愛知県への移住を成功させるために｜メリット・デメリットやおすすめ支援制度（補助金）

愛知県は、日本のほぼ中央に位置しており、名古屋市という日本三大都市のひとつを県庁所在地としています。愛知県は自動車産業で栄えてきましたが、自然に囲まれた地域も存在しています。都市と田舎の双方の魅力を持つ愛知県は、移住を考えるうえでおすすめの場所です。今回は愛知県の魅力を伝えつつ、移住に関する支援制度やおすすめの都市をご紹介します。

愛知県の基本情報

日本のほぼ中央に位置する愛知県は、東は静岡県、西は三重県、南は太平洋に面し、北は岐阜県に接しています。

年間を通して温暖な気候で、夏季は雨が多く冬季は少ないです。知多半島南部と渥美半島は温暖な気候ですが、北東部の山間地域は冷涼で県内でも地域によって気温の差があります。

人口は7,478,574人（2024年10月1日現在）で、東京都・神奈川県・大阪府に次いで4位です。

人口：7,478,574人（2024年1月1日現在）
世帯数：3,238,301世帯（2023年12月1日現在）
面積：5,173.09平方キロメートル
県の花：カキツバタ
県の木：ハナノキ
県の鳥：コノハズク
県の魚：クルマエビ

参考元：あいちの人口（2024年1月1日現在）愛知県人口動向調査結果 月報
参考元：国土交通省 令和5年 全国都道府県市町村別面積調

愛知移住のメリット｜魅力を感じる住みたくなる5つのポイント

愛知県への移住にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、愛知県の魅力をお伝えします。

ゆとりを感じて暮らすことができる

2022年6月に発表された「消費者物価地域差指数（令和3年）」によると、全国平均を100とした場合、東京都は104.5で愛知県は98.0でした。愛知県は全国平均より物価が安く、住居費においては東京都が131.9に比べて愛知県は93.6と大きな差があります。

また、愛知県の住宅地の平均地価は、東京の3割以下となっています。民間賃貸住宅の面積あたりの家賃水準についても、愛知県は東京都の半分程度です。さらに、愛知県の住宅の敷地面積が東京都の約1.7倍あり、居住空間についてもゆとりを感じることができます。

つまり、愛知県は住まいにゆとりを感じながら暮らすことができる県と言えます。

全国各地へのアクセスが良い

愛知県は日本の中心に位置しており、どこへ行くにも交通アクセスが便利です。愛知県内には名古屋駅、豊橋駅、河安城駅という三つの新幹線の駅があります。他の鉄道網も充実しているため、県内だけでなく、日本全国への移動もスムーズに行えます。

さらに、新東名高速道路をはじめとした都市高速道路ネットワークの整備や、名古屋からわずか30分でアクセスできる中部国際空港や県営名古屋空港などの存在により、陸路や空路での移動も快適です。

ワーク・ライフ・バランスが良い

愛知県は、一般労働者（常用）の年間給与が全国トップレベルの全国4位です。また、東京都と比べると通勤時間の平均が30分以上短く、有給休暇取得率は全国平均の58.3%であるのに対し、愛知県は69.1%と高くなっています。

通勤時間は、年間に換算すると東京都よりも100時間も短くなるため、家族との時間や趣味にあてることができます。

愛知県は、ワーク・ライフバランスが良いため、移住後はプライベートを充実させて豊かな人生が送れるかもしれません。

子育て・教育環境が充実している

愛知県は働きながら子育てがしやすい環境が整っています。県内の保育所等待機児童数は、東京の約6分の1で待機児童率に関しては東京の3分の1です。

愛知県の合計特殊出生率は、全国平均よりも高い1.35で東京の1.04よりも0.3ポイント以上高い出生率。子育てしやすい環境が整っていることが、この数字に表れているのではないでしょうか。

歴史や文化が堪能できる楽しさがある

歴史好きな方は、愛知県が織田信長や豊臣秀吉、徳川家康などの戦国武将を多く輩出したことをご存知でしょう。また、愛知県は武将にまつわる城や古戦場などのスポットも多いことでも知られています。

さらに、犬山焼や尾張七宝などの焼き物や名古屋友禅、名古屋桐箪笥などの伝統工芸品、稲沢市の国府宮はだか祭や豊川市のうなごうじ祭など「奇祭」と呼ばれる独特なお祭りなどが大切に受け継がれています。

