移住先として人気を誇る長野県は「2024版 移住したい都道府県ランキング」で堂々の1位を獲得しました。
首都圏へのアクセスがしやすいだけでなく、UIターン就職に協力的な地域が多く、各エリアでさまざまな就職支援が行われています。
今回は長野県の移住で役立つ仕事情報に関する内容をお届けします。長野に移住する仕事面へのメリットや各エリアごとのお役立ち情報、移住する際の注意点などを知りたい方はぜひ参考にしてください。
長野県移住で知っておきたい仕事事情
長野県で仕事探しを始める前に、長野県の仕事事情を把握しておきましょう。ここでは、長野県の最低賃金や平均年収、有効求人倍率などをご紹介します。
最低賃金
長野県の最低賃金は、令和5年10月1日時点で「948円」です。東京都と比較してみると、以下の表のとおりになりました。
| 長野県 | 東京都 | |
|---|---|---|
| 最低賃金（令和5年10月1日時点） | 948円 | 1,113円 |
都心に比べると低いですが、全国には最低賃金が893円のところもあり、長野県は比較的高い賃金といえるでしょう。
参考：地域別最低賃金の全国一覧 ｜厚生労働省 (mhlw.go.jp)
平均年収
長野県の平均年収は、「441.6万円」です。東京都と比較してみると、以下の表のとおりになりました。
| 長野県 | 東京都 | |
|---|---|---|
| 平均年収 | 441.6万円 | 612万円 |
年収の全国平均は458万円といわれており、長野県は平均年収が東京都や全国平均に比べて低いことがわかります。
有効求人倍率
有効求人倍率は、「仕事を求める人1人に対し、どのくらいの求人があるか」を表しています。
令和6年8月30日時点の長野県の有効求人倍率は「1.13倍」です。令和6年4月に発表された全国平均値と比較してみると、以下の表のとおりになりました。
| 長野県 | 全国平均 | |
|---|---|---|
| 有効求人倍率 | 1.13 | 1.28 |
長野県の有効求人倍率は全国平均と比べると数値が低いことがわかります。しかし、1人に対して1以上の求人があるため、職を限定しなければ就職に困らない状況といえるでしょう。
長野県の仕事・求人の特徴
長野県の仕事や求人には、主に以下の特徴が見られます。
- 第三次産業に力を入れている
- UIターン就職に協力的な地域が多い
第3次産業に力を入れている
長野県の産業別就業者の割合は、以下の表のとおりです。
| 第1次産業 | 第2次産業 | 第3次産業 | |
|---|---|---|---|
| 就業者の割合（人） | 92,133 | 312,275 | 682,510 |
令和2年国勢調査の結果では、第3次産業が最も多い割合を示していました。第3次産業には、医療や不動産業、学習支援業などが含まれます。
また、平成27年のデータと比べると、農業や漁業を含む第1次産業と建設業や製造業を含む第2次産業は減少しているのに対し、第3次産業のみ増加が見られました。
この結果からも長野県では第3次産業に関心が集まっていることがわかります。
参考元：長野県公式ホームページ
UIターン就職に協力的な地域が多い
長野県では、東京圏や大阪府などから移住し長野で就職をする方を対象に、支援金の支給支援を行っています。単身世帯の場合は1人に最大60万円、2人以上の世帯に対しては、1世帯最大100万円が給付されるのが特徴です。
また、UIターンで長野での就職を検討する学生などにインターンシップ参加費用を補助する制度などもあり、UIターン就職に関する幅広い支援をしています。
参考：UIJターン就業・創業移住支援事業支給要件等のご案内｜長野県
長野県移住で仕事探しを成功させるポイント
長野県移住で仕事探しを成功させたい方は、ポイントを押さえて就職活動や転職活動をしましょう。ここでは、とくに押さえておくべきポイントを3つご紹介します。
- 地域の特色を理解する
- 交通手段を把握する
- 自治体の移住支援情報を集める
地域の特色を理解する
長野県で仕事探しをする前に、移住先の地域の特色を理解しましょう。
長野県は豊かな自然を楽しみながら過ごせる地域です。寒さが厳しいことで知られていますが、地域によっては温かい場所もあります。
