豊かな自然と歴史文化あふれ、ものづくりなどの産業も活発な三重県。南北に長い三重県は、それぞれの地域に特徴があり、自分の望むライフスタイルを実現できる街を見つけることができるでしょう。三重県で理想のライフスタイルを手にするための後押しをする各種支援制度と合わせて、おすすめの街をいくつか紹介します。
移住する前に知っておきたい三重県の基本情報
三重県北部は愛知県、岐阜県、滋賀県に接しており、中部は奈良県、京都府に接し、南部は和歌山県に接しています。そのため、それぞれの地域によって文化的に異なっているのが特徴です。
まずは三重県の基本情報について押さえておきましょう。
地理
三重県は日本のほぼ中央に位置しており、面積は約5,800㎢で全国25位。南北に細長く、平地部・盆地部・山地部に分かれています。
中部以北の山地部には養老山地、鈴鹿山脈、布引山地が走っており、伊勢平野と上野盆地を隔てています。また、中部以南には台高山脈、紀伊山地が熊野灘まで迫っており、これらの山々が水源となり、鈴鹿川、雲出川、宮川、熊野川が流れています。
人口
三重県の総人口は約175万人と全国で22位。名古屋や関西エリアに隣接している地域は比較的人口が多く、南部に下るほど人口が少なくなっているのが特徴です。
三重県内で最も人口が多い街は四日市市で人口約30万人、県庁所在地の津市は約27万人です。
気候
地形が複雑であるため、地域によって気候が異なります。伊勢湾や熊野灘に面した地域では年間平均気温が15度〜17度と比較的温暖です。
一方で、山地部では冬になるとかなりの積雪があります。また、南部の尾鷲地方は年間降雨量が4,000ミリを越える、国内でも有数の多雨地帯です。
産業
三重県は「ものづくり」が盛んな県であり、県内の就業者数のうち約4分の1が製造業に従事しています。全国の中でも、製造業に従事する就業者数の割合は全国4番目に位置しているのが特徴です。
そのほか、農林水産業も盛ん。松阪牛などのブランド牛や出荷量全国3位の伊勢茶など、多様な農作物が育てられています。林業では豊富な森林資源を用いて杉や檜の出荷が行われているほか、水産業では伊勢海老や鮑、真珠などがよく知られています。
三重県の魅力
三重県は地域によってそれぞれの魅力があります。地域の特性を踏まえ、三重県へ移住したくなるような魅力を取り上げていきます。
関西東海エリアに近い
三重県は意外にも関西や東海エリアへの利便性◎名古屋などの都市圏から三重県南部方面まで高速道路が伸びているため、車でのアクセスをおすすめします。
そして、三重県の交通網を支えているのが近畿日本鉄道(以下、近鉄)です。名古屋や奈良大阪京都方面へと繋がっているため、三重県民の足となっています。
自然が豊か
自然豊かな場所で生活したいと思う人にとって、三重県は理想的な移住先の一つ。三重県は鈴鹿山脈を中心とした美しい山々と、伊勢湾や太平洋に面しており、地域それぞれで豊かな自然を楽しめます。
歴史文化の魅力がある
伊勢市にある伊勢神宮は2,000年の歴史があり、昔は多くの参詣者が日本全国から伊勢神宮まではるばる歩いてやって来ていました。
そのため、三重県各地にはさまざまな歴史の逸話や、文化や伝統が息づいています。
食べ物が美味しい
三重県には名物となる食べ物がたくさんあります。伊勢海老や鮑、松阪牛だけではなく、それ以外の食べ物もとても美味しいです。
豊かな山から流れ出る美しい水が、野菜・果物・米などの農作物だけではなく、酒や肉、魚介類を美味しく育ててくれます。
三重県への移住を失敗しないために知っておきたい注意点
魅力に満ち溢れた三重県ですが、もちろん移住前に注意しておかなければならない点もあります。
新幹線駅と空港がない
実は意外にも三重県には新幹線の駅も空港もありません。最寄りの新幹線駅は名古屋駅であり、空港は愛知県にある中部国際空港となっています。
新幹線に乗るためには一度名古屋へ、空港を利用するためには名古屋を経由して中部国際空港へ行くか、津市と空港を結ぶ高速船に乗らなければいけません。
特に、三重県南部は交通の便が悪いため注意が必要です。
交通が不便な地域も
三重県は、地域によっては自家用車がなければ生活が不便な場所もあります。
比較的人口の多い地域では、バスが地域住民の足となっているものの、都市部のような地域内交通としての地下鉄や私鉄はありません。
車がないと移動が不便なところも
三重県の地方部では多くの人が自家用車で移動しています。地域によっては車が一人一台なければままならないことも。
運転免許を持っていない人や自家用車がない人は、移住先が公共交通機関だけで生活に不便がないかどうかを事前に確認しておく必要があります。
