『複住スタイル』初のイベント!「みんなとツナゲナイト」を開催しました

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開場直後から自治体のブースに足を運ぶ参加者

2022年10月27日、『複住スタイル』で初となる公式イベント「みんなとツナゲナイト」を開催しました。テーマは、「お気に入りのローカル探しの“旅”」。特別ゲストによる講演のほか、「地方に興味がある人たちと交流したい!」という自治体のブース出展もあり、ローカルの魅力にたっぷり浸れる2時間半となりました。

18時30分。開場時刻と同時に参加者が次々と入場します。早速、目の前に飛び込んできたのは鮮やかなオレンジ色の法被(はっぴ)の男性。襟元には、「北山村」の文字。横のテーブルを見ると、「じゃばらまる」と名の入った缶ジュースが陳列されていました。ローカルゲストの小林さんです。

開場直後から多くの参加者が訪れ、北山村のブースに集まっていました。
和歌山県北山村のブースに置かれた大量のジュース「じゃばらまる」。「じゃばら」は“幻の柑橘”とも呼ばれる北山村の特産品。

次に訪れたブースは和歌山県田辺市。ローカルゲストの丹田さんと玉置さんが参加者と交流しています。参加者が手にしているのは梅酒と田辺市民にはお馴染みの「デラックスケーキ」と「柚子もなか」。まだ開演前ですが、積極的に「ツナゲナイト」しています!

和歌山県田辺市のブースには特産の梅酒と熊野米で作った日本酒のボトルが多種にわたり用意されていました。さっそく試飲する参加者。
和歌山と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、梅とみかん。田辺市とその周辺で栽培される「紀南みかん」のなかでも、糖度が高いものだけが名乗ることできるブランドみかん「天」と梅干しのセット。

そして、最後に訪れたブースは三重県御浜町。こちらでもローカルゲストの辻本さんが参加者と交流しています。参加者が手にしているのは、みかんジュース。年中みかんがとれる町として、多岐にわたる柑橘を栽培しているそう。

三重県御浜町のブースには、特産のみかんが山積みされていた。御浜町は冬でも温暖な気候で、四季を通じて多品種のみかんが育てられている。
品種ごとの搾りたてジュースの飲み比べ。甘み、酸味などがそれぞれ異なる。きっと、ここでお気に入りの柑橘を見つけた方もいるかもしれない。

特別講演①「旅のサブスクでつながるローカル」大瀬良 亮氏

大瀬良 亮(おおせら りょう):長崎市生まれ。筑波大学卒業後に電通入社。2015年から官邸初のソーシャルメディアスタッフとして従事。2018年から3年間はつくば市まちづくりアドバイザーを務めた。2019年に旅のサブスク「HafH(ハフ)」を創業、電通退社。2020年、一般社団法人日本ワーケーション協会顧問に就任。2022年、株式会社 遊行創立。

2019年からサービスを開始した「HafH(ハフ)」は、定額制の宿泊サービスだ。例えば、新スタンダードプランなら、月額9,800円で、国内外560都市にある1,000以上の宿泊施設(ホテル・旅館・ゲストハウス・ホステルなど)に宿泊可能。大瀬良さんは、この「HafH」の仕組みを紹介しながら、「旅のサブスクでつながるローカル」をテーマに“余白の大切さ”について講演した。

「これまで“旅行”といえば、予定を詰め込んで、効率的に観光地を回ってイベントを楽しむことが重視されてきました。しかし、あえて予定をいれず、スケジュールに“余白”をつくることで、“旅行”は能動的な“旅”になります。予定よりも余白。デジタルの進化によって日常から「無駄」がどんどん省かれていく時代に、地域の人と積極的にコミュニケーションをとったり、地元の人しか知らない名所に連れて行ってもらったりと、時間があるから、自ら積極的に行動するようになり、その中で偶然に出会った景色や体験が、一生の思い出として心に残るのです」。

