佐賀への移住を検討している方の多くは、県の基本情報や移住に関する情報などリサーチを進めているはず。移住をするうえでその土地の気候や自然、物価など細かく把握することが大切だ。
支援制度や補助金もしっかりチェックすれば、移住にかかるコストを抑えられる。
本記事では佐賀移住の魅力やおすすめの市町(自治体)、移住支援制度(補助金)まで詳しく解説していく。
移住する前に知っておきたい佐賀県の基本情報


移住を検討する前に、佐賀県について知ることも大切だ。ここでは、佐賀県の基本情報として地理や人口などを解説する。
地理
佐賀は、九州の北西部に位置する県。東に福岡県、西に長崎県が隣接し、玄界灘や有明海に面している。
面積は約2,400平方キロメートルで、県域のなかには10の市と10の町がある。
県庁所在地の佐賀市をはじめ、プロサッカーチームのある鳥栖市や史跡がある吉野ケ里町などがあり、個性豊かな自治体がどれも魅力的だ。
参考:佐賀県の紹介|佐賀県
人口
佐賀県の人口は、令和4年10月1日時点で約80万人である。男性379,773人、女性420,738人で構成され、年齢別の人口は以下の通りだ。
- 65歳以上(老年人口):248,564人
- 15~64歳(生産年齢人口):433,739人
- 0~14歳(年少人口):104,647人
全国的に見ると、佐賀県は全国42位であり人口が少ない県と言える。人口密度は全国16位で比較的高いものの、都会に比べると人混みや通勤ラッシュの心配は少ないだろう。
参考:都道府県 人口・面積・人口密度ランキング|ランキングデータ
気候
佐賀県は北部と南部の気候の特徴は異なるがそれほど大きな差はなく、年間平均気温が16度前後と穏やかで、落ち着きのある気候が特徴だ。
県の中心地である佐賀市は比較的温暖で、都市化の影響が現れている。
降水量は、天山山系や多良山系など山間部では多く、2400mmの年降水量を記録する。玄界灘沿岸や佐賀平野などがある北部・南部の年降水量は1800mmほどで比較的雨が少ない。
産業
佐賀県では、食料品や電子部品・デバイス、輸送用機械の生産が盛ん。特に工業製品の出荷が多く、導入線や医療用電子応用装置などが全国1位を記録した。
有田焼や唐津焼など伝統工芸品の産地も多く、日本の文化や伝統を支える産業も強みだ。
また、県に広がる豊かな自然を生かして、地域ごとに農林水産物が生産されている。
玄界灘や有明海で漁獲されるカタクチイワシやマアジ、海苔などの海産物、各地で収穫される米や小麦、みかんなどの農産物といった、バリエーション豊富な農林水産物が県の魅力だ。
佐賀に移住したくなる5つの魅力


佐賀には移住を検討したくなる魅力が多くある。5つの魅力をチェックし、佐賀移住のイメージを膨らませてみよう。
- 穏やかな気候で過ごしやすい
- 都市部までのアクセスが良い
- 海や山など豊かな自然に囲まれている
- 家賃が安く住まいを見つけやすい
- 自然災害や犯罪件数が少ない
穏やかな気候で過ごしやすい
佐賀県は1年を通して穏やかな気候であり、地域による差がそれほどない。そのため、夏の暑さや冬の寒さなどに苦手意識がある方にとっても、暮らしやすい県と言える。
降水量こそエリアで違いはあるため、雨が気になる場合には降水量が少ない北部や南部を選ぶのがおすすめだ。
都市部までのアクセスが良い
佐賀県の東部に隣接する福岡県の都市圏には、特急電車で約40分、車で約1時間でアクセスできる。
通勤・通学できる範囲内であり、仕事探しの幅が広がり、子どものいる家庭でも将来像をイメージしやすい。
佐賀の空の玄関口である九州佐賀国際空港を利用すれば、東京まで約2時間で行くことができる。上海やソウルへの国際便も運航しているため、海外へのアクセスも良い。
海や山など豊かな自然に囲まれている
佐賀は豊かな自然に恵まれているため、日々のリフレッシュや食事などを充実させられる。玄界灘と有明海があり、雄大な海の近くで暮らせるのが魅力だ。
山や平野などもあり、美しい原風景が広がっている。自然を生かした農林水産業も盛んで、身近に美味しいお米や野菜、果物などがあるのも、移住するうえで嬉しいポイントだ。
家賃が安く住まいを見つけやすい
佐賀は家賃が比較的安い県で、生活コストを抑えられる住まいを見つけやすい。全国賃貸管理ビジネス協会の調査によると、佐賀県の家賃相場は以下の通りである。
部屋数 | 家賃相場 |
---|---|
1部屋 | 40,706円 |
2部屋 | 49,622円 |
3部屋 | 54,333円 |
※2023年3月時点
1部屋で比較すると、東京都の家賃相場は68,279円であるため、約3万円も家賃が安い。全国的には山口県や鳥取県、山梨県に次ぐ安さであり、家賃負担を抑えやすいのが魅力だ。
自然災害や犯罪件数が少ない
佐賀は、犯罪や自然災害が少なく、安全に暮らせるのが魅力。2020年の刑法犯認知件数は3,069件で、東京都の82,764件と比較すると非常に少ない。
同年の地震発生件数は5回を記録し、南海トラフ地震では津波被害が九州で唯一ゼロだった。
もちろん防犯や防災の意識は必要だが、安心して暮らしやすい移住先を探すなら佐賀は魅力的な県である。
佐賀で実施している移住支援制度


