よかけんこんね 誰かが背中を押してくれる 佐賀

よかけんこんね 誰かが背中を押してくれる 佐賀

2024年2月24日(土)、東京タワーを真横に望む六本木ヒルズ森タワー31階の会場で、「佐賀で湯ったり 温泉暮らしセミナー」と題されたセミナーが開催されました。

ゲストはお笑い芸人のスギちゃんと、佐賀の古湯温泉でシェアサロンを経営する島内明子さんです。

司会は堀江舞さん。サガテレビ(STS)で4年半ほど情報番組などのアナウンサーを務めていました。現在はフリーランスで活躍していますが、佐賀のあちこちを取材で訪れた経験なども踏まえ、ゲストの方と一緒にトークを盛り上げてくれました。
タイトルが「よかけんこんね 誰かが背中を押してくれる 佐賀」になった理由を含め、「佐賀で湯ったり 温泉暮らしセミナー」の模様を詳しく紹介しましょう。

目次

まずは知ろう! たくさんの「本物」が詰まった佐賀

まずは佐賀県はどんなところなのか。「佐賀県 さが創生推進課 移住支援室」の平間(へいま)さんが、佐賀の本物の魅力をいろいろと教えてくれました。

「地方移住のPRでよく聞くフレーズが、自然が豊か、食べ物がおいしい、都市と田舎のいいとこどりなどですが、これは正直日本のどこにでも当てはまります。では佐賀ではどうなのでしょうか」
そう言ってスライドで佐賀のさまざまな良さをアピールしていきます。

まずは自然。荒々しくもプランクトンが豊富で世界有数の漁場となっている玄海灘と、日本一の干満差で知られるとても静かな有明海の2つの海があることの素晴らしさ。食は、呼子のいか、佐賀牛、有明海苔などのブランドものから、玉ねぎ、アスパラをはじめ全国でもトップレベルの収穫量を誇る野菜などがそろっていて、実は食料自給率(カロリーベース)が西日本1位という驚きの結果を教えてくれました。
また新鳥栖から博多まで新幹線でわずか12分!であることや、暮らしやすい生活環境、佐賀ならではの歴史と文化など佐賀の魅力をわかりやすく紹介。
さすが佐賀県庁の職員らしい平間さんの熱弁でした。

サ外(サガイ)授業 ようこそ先輩移住者
「ふるゆ温泉 シェアサロンflow」島内明子さん

続いては本日最初のゲスト、古湯温泉でシェアサロンを経営する島内明子さんが、素敵な着物姿で登場です。
島内さんは佐賀市出身で大学進学のため上京。以降15年ほどの関東生活を経て渡英、2015年に佐賀へ戻りました。温泉地に住みたいと思い空き家を探していたところ、古湯温泉・千曲荘の大女将と出会いました。それが縁で大女将に背中を押されるように古湯温泉に移住。現在は泊まれる図書館「暁」の運営と、念願の湯治場「ふるゆ温泉 シェアサロンflow」を経営しています。
そんな島内さんに東京と佐賀との環境の違いについてお伺いしました。
「まずは佐賀平野の広さ。飛行機で空港に下りたその時から、空がものすごく広いって感じます。心がすっとする。そして人口密度がまったく違う。まあ、私が住んでいるのが山間部の温泉地というのもあるのでしょうが」
その分、人とのおつきあいは密のようで、
「周りに年配の人が多く、人によっていろいろでしょうが、『お漬物もっていかんねぇ』とか『野菜を食べんねぇ』とか、顔がわかる関係性が私にとっては心地いい環境です」

また東京ではいかに情報にさらされていたかを痛感したそう。
「こちらに来て季節の移り変わりにあらためて気づきました。川の流れや鳥のさえずり、月の満ち欠けなどを感じる暮らしになり、受け入れ方も変わったと思います。四季を感じられるのが魅力ですね」
一説には現代の私たちが一日で触れている情報量は、江戸時代の1年分、平安時代の一生分とも言われるほどですから。いかに情報過多の時代に生きているかわかります。

温泉地での生活はどうですか?
「生活しやすいですよ。古湯温泉は国民保養地に指定されているので歓楽街もありませんし、こぢんまりした静かなところです。アルカリ性単純温泉で、ヌルヌル&スベスベの美人の湯として昔から知られているのですが、自治会に入ると1回150円で入浴できるので毎日入ってます」