余白だらけのツアー

実際大瀬良さんはご自身で、“余白”たっぷりのワーケーションプランをプロデュースし、参加者から好評を得ているそうだ。実際に移住実現につながるケースも多いという。

「コロナ以降、どこで働くべきか、どういう生き方をすべきか、自分自身で選べるようになりました。そういう時代にあって、人生を真に豊かなものにするためには、自らの居場所を求めて動き出す“勇気”と“スキル”が必要です。その“勇気”と“スキ   ル”――いきなり移住は難しいですが、どこでも働ける時代の利を活用して、まずはちょっとゆるめの(余白のある)旅をしてみてほしいと思います。仕事をしながら、暮らしを感じ、暮らしを感じながら、自分の未来を考えてみる。そんな、ちょっとゆるめの旅にある”余白”があるからこそ「未来を考える」力につながると思っています」。

特別講演②「ワーケーションでつながるローカル」天野 宏氏

続いて登壇したのは、“日本初のワーケーション推進者”で一般社団法人日本ワーケーション協会顧問の天野 宏さんです。

天野 宏(あまの ひろし):愛知県生まれ。2008年、総務省入省。2016年~2019年までは和歌山県庁に出向し、日本初のワーケーション施策を提唱・実施(世界初のワーケーション・フォーラムや親子ワーケーション事業等)。2021年に総務省を退職。現在は日本全国を飛び回り、ローカルの魅力を発掘しつつ、ワーケーションを実施する日々を送る。大の猫好き。

天野さんは「ワーケーションでつながるローカル」についてトーク。最近、天野さんが参加した和歌山県田辺市と北海道北見市のワーケーションを事例にあげながら、ローカルとつながるポイントについて語りました。

「今回、田辺市では、地域プレイヤーを訪ね歩いて懇親会をするのがメインのプログラムでした。北見市では、朝晩1時間のワークショップ以外はフリータイムで、夜は地元の名店で懇親会が開かれ、地元企業や参加者の方々たちと交流を深めました。この2つの自治体のように、地域の人、空気を知ってもらうためのきっかけとして、ワーケーションを活用してもいいのではないでしょうか」。

「ワーケーションを主催する自治体に言いたいのは、“地域活性化につなげる必要がある”“関係人口を創出しないといけない”などと、大義名分に捕らわれてしまいがちですが、僕はそんなに肩ひじを張らずに、もっとユーザー目線で地域を単純に楽しめる“ワーケーション”の価値も見直してもいいのではと思っています」。

天野さんは、ワーケーションをより満足させられるものにするために、おもに3つのポイントを上げます。①事前にワークショップを開催するなどして、場を温め、参加者の気分を盛り上げておく。②短期(2泊3日~4泊5日程度)で地元のキープレイヤーと出会える場をセッティングする。あらかじめ場を作っておけば、地域の人も参加しやすく、参加者もさまざまな人と出会うことができる。③地域の若手グループに率先して受け入れてもらえる体制をつくる。そうすれば、若者世代の参加者が地域に溶け込みやすくなる。

天野氏が昔住んでいたロンドンに似た風景が広がる

「いまはリモートワークが普及して、どこにいても仕事がしやすくなりました。この時代の恩恵を生かして、“ローカルでやりたいことがある”“会いたい人がいる”という人は、ぜひ気軽にワーケーションに参加してほしいと思います。“自分の居心地のいい場所を見つけるツール”としてワーケーションを活用すれば、きっと人生はもっと豊かなものになります」

「自分にぴったりのローカルを見つけるコツは?」という参加者からの質問に対して、天野さんは「まずはワーケーションや旅行等で気軽に現地に行ってみて、気になる土地が見つかったら、セミナーやイベントに参加して、その地域との関係性を深めていくという順序がいいと思います」と回答。

講演「多拠点居住でつながるローカル」Ikeda Taishi氏

続いて登壇したのは、『複住スタイル』コンセプターのIkeda Taishiが登壇。自身の経験に基づいて、多拠点居住のポイントと魅力について語った。

Ikeda Taishi:熊本県生まれ。大手出版社において、インバウンド事業の立ち上げ後、新しい地方移住のあり方や新しい働き方の発信を掲げ、独立。2020年から「複住スタイル」の創刊に携わる。多拠点居住とワーケーションを自ら実践し、多くの地域に溶け込みながら広く発信している縁もあり、日本各地の観光団体のコーディネーターやプロデューサーなども兼任。

