二拠点生活(デュアルライフ)の実態。移動時間は2時間以内が約6割!

グラフ、家、車、クエスチョンマーク

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近年、急速に注目度が高まっている「二拠点生活(デュアルライフ)」。この記事では、その実態やメリット・デメリット、実際に二拠点生活をしている実践者の体験談をご紹介します。

目次

二拠点生活(デュアルライフ)とは?まずは実態を知ろう

“二拠点生活(デュアルライフ)”とは、読んで字のごとく、二つの地域に拠点を置き、両方を行き来する生活のことを指します。

リモートワークが普及し、仕事をする場所や住む場所を自由に選べるようになったことで、この生活が新しいライフスタイルとして注目を集めています。

どんな人が、どこに二拠点目を置き、どういった生活を送っているのでしょうか? まずはその実態を見ていきましょう。

※データは、2019年2月20日に株式会社リクルート住まいカンパニーが発表した「デュアルライフ(二拠点生活)に関する意識・実態調査」をもとにしています。

二拠点生活者の年代と家族構成

二拠点生活実施者の半数以上を占めるのは、20~30代。若い世代に人気のライフスタイルと言えます。

二拠点生活者の年代

家族構成については、配偶者/パートナーおよび子どもと同居している世帯が40.6%で最多。二拠点生活は、子どもがいる家庭に人気があるということが分かります。

二拠点生活者の家族構成

二拠点生活者の世帯年収

二拠点生活と聞いて、「お金がかかりそう…」「お金持ちのライフスタイル」と考える人も多いのではないでしょうか。ですが実際にデータを見てみると、世帯年収800万円未満が全体の約半数を占めています。

二拠点生活者の世帯年収

地域によっては補助金や支援制度があるほか、最近では、国内外の空き家やシェアハウス・ホテルを利用できる月額制のサブスクリプションサービスなども登場しており、工夫次第で誰でも二拠点生活を叶えられるようになってきています。

二拠点目で過ごす日数

二拠点目の平均滞在日数は年間90日。

二拠点目で過ごす期間が長いのは、年代別では60代(95.5日)、家族形態別では「その他同居(兄弟姉妹、祖父母など)」世帯(97.6日)、世帯年収別では「1,500万円以上」(93.7日)となっています。

反対に、二拠点目で過ごす期間が短いのは、年代別では40代(83.1日)、家族形態別では「配偶者/パートナーのみ」世帯(83.1日)、世帯年収別では「800万円~1000万円未満」(81.0日)。

働き盛りのピークを過ぎていたり、定年退職をしている人も多い60代や、金銭的に余裕のある世帯ほど、二拠点目で過ごす時間が長くなる傾向にあることが分かります。

二拠点生活をする目的

二拠点生活を実施する目的として最も多いのが、「別荘として活用する」ため。次いで、「趣味を満喫するため」「自然を感じられる環境で過ごすため」という理由が続きます。

興味深いのは、「配偶者/パートナーおよび子どもの世帯」における二拠点生活をする目的が、他の世帯とは少し異なること。「(第二の)ふるさとを持つため」や「自然が多い環境で多様な体験をさせ、のびのびと子育てするため」という理由を挙げた人が非常に多くなっています。

田舎に比べ、外で自由に遊べる環境が限られる都会の子どもたち。公園が狭かったり、そもそも近所になかったりする状況下で、「自然豊かな場所でのびのび遊んで元気に育ってほしい」と考える親が多いということでしょう。

二拠点目の所在地・移動時間

都会と田舎に拠点を持つことで、どちらの魅力も良いとこどりできる二拠点生活。ですが、意外にも、二拠点目の所在地を主な住まいと同都府県内に構えている人が全体の3割を占めています。

1都3県居住者に注目すると、静岡県や長野県が二拠点目として人気です。自然環境が豊かでありながらもアクセスが良く、行き来がしやすいというメリットがあります。

主な住まいから二拠点目への移動時間は、「2時間未満」が6割。近場に二拠点目を構えている人が多いのが、このデータからも分かります。

移動手段(複数回答可)は、全体の7割弱を「電車」が占めています。30代以下の若い世代においては、その割合がさらに上昇。全体の6割弱とこちらも人気の移動手段である「自家用車」は、50代以上の中高年層で高めの結果になっています。

二拠点目の住居形態

ここでは、二拠点目の住居が【持ち家】か【賃貸】なのかという点と、「一戸建て」か「マンション・アパート」なのかという点に大別し、調査結果を見ていきます。

二拠点目の住居形態

「一戸建て」「マンション・アパート」「その他」すべて含めた【持ち家】が、61.2%を占める結果に。一方【賃貸】は、全体で34.7%でした。

ちなみに、主な住まいと二拠点目の住居形態の組み合わせについては、「【持ち家】一戸建て×【持ち家】一戸建て」が最多(16.0%)。次いで多いのが、「【持ち家】マンション・アパート×【持ち家】マンション・アパート」(11.0%)という結果になりました。