そして佐賀の温泉の特徴をもう一つ教えてくれました。
「温泉地は臭いが気になるという人もいますが、古湯を始め佐賀の温泉はその泉質からそういったことはあまりありません。むしろ飲泉できるほど無味無臭のところが多いです」

そんな古湯温泉での島内さんの仕事は、泊まれる図書館「暁」の運営と、「ふるゆ温泉 シェアサロンflow」の経営です。
「築120年の古民家を改修した『暁』は1日1組限定の宿ですので、のんびりとした時間が過ごせます。その隣に20年ほど前に作られた3階建ての洋館がありますが、そこをシェアサロンとして活用しています」
この洋館は柿渋塗りの建具、壁には桜島の火山灰、炭が敷かれた床下には水路が流れ、美味しい井戸水付きという、ちょっとレアなレンタルスペースになります。

島内さんのこれからチャレンジしていきたいことは何でしょう。
「韓国、台湾、中国など海外のお客さんも増えてきているのですが、私が趣味で着物を着ているので、着物を着て温泉街の中で写真を撮ったりしたいですね。また、ほかの温泉地とも連動した企画を進めるなど、いろいろな活動をしていきたいです」

これからの移住に興味を持っている人にひと言。
「他県に暮らしてみてわかりましたが、佐賀は受け入れてもらいやすい環境にあります。
『いいよ、いいよ』『いっしょにやろうよ』みたいな、他よりゆるい雰囲気がいいのか、移住者も増えています。古民家を購入した外国人や、カフェや古道具店を始める他県の若者なども増えてきました。今は面白くなる過程にあります。佐賀で暮らすのはいいこと尽くし。ぜひ、お越しください」

佐賀県の温泉ってワイルドだろぉ~ 佐賀県の温泉について語ろう!
お笑い芸人 スギちゃん

そして本日の特別ゲスト、お笑い芸人のスギちゃんが、音楽に乗って、ゆっくりと歩きながらの登場です。場内万雷の拍手!
「スギちゃんだぜぇ~。生で見てどうだいぃ~、うれしいだろおぉ~」
早速のスギちゃん節です。
「愛知生まれで東京に住んでる俺を、佐賀のイベントに呼ぶなんて、佐賀の人はワイルドだぜぇ~」決め台詞も出ました。

そう、佐賀にはあまり縁の無さそうなスギちゃんが「佐賀で湯ったり 温泉暮らしセミナー」に呼ばれたのはなぜなのか。
それはずばり、スギちゃんが日本に10数人しかいない「カリスマ温泉ソムリエ」だからです。温泉ソムリエと呼ばれる人は何万人もいますが、実は家元(1人)を頂点に数人の師範、10数人のカリスマ、その下に多くのソムリエがいるピラミッド状になっているのです。

その中でカリスマ温泉ソムリエだけは少し異色な存在です。それは温泉評論家や芸能人など発信力のある人に限られているからです。カリスマ性があること、温泉のことを広められること、気持ちよさそうに温泉に入れることなどが条件になるそう。そしてスギちゃんがこの資格を取得したのは2007年で芸能人としては初めてだったというのも驚きです。

そんなスギちゃんと引き続き登壇の島内さんに、佐賀の温泉の特徴と素晴らしさについて語ってもらいました。

まずは佐賀県の温泉の推しポイントは?
島内さんは、“アクセスのしやすさ”“ぬるゆ”が魅力だと言います。
「武雄温泉と嬉野温泉は車で30分ほどで行き来できますし、私の住んでいる古湯温泉と隣の熊の川温泉は10分圏内です。佐賀市内からは30分くらいで、博多駅からも1時間15分ほどと近いです。佐賀県はコンパクトで山奥過ぎるところがないのでどこに行くのも便利ですね」とまずはアクセスの良さをアピール。続いて温泉の特徴です。

「佐賀の温泉はアルカリ性のお湯が多く誰もが入りやすいのが特徴です。古湯はぬる~く、ゆる~く入れるのでおすすめですよ。36~37℃くらいなので、まるでお母さんのおなかの中にいるみたい。私は3時間寝ていたこともあるくらいです(笑)」