積雪量の多い場所では、通勤への被害が出る場合もあるでしょう。山の多い場所では土砂災害のリスクも高まるため、移住場所の選択には十分注意が必要です。
また、地域の方との積極的なコミュニケーションでその土地の文化を知ることもできます。交流を深めながら地域の特徴を理解していきましょう。
交通手段を把握する
長野県で仕事をスムーズにこなすためには、交通手段の選択肢は重要なポイントです。
長野県から東京都へ通勤する場合、北陸新幹線を利用すれば1時間20分でアクセスが可能です。また、首都圏へつながる高速バスも出ているためさまざまな手段が利用できます。
ただし、移住先のエリアが大きく影響するでしょう。長野県は首都圏へのアクセスは良好といわれていますが、住むエリアによっては電車やバスの本数が少ないところもあります。
家賃を抑えるために駅から離れた場所に住めば、駅までのアクセスなども影響してくるため、移動手段やアクセスの良さなどをしっかりと確認しておきましょう。
自治体の移住支援情報を集める
各自治体のホームページでは、移住に関するさまざまな情報を発信しています。
たとえば、移住者を対象とした支援金を活用すれば、移住時の金銭的負担を減らせます。各自治体ごとの就職支援情報も掲載されるため、就職場所を探すヒントが得られるかもしれません。
移住や就職は1人で悩むよりも地域の情報に詳しい方へ相談した方が効率的に進められるでしょう。長野県へ移住し仕事を始めようと考えている方は、各自治体の情報を集めましょう。
長野県移住に向けて仕事を探す方法
ここでは、長野県移住に向けて仕事を探す方法をご紹介します。
地域の就職イベントに参加する
長野県の各市町村では、就職に関するさまざまなイベントが開催されているのが魅力的です。
たとえば、松本市では「社会人向け企業説明会・ワンポイントセミナー」を実施しており、各企業の人事担当者と直接話せる機会が設けられています。
また、都心にお住まいの方でも長野県の市町村と直接相談ができるイベントなども開催されているのが嬉しいポイントです。「信州で暮らす、働くフェア」は、長野県の移住フェアとしては最大級規模で、2024年度は東京都で行われました。
就職イベントは随時更新されるため、こまめにチェックしましょう。
地域の求人情報サイトを活用する
長野県に移住し仕事を探したい方は、長野県の求人情報サイトを活用するのもおすすめです。
「長野県の移住ポータルサイト」では、長野県で就職するために欠かせないさまざまな情報が確認できます。支援金制度などは必ずチェックしておきましょう。
また、市町村ごとに独自の就職情報サイトを運営している地域もあります。
たとえば、長野市では「おしごとながの」内で求人やインターンシップ情報が確認できます。合同説明会や就職イベントだけでなく、先輩社員の1日のスケジュールなど就職に関する幅広い情報が見られるため、よりイメージしやすいでしょう。
リモートワークを活用する
長野県で仕事をしながら生活したい方は、長野県に就職するだけでなくリモートワークを活用する方法もあります。
現在の職場でリモートワークを利用できるのであれば、仕事を辞めることなく長野県への移住も叶えられるでしょう。
【エリア別】長野県移住前の仕事探しにおすすめ自治体5選
長野県では、各自治体ごとに仕事に役立つ情報を発信していたり取り組みが異なったりするのが特徴です。今回は、仕事探しにおすすめの自治体とそれぞれの主な取り組みについてご紹介します。
長野市
長野市は長野県北部に位置します。人口は約37万人で善光寺などの歴史的建造物が有名です。便利な市街地だけでなく田園や自然あふれる風景は、首都圏などとは違った楽しみを味わえます。
就職情報サイト「おしごとながの」では、長野市内の求人やセミナーなど就職に関するさまざまな情報が確認可能です。就職の相談ができる窓口の紹介があるのも嬉しいポイントです。
また、長野市の企業に就職した移住者の方を対象とした「長野市就業・創業移住支援金」や県外から市内に移住し起業をする方を対象とした「長野市移住者起業支援金」などがあります。
松本市
松本市は、長野県の中央寄りに位置する地域です。上高地や北アルプスなどの自然豊かなエリアで、降水量が少なく晴天率の高い場所のため、その住みやすさが人気を集めています。
移住・定住ポータルサイト「まつもと暮らし」では、松本市内に移住や定住をする方に役立つ情報を公開しています。就職セミナーの情報なども確認できるため、松本市で働きたい方におすすめです。