住居選定時の最重要事項の結果と照らし合わせてみてみると、一戸建てを選んでいる人は、「自分の好みに合った間取りや仕様の住宅」という点に重きを置いていることが分かります。

反対にマンションやアパートを選んだ人は、「維持費が安く抑えられる」という点に魅力を感じているようです。

二拠点生活のメリット

二拠点生活には、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、主な5つのメリットをご紹介します。

ニ拠点それぞれの魅力を堪能できる

まず一つ目は、“その地域ならではの魅力”を二拠点分楽しめること。

例えば、都会に住んでいる人が地方に二拠点目を持てば、多くの人が行き交う都会での刺激的な生活と、自然の中でのんびり過ごす田舎での暮らしの両方が手に入ります。

豊かな自然がすぐそばにある地方なら、スキーやサーフィンなどの趣味を充実させることも可能です。

生活にメリハリが出る

仕事をする場所と休日に過ごす場所を分けることで、オンオフの切り替えがしやすくなります。

平日は仕事に集中して、休みの日は自然に囲まれながら家族みんなでキャンプを楽しむ。あるいは、登山や釣りなどの趣味にひとり没頭するのも良いかもしれません。

メリハリのある生活は、仕事にもプライベートにも、きっと良い影響をもたらしてくれるはず。

完全移住よりも挑戦しやすい

これまでの暮らしや仕事をそのまま維持しつつ、新しい地域での生活をスタートできるのも二拠点生活の良いところ。

完全移住より挑戦のハードルが低いので、移住に興味があるならまずは二拠点生活から始めてみるというのもおすすめです。

二拠点生活から徐々に完全移住へと移行していくことで、新しい地域での生活やコミュニティにも無理なく馴染むことができます。

自然豊かな環境でのびのび子育てができる

自然に囲まれた環境で子育てできるのも、二拠点生活の大きな魅力。

森や海、山、川などで五感を使いながら遊ぶ体験ができるのは、自然豊かな地方だからこそ。

また、子どもにとって、自然は遊びの場であると同時に学びの場でもあります。自然環境やそこに棲む生き物についての興味・関心が育まれ、机上の学習にとどまらない生きた知識を学ぶこともできるでしょう。

地元の人との繋がりを新たに作れる

交友関係を広げたい人や新たなコミュニティを求めている人にも、二拠点生活がおすすめ。

二拠点生活をきっかけにサイクリングやキャンプなどの趣味を始めるのであれば、趣味を通して新しい人間関係を築けるかもしれません。

地域の行事やイベントなどに参加すれば、地元住民との繋がりができる可能性も。

普段の生活では出会うことのない人々と繋がりを持てるのも、二拠点生活の魅力といえます。

二拠点生活のデメリット・注意点

実際に二拠点生活を始める際には、メリットだけでなくデメリットも理解しておくのが重要。

いざ始めてから「こんなはずじゃなかった…」とならないよう、しっかりチェックしておきましょう。

家の維持費や交通費などの費用がかさむ

まず、二拠点生活には少なからずお金がかかります。

二拠点で生活をするため、家賃・水道光熱費などの固定費が二重でかかるうえ、家具や家電も二拠点分揃える必要が出てきます。

そのうえ、週末のたびに移動するとなると電車代やガソリン代などの交通費も軽視できません。

費用を抑えたい場合は、空き家を安く借りたり、移動に格安の高速バスを利用したりするなどの方法を検討してみましょう。

拠点間の移動に時間・労力がかかる

二拠点間の移動には、お金だけではなく時間と労力がかかることも忘れてはいけません。

特に毎週拠点間を移動する場合は、移動時間が長いとそれだけで体力を消耗してしまいます。

頻繁に行き来する場合は、電車や車を使って1~2時間ほどでアクセスできる場所を選ぶのがおすすめです。

場所によっては車の免許が必要なケースも

電車やバスなどの公共交通機関が発達していない地域では、生活に車が必須となるケースがほとんど。

マイカーを持っていない場合は購入をするか、その都度レンタカーを利用する必要があるので、その点も事前に考えておきましょう。

二拠点生活って実際どんな感じ?実践者の体験談

二拠点生活を始めたきっかけや、実際のライフスタイルは人によってさまざま。ここでは、二拠点生活の実践者5組の体験談を紹介します。

都会と雪国の良いとこ取り!仕事も趣味も子育ても思い切り楽しむ

冬は新潟の越後湯沢で、残りの季節は千葉で過ごすという二拠点生活を家族で実践している池辺政人さん。

もともと多拠点で暮らしたいとの思いを抱いていた池辺さんは、32歳で映像制作やWeb制作を行う会社を起業。

パソコン1台あればどこでも仕事ができるようになり、ついに2019年から憧れの二拠点生活をスタートさせました。

新潟では、家族でスキーを楽しんだり、雪山を眺めながら車中で仕事をしたりと、雪国ならではの魅力を満喫!