するとスギちゃん、ワイルド感ゼロの感想をぽつり。
「また戻りたいですね、おなかの中に。栄養は勝手に入ってくるし最高だった。おなかの中ってさ」
これには会場大爆笑。

そんなスギちゃんにとっての佐賀の温泉の魅力とは。

ラドン温泉などいろんな種類の泉質があることと、美肌の湯ですね。佐賀の人は肌がめっちゃきれいな人が多い。あ、この人、肌きれいと思ったら、だいたい佐賀の人ですよ。荒川良々さんとか、村井國夫さんとか、どぶろっくとか」
と、佐賀県出身のちょっとクセ強めの芸能人の名前を出して笑わせます。

実際に嬉野温泉は「日本三大美肌の湯」と呼ばれ、ナトリウムを多く含んだ、ぬめりの強いお湯が特徴的で入ると赤ちゃんのようなつるつる美肌になれると評判です。

ではお二人は具体的にどこの温泉がイチオシなのでしょうか。
「私はやはり今住んでいる古湯温泉です。源泉が4つあり、それぞれ湧出温度も違いそれぞれ特徴があるのですが、中でも一番古い『鶴霊泉』の天然砂湯がおすすめです。砂湯といっても砂をかけるものではなく、お風呂の底に砂を敷いているのですが、元々は川底から湧いていた源泉を再現したもので、その下から温泉が沸いてくるんです」と島内さん。

古湯温泉は2000年もの歴史を持つ、その名のとおり古い温泉です。独特の雰囲気があり、いにしえの時代に思いを馳せながらお湯に浸かるのも一興ですね。

続いてスギちゃんのおすすめはどこでしょうか。

いろは島温泉です」

いろは島温泉は青々とした伊万里湾に浮かぶ、48もの大小さまざまな島を眺めながら入浴が楽しめる絶景の温泉として知られています。

「まあ、ちょっと見てください。これだけの島を見ながら温泉に入れるのは日本でも、ほぼほぼここだけ、と言わせていただきましょう」と画面を指すスギちゃん。

そしてここからスギちゃん節の始まりです。

「カリスマ出します。ここはナトリウム炭酸水素塩泉・塩化物温泉で、pH値8.6のアルカリ泉特有のトロトロのお湯なのですが、なぜアルカリ性がいいのか。体が少し臭くなると酸っぱくなりますよね、これは体が酸性になっているから。その体にアルカリ性が入ると中和される。つまりこの温泉に入ると角質が勝手に取れ体がきれいになるわけです」

スギちゃんの話に皆さん聞きいります。

「また炭酸水素塩泉は塩が入るので、体が温まり保湿する効果があります。アルカリ性で体をきれいにしてくれ、塩泉で保湿してくれる。こんなにいいことはありません。ですから出るときに体を洗い流してはいけません。ポンポンと拭くくらいでいいです」

そして最後に質問。
スギちゃんが、佐賀に移住したらどんな生活をしたいかという問いには、温泉につかって、美味しいお茶を飲んで、地元の野菜がいっぱい入ったちゃんぽんを食べるのが理想とのこと。

では締めのひと言をどうぞ。
「佐賀で健康な体になって、若々しくなって、長生きするぜぇ~。ワイルドだろおぉ~」

ここでスギちゃん退場です。ありがとうございました。

みんなで考えよう! さが県移住ワークショップ

ここからはワークショップです。
参加者が5~6名程度の数グループに分かれ、“佐賀に移住したくなるキャッチコピー”を考えるというもの。そして大賞に選ばれた作品が、後日、複住スタイルポータルサイトに掲載されるこのイベントレポート記事のタイトルになる、と発表されたものですから重要です。ほとんどが今日、初めて会った人と一緒に佐賀の魅力を伝えるキャッチコピーを考えるのですからなかなかハードルが高いです。しかし、だからこそ思わぬ相乗効果で思いもしないキャッチコピーが生まれるかもしれません。

まずはそれぞれ自己紹介。その後、各自、キーワードをいろいろと考えます。そしてグループでディスカッションして、キャッチコピーを決め発表するという流れです。
各テーブルをのぞいてみると、皆さん、かなり本気モードで考えています。制限時間は30分。スタッフや県の職員さんのアドバイスなども参考にしながら、あっという間に時間切れ。各グループで発表となりました。