そして、松本市では「松本市UIJターン就業・創業移住支援事業補助金」の交付を行っています。「空き家の利活用等補助」を申請すれば、空き家の改善工事にかかる費用を負担してもらえます。
上田市
長野県で3番目に大きい市といわれる上田市は都心からのアクセスが良好で、落ちつきのある街並みと豊かな自然が楽しめる場所です。日本百名湯に選ばれた信州最古の温泉である別所温泉の地としても知られています。
上田市では市内で就職を希望する方を対象とした「Uターン就職相談会」を実施しています。また、長野県へのU・Iターン就職を希望する学生を対象とした「シューカツNAGANOキャリア相談室」は、東京にいながら市内移住の相談ができるのが嬉しいポイントです。
また、上田市では、東京都や愛知県、大阪府などの三大都市圏から市内に移住し就業する方を対象とした支援金制度があります。令和6年度の募集は終了していますが、来年度以降の利用を検討する方は、こまめにチェックするのがおすすめです。
上田市への移住をお考えの方は「上田市移住定住サイト」を活用しましょう。暮らしに関するさまざまな情報が得られます。
諏訪市
日本の真ん中あたりに位置するといわれている諏訪市は、自然の美しさが堪能できるエリアです。霧ヶ峰高原や諏訪湖などが観光スポットとして有名です。
東京で相談ができる「信州で働くを考えるUIターンマッチングセミナーin東京」や名古屋市での「出張移住相談会」などを実施しており、市外からの就職を積極的にサポートしています。
「諏訪市UIJターン就業・創業移住支援補助金」や「空き家・空き地バンク」を活用すれば、より出費を抑えながら移住や就職ができるでしょう。
飯田市
長野県の最も南に位置する飯田市は、日本一の谷地形が広がっています。長野県は冬の寒さが印象的ですが、飯田市は温暖で雪が少ないのが特徴です。
飯田市は、移住の相談ができる「移住（U・Iターン）相談窓口」や「オンライン移住セミナー」を積極的に実施しています。
UIJターンの方を対象とした求人情報サイトも開設しているため、飯田市で仕事探しをしたい方は、ぜひチェックしてみてください。
長野県移住に向けて仕事を探す際の注意点
長野県移住に向けて仕事を探す際の注意点は、主に以下のとおりです。
- 移動手段に車が必須
- 都心に比べて職業の選択肢が限られる
注意点を把握しておけば、効率的に仕事探しができるでしょう。それぞれについて詳しく解説します。
移動手段に車が必須
長野県内で就職するのであれば、車は必須といえるでしょう。
地域によって異なりますが、松本市や長野市などの市街地から離れたエリアではバスや電車の本数が少なく、1時間に1本しかない場合もあります。
リモートであれば仕事で移動が不要なため問題ありませんが、通勤する方は車があると便利でしょう。
田舎は都心に比べて駐車代も比較的安いため、車の維持費用の負担も少ないです。
電車やバス乗り場へのアクセスが悪い、市街地から離れたエリアを機能しているなどで通勤時間に何時間もかかるのであれば、車の用意がおすすめです。
都心に比べて職業の選択肢が限られる
長野県は都心に比べて求人数がグッと下がります。また、観光や農業などが盛んなため、求人のジャンルも地域の特性が出ます。
そのため、都心から移住した方のなかには、選択肢が限られる、希望の職種の募集が少ないと感じる方もいるかもしれません。
長野県に移住し仕事を始める方は、各地域の特徴を理解し把握したうえで、自分の強みを活かせる場所を選びましょう。
長野県移住前に仕事探しを始めよう
長野県は第3次産業に力を入れており、UIターン就職に協力的な地域が多いのが特徴です。
仕事探しを成功させるためには、地域の特色や交通手段を把握し、各自治体の移住支援情報を集めるのが重要なポイントとなります。地域の就職イベントに参加したり求人情報サイトで情報を得るなどし、適した職場を探しましょう。
移動手段に車が必須であったり都心に都心に比べて職業の選択肢が少ないなどが考えられますが、リモートワークを上手に取り入れることができればカバーできるでしょう。
また、各地域のサイトでは移住支援金に関する情報を知ることができます。長野県に移住する前に各地域のサイトをチェックしておくのがおすすめです。