子どもたちは区域外就学制度を利用して二拠点それぞれの小学校に通学するなど、教育においても都会と雪国の良いとこ取りを楽しんでいるようです。

南房総で手に入れた、“ちょうど良い塩梅”の週末田舎暮らし

地方での暮らし方や働き方を発信するWebマガジン「ココロココ」の編集長・奈良織恵さんも、二拠点生活の実践者。

仕事で移住者への取材を重ねるうちに、奈良さん自身も移住に対して憧れを抱くようになったと言います。

そして2019年3月、仕事で縁のあった南房総の地に家を購入し、東京都港区にある自宅との二拠点生活を開始。平日は都内で働き、週末は南房総での田舎暮らしを楽しんでいます。

「仕事も暮らしも良い塩梅に」そんな感覚を持てるのも、二拠点生活ならではです。

東京・長野の二拠点。移住の決め手は「スキーを楽しめる環境」

大学教員に会社経営者、作曲家と多彩な顔を持つ高柳寛樹さん。

大好きなスキーをいつでも楽しめる環境を求めて、2017年に東京と長野県白馬村との二拠点生活をスタートさせました。

1年の半分を白馬村で過ごす高柳さんは、地域に馴染むために住民票も白馬村に移したそう。

スキー場で仕事をすることも多く、シーズン中は朝ひと滑りしてから仕事を始めるなど、多忙な中でも二拠点生活の目的であるスキーを存分に楽しんでいます。

父の思いを叶えるため、古民家を引き継いでゲストハウスに

移住体験談|鳥取来楽暮
出典:移住体験談|鳥取来楽暮

横浜でWeb制作会社を経営しながら、鳥取県智頭町で古民家ゲストハウスを営む村尾朋子さん。

Web制作の仕事はテレワークでも可能なため、春から秋は智頭、冬は横浜で過ごす二拠点生活を実践中です。

村尾さんは2018年に智頭町へ移住し、父と祖父母が住んでいた築150年の古民家を引き継ぎました。

歴史文化が好きだった父の思いを叶えるため、古民家を“智頭の町を語り合う交流の場”にすることを決意し、2020年春にゲストハウスをスタート!

都会にも拠点を持ちながら、自然豊かな智頭で、ゲストハウスを訪れた人々との交流も楽しんでいます。

地元岐阜と都会東京での暮らしを両立

出典:二地域居住の実践例① <岐阜↔東京>|国土交通省

都会東京と地元の岐阜との暮らしに成功したのが高田桃子さん。

高田さんは岐阜県に本社を構えるデザイン会社「(株)リトルクリエイティブセンター」に勤務しており、同社が運営する東京のアンテナショップとの間を1週間ごとに行き来しています。地元岐阜の魅力を、東京から全国に発信しています

東京での生活は、ホテル暮らし。このように、宿泊施設を二拠点目とするのも二拠点生活の一種なのです。

父親だけデュアルライフに挑戦したご家庭も

出典:移住者体験談|楽園信州

家族全員が揃って動くのではなく、父親だけがデュアルライフに挑戦した例も。

小野さん一家は東京での暮らしを続けるなかで、ある日、妻・美樹子さんが田舎への移住を希望。北アルプスの雄大な景観を眺められる長野県安曇野市で暮らしたいと考えていました。しかし夫には、都会でのやりがいのある仕事を続けたいという思いが。

そこで、美樹子さんと子どもは安曇野市に移住し、夫のみが都会と安曇野市を行き来するデュアルライフをはじめました。

その結果、美紀子さんと子どもは自然を満喫することができ、夫はオンオフの切り替えが容易になったと喜んでいるそうです。家族全員にとって幸せな移住を実現しました。

良いかも、二拠点生活!実態を知って後悔のない選択を

二拠点生活に関する様々なデータ、メリットとデメリット、そして実践者の体験談をご紹介しました。

実際に気になる地域を訪れてみることも大切ですが、事前に知識をつけ、先人たちの話を聞いておくことで、それがさらに有意義な時間になります。

本記事の内容を参考に、ぜひご自身にあったライフスタイルを見つけてください。

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