「多拠点居住の最初のきっかけは和歌山県庁から世界遺産熊野古道の最大の課題であったインバウンドの移動環境をどうにかしたいという相談がはじまりです。そこから毎月和歌山に行って、とことん話し合いをして、改善策を次々と実行に移しました。2020年にはThe International Institute for Information Designという団体からUniversal Design部門で金賞、Traffic & Public Transport部門で銀賞を頂き、地域の方にも喜んで頂きました。そうした中、何度も通うごとに海も山も豊かな熊野古道のある和歌山南部を拠点に生活してみたいと思うようになり、独立前に和歌山県田辺市に家を借りて、大阪との多拠点居住が始まりました」。

さらに、Ikedaさんは拠点で何をしているのかについても語った。
「拠点の使い方は仕事場兼交流場です。1週間ほど集中して仕事をしたいときやローカルな人たちの交流拠点として利用しています。また、プライベートシェアハウスとして、ローカルに貢献している方やローカルとこれから関わり合いたい方に短期から長期まで部屋を提供しています。原則無料、車も無料です。また。地元在住の外国人が騒げる場所が少ないとの話を聞いてからは、パーティー会場として場所を提供、各自で母国の料理を作ってきて、みんなでシェアするのが楽しみになっています。知る人ぞ知る国際交流の場ですね」。

北海道ニセコで憧れていたスノーライフをスタート

現在は、北は北海道から南は沖縄まで9拠点生活をしており、そのためのワーケーションカーを制作したとのことだが、多拠点居住をする上でのポイントを教えてくれた。

■当たり前だが、費用はかかる
 まずは知り合いを訪ねてみたり、HafHなどの旅のサブスクを使って、地域を知るところから始めるのが良いです。お友達が増えてくると、ご好意で自宅に泊めて頂けたり、一緒に晩酌を楽しめたりすることもあります。費用がなるべくかからないように過ごすのは、大事なポイントです。

■友達2人を作る旅
 ホテルと観光地の往復の旅ではなく、ローカルな人と出会って、お友達になることで、次回その人に会いたくなる旅をする。多拠点居住の第一歩です。

■地域とのコミュニケーション、そして“愛”
 何度も行くと、その地域に住む人への“愛”が自然と生まれます。共に時間を過ごしている地域の人の役に立てないかと思い始めてきます。

■自分の考えの押しつけはNG
 地域の考えをまずは尊重します。都会の人は無意識に上から目線で話すことが多いようで、地域になじめないこともあると聞きます。

「多拠点居住はお金の問題さえクリアできれば、メリットしかありません。アフターコロナの世界が進めば、国際便はコロナ前の水準に復活してくるでしょうし、海外に拠点を持つことも自分の成長につながるはずです。まだ見ぬ世界を見に、まずは家から外へ飛び出してみましょう」。

ローカルゲストによる地域の魅力紹介①和歌山県田辺市

イベントの後半は、ローカルゲストによる各地域の紹介です。最初に登場したのは、和歌山県田辺市に移住した下田学さん。

下田学(しもだ まなぶ):兵庫県西宮市出身。2018年3月から3年間和歌山県田辺市の地域おこし協力隊として、市街地の空き家活用や複合型施設「tanabe en+」の立ち上げなどにも携わる。現在は移住と同時に独立開業した「coamu creative」(コアム・クリエイティブ)として、各地のクリエイターと協働で地域課題の解決に取り組んでいる。

地域おこし協力隊に着任後は、田辺市の魅力発信や移住プロモーションを精力的に行い、移住者たちが綴る“田辺の日常”を見ることできるウェブマガジン「たなごこち」を立ち上げた。

立ち上げに関わったウェブマガジン「たなごこち」。リアルな声が多く載せられている。

「田辺市は、生活環境がよく、交通環境もいい。コンビニやスーパーも充実しているし、市街地のすぐ近くに雄大で美しい自然がある。東京から飛行機を利用すれば1時間ちょっと、大阪からは『特急くろしお』で2時間。移住はもちろん、多拠点居住の候補地としてぜひ検討してもらえるとうれしいですね」

最後には、「ツナゲナイト」の参加特典として、以下がプレゼントされました。
・『紺屋町家』ペア1室×2泊無料宿泊券+南方熊楠顕彰館オリジナルグッズ(2組)
・田辺産品詰合せセット(3組)

当たられた方、田辺市を楽しんでください!

