日本国内の地方で一定の期間働いて収入を得ながら、その土地の魅力を知ることができる「ふるさとワーキングホリデー」。移住への第一歩として、移住希望地で働きながらその土地を知ることができると人気が出てきている制度です。この記事では、ふるさとワーキングホリデーに参加する条件として、年齢制限や支援制度があるのかを解説していきます。
ふるさとワーキングホリデーとは
出典:ふるさとワーキングホリデーポータルサイト
ふるさとワーキングホリデーとは、都市に暮らす人が地方を訪れてその土地で仕事をして収入を得ながら地域の人たちとの交流や学びを得る体験のことです。ふるさとワーキングホリデーに参加する人は、日本各地のふるさとワーキングホリデーを実施する地域や企業の中から、関心のあるものを選びます。
受入側の地域にとっては、事業者の高齢化や後継者不足で作業が困難になっている農業や漁業に、若者の手を借りられるといったメリットがあります。また、ふるさとワーキングホリデーを体験することで、若者の関心を向けさせる効果が期待できるのも受入側のメリットといえます。
さらに、少子高齢化や過疎化により地域全体の活力が減少してしまった地域では、若者を通して各地域の魅力を発信することができるのも大きいのではないでしょうか。
地域づくりや移住に関心がある人と、地域の活性化や移住促進の実績を上げたい地域をつなぐ制度がふるさとワーキングホリデー。海外のワーキングホリデーと同様、働いて収入を得つつ休日は自由に過ごすことができる制度です。
ふるさとワーキングホリデーの魅力
ふるさとワーキングホリデーという制度を利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
収入を得ながら地域での暮らしを体験できる
ふるさとワーキングホリデーは、2週間から1ヶ月程度の期間、働いて収入を得ながら地域での暮らしを体験することができます。
仕事がない日や仕事終わりは自由に行動できるため、観光やアクティビティを楽しむことも可能です。
地域の人たちとの交流が楽しめる
ふるさとワーキングホリデーの目的は、ただ働くだけではなく、働きながら地域と関わることでその土地を知ることです。
仕事や地域の活動を通じて知り合った方達とコミュニケーションをとることで、ネットや本では知ることができない深い部分まで知ることができるはず。
普段暮らしている地域では知り合うことができない人々との交流は、自分の価値観を刺激してくれるかけがえのない体験になるのではないでしょうか。
観光では味わえない感動が味わえる
ふるさとワーキングホリデーは、地元では経験できない仕事に携わることができ、地域の人達との交流が深められる体験です。
仕事先や職場の人々との交流は、これまで自分では気づかなかった新しい自分の発見に繋がることもあるかもしれません。
また、休みの日は好きな過ごし方ができるため、その土地の自然を堪能したり地元住民との触れ合いなど、さまざまな時間が楽しめます。観光旅行では知ることのできない魅力や感動を味わえるのは、ふるさとワーキングホリデーならではではないでしょうか。
移住前のトライアルとして利用できる
ふるさとワーキングホリデーは、移住を考える人のトライアルとしてもうってつけの体験です。
地方への移住を検討しているものの、実際に住んでみたらどんな感じなのだろう・・・。
そんな不安を感じて、移住を決意できない人も多いのではないでしょうか。ふるさとワーキングホリデーを利用して、実際にその土地で暮らしてみればきっと何か感じることができるはずです。
ふるさとワーキングホリデーは、将来的な移住や転職のきっかけになるかもしれません。
ふるさとワーキングホリデーに年齢制限はある?
