日々、ストレスを感じている方は「スローライフ」に憧れることがあるだろう。そもそも、スローライフとは何か、実現させるためにはどんなことが必要なのだろうか。今回は、スローライフとはどのような暮らしのことなのか、実際にスローライフをするためにはどのような行動をとれば良いのかなど解説していく。
スローライフとは
「スローライフ」とは、1980年代にイタリアで始まった「スローフード運動」が始まりだ。スローフードとは、ファーストフードのように手軽に食べられる食事を急いで食べるのではなく、時間をかけてゆっくり食事を摂ることを推進する運動のこと。
このスローフード運動をきっかけに、食事の楽しみ方だけでなく生活のすべてを見直し、丁寧にゆったりした暮らしをすることを「スローライフ」と呼ぶようになった。
スローライフは、田舎でゆっくり暮らすことだと思い込んでいる人は多いと思うが、実はスローライフは都会でも実現可能だ。
スローライフとは、一日中ゆったり過ごすという意味ではなく、仕事や家事などのやるべきことはスピーディーにこなし、自分のための時間を作り出す。その時間をゆったり自分のペースで過ごし、心の余裕を楽しむことをスローライフと言うのだ。
スローライフを意識する生き方のポイント5つ
スローライフを実現させるためには、どのようなポイントに注意したら良いのだろうか。
丁寧な暮らしを意識してみる
スローライフで大切なことは、丁寧な暮らしを心がけることだ。
これまで、時間をかけずに市販のルーを使って作っていた料理を調味料から作ってみる、テレビを消して会話を楽しみながら食事をする、シャワーだけで済ませていたお風呂を浴槽にお湯を張りゆっくり浸かる。
このようなことを心がけるだけでもスローライフを楽しむことになる。
丁寧な暮らしとは、心に余裕を感じられる豊かな生活だということだ。
住む場所を変えてみる
現在の住まいでは、ゆったりとした心で暮らすことができないなら、思い切って環境を変えるのも良いだろう。仕事の関係で完全に移住することが難しいのであれば、仕事の日は都会に住み、休みの日は田舎で暮らす二拠点生活を選択するのも一つの方法ではないだろうか。
田舎に引っ越してのんびり過ごすことが自分にとっての喜びに繋がるのであれば、希望の土地に移住するのも良いだろう。ただし、田舎に住むことイコール、スローライフではない。
移住先でどれだけ充実した暮らしができるのかをしっかり考えてから行動に移すようにしないと、移住後に後悔することになるかもしれない。
移住を考えるなら、しっかり準備をしたうえで実現させるようにしよう。
仕事・働き方を見直してみる
スローライフを満喫するためには、自分の働き方を見直すのも大切なことだ。スローライフは、仕事を減らしてのんびりするという意味ではないため、暇な仕事に転職することを勧めているわけではない。
穏やかな心で生活するためには、安定した収入が必要だ。ただ、仕事が忙しすぎてプライベートの時間が全く取れなかったり、ひどいストレスを抱えるような仕事をしたりしている場合は、スローライフを楽しむことができないだろう。
リモートワークができるなら、これまでの往復の通勤時間がなくなり、その時間をプライベートに充てることができる。スローライフを送りたいなら、仕事や働き方を一度見直してみると良いのではないか。
プライベートの時間を楽しむ
プライベートを充実させようとする心がけは、スローライフには欠かせないことだ。スローライフとは「メリハリをつけた生活をする」こと。
仕事をしっかりこなし、自分のために使える時間を確保する。夜更かしをやめて早起きして散歩してみる、習い事を始めてみる、気の合う友達とのランチを楽しむ。
自分が楽しいと思えることを始めてみるのもスローライフの第一歩だ。
自然と触れ合う時間を作ってみる
自然と触れ合う時間は、忙しい毎日から解放されるひととき。心を解放してリフレッシュさせて、スローな時間を過ごす良い時間になるだろう。
自然と触れ合うために、わざわざ海や山に出かける必要はなく、緑が多い公園を散歩したり自宅で観葉植物を育てたりするだけで十分だ。普段の生活の中に、少しでも自然と触れ合える機会を作ってみるのがおすすめである。
スローライフで移住・二拠点生活を目指すなら
スローライフを実現するために、現在の住まいからの移住を考えている方もいるだろう。地方へ移住して、通勤ラッシュから解放されて心豊かに生活する。これはスローライフへの第一歩と言えるのではないか。
ただし、移住をするためには転職を考えなければならない場合もある。仕事にやりがいを感じている、転職したくない、という場合は、都心と地方に拠点を構える二拠点生活も視野に入れてみるのはどうだろう。
では、移住や二拠点生活を目指すためにはどうしたら良いのだろうか。
事前に情報を収集する
移住を検討し始めたら、まずは「どこに移住するか」を決めなければならない。いくつかの候補地を探し、インターネットなどで情報を集めることから始めよう。
地域によっては、移住ポータルサイトを立ち上げて積極的に移住者への情報を提供しているところがある。サイトでは、実際にその土地に移住した人達の生の声が載っていたり、オンラインでの移住相談を受け付けていたりする自治体もあるので、活用してみると良いだろう。
スローライフの候補地を何度も訪れる
スローライフの候補地を決めたら、実際に足を運んでみよう。自分の目で見てみると、インターネットでは把握できなかったことが分かるかもしれない。