ローカルゲストによる地域の魅力紹介②三重県御浜町

続いて登壇したのは、三重県御浜町で移住コーディネーターをしている辻本恵さん。

三重県南部に位置する御浜町は人口約8,000人で、みかん栽培が盛ん。東京からは新幹線と特急を利用して約6時間で行くことができます。辻本さんは、“テレワークと漁業の相性の良さ”を紹介。

「地元の阿田和大敷漁業生産組合では、1泊2日程度で定置網漁を体験できる漁師塾を開催しています。午前中、漁師体験をしたあとは、趣味の釣りを楽しむのもよし、仕事をするのもよし。ぜひテレワーク×漁師を体験しに、一度、御浜町に来てください。今回、漁師塾の参加費と宿泊費を無料にしました。漁師塾の参加者は常時募集しているので、漁師に興味がある方は、問い合わせてみてください」。

水平線から顔を出す美しい朝日を望むことができる町である。

阿田和大敷の定置網漁は、機械化が進んでおり、しかも、漁師塾を体験したあとは、1年の実務経験を経て、独立をサポート。通常、漁師として独り立ちするには「最低4、5年はかかる」と言われていますが、御浜町ならスピード独立が可能とのこと。近隣の港では女性の漁師も活躍しているそう。

そして、「ツナゲナイト」の参加特典として、以下がプレゼントされました。
・漁師塾+Mikan Hotel 最大2泊3日 (複数)
・Mikan Hotel ペア1室×1泊無料宿泊券(3組)

これをきっかけに御浜町を好きになる方がいるはずです!

ローカルゲストによる地域の魅力紹介③和歌山県北山村

最後に登壇したのは、和歌山県北山村役場の小林賢司さんです。

小林さんは、茨城県つくば市からの移住者。筑波大学卒業後の2013年に役場の職員に。趣味はカヌー、スノーボードなど。

人口400人程度の北山村は、和歌山県に属しながら周囲を奈良県と三重県に囲まれており、日本で唯一の“飛び地の村”です。お隣の三重県熊野市の中心部までは車で約30分、大阪や名古屋へは約3時間で行くことができます。そんな北山村の魅力とともに、ローカルの探し方について小林さんは熱弁します。

「私自身、ローカルが好きで、北海道から高知までカヌーを楽しむ旅をしました。単に観光を楽しむだけだと人とつながりにくいのですが、趣味を軸に、地元の人と一緒に遊んで、飲んで、話せば、地域に愛着も湧くし、土地柄もよく見えてきます。最終的には、“そこに住み続けられるかどうか”なので、趣味をキーワードに、いろんなところに遊びに行って、自分にとってお気に入りの土地を見つけてみてください。まずは、北山村へ遊びに来てください」。

世界でもここだけという、いかだ下りが体験できる。

「ツナゲナイト」の参加特典として、以下がプレゼントされました。
・観光いかだ下りペア券+北山村内商品券(5,000円分)+村唯一の居酒屋169アテンド券(2組)
・北山村内商品券(5,000円分)+村唯一の居酒屋169アテンド券(2組)

村の夜を楽しめるローカルならではですね、是非泊まってみてくださいね!

最後にはブースで参加者とゲストとの交流が行われた。

まとめ

今回のイベントは、現地参加及びオンライン参加を含めて、20~30代の若い世代の参加者が非常に多かったのが印象的でした。現地会場はゲストとの距離も近く、イベント終了後にローカルの魅力について詳しく尋ねている参加者もいました。
アンケートでは、

・とても気付きと学びが多い企画で大満足でした
・東京ともう一拠点のハードルが下がりましたし、興味持ちました
・実際移住したばかりなので、今日の話は移住者として共感できるところや、移住する前にこういう情報にもっと触れておいたらよかったなぁと思いました。
・こんなに学びが多く、充実感のあるオフラインイベントに参加したのは久しぶりで、心から参加してよかったです!
・プレゼントが凄すぎます!お得なイベントでした!

という声が上がっており、参加した自治体からは「参加者の地域への関心や本気度が他の移住イベントよりも高く、会場で楽しく話をさせていただくことができました」という感想をいただきました。

今後も『複住スタイル』では、多拠点居住やワーケーション、旅などをテーマにしたローカルなゲストとコミュニケーションができるイベントを開催する予定です。ご期待ください。

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