佐賀では移住者を増やすために、移住支援制度を実施している。県で実施している制度と各市町の制度を紹介するため、ぜひ活用してみよう。
レンタカー助成
佐賀県では、佐賀への移住を検討する方を対象に、住まい探しや仕事探しなどの移動に活用するレンタカー費用を一部助成している。
レンタル料は1日1,000円で、1年度内9日間まで利用可能だ。1回の申請で3日間まで利用できるため、1年度内で3回の活動にレンタカーをお得に利用できる。
お試しテレワーク移住補助金
お試しテレワーク移住補助金は、佐賀へのテレワーク移住を検討している方を対象に、お試し移住の費用を一部補助している。
15日以上3ヶ月以内を補助対象期間とし、1泊あたり10,000円の宿泊費を助成する制度だ。
勤務地と県内を往復する交通費、テレワーク拠点の施設利用料、レンタカー料金なども補助の対象としている。
詳しい補助内容は、下記の表や公式ページを参考にしよう。
対象者 | ・佐賀県内に本店、支店又は事業所等の拠点を有しない企業等の経営者、役員又は正規雇用者で、佐賀県外に居住している方 ・佐賀県内に拠点を有しない個人事業主、フリーランス等で、佐賀県外に居住している方 |
補助対象期間 | 15日(14泊15日)以上3か月以内 |
補助対象経費 | ・宿泊費 ・交通費 ・施設利用料 ・レンタカー費用 |
補助上限額 | 15万円/人 |
補助率 | 対象経費の4分の3 |
利用条件 | ・期間中の8割以上の日について佐賀県内に滞在し、テレワークを体験すること ・期間中、コワーキングスペース等のテレワーク拠点を複数回利用すること ・同一年度内この制度で補助を受けていないこと ・SNS等で佐賀県内のテレワーク環境や地域情報等を発信すること ・県が実施するアンケート、ヒアリング、取材等に協力すること ・交付申請に当たって、事前にさが移住サポートデスクに移住相談を行っていること ・滞在期間中にさが移住サポートデスク(佐賀)への訪問相談又は事業終了後にオンラインでの移住相談を行うこと ・国、県、県内市町等から別に補助金等の交付を受けている場合は、その部分については、本補助金の補助対象外となること ・補助事業実施年度の2月末日までに、お試しテレワーク移住の活動が終了するものであること |




お試し住宅
佐賀県では、県内での移住を体験できる住宅を無料または低価格で提供している。実際に県内で暮らしてみることで、佐賀移住のイメージを膨らませやすい。
お試し住宅の利用期間や料金などは、以下の通りだ。
自治体 | 利用期間 | 料金 |
---|---|---|
唐津市 | 1ヶ月 | ・単身者向け:23,000~35,000円 ・家族向け:60,000円 |
鳥栖市 | 3~14日 | 無料 |
鹿島市 | 2週間~30日 | 1,500円 |
嬉野市 | 3泊4日~13泊14日 | 無料 |
基山町 | 1~14日 | 無料 |
移住支援金
佐賀県では、県外から移住者に対して最大100万円の移住支援金を支給している。移住元の地域に合わせて2つの制度を用意し、いずれかを利用可能だ。
制度の概要は、下記の表と公式ページを確認してみよう。
制度名 | 対象者 | 補助金額 |
---|---|---|
佐賀県地方創生移住支援事業 | 東京23区内在住または通勤 | ・単身:60万円 ・世帯:100万円※18歳未満の子1人につき最大100万円加算 |
さが暮らしスタート支援事業 | 佐賀県外から移住した59歳以下の方 | ・単身:60万円 ・世帯:100万円 |
空き家バンク
佐賀県では、各市町で空き家バンクページを掲載している。空き家情報を発信し、物件情報を検索できるため、空き家の利用に興味がある方は活用してみよう。
各市町の移住支援制度
佐賀県が実施している制度のほかに、各市町独自の移住支援制度も有効に活用したい。各市町で実施している移住支援制度は、下記の表やサイトを確認してみよう。
市町 | 移住支援制度 |
---|---|
佐賀市 | ・空き家バンク ・起業支援 ・移住支援金 |
小城市 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・起業支援 ・移住支援金 |
多久市 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・起業支援 ・移住支援金 |
鳥栖市 | ・空き家バンク ・お試し住宅 ・起業支援 ・移住支援金 |
神埼市 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・起業支援 ・給食費補助 ・移住支援金 |
吉野ケ里町 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・給食費補助 ・移住支援金(東京圏からの移住のみ) |
基山町 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・お試し住宅 ・起業支援 ・移住支援金 |
上峰町 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・給食費補助 ・移住支援金(東京圏からの移住のみ) |
みやき町 | ・空き家バンク ・起業支援 ・給食費補助 |
唐津市 | ・空き家バンク ・お試し住宅 ・起業支援 ・移住支援金 |
玄海町 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・起業支援 ・給食費補助 |
伊万里市 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・給食費補助 ・移住支援金 |
有田町 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・給食費補助 ・移住支援金 |
武雄市 | ・空き家バンク ・起業支援 ・給食費補助 ・移住支援金 |
鹿島市 | ・空き家バンク ・お試し住宅 ・起業支援 ・移住支援金 |
嬉野市 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・お試し住宅 ・起業支援 ・移住支援金 |
大町町 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・給食費補助 ・移住支援金 |
江北町 | ・空き家バンク ・起業支援 ・給食費補助 ・移住支援金(東京圏からの移住のみ) |
白石町 | ・空き家バンク ・住宅購入助成 ・給食費補助 ・移住支援金 |
太良町 | ・空き家バンク ・起業支援 ・給食費補助 ・移住支援金 |


