地域おこし協力隊は「闇」?その理由とトラブル回避策とは

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将来田舎暮らしをしてみたいと思っている人の中には、地域おこし協力隊という働き方を聞いたことがある人も多いことでしょう。

地域おこし協力隊は期間限定ですが、生活するための資金を得ながら、地域の中で働くことができるのは得難い経験です。

しかし、地域おこし協力隊には良い面がある一方で、「闇」と言われることも・・・ここでは、闇の面を知ったうえで、どのようにすればそれを回避できるのかを紹介します。

目次

地域おこし協力隊とは?

地域おこし協力隊とは総務省が管轄する地方活性化のための事業の一つです。基本的には人口の多い都市地域から、人口の少ない地方部への移住促進と定住促進を目的にしています。

ここでは、地域おこし協力隊の内容について詳しく見ていきましょう。

地域おこし協力隊の条件・待遇

一人あたりの地域おこし協力隊に支給される金額は最大480万円。

この中から、月々の活動費(給与)と活動経費が支払われます。ただし、自治体によって認められる活動費や活動経費が異なっているため、募集要項をよく確認するようにしましょう。

また、地域おこし協力隊の待遇も自治体によって異なります。自治体によっては個人事業主として業務を委嘱されるケースもありますし、会計年度任用職員となるケースもあります。

地域おこし協力隊の役割

地域おこし協力隊に割り当てられる役割もまた、自治体によってバラバラです。地域おこし協力隊には、それぞれの自治体が抱えている課題解決に取り組むことが求められているからです。

情報発信系のミッションが与えられることもあれば、一次産業関係のミッションが与えられることもあります。求められる役割をしっかりと把握して、自分が対応できるミッションを選びましょう。

地域おこし協力隊の任期終了後は?

地域おこし協力隊の任期は最長で3年間と定められています。1年ごとに更新があり、自治体と地域おこし協力隊の双方が延長を希望すれば、最長で3年間任期を務めることができます。

任期終了後は、赴任した地域に定住することが期待されています。そのため、任期終了後に自分はどのような働き方をしたいのか、どのような生活スタイルを望むのかを任期中によく考え、前もって準備しておくことが重要です。

地域おこし協力隊が「闇」と言われるのはなぜ?

総務省は、2026年度までに地域おこし協力隊の隊員数を1万人に増やしたいと表明しています。今後もますます求人が増えることが予想され、大きなジャンルとして成長していくことでしょう。

しかし一方で、「地域おこし協力隊には闇がある」とまことしやかに囁かれているのを聞いたことがある方もいるかもしれません。

一体どのような事実があって、そのような話が流れてきているのでしょうか。

闇①地域住民や派遣先でのトラブル

地域おこし協力隊が闇と言われる一つの理由は、地域住民や派遣先でのトラブルに巻き込まれた隊員の話が要因になっている可能性があります。

ある地域おこし協力隊は地域住民との折り合いが合わず、地域住民に協力隊の更新を認められず、地域を出ていかなければなりませんでした。

また、地域おこし協力隊員は地域の企業などに派遣される場合がありますが、そこでもトラブルが発生する場合があります。

このように、地域関係者との人間関係悪化によるトラブルが実際に発生しているため、地域おこし協力隊は闇だと考える人がいるのでしょう。

闇②行政機関とのトラブル

トラブルは地元住民との間だけに発生するわけではありません。ときには地域おこし協力隊を採用した自治体の行政機関とのトラブルに巻き込まれる場合もあります。

実際の事例では、行政機関担当者との人間関係が悪化し、これ以上地域おこし協力隊を続けることができないと判断した人もいます。

行政機関担当者は採用をした張本人であり、協力隊にとっては頼るべき人たちではありますが、その間の人間関係に綻びが生じることで、大きなストレスを抱えたり当初思い描いていた展望を変更せざるを得ない状況になってしまうことがあるのは事実です。

闇③任期終了後の保証がない

もう一つ、地域おこし協力隊が闇と考えられる理由があります。それは、3年の任期終了後の保証がされていないことです。

地域おこし協力隊は、3年間その地域に住みながら、行政機関からの委嘱を受けて活動することの対価に活動費が支払われるというシステムです。しかし、協力隊の間に活動していた内容がそのまま3年後にも仕事になりうるかという点は考慮されていない場合が多いです。

そのため、3年間の任期が終わったらなんの保証もなく、放り出されてしまったという協力隊員もいます。人生の中の3年間は決して短いものではありません。この3年間をその先の人生にどう生かすかは、隊員一人ひとりにかかっているのです。

地域おこし協力隊のトラブルを回避するには?

このように、地域おこし協力隊が「闇である」と言われるゆえんは、事実としていくつかあります。

しかしながら、これらのトラブルは決して避けられないものではありません。トラブルを回避することさえできれば、地域おこし協力隊は非常にやりがいがあるものです。

ここでは、予想されるトラブルを回避するための方法について紹介しましょう。

自分の経験や能力に見合った募集を探す

地域おこし協力隊として着任したのはいいものの、与えられたミッションが自分の手に負えないものであれば、自分にとっても地域にとっても不幸なことになってしまいます。

そのため、地域おこし協力隊に応募する際には、自分の経験や能力に見合った募集を探すことがトラブル回避のために重要です。

このことが、地域と地域おこし協力隊がお互いにウィンウィンな関係になるための、最も基礎的で最も重要な点であると言えるでしょう。

地域とのコミュニケーションを大切に

トラブルの多くは、地域住民や関係各所の人たちとの人間関係が原因になる場合が多いです。

とはいえ、人間関係のトラブルは地域おこし協力隊だけに起こりうるものではありません。

人間関係のトラブルを回避するために最も重要なのは、コミュニケーションを大切にすることです。その際、自分の意見だけを押し付けるのではなく、地域住民の声に耳を傾けることも大切なコミュニケーションです。

理想と現実の折り合いをつける

地域おこし協力隊を志す人の多くは、バイタリティやモチベーションの高い人が多いです。だからこそ、「地域でこんなことをしたい!」と高い目標や理想を掲げる人がいます。

しかしながら、実際には想像していた活動ができなかったり、地元住民に自分の理想が伝わらず、不平や不満を抱えてしまう場合があります。

そんなとき、現実を嘆くのではなく現実を見つめることで、今の自分に何ができるのかを考える心構えが大切なのです。

地域おこし協力隊はこんな人におすすめ!