では、それぞれのキャッチコピーとコメントを紹介しましょう。

Aグループ
《食も湯も人も 温かい場所へ》
「食と湯と人の3つが全部あたたかい佐賀へ来てください、という思いを込めました」

Bグループ
《佐賀の温泉でワイルドでリラックス! 佐賀で新しい人生を さがそうぜぇ‼》
「スギちゃんが大好きで必然的にこうなってしまいました」

Cグループ
《よかけんこんね 誰かが背中を押してくれる 佐賀》
「いいからおいでよ、というのを佐賀弁で言ったらどうなるかを職員さんに聞いてこれに決めました。誰かが誘ってくれたから、というゆるさで縁がつながるのがいいかなと」

Dグループ
《3時間つかれる⁉ 人も温泉もほどよい温度の 佐賀でまったり過ごしましょう》
「3時間浸かれるという島内さんのエピソードを聞いて、のんびりできる佐賀の魅力を伝えたいと思いました」

Eグループ
《豊富な食材 豊富な温泉 結局 戻りたくなるのが 私のSAGA》
「ラップ調で発表しましたが、これはチームの中にラッパーさんがいたから。リズムの良さを重視しました」

短時間で考えたとは思えないほど、いずれも佐賀の魅力を端的にとらえた力作ぞろいです。これは審査員も悩むことでしょう。そして大賞が発表されました。

「大賞は、Cグループの『よかけんこんね 誰かが背中を押してくれる 佐賀』です。おめでとうございます」場内拍手!

受賞理由は「何かを決められないとき、無理強いはしないけど、何となく縁がつながっていた誰かに、気づかないうちに背中を押されていたということがありますよね。大丈夫、いつも見守っているよ、というあたたかさが感じられる。そんな目線の良さが、このキャッチフレーズにはありました」とのこと。
Cグループの皆さん、おめでとうございます。皆さんには嬉野茶がプレゼントされました。

質疑応答&移住支援制度のご紹介

その後、佐賀県の移住支援制度が紹介されました。 まずは東京・有楽町の東京交通会館8階にある東京デスクや、佐賀県庁内にある佐賀デスクなどで情報収集できることを紹介。そして移住前の現地の下見などに使える「レンタカー補助」があることや、移住を検討する際に役立つ「SAGA SMILEカード」、「お試し住宅」、「お試しテレワーク移住補助金」など利用価値の高い制度の説明も行われました。 そして佐賀県独自の制度として、全国どこからでも佐賀県への移住で最大100万円(単身者は60万円)支給するという移住支援金の話など、どれも役に立つ充実の内容でした。 このような移住支援制度は佐賀県移住情報ポータルサイト「サガスマイルで検索できますので、ぜひググってみましょう。

佐賀料理を味わい語り合おう! サガ移住交流会

集合写真を撮った後、お待ちかねの交流会へ突入です。

美味しそうな料理とお酒、嬉野茶などが並びます。
料理を作ってくれたのは、東京・渋谷で佐賀県食材を扱う料理店「おばんざいDININGみなみ」のオーナー田中みなみさんです。自身も佐賀県出身で腕によりをかけた料理を提供していただきました。

「光樹トマトと生ハムのサラダ」「佐賀イカ墨ラー油のだし巻き玉子焼き」「佐賀アスパラガスのソテー」など、佐賀の食材を存分に使いどれも美味! また天山酒造の日本酒やOGIGINのジンなどお酒も揃っています。
皆さん今日初めて会ったとは思えないほど和気あいあいと話が弾み、県職員やスタッフと佐賀の話で盛り上がっています。

交流会の最後は佐賀にまつわるクイズ大会。嬉野温泉の由来となった人物は誰かなど全3問が出題され、全問正解者の中から3名に特産品がプレゼントされました。
その贈呈式をもって宴たけなわではありますが交流会は終了です。

最後は佐賀県庁の石橋さんと平間さんにイベントをしめてもらいましょう。

「よかけんこんね。僕たちが背中を押しますよ!」 

■主催/佐賀県
■共催/認定NPO法人ふるさと回帰支援センター
■後援/複住スタイル、佐賀新聞社

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