このように、愛知県は歴史や文化が堪能できる魅力的な県なのです。

愛知移住のデメリット｜失敗しないため把握しておくべき3つのポイント

愛知県へ移住してから後悔しないためには、移住前にデメリットについても知っておくことが大切です。

地域によっては交通アクセスが悪い

愛知県は交通のアクセスが良いとご紹介しましたが、地域によっては交通アクセスが十分とは言えない場所もあります。

たとえば、豊川市は県庁所在地である名古屋市まで約1時間20分かかります。さらに、鉄道が通っていないため、山間部は自家用車を持っていないと移動が大変です。

愛知県への移住を考える際は、移動手段や車の維持費についても考慮して、移住先を決めましょう。

車が多いため道路渋滞が起きやすい

愛知県は、2023年11月の時点で「乗用車保有台数」が全国で第1位です。そのため、交通量が多く渋滞が起こる地域も多くあります。

さらに、運転する人が多いため交通事故にも気をつけなければなりません。車の運転に自信がない方は、移住先の道路の状況を前もって確認しておくと良いでしょう。

移住前より収入が減る場合がある

総務省統計局が調査した「2019年全国家計構造調査」によると、総世帯の年間収入が日本全国で一番高いのは東京で629.7万円です。

愛知県は全国で第3位の613.4万円ですので、東京から移住して転職した場合でも大幅に収入が減ることはないとは思いますが、都心で高収入を得ていた場合、移住前より収入が減る可能性があるかもしれません。

ただ、愛知県は東京都と比較すると物価や住居費が安いため、生活水準が大幅に変わることはないのではないでしょうか。

愛知移住で活用できる支援（補助金）

愛知県では、県外からの移住者に対してさまざまな支援を行っています。

愛知県移住支援事業（移住支援金の支給）

愛知県では、関東圏からの移住者に対して「愛知県移住支援事業」を行って支援しています。この支援は、一定の条件を満たした場合に単身の場合は1人あたり60万円、世帯の場合は1世帯あたり100万円が支給される制度です。

なお、18歳未満の世帯員が一緒に移住する場合は、18歳未満の者1人につき最大100万円が加算されます。

新規就農者育成総合対策

愛知県では、新規就農者育成総合対策という取り組みを行っています。これから農業を始めたい人がリモートや対面で相談したい場合に対応しているのが、農起業支援ステーションです。

また、愛知県ではUターン就農希望者や新規参入希望者などに対して、農業経営に関する知識や技術などを習得する研修「令和6年度 ニューファーマーズ研修」を開催しています。

あいち空き家管理・活用情報

空き家問題を解消するため、愛知県では「あいち空き家管理・活用情報」をサイトで公開しています。

自治体によっては、空き家の利活用の促進のために助成金を支給しています。豊橋市では、地域の活性化のために空き家を改修工事する場合、空家利活用改修費補助金を支給してくれるので、気になる方はサイトを確認してください。

あいちはぐみんネット

愛知県は、子育てポータルサイト「はぐみんネット」を運営し、子育て世帯を支援しています。

子どもを望む方のための不妊・不育専門相談窓口や、子育てに関する情報や支援制度について分かりやすく掲載されているのでためになります。

愛知県移住におすすめの自治体

移住者に嬉しい支援制度が充実している愛知県ですが、県内で移住におすすめの自治体は以下の通りです。

一宮市（いちのみやし）

愛知県一宮市は、市内に3本の鉄道路線が通り、鉄道の駅は19もある交通の便が良い街です。街の中心部にある一宮駅を中心に路線バスや市のi-バスが走っており、市内には9つものインターチェンジがあるため、県内や県外への移動も便利です。

名古屋市まで電車で10分で行ける利便性を持ちながら、木曽川に面しているため自然とも触れ合えます。都会の便利さと豊かな自然を併せ持つのが一宮市です。

一宮市内には、保育園69園、幼稚園20園、こども園4園、地域型保育所が22ヶ所あります。さらに、子どもと一緒に遊べたり保護者同士が交流できる場所である子育て支援センターが市内に8ヶ所あり、児童館や放課後児童クラブなども充実しています。

また、一宮市は、移住・定住を希望している方が市内で住宅を取得する際、包括連携協定を結んでいる金融機関による各種ローンの優遇措置が受けられる一宮市・金融機関包括連携事業などで、移住者を支援しています。

大府市（おおぶし）

大府市は愛知県の西部に位置しており、名古屋まではJR東海道本線で約14分という便利なアクセスです。

大府市内には川が流れ、緑が多い公園も多く四季折々の花を楽しむことができます。また、さくらまつりやつつじまつりなど、市民が楽しめるイベントが開催されています。

そんな大府市は、「おおぶスタイル」という公式サイトで大府市の魅力や役立つ情報を発信しています。

さらに、大府市で新しく生活を始める方や子育てしている保護者を支援するため、さまざまな支援を行っています。

例えば、家庭で子育てをしている保護者が市内の保育園の一時的保育利用時に使える「家庭で子育て応援クーポン」を発行しているおおぶ家庭で子育て応援クーポン交付事業は、保護者のリフレッシュや育児疲れの解消を目的に始まった事業です。