地域おこし協力隊の活動の中では、苦労する場面も多々あります。

しかしそれ以上に、地域の人たちとの関わりや、少しずつ自分が関わったことが形になってくる喜びを感じられるやりがいのある仕事でもあります。

全く自分と縁がなかった地域でゼロから始めなければならない場合もあります。そのため、誰しもが地域おこし協力隊に向いているとは言い切れません。

一体どのような人が地域おこし協力隊に向いていると言えるのでしょうか。

主体的に動くことができる人

地域おこし協力隊に必要な能力の一つは、自分が主体的に動くことができることです。協力隊一人ひとりにミッションは与えられますが、細かな指示までは与えられない場合がほとんどです。

そのため、自分から主体的に何をすべきなのか、どのような手順で進めればいいのか、誰に何を聞けばいいのかなど、主体的に物事を前に進めていくことができる人が求められています。

コミュニケーション力がある人

人間関係のトラブル回避にはコミュニケーションが重要です。そのため、やはりコミュニケーション力がある人は地域おこし協力隊に向いていると言えるでしょう。

コミュニケーション力があるといっても、受身の姿勢ではいけません。自分から地域の輪の中に飛び込んでいくことができるような度胸や行動力も、コミュニケーション能力と合わせて必要な力です。

異文化適応力がある人

地域おこし協力隊で赴任する地域は、同じ日本であってもこれまでに自分が持っていた常識が通じない場合があります。人によっては「外国に来てしまったのか?」と感じることがあるかもしれません。

自分とは異なる文化に飛び込む際、ほとんどの人が違和感を感じることでしょう。このとき、自分の常識を地域の人たちに押し付けるのではなく、地域の人たちが大切にしている価値観を理解し、受け入れる適応力が求められます。

赴任する地域に興味がある人

また、赴任する地域に興味があることも重要な要素の一つです。地域の人たちは、よそからきた地域おこし協力隊が新鮮な目で地域を再評価してくれることを楽しみにしています。

だからこそ、興味を持ってその地域を見つめることが大切です。

そもそも、応募をする際に「なぜこの地域を選んだの?」とほぼ間違いなく問われます。

その地域に思い入れがなければこの問いに対する答えをすることもできません。事前に地域の観光資源や主要産業の情報、歴史などを調べ、理解を深めてみましょう。

もし可能であれば、応募する前にその地域へ実際に足を運んでみるのが一番です。

そうすることで、空気感やそこで暮らす人たちの様子を肌で感じ、自分がここで生きることのイメージを抱くことができるはずです。

地域おこし協力隊の卒業生たちは…

任期終了後の地域おこし協力隊は、OBやOGとしてその地域に残る選択をする人も多いです。地域おこし協力隊を卒業したOBやOGの人たちは、一体どのような道を歩んでいるのでしょうか。

ここではその一例を紹介します。

卒業後に起業した隊員はたくさん!

地域おこし協力隊の任期終了の前後1年の間に、赴任した地域内で起業する人を対象にした特別な補助金があるのを知っていますか?この補助金を「起業支援補助金」と言います。この補助金の上限は100万円です。

補助金を使って起業した卒業生はたくさんいます。レストランやカフェをオープンしたり、新たな事業を立ち上げたりと、卒業生によって活用方法はさまざま。

起業することを目標にしている人にとっては、非常にありがたい補助金です。

地域の首長や議員になった元隊員も

地域おこし協力隊の隊員の中には、任期終了後に地域の選挙に出馬し、見事当選を果たした人もいます。

任期中に積極的に地域の人たちと関わり、地域のために汗水を流したことが評価され、人望を得られたということなのでしょう。

その地域に深い愛着があり、地域をより良くしたいと思う人は、議員の道を選んでみてもいいかもしれません。

関係人口として地域と関わり続けることもできる

地域にとっても地域おこし協力隊にとっても、最も望ましいのは任期終了後も安定してその地域に定住できることです。しかし、さまざまな問題やトラブルが発生し、その地域で住み続けることができなくなる人もいます。

かといって、それでその地域と縁が切れてしまうわけではありません。

違う地域へと去ってしまうことになっても、観光客としてやふるさと納税などで、その地域に関わり続ける「関係人口」の一人として、地域を応援することもできるのです。

地域おこし協力隊で得られる経験や繋がりは「闇」ではなく「光」

地域おこし協力隊は決して楽な仕事ではありません。仕事に従事していく中で、さまざまなトラブルに遭遇することもあるでしょう。そのようなトラブルが、現在地域おこし協力隊の「闇」として世間に流れています。

しかしながら、地域おこし協力隊で得られる経験や繋がりは、かけがえのない宝のようなものです。地域に赴任しなければ知らなかった気づきや、縁がたくさんできるのは間違いありません。

「闇」があるのは事実です。しかし、「闇」に目を奪われたままになるのではなく、「光」にも目を向けてみてください。誠実に、真摯な心で地域と向き合えば、きっと人生の中でも得難い時間を過ごすことができるはずです。

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