日本最北、もっとも面積の大きい北海道は、日本で唯一亜寒帯に属し、台風や梅雨の影響を受けにくく、年間を通して冷涼・寒冷な気候を持つ。
北海道の中でも道南・道央・道東・道北の4エリアによって気候や文化も異なるなど、広大ゆえに本州以南の都府県とは違った特徴も多い地域である。
ふるさとワーキングホリデーを利用して北海道で働いてみたいという人は、ぜひこの記事をチェックしてみてほしい。
ふるさとワーキングホリデーとは
ふるさとワーキングホリデーは、1週間~1ヶ月程度の期間で地方都市に移住し、仕事をしながらその地域の魅力を再発見するプログラムである。
取り組みを行っているのは一部の自治体だが、それぞれの地域の特色に合わせたさまざまな体験が得られる。
また、仕事や地域に対する理解だけでなく、そこで一緒に働くワーキングホリデー仲間との交流も魅力だ。
申し込みは、総務省のポータルサイトや各自治体のHPから行える。
より具体的なふるさとワーキングホリデーに関する解説は、下記リンクを参照してほしい。
北海道で体験できるふるさとワーキングホリデーの一例
北海道は非常に広大で、北海道内でも地域によって産業構造や気候、文化に違いがある。
そのため、自治体によって参加できるふるさとワーキングホリデーのジャンルもまったく異なってくる。
北海道でのふるさとワーキングホリデーの募集は、北海道庁が解説している『ワーホリ北海道』から探すと便利だ。
以下に、北海道で体験できるふるさとワーキングホリデーの一例をまとめる。
観光施設や観光農場での勤務
北海道内には、多数の観光施設や観光牧場がある。
観光牧場は、搾乳体験や放牧馬との触れ合いなど、日常では接する機会の少ない体験ができる施設である。
自治体が運営しているケースもあれば、民間企業が運営母体のこともある。
これらの企業で勤務する経験が、ワーキングホリデーで得られる。
特に北海道で特徴的なのは、競走馬の保養・成育施設がある点だ。
現役競走馬の飼育は担当させてもらえないだろうが、厩務員補助として引退馬のお世話などは担当させてもらえるケースがある。
一般的な農場での勤務
北海道は、広大な土地を活用した大型農業が盛んである。
地域によって生産されているものは全く異なるが、米、小麦、野菜、果樹、酪農、牧草など、かなりの種類の農業が営まれている。
南国でしか栽培できない種類の植物であっても、ビニールハウスを利用して栽培されているケースがある。
農業に興味がある人にとっては、さまざまな選択肢のある魅力的なワーキングホリデー体験ができるだろう。
水産加工業での勤務
北海道は、海に面している市町村も多い。
太平洋・日本海・オホーツク海の3つの海に面しており、地域によってさまざまな海産物が水揚げされる。
ふるさとワーキングホリデーでは、これらの海産物を加工する水産加工業での募集も多くみられる。
三次産業系での勤務募集も
北海道は、全道で人口が500万人を超える都道府県である。
だが一方で、道庁所在地である札幌市に200万人近い人口が集中しており、地方に行くほど人材はかなり不足している。
北海道内の地方都市では、自動車整備やIT系など、仕事の需要があるものの若手の人材が不在なことも多い。
ふるさとワーキングホリデーで、この点を補ってくれる次代の担い手を探している自治体がある。
北海道でふるさとワーキングホリデーを実施しているおすすめ自治体7選
それでは、北海道でふるさとワーキングホリデーを実施している自治体から、おすすめの自治体を7つ紹介する。
小樽市(おたるし)
出典:Working Holiday on Otaru Project | The Otaornai Backpackers Hostel MorinoKi
小樽市は、札幌市の西隣にある自治体である。
古くは札幌より先に開拓が進んで、港町として栄えた。
現在では観光地として、また札幌市のベッドタウンとしての人気も高い。
小樽駅から札幌駅までは電車で1時間程度の距離であり、異国のような情緒を感じられる市である。
小樽市では、観光産業系のワーキングホリデーを募集していることがある。