さまざまな仕事や地域の人々との交流を体験できるふるさとワーキングホリデーは、どのように参加したら良いのでしょうか。
ここでは、ふるさとワーキングホリデーの申し込み手順と、気になる年齢制限についてご紹介します。
ポータルサイトを見て参加できる仕事を探す
ふるさとワーキングホリデーを体験したいと思ったら、まずはじめにすることはふるさとワーキングホリデーのポータルサイトの求人を検索することです。
自分が参加したいエリアと仕事のジャンル、期間などから求人を絞り探してみましょう。気になる受け入れ先が見つかったら問い合わせます。
説明会・相談会に参加する
ふるさとワーキングホリデーでは、参加者に受け入れ先の地域のことや仕事内容を知ってもらうために説明会を実施しています。説明会は全国各地で開催されているので、ふるさとワーキングホリデーポータルサイトから検索してみましょう。
説明会の参加は必須ではありませんが、事業者から注意点などの情報が入手できたり、受入先の地域の方達との情報交換ができたりする場合もあるので、参加するのがおすすめです。
年齢制限などを確認し、エントリーし面接を受ける
説明会に参加して申し込んでみたいと思ったら、ポータルサイトの求人ページからエントリーしましょう。
年齢制限については、18歳以上という自治体と20歳以上という自治体があります。自治体によって年齢制限が異なりますので、募集要項をしっかり確認することが大切です。
その後、企業との面接があり正式決定となります。ふるさとワーキングホリデーは、求人の人数が決まっているため、申し込んだとしても必ず参加できるとは限りません。申し込んでから決まるまで約1週間かかるので、結果を待ちましょう。
参加が決定したら準備をする
ふるさとワーキングホリデーの参加が決まったら、準備を始めましょう。現地での宿泊先や日程、開始日を確認します。
ふるさとワーキングホリデーは、現地までの移動費や滞在費は参加者負担と決められているので、しっかりチェックしておきましょう。
現地でオリエンテーションを受けて仕事開始
現地に到着したら仕事内容など、ふるさとワーキングホリデーに参加するために必要なことをオリエンテーションで確認します。
不安や心配事があった場合は、オリエンテーションでクリアにして仕事に取り掛かりましょう。
ふるさとワーキングホリデー募集6つの仕事例
ふるさとワーキングホリデーはどのような地域空の募集があるのか、また仕事はどのような内容のものがあるのか以下にご紹介します。
【新潟県南魚沼市】古民家ホテル 龍言
冬は積雪が3メートルにもなる新潟県南魚沼市。そんな町にある古民家ホテルでの仕事です。主な仕事はゲストへの食事の提供やアテンド、アクティビティガイドのサポートなど。
シフトは相談に応じてもらえるので、自由な働き方ができそうです。休日にはスキーを楽しむなど、雪国を満喫しながら働くことができるのではないでしょうか。
団体名 | ryugon / 龍言 |
期間 | 2月5日〜3月21日 |
勤務時間 | 7:00~16:00(実働8〜9時間・休憩1時間) |
賃金 | 時給1,000円 |
シフト | シフト自由・相談 |
問い合わせ先 | 総務部U&Iときめき課(025-773-6659) |
【宮城県気仙沼市】保育ワーキングホリデー
気になる土地で保育士を目指す方におすすめなのが、宮城県気仙沼市の保育ワーキングホリデーです。保育施設を選んで保育や子育てについて学びながら、休日は気仙沼の観光ができる気仙沼市独自の体験プログラム。
保育士を目指しているが自分に合っているか試してみたい、実際に働いている保育士さんの話が聞いてみたい方にぴったりのプログラムです。
仕事や休みの日は、海でサーフィンをしたり、名物料理を食べ歩いたりと気仙沼市の魅力に触れることができます。
団体名 | 認定NPO法人CloudJAPAN |
期間 | 6月30日〜3月31日 |
勤務時間 | 応相談 |
賃金 | 約2万5千円 |
シフト | シフト自由・相談 |
問い合わせ先 | 認定NPO法人Cloud JAPAN(0226-29-6514) |
【富山県魚津市】ココマカロン
魚津市では、市内で働きたい人を対象に、ふるさとワーキングホリデー事業に参加しています。働く期間は2週間から1ヶ月程度で、働きながら魚津市の暮らしを体験してもらうのが目的です。