家族がいる場合は、自分一人ではなく家族と一緒に行くことが重要だ。生活に必要な買い物ができるスーパーや子どもの学校、病院などの医療機関などのチェックも欠かさないようにしよう。
移住体験ツアーに参加してみる
自治体によっては、移住希望者が参加できる移住体験ツアーを行っているところがある。自治体が準備した賃貸住宅に宿泊し、実際にその土地で生活してみるのが移住体験ツアーだ。
移住後に「移住後にイメージと違った」「土地柄に馴染めなかった」ということがないように、移住体験ツアーに参加するのをおすすめする。
なかには、農業や漁業の職業体験ができる自治体もあるので、気になる自治体のホームページから探してみてはいかがだろうか。
利用できる支援制度がないかチェックする
移住支援制度は、国や自治体が地方への移住者を支援する制度だ。移住支援制度には、住まいに関するものや仕事に関するものなど、さまざまな制度がある。
また、子育て世帯を応援する支援には、出産や子育て支援や医療費の補助などがあるので、移住を希望する自治体にどのような支援やサポートがあるか確認しておこう。
都心からの移住でスローライフにおすすめの自治体
ここからは、スローライフにおすすめの自治体を紹介する。今回は、都心との二拠点生活がしやすい自治体に絞ってみたので参考にしてほしい。
神奈川県茅ケ崎市
出典:茅ケ崎の魅力|茅ケ崎市
神奈川県の湘南地域の中央部に位置する茅ケ崎市。海のイメージがある茅ケ崎市だが、里山もあり自然に触れながら暮らせる街だ。
都心まではJR東海道線で1時間かからず、JR相模線を使えば八王子や町田方面へのアクセスも良い。車で移動する場合は、圏央道から高速道路を使って広範囲へ行くことができて便利だ。
茅ケ崎市への移住を検討しているなら、オンライン移住相談を受け付けているので申し込んでみてはいかがだろうか。
埼玉県小川町
出典:小川町の概要|和紙のふるさと
埼玉県の中央部より少し西側に位置する小川町。『宝島社』の月刊誌「田舎暮らしの本」で“2023年版 第11回 住みたい田舎ベストランキング”の首都圏エリアの中で総合部門など4部門すべてで上位にランクインした街だ。
市街地の中央に流れる槻川、周囲には外秩父の山々と自然を楽しめる小川町。古くから、小川絹や小川和紙、酒造、建具などの伝統産業で栄えた。
小川町は、移住や二拠点生活を検討している人のために、移住セミナーや移住相談を受け付けている。移住支援については、移住・定住者向けの「小川町空き家バンク」や小川町から都内まで通勤する人が利用できる「小川町通勤者座席指定券購入費補助事業」など、さまざまなものがあるので確認してみよう。
千葉県佐倉市
出典:千葉県佐倉市公式ウェブサイト
千葉県の北部に位置する佐倉市は、年間の平均気温が15度前後の比較的温暖な街だ。東部と南部の農村地帯、印旛沼周辺など豊かな自然も魅力の一つ。
都心までは電車で約60分、成田空港までは20分ほど。市内には、新交通システムによるユーカリが丘線が運行して市民の足となっている。また、東関東自動車道が市の南部を走り、東京や成田を結んでいるので車での移動も便利だ。
佐倉市は、車で1時間ほどの場所に人気のテーマパークや動物園などがあることや、子育て支援の充実によりファミリー層に人気が出てきている。
移住・定住サイト「さくらでくらす」で、住まいや仕事に関する相談や支援・サポートについて詳しく紹介しているのでチェックしてみよう。
群馬県太田市
出典:太田市はじめまして、 暮らしまして、ぐんまな日々
太田市は群馬県の南部に位置し、人口は高崎市、前橋市に続き三番目に多い街だ。『東洋経済新報社』が発表している「住みよさランキング2020」では、太田市は県内1位を獲得している。
都心からは東武伊勢崎線を使うと約100分ほど、車でも北関東自動車道で約100分ほどでアクセスが良い。全国有数の工業都市であり、『SUNBARU』の街として知られている。
緑と公園が多く、子育て支援にも積極的に取り組み、移住・定住を応援するサイト「はじめまして、暮らしまして、ぐんまな日々。」では、市内への移住に関するさまざまな情報を提供している。太田市への移住・定住を検討している方は、太田市移住支援金事業を確認してみてほしい。
長野県伊那市
出典:移住定住応援サイト 伊那に住む
『株式会社カヤック』が運営する「SMOUT」で行った「SMOUT移住アワード2022(年間)」で、全国第1位に選ばれた長野県伊那市。
山や川に囲まれた自然豊かな伊那市は、都心からは電車で約2時間45分ほどなので、都心で仕事をしている方は、二拠点ライフとしての移住地として考えるのも良いだろう。
伊那市は、子育てに関する支援が充実していることでも知られている。子どもを産んで育てるためのサポート体制が整っているため、子育て世帯の移住が増えてきている。
伊那市の移住・定住応援サイト「伊那に住む」では、Webやメールで行える移住相談など、さまざまな支援・サポートに役立つ情報を提供しているのでチェックしてみてはいかがだろうか。
スローライフでストレスのない暮らしを
今回は、スローライフについてさまざまな視点から解説した。スローライフとは、毎日の日々を豊かな心で過ごすことであることがお分かりいただけただろう。
どのようなポイントに注意すればスローライフを充実したものにできるのか、スローライフを実現するためにはどのような行動を起こせば良いのかが理解できれば、どこにいてもスローライフが送れるのだ。
もしも、地方へ移住してスローライフを送ることを検討しているなら、移住先の支援制度・サポート体制について確認し、移住相談などを活用してみてほしい。