地域によっては気候が厳しい
三重県は気候状況が地域によってかなり異なるのが特徴の一つです。三重県南部ではほぼ雪が積もることはないものの、北部の山間部では厳しい大雪になることもあります。
三重県の移住支援情報|イベントやセミナー相談会
三重県への移住を支援してくれる団体やセミナー、また働き口の一つとしての地域おこし協力隊について紹介していきます。
ええとこやんか三重
三重県地域連携・促進部移住促進課が管轄する「ええとこやんか三重」が三重県への移住について、ポータルサイトにおいてさまざまな情報提供をしたり、定期的にセミナーなどを実施したりしています。
移住相談会・セミナー
ええとこやんか三重は、東京・名古屋・大阪で定期的に移住相談会を実施しています。三重県の担当者が参加し、仕事のこと、生活のこと、住まいのことなどの相談に乗ってくれます。
また、実際に三重県に移住した先輩の話を聞くことができるセミナーも随時開催。これらの情報はええとこやんか三重のポータルサイトに掲載されるため、随時チェックしてみましょう。
とこワク
移住をする前に「お試し移住」をしてみたいと思う方におすすめなのが、とこワクという情報サイト。これは、三重県雇用経済部県産品振興課が管轄しています。
三重県でのワーケーションに役立つ、地域のワークスペースについての情報や、地域ごとのワーケーションプランを検索できます。まずは自分が移住したいと思う地域で「お試し移住」を検討可能です。
地域おこし協力隊
三重県では現在18市町で88名の地域おこし協力隊が活動しています。
地域おこし協力隊の活動内容は地域ごとにさまざま。移住支援や空き家バンクの管理、市町のPRや伝統工芸の啓発と継承など、それぞれの地域で必要な人材が随時募集されています。
三重県内で移住におすすめな市町5選
ここでは、移住におすすめな市町を5つ、それぞれの支援制度なども合わせて紹介します。
三重郡朝日町
三重県北部にある町の一つ。名古屋へのアクセスが良く、三重県内の29市町の中で最も小さい町ながら、多くの子育て世帯が移住してきています。令和2年度の国勢調査では三重県内の市町の中で、人口増加数・増加率一位です。
面積の小ささをうまく利用し、「人と人とのつながり」や「身近な支援」を謳い、人気を集めています。子ども医療費支援や、未就園児を対象とした交流・相談の場を設けるなど、子育て世帯が暮らしやすい町です。
三重郡川越町
三重県北部に位置する町で、朝日町と隣接しています。名古屋方面への交通アクセスが良く、臨界地域には企業が立地しているため働き口があるのも魅力。
空き家バンクに登録のある空き家をリフォームする場合には、一部助成金が出ます。また、子育て世帯への支援として、交流・相談の場としての児童館を小学校区ごとに設置しているのも特徴です。
津市
三重県の県庁所在地である津市には、県庁のほか三重県総合博物館、三重県立美術館などの文化施設も立ち並んでいます。
また、中部国際空港と津市を結ぶ、高速船ターミナルがあるため、空港を利用する人にとっては便利な町と言えるでしょう。
津市は移住支援が手厚く、移住アドバイザーによる支援や各種移住支援の助成金や、空き家リフォームの助成金も設けられています。
度会郡玉城町
伊勢平野の南部に位置する玉城町には、のどかな田園風景が広がっています。かつて、お伊勢参りの要衝として栄えた歴史ある町です。移動には車が必須の町ですが、三重県南部の主要都市である伊勢市までは車で15分程度で移動できます。
玉城町も移住支援の助成金が設けられているほか、就農支援や起業支援が行われているのも特徴です。都会とは異なる働き方を探している人にとっては、一考の価値があるでしょう。
伊勢市
伊勢神宮で知られている伊勢市は歴史や文化が豊かな町です。また、年間多くの参拝者が訪れるため、観光産業が盛んであることも特徴の一つ。近鉄電車の主要駅の一つがあり、三重県南部の中では都市圏へ比較的アクセスが良いところです。
移住支援の助成金や就農支援・起業支援が行われており、働く環境を作りやすいのも魅力的。子育て支援の制度も各種設けられているため、子育て世帯の移住希望者との相性が良いと言えます。
自分のライフスタイルに合う町を選んで三重県へ移住しよう
三重県は地域によってそれぞれ異なる特徴があります。人それぞれ重視するポイントが違うからこそ、多様性のある三重県の市町は面白いです。きっと、自分の希望するライフスタイルを実現できる地域を見つけることができるでしょう。
まずは、興味のある市町に足を運んでみて、そこで暮らす人や雰囲気が自分に合っているか、支援制度が充実しているかどうかを確かめ、理想の町を選んでみてくださいね。