉田さんは、氷見市の子育て環境にも満足しているといいます。
「氷見市では1歳以上の子どもは保育料が無料なのでとても助かっています。それに、教育県といわれる富山県は、全体として“勉強をする空気がある”のも感じます。市の施設には学生さんが勉強するスペースが設けられたりしていて、環境は整っていると思います。ただ、うちの息子はまだまだ教育が足りないというか…。この間も“将来はチキンナゲットになりたい!”とワケの分からんことを言ってましたから、これから頑張らないといけないですね(笑)」
そんなお茶目な息子さんも今年で4歳。先日、友人に招待されて初めてリンゴ狩りをしたそうですが、「自分で収穫するというのがよほど楽しかったみたいで、それまであまり食べることのなかったリンゴを食べるようになりました」というエピソードも。お父さんである吉田さんから見ても「とやまWESTでのびのび成長している」様子が伝わってきます。
奥様のチャレンジ
「休日は家族で市内の温泉に行ったり、海辺のグランピング施設でBBQを楽しんでいる」という吉田さん一家。氷見市での暮らしをエンジョイするなかで、2023年には家族に大きな変化がありました。奥様がフルーツサンド&パフェの店「HIMIFURU」を開業したのです。
元々、東京都出身で田舎暮らしには縁遠かった奥様。東京では派遣社員として事務の仕事をしていたそうですが、「氷見で暮らすうちに、この土地が大好きになり、“自分も氷見の魅力を伝えたい”という気持ちが大きくなったようで、氷見産のフルーツを使ったフルーツサンドの店を出すことになりました。ちょうど僕のいとこが大阪でフルーツサンド店を経営しているので、そこで勉強させてもらって、昨年の6月にオープンすることができました」。
「HIMIFURU」があるのは、氷見まちづくり協議会が運営するチャレンジショップ「break」内。賃料は割安だといいます。また、開業にあたっては「氷見市の創業者向け補助金などの支援を活用した」という吉田さん。「氷見には新しく何かにチャレンジする人を応援する雰囲気がある」と力強くアピールしてくれました。
とやまWESTの推しポイント
最後に吉田さんに、とやまWESTの推しポイントを尋ねると、「自然豊かなところで子育てができることが一番。それと物価が安くて暮らしやすいことでしょうか。僕らは移住当初、東京の頃の1/3の家賃で3倍の広さの部屋に住むことができました」との答え。そして、「移住を考えている人も、そうでない人も、まずは旅行でとやまWESTに遊びに来てください。僕もたまに奥さんの店にいますよ!」とメッセージをくれました。
およそ20分間のトークでは、ほかにも、呉西地域6市それぞれのお気に入りの場所や富山方言にまつわる面白エピソードなど、様々なトピックについて聞くことができ、とても楽しい時間となりました。
相談会・交流会の様子
イベントの後半は、自治体ごとの個別ブースでの相談&交流タイムです。今回は定員を12組限定と参加人数を絞ったため、いつもにも増して内容の濃い相談会になりました。マンツーマンに近いかたちで市の担当者の方と話せるので、具体的な相談もしやすく、個別での連絡先交換も活発に行われていました。
一例として、「海が見える場所に暮らしたい場合、どの辺りで家を探せばよいのか?」「日常の買い物に便利なエリアはどこか?」「冬場の屋根の雪下ろしは必要か?」といった質問に、担当者の方が丁寧に対応している姿が印象的でした。
また、参加者の年齢や境遇に近い先輩移住者の実例を紹介しながら、どんな移住ライフが可能かを説明したり、移住体験会の案内なども盛んに行われていて、とやまWESTと参加者の距離がグッと近くなったように思います。
まとめ
今回は「移住先での家族の暮らし」がテーマでしたが、ゲストの吉田サラダさんの奥様の開業チャレンジの話を含め、子育て世帯にとどまらず、様々な年齢やライフスタイルの人にとって示唆に富んだ内容になりました。豊かな自然、恵まれた食文化、優れた教育環境が揃った富山県呉西地域のポテンシャルの高さを改めて伝えられたように思います。
これからも『複住スタイル』では、移住や多拠点居住などをテーマに多彩なイベントを開催していきますので、ぜひ、ご期待ください!