国内外の観光客向けの仕事となるため、接客スキルや、場合によっては英語などの語学力も求められるかもしれない。
釧路市(くしろし)
出典:令和5年度くしろお試しワーキングホリデー|釧路市ホームページ
釧路市は、人口15万人程度の、道東の都市だ。
主要産業は水産業であり、サンマやカキなどが豊富である。
かつては製紙業も盛んであったが、2021年に大手製紙企業の工場が事業再編により操業停止となった。
人口減少が続く中で、従来のインフラ維持や街の再活性化などの課題解決に向けた働き方ができる。
東川町(ひがしかわちょう)
出典:【東川町】ふるさとワーキングホリデー募集!-|移住関連イベント情報|FURUSATO
東川町は、人口8,000人程度の自治体である。
北海道の中央部に位置するが、区分は道北だ。
人口が道内2位である旭川市のベッドタウンとしての機能も持っているが、農業・木工業など、町内での産業もしっかりと育っている。
農業系・木工系のワーキングホリデーを体験したいなら、おすすめの自治体である。
網走市(あばしりし)
出典:網走市立郷土博物館イベント|2023 ふるさとワーキングホリデー ポータルサイト
人口3.3万人程度の、オホーツク海沿岸の自治体である。
網走監獄などの観光産業もあるが、農業や漁業なども盛んである。
特に農業では、北海道で最も玉ねぎを多く栽培しているのが網走市である。
札幌とのアクセスにはやや難があるが、近隣の女満別空港からは羽田空港、大阪伊丹空港、名古屋中部空港や新千歳空港(千歳市)、丘珠空港(札幌市内)までの直行便が出ている。
※募集終了
知内町(しりうちちょう)
出典:かきVSニラまつり|2023 ふるさとワーキングホリデーポータルサイト
知内町は、人口4,000人ほどの道南の自治体である。
農業・漁業が盛んであり、『しりうちにら』『知内カキ』などブランド化も進んでいる。
隣町の木古内町(きこないちょう)には、北海道新幹線の木古内駅があり、東京方面へのアクセスは良好である。将来的には札幌市へのアクセスも良くなることが見込まれる。
※募集終了
広尾町(ひろおちょう)
出典:広尾町ふるさとワーキングホリデー2023|広尾町
広尾町は、人口7,000人程度の道東の自治体である。
太平洋に面しており、すぐ南には襟裳岬(えりもみさき)で有名なえりも町がある。
太平洋漁業、畜産業が盛んなほか、日本で唯一本場ノルウェーに認められている『サンタランド』がある。
ふるさとワーキングホリデーでは、これらの漁業、畜産業、そして観光業で、地域活性化を進める活動が求められている。
礼文町(れぶんちょう)
出典:宗谷版ワーキングホリデー参加者募集中!(令和5年1月13日まで)|北海道礼文町
礼文町は、人口2,000人程度の、道北の自治体である。
日本最北の街である稚内市の西側、日本海に存在する二つの離島のうち、より西側にある島である。
「花の浮島」の異名を持っており、年中冷涼な気候であることから、低地でも天然の高山植物が見られる。
主要産業は漁業と観光業であり、ふるさとワーキングホリデーでもこれらの仕事への募集が大半となる。
都心から礼文町へのアクセスは、
- 羽田空港から稚内空港へ行き、そこからフェリーで礼文島へ向かう
- 羽田空港から丘珠空港を経由して利尻空港へ行き、そこからフェリーで礼文島へ向かう
のどちらかとなるだろう。
北海道のふるさとワーキングホリデーはバリエーション豊富!
牧歌的なイメージの強い北海道だが、牧畜以外にも、水稲栽培、畑作物、漁業、食品加工業、観光サービス業、ワイン醸造など、多種多様な仕事から働く内容を選びやすいという特徴がある。
気候も他の都府県とは違った冷涼な環境であるため、労働だけでなく生活面でも、北海道ならではのワーキングホリデーが体験できるだろう。
また、地域社会の形成が緩く、新しく越してきた方々に優しい傾向にある。
初めてのワーキングホリデーには、特におすすめしやすい土地柄であると言えるだろう。
この記事を参考に、ぜひ北海道でのワーキングホリデーを検討してみてほしい。