佐賀で移住したいおすすめの市町(自治体)5つをピックアップ


佐賀移住でおすすめの自治体は以下の5つだ。
- 佐賀市(さがし)
- 鳥栖市(とすし)
- 伊万里市(いまりし)
- 唐津市(からつし)
- 基山町(きやまちょう)
それぞれの特徴や支援制度を参考に、移住先探しのヒントにしてみよう。
佐賀市(さがし)
佐賀市は、県の中心部に立地し縦に長い市域が広がっている。北部には山林や清流、南部には佐賀平野や有明海などがあり、エリアそれぞれの魅力を持つ市だ。
秋の風物詩である佐賀バルーンフェスタ、山々の風景を見ながらリラックスできる熊の川温泉などは佐賀市の見どころ。
移住支援として、新規農業者を育成するトレーニングファームを実施している。実地研修に加えて、研修終了後の施設整備などの支援も受けられるのが特徴だ。
鳥栖市(とすし)
出典:住みたくなるまち、鳥栖
鳥栖市は県東部にある市。福岡県に近く、博多駅までは最短12分でアクセスできるため、通勤・通学の選択肢が幅広い。プロスポーツチームが2つあり、まちに活気があるのも魅力的だ。
鳥栖市は子育て世代が増えている市であり、市内に9ヶ所の子育て支援センターがある。育児の相談や交流などの場として、子育て世帯を支援している。
伊万里市(いまりし)
出典:伊万里市移住・定住支援サイト
伊万里市は県西部に位置している市で、伝統工芸品の伊万里焼が有名だ。伊万里梨や伊万里牛も有名で、日本が誇る食のひとつに数えられている。
海に近い立地であるため、マリンスポーツを楽しみやすく、美味しい海産物が身近にあるのが魅力的。
伊万里では移住支援金制度が充実している。移住に伴う支援金のほか、住宅購入や空き家改修にかかる費用の補助なども受けられるのが特徴だ。
唐津市(からつし)
出典:唐津暮らし
唐津市は9つの市町村が合併して生まれたため、地域それぞれに特色がある。豊かな自然や自然に育まれた食材、唐津焼など、さまざまな魅力が調和した市だ。
玄界灘に面しているため、釣りやマリンスポーツを楽しみやすい。アクティビティも豊富で、余暇を充実させられるだろう。
移住交流スペース唐津Switchを運営し、移住コンシェルジュが相談を受け付けている。移住前の準備や移住後の生活で困ったときは、ぜひ相談してみよう。
基山町(きやまちょう)
出典:基山ワンダー移住
基山町は県で最も東に位置し、福岡県筑紫野市に隣接している。福岡県の都市部とのアクセスが良く、通勤・通学はもちろん、ショッピングにも便利な立地だ。
令和2年に開設された基山っ子みらい館には、保育園と交流広場を併設し、子育て支援に力を入れている。
子育て・若者世帯への支援制度が手厚く、住宅取得補助金や結婚新生活支援補助金などを実施。移住体験住宅も整備し、無料で2週間宿泊可能だ。
佐賀移住を前向きに考えてみよう


佐賀は海・山・平野など自然に恵まれ、穏やかな気候で暮らしやすいのが魅力。家賃が安く生活コストを抑えやすいこと、犯罪や自然災害が少ないことも嬉しいポイントだ。
また、県や市町で実施している移住支援制度が多く、移住に向けた費用も賢く節約できる。佐賀移住におすすめの自治体を参考にしながら、気になる市町への移住を検討してみよう。