仕事が休みの日は、市内観光ツアーや果樹園ツアー、魚津祭りなどに参加できます。さらに、魚津市観光協会が実施するツアーにも魅力的なツアーや体験ができるのでチェックしてみてください。
魚津市では、ふるさとワーキングホリデーに参加する参加費、期間中の市内宿泊費、宿泊費から勤務先への交通費、地域の人たちとの交流に関する費用を市で負担してくれます。
『ココマカロン』は、オーダーメイドのマカロン専門店です。素材にこだわって作ったマカロンに手描きでイラストを描いて全国に発送しています。
団体名 | ココマカロン |
期間 | 3月1日〜3月28日 |
勤務時間 | 11時から19時 |
賃金 | 時給950円 |
シフト | 週5日から |
問い合わせ先 | 魚津市地域協働課(0765-23-1095) |
【茨城県】いばらき中央9市町村 地域の魅力発掘ワーキングホリデー
茨城県では、県央9市町村の移住・定住促進協議会が地域の魅力を発掘するためのワーキングホリデー事業に参加しています。
茨城県の県央地域は、複数の大型商業施設や空港・JR・フェリーなどの交通拠点を有する住みやすい地域です。都心からも移動しやすいため、移住を考える人も増えてきています。
ふるさとワーキングホリデーを体験すれば、実際に茨城県中央地域で暮らしができて地域の魅力を知ることができます。
就労は参加者5名ずつが2つのチームに分かれて行います。ひたちなか市の名産品である干し芋づくり、栗の産地笠間市で栗を使ったスイーツづくり、乳製品が名産地の小美玉市にある牧場での就労など、地域の名産品を中心とした就労が可能です。
団体名 | いばらき県央地域移住・定住促進協議会 |
期間 | 2月4日〜2月17日 |
勤務時間 | ー |
賃金 | 時給1,000円程度 |
シフト | 週3日から |
問い合わせ先 | いばらき県央ワーキングホリデー事務局(ENGAWA株式会社内)(03-6804-6210) |
【石川県小松市】加賀伝統工芸村 ゆのくにの森
石川県小松市にある「加賀伝統工芸村 ゆのくにの森」は、緑豊かな森の中に集められた古民家や、50種もの伝統工芸を体験できる伝統工芸のテーマパークです。地元の人はもちろん、海外からのお客様も多く訪れる観光名所になっています。
仕事内容は、工芸体験の受付や体験補助などです。自然の中で伝統工芸に触れるという貴重な体験ができるのが魅力。人と接するのが好きな方、自然の中で伝統工芸に触れたいと思っている方におすすめです。
団体名 | 加賀伝統工芸村 ゆのくにの森 |
期間 | 2024年2月9日~18日 2024年3月20日~29日 各日程働ける方 |
勤務時間 | AM9:00~PM16:30(昼休憩1時間)の週5日勤務 ※残業なし |
賃金 | 時給935円 |
シフト | 週5日から |
問い合わせ先 | いしかわステイサポート事業事務局(050-1864-3072) |
【沖縄県伊平屋島】株式会社くしぢ農園
南の島で働いてみたい方には、沖縄県の最北部にある離島、伊平屋島でのふるさとワーキングホリデーはいかがでしょうか。
伊平屋島へは、沖縄本島の今帰仁村運天港からフェリーが運行していて、本島からは片道80分ほどで到着します。
仕事は農作業全般で、玉ねぎの収穫や出荷、マンゴーの管理作業などです。休日は沖縄の美しい海でシュノーケリングや釣りなどが楽しめます。
団体名 | 株式会社くしぢ農園 |
期間 | 2月1日〜2月29日 |
勤務時間 | 08:30~17:00(昼1時間休憩。また小休憩は都度あり) 7.5時間労働/日 |
賃金 | 時給900円 |
シフト | 週5日から |
問い合わせ先 | 沖縄県ふるさとワーキングホリデー運営事務局(098-868-3856) |
ふるさとワーキングホリデーに参加する際は年齢制限をチェックしよう
ふるさとワーキングホリデーは、さまざまな仕事を体験しながら地域の魅力に触れることができる制度です。観光で訪れる場合と異なった視点から各地域が見られるため、新しい発見があるかもしれません。
また、ふるさとワーキングホリデーを通じて、担い手が不足している事業者を助けることができる「やりがい」も感じられるのも魅力です。さらに、その土地への移住を検討している方にとっては、実際に暮らしてみることで移住後の生活をイメージできます。
ふるさとワーキングホリデーに参加したい場合は、年齢制限や必要な資格や免許も確認して申し込むことを忘れないようにしましょう。