今日ではさまざまな働き方が登場しています。その中の一つが、ワーケーションと呼ばれるものです。ワーケーションに興味はあっても、具体的にどのようなメリットがあるか知ってから試してみたいですよね。
ここでは、ワーケーションのメリットとワーケーションの受け入れに積極的なおすすめ自治体を5つ紹介します。
ワーケーションとは?
ワーケーションという言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのような働き方かわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
まずはワーケーションの基礎知識を紹介します。
ワーク(仕事)+バケーション(休暇)の両立
ワーケーションとは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を合体させた言葉です。日常生活を離れ、リゾートや旅先で休暇を楽しみつつ仕事に励むという、新しい働き方です。
今までにない働き方の一つとして、政府が普及を推進しています。
テレワークとは何が違う?
ワーケーションと似たような働き方に、テレワークがあります。テレワークとは、会社から離れた場所で仕事をすることであり、自宅やサテライトオフィスなど、事前に会社に申請した場所で働きます。
テレワークは場所を変えて働くことが目的とされているため、休暇を兼ねているワーケーションとは根本的な目的が異なります。
ブレジャーとの違いは?
また、近年ではブレジャーという言葉も耳にするようになりました。
ブレジャーとは、ビジネスとレジャーを合体させた言葉で、出張等で会社を離れる機会に、そのままそこで滞在をして休暇を楽しむという考え方です。
それぞれのメリットを活かした新しい働き方を
近年では、さまざまな働き方が認められるようになってきました。
ここに挙げた働き方にはそれぞれメリットがあります。自分にとって最もメリットを得られるような働き方を選んで、仕事もプライベートも充実させた毎日を送りたいものですね。
また、ワーケーションをきっかけとして、地方への移住を検討してみるのもいいかもしれません。新しい働き方を検討する手始めとして、ワーケーションを使ってみるのも一つの手段です。
ワーケーションには種類がある
ワーケーションは仕事と休暇を両立させる働き方ですが、その中にもいくつか種類があります。ここでは、ワーケーションの種類について紹介します。
休暇型
一つは休暇型です。会社から与えられた有給休暇を活用して、リゾート地や旅先で仕事をしながら休暇を楽しむスタイル。
社員としては休暇を楽しめるメリットがある一方で、会社側としても社員の有給休暇取得率が上がるというメリットがあります。
業務型
もう一つは業務型です。これは、会社が業務として社員に会社外での勤務を命じること。業務型はさらに3つに分けることができます。
地域課題解決型
社員が地方などに赴き、そこで現地の関係者たちと話し合いをしながら地域課題の解決策を共に考えるというものです。
会社側にとっては非日常の場面でリフレッシュできるメリットがあり、受け入れる地域側としては、その地域にはない新たな視点を得ることができるメリットがあります。
合宿型
合宿型とは、いつも働いている環境から場所を変えて、チームビルディングをしたりディスカッションをしたりする機会を設けることです。
働く場所を移すことによって、いつも一緒に働いている仲間同士の知らない一面を知ったり、新しいアイデアが閃いたりするかもしれません。
サテライトオフィス型
もう一つは、サテライトオフィス型と呼ばれるものです。これは、テレワークに近い考え方で、旅先のサテライトオフィスやシェアオフィスで働くスタイルのワーケーションです。
社員側だけでなく会社側にもメリットがあるワーケーション
ワーケーションは、活用する社員にとってたくさんのメリットがあるだけではなく、会社側にとってもさまざまなメリットがあります。
お互いWin-Winの制度であるため、今後より一層ワーケーションの活用が進められることでしょう。
ワーケーションのメリットとは?
ワーケーションにはさまざまなメリットがあります。では、具体的にどのようなメリットがあるのかについて考えてみましょう。
いつもと違う環境で仕事ができる
メリットの一つ目は、いつもと違う環境で仕事ができることです。同じ環境で仕事をしていると、なかなか作業効率が上がらないと感じることはないでしょうか。
アイデアやひらめきが必要なときに、いい案が思い浮かばないという経験をしたことがある人も多いかもしれません。
ワーケーションで非日常の世界へと移動して、いろいろなものを見たり聞いたりすることによって、これまでに得られなかったインスピレーションが湧いてくることも。
また、リラックスした環境で、いつもより業務効率が上がることも期待できます。
家族と過ごす時間が取れる
ワーケーションは休暇を組み合わせた働き方です。
そのため、普段忙しく家族と過ごす時間が取れなかった人にとっては、家族旅行をしながら働くことができる一石二鳥の働き方と言ってもいいでしょう。
仕事をしている時間には、家族たちは別行動で旅先での体験を楽しんでもらい、仕事が終わったら一緒に旅を楽しむ。
かけがえのない時間を家族と一緒に過ごすことができるのは、大きなメリットですね。
有給休暇の取得がしやすい
ワーケーションのメリットの一つとして、有給休暇の取得がしやすいということが挙げられます。近年では、有給休暇の取得がずいぶんと楽になりました。
しかし、精神的な面で有給休暇を使って遊びに行くことにためらいがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
ワーケーションは休暇ではありますが、旅先で仕事もします。そのため、有給休暇を取得する際の心理的なハードルが大きく下がることが考えられます。
QOLが上がる
仕事熱心で一生懸命働いていると、気がつけば会社と自宅の往復になっていると思うことはありませんか?