また、結婚により市内で新生活を始める際に引越し費用や住宅取得費用、住宅リフォーム費用などの一部を補助する結婚新生活支援補助金など、若い世帯に嬉しい制度が多くあるので大府市への移住を検討している方はぜひチェックしてみてください。

豊田市（とよたし）

愛知県のほぼ中央に位置する豊田市は、「クルマのまち」として有名です。豊田市は日本屈指の製造品出荷額を誇り、世界的にもトップクラスのものづくり都市です。一方で、豊かな森や田風景を持つ緑豊かな街でもあります。

豊田市は県庁所在地の名古屋から電車で約1時間の距離に位置しています。また、中部国際空港へも約1時間でアクセスできます。さらに、東名高速道や伊勢湾岸自動車道などの交通インフラが整備されているため、県内や県外への移動もスムーズに行えます。

豊田市では移住に関する支援がいくつかありますが、ここでは住まいに関する支援についてご紹介します。

豊田市は、空き家情報バンクを介して賃貸借契約が成立した空き家を改修する場合、その費用の一部を補助する豊田市中山間地域空き家再生事業補助金【空き家改修補助金】があります。

また、地域活動への参加を前提に豊田市の山村地域などに定住するための住宅を取得した場合、住宅取得にかかわる費用の一部を補助する豊田市山村地域等定住応援補助金も注目したい制度です。

そのほかにも、仕事探しや子育てに関する支援も充実しているので、ぜひ豊田市の移住・定住促進サイト「ファースト暮らすとよた」などをご覧ください。

尾張旭市（おわりあさひし）

尾張旭市は、尾張丘陵とこれを開いた矢田川の流域に広がる市域が約21平方キロメートルのコンパクトな街です。名古屋市の中心部まで約15kmという立地で、市内では四季折々の花が楽しめる自然に恵まれた環境です。

尾張旭市は、住みやすい街づくりを目指してさまざまな取り組みを行っています。その代表的なものを以下にご紹介します。

尾張旭市では愛知県と連携し、東京23区から移住した方を対象に引越しにかかった費用負担を軽減するため尾張旭市移住支援事業補助金を交付しています。単身の申請の場合は60万円、2人以上の世帯が申請した場合は100万円です。

また、2023年10月から子ども医療費助成の助成対象年齢を18歳到達年度末までに拡大しています。これにより、0歳～18歳の子どもの医療費の窓口負担が無料になりました。

子どもがいる家族が尾張旭市へ移住する場合、このようなサポートが受けられるのでぜひチェックしてみてください。

長久手市（ながくてし）

長久手市は、『大東建託』が毎年調査を行っている「街の住みやすさランキング2023」の愛知県版で4年連続で第1位に輝いた街です。愛知県の北西部に位置し、名古屋市のベッドタウンとして発展してきました。

また、「住み続けたい街 自治体ランキング」の愛知県版（2023年）で長久手市は3年連続で第1位でした。

市内には大型商業施設があり、週末は家族連れで賑わいます。また、長久手市は、豊臣秀吉と徳川家康が戦った小牧・長久手の戦いの舞台であり、市内には歴史的な名所がたくさんあります。

長久手市は、2021年4月から長久手市産前・産後サポーター派遣事業を開始しました。これは、身内の支援が受けられない妊婦や産後に育児不安や心身の不調がある方の自宅にサポーターが訪問し、家事や育児、外出などの支援を行う事業です。

また、市内には保育所や幼稚園が多く、共働きの家庭が安心して働ける環境が整っているため、子育てしやすい街と言えます。

自治体の支援を上手に活用して愛知県への移住を実現しよう

愛知県は都会と自然の両方を持つ魅力的な県です。住みやすい街が多く、子育てに関する支援も多くあるため、家族で移住する人も増えています。

愛知県への移住を実現するためには、移住前の準備はもちろん県や市町村で使える支援制度やサポートを上手に活用するのもポイントのひとつです。愛知県には今回ご紹介した自治体以外にもさまざまな制度で移住者を支援しています。

愛知県の移住を成功させるためには、気になる自治体の相談会や移住体験に参加してみるのもおすすめです。仕事や暮らし、子育てなど、どの支援を重視するかもしっかり考えて移住を検討してみてください。