近年では、自分の生活の質を上げることを重視する人が増えています。この考えを、Quality of Life(以降、QOL)と言います。
ワーケーションは、QOLを上げるために非常に適しています。仕事をしながら、休暇を使って自分のプライベートも充実させることができるからです。
適度に休むことによって、仕事にもより一層身が入るでしょうし、業務効率も上がることでしょう。
ワーケーションの前に注意しておきたいこと
ワーケーションはとてもおすすめの働き方ですが、実施するにあたって注意しておきたいことがあります。
ここでは、ワーケーションに失敗しないために気をつけておきたいことを紹介します。
仕事できる環境があるかを確認しておく
まず、ワーケーション先に仕事ができる環境があるかどうかを確認しておくことが大切です。
特に、インターネット環境が整っているかどうかは事前に確認しておきましょう。旅先でオンライン会議を行う際には、インターネット回線がしっかりしていることが望ましいです。
また、場合によっては仕事に集中できる静かな環境があるかどうかや、個人情報を扱う際などは人目につかない環境が確保できるかどうかも確認しておくことが必要です。
プライベートと仕事の時間を分けておく
ワーケーションは休暇と仕事を両立することが重要です。そのため、どこからどこまでが仕事の時間で、どこからどこまでがプライベートに過ごす休暇の時間なのかを、あらかじめはっきりさせておくことが必要です。
そうでなければ、せっかく仕事をしようと思って準備をしてきても、ついつい楽しい方に気持ちが向いてしまい、予定していた仕事がこなせなかったという状況に陥ってしまうかもしれません。
セキュリティ対策を考えておく
オンラインでの仕事が増えてきている今日、パソコンのセキュリティ対策は非常に重要です。
ワーケーションで使うパソコンにちゃんとセキュリティソフトが入っているか、使用するインターネット回線のセキュリティは万全かどうかを確認しておきましょう。
また、パソコンだけではなく個人情報や機密情報などを持ち歩く場合にも対策が必要です。うっかり旅先で情報を紛失してしまったとしたら、個人の責任だけでは済まされず、会社としても大きな損害を受けることになります。
メリットを最大限に活かすために備えは万全に
ワーケーションはさまざまなメリットがある一方で、気をつけておかなければならないこともたくさんあります。
メリットを最大限に活かすためには、事前にしっかりと備えておくことが大切です。
ワーケーションにおすすめの自治体5選
ここからは、積極的にワーケーションの受け入れを行っている自治体を5つ紹介します。この自治体でワーケーションをするメリットについても合わせて紹介します。
栃木県日光市
栃木県日光市は日光東照宮などの観光地としても知られている場所で、比較的都心からのアクセスも良好な場所にあります。
ここでは、日光市ワーケーション実施支援補助金が設けられており、日光市内の宿泊施設を利用してワーケーションを実施すると、宿泊費やコワーキング施設などの利用料の一部が助成金として補助を受けることができます。
群馬県みなかみ町
出典:みなかみ町移住・テレワークに係るレンタカー借上料補助金 | みなかみ町
群馬県みなかみ町は山間部に位置し、上毛高原や水上温泉といった観光地があります。上越新幹線の停車駅である上毛高原駅があり、都心からの利便性がいいのが特徴の一つです。
ここでは、町外に住所があり、テレワークやワーケーションを目的としてテレワーク施設を利用する人に対して、レンタカー借上料の一部を助成する制度があります。
地方部ではレンタカー利用が必須になるところが多いため、ワーケーション利用者が積極的に活用できる制度です。
富山県全域
出典:とやまワーケーション・テレワーク推進事業助成金|富山県
富山県は都心から北陸新幹線で直接アクセスできる県の一つです。富山県では、とやまワーケーション・テレワーク推進事業助成金という制度を設けています。
この制度は、県外の民間企業の社員や個人事業主などを対象に、富山県内で実施される地域交流・地域貢献活動を含むワーケーション、テレワークを実施する際に経費の一部を助成するという制度です。
この制度は5泊6日の短期コースと2ヶ月までの長期コースに分かれています。
長野県岡谷市
出典:【岡谷へ行こう】ワーケーション受け入れについて|岡谷市
長野県岡谷市は諏訪湖に隣接している地域の一つで、周辺には諏訪大社を中心とした観光地があります。都心からの特急列車の停車駅である岡谷駅があります。
岡谷市では市外の民間企業を対象に、市内で2泊3日以上のワーケーションを実施する場合、宿泊費の一部が助成されます。
また、助成対象者には、ポケットWi-Fiやe-バイクの無料貸し出し、岡谷市文化施設の共通入館券などの特典を受けることができます。
静岡県藤枝市
出典:ワーケーション|藤枝市ホームページ
静岡県藤枝市は、静岡県中部に位置し、かつては東海道藤枝宿と東海道岡部宿の宿場町として栄えた場所です。JR東海道本線の停車駅である藤枝駅があります。
ここでは、市内の大久保キャンプ場を使って2泊以上のワーケーションを行う人を対象に、宿泊費の一部を補助する事業が行われています。
ワーケーションのメリットを活用して新しい働き方を試してみよう!
ワーケーションは、近年推進され始めた新しい働き方の一つです。普段と違う働き方をすることで、これまでには得られなかった新しいメリットを得ることができるでしょう。
また、ワーケーションで滞在をしてみて、仕事をするにも生活をするにもいい環境であることを実感できたら、移住先の候補の一つとして入れてみてもいいでしょう。移住をするうえでも、まずは実際に現地での働き方を体験してみることが移住成功の第一歩です。
自分の理想の働き方を探す手段の一つとして、ぜひワーケーションを試してみてください。