千葉県流山市は、2005年のつくばエクスプレス開業によって大きな変化を遂げています。開業以降徐々に人口が増え、なんと2016年には全国の市町の中で人口増加率が1位に。その後2022年まで6年連続で1位を取り続けられたのは、多くの移住者が流山市を選んだことが要因となっています。今もなお移住者を惹きつける流山市の魅力を探っていきましょう。
移住前に知っておきたい流山市の基本情報
流山市は近年人口増加率が著しい市の一つ。人口増加に大きく寄与しているのが、市外からの移住者です。なぜ移住者が流山市を選ぶのかを探る前に、まずは流山市の基本情報を押さえておきましょう。
地理
流山市は千葉県の北西部に位置しており、江戸川を隔てて埼玉県の三郷市と接しています。首都圏の中では北東部にあり、都心から25km圏内にあるためアクセスがいいのが特徴の一つです。
人口
流山市の人口は2023年1月現在で約21万人。千葉県の中では7番目に人口が多い市となっています。しかしながら、つくばエクスプレスが開通する2005年時点の人口は約15万人でした。近年急速に人口が増えた市であることがわかります。
参考:流山市の常住人口|流山市
気候
流山市は江戸川と利根川に挟まれています。千葉県内では内陸に位置し、利根川の風の影響を受けやすいのが特徴。夏は日中暑くなりやすく、夜になっても熱帯夜になることが多い地域です。
産業
流山市は江戸時代頃に発達したみりん産業が著名な産業の一つです。淡い色をしている「白みりん」は流山が発祥とされています。
また、建築資材などの製造販売を手掛けているサンコーテクノ株式会社は流山市に本社を置いています。
流山市へ移住するメリット
移住者を惹きつける流山市には、たくさんのメリットがあります。ここからは、流山市に移住して得られるメリットについて紹介していきましょう。
東京都内へのアクセスが良い
流山市の大きなメリットの一つは、東京都内へのアクセスの良さ。2005年のつくばエクスプレス開業に伴って、流山おおたかの森から秋葉原へのアクセスは最短で約25分程度となりました。これにより、東京都内に通勤する人たちの利便性を大きく向上させることとなっています。
また、常磐自動車道のインターチェンジの一つ、流山インターがあるのも利便性を高める要因となっています。外環自動車道や首都高速自動車道へのアクセスが良く、都心部から郊外まで、自由に行き来することができるメリットがあります。
駅前のショッピングセンターが充実
流山市内にあるつくばエクスプレスの駅の一つ、流山おおたかの森駅周辺には大型のショッピングセンターが隣接しています。
流山おおたかの森はショッピングセンターなどの商業施設を核とした街づくりが行われており、駅のそばには流山おおたかの森S.Cや2022年4月に開業したCOTOEなどがあります。遠方へ行かずとも、駅の近くで生活用品の購入から娯楽まですべてをコンパクトに済ませることができるのです。
自然を残した再開発
流山市は開発するにあたって「都心から一番近い森のまち」を都市像として掲げ、開発を行ってきました。その結果、流山市には森や川などの自然環境が大きく破壊されることなく残されています。
現在市内には15ヶ所の市民の森があり、市民たちの憩いの場所となっています。平日は都心部で働き、休日は流山市内にある森で自然に触れて癒される。
流山市ではバランスの取れたライフスタイルを実現することができるでしょう。
流山市に移住する前に確認しておきたいポイント
流山市は魅力に溢れた町であり、多くの移住者に選ばれる町ですが、デメリットもあることを忘れないようにしましょう。移住してから後悔しないよう、確認しておくべきポイントを挙げてみます。
人口増加のため人混みも
流山市は急激な人口増加に伴う人混みが懸念されています。毎日都心部へ移動する人たちも多く住んでいるため、通勤通学の時間になると電車が非常に混み合ってしまいます。
また、流山市から都心部への移動として、つくばエクスプレスを利用する人にとっては、利便性は高いものの他の鉄道と比べて運賃がやや割高なのもネックの一つであると捉えられます。
遊ぶ場所が限られている
流山市は子育て世帯が多く住んでいるのが特徴の一つです。小さい子どもを連れて遠出することが難しいため、遊ぶ場所は流山市内が多くなるのも当然。しかし、需要の割に遊ぶことができる場所が限られているため、どうしても特定の場所に集中してしまっています。
土曜日や日曜日などには駅前のショッピングセンターに多くの人たちが集まるため、店内が非常に混み合い、お昼時のフードコートでは席の取り合い状態になっている状況です。
小学校や中学校が不足
流山市は子どもの人口も増加しています。しかし子どもの増加に対して、小学校や中学校といった教育施設の数が追いついていない状況にあるのが実態です。
保育園については市として力を入れており、2010年以降大幅に増加していますが、課題は子どもが成長した後のこと。小学校や中学校へ上がる際、どのような教育環境が整っているのかをあらかじめ確認しておいた方がいいでしょう。
流山市への移住が向いている人とは
流山市にはたくさんのメリットがあり、一方でデメリットもあります。これから移住を考えている人たちの中で、流山市への移住が向いている人を挙げてみましょう。
都会で働く子育て世帯
流山市のキャッチコピーは「母になるなら、流山市。父になるなら、流山市。」であり、都心部で働く子育て世帯をメインターゲットとして呼び込みを行ってきました。
市としても子育て世帯への支援に力を入れており、子育てがしやすい街としての認知が広がっています。平日は都心部で働きつつ、週末は流山市で家族と一緒にのんびり過ごす。仕事とプライベートを両立したい子育て世帯にとっては生活しやすい街と言えるでしょう。
自分らしい生き方を求める人
流山市は市民の声を聞く取り組みを積極的に行い、ホームページ「ながれやまStyle」で公開しています。「ながれやまStyle」では、流山市で活躍する市民が多数紹介されており、一人ひとりがいきいきと自分らしい生き方をしているのが見てとれます。
このような先輩住人たちの姿は、移住者が自分らしい生き方を実現する背中を押してくれるのに役立つでしょう。
都会への利便性と自然との両立を求める人
流山市の大きな魅力は、都心に近い街でありながらも、自然が豊かであるということです。
自然に囲まれた生活がしたいと思いつつも、仕事のことを考えるとなかなか地方への移住はためらってしまうという人にとって、流山市は非常にバランスが取れた街だと言えます。
都心部から地方への移住となると、ライフスタイルを大きく変える一大決心となってしまいますが、流山市への移住であれば、都心部での仕事環境を変えることなく自然に触れることができる生活を実現することができます。
流山市の移住支援情報
前述したように、流山市では都心で働く子育て世帯を移住者のメインターゲットとして施策を進めてきました。そのため、子育て世帯への支援が手厚くなっています。
ここでは、子育て世帯への支援のほか、ライフスタイルに合わせた住居変更支援について紹介していきましょう。
共働きの子育て世帯を応援
流山市では、共働きの子育て世帯を応援する支援施策が行われています。共働き世帯の子育てで最も重視するのは、小さい子どもを無理なく安心して預けられる環境の整備です。
そして、移住者であれば周囲に子育ての悩みを打ち明けられる環境があるかどうかも重視したいポイント。流山市では、このようなニーズに合わせた支援を行っています。
送迎保育ステーション
流山市では共働き世帯を支援するために、保育園の開設に力を入れており、2010年には市内に保育園が17ヶ所しかなかったものの、2022年時点では100ヶ所に増えています。
また、流山市では保育園への通園を支援するため、流山おおたかの森駅とJR南流山駅から登園・降園時の保育園への送迎サービスを行っています。これらの駅から都心部へ向けて通勤する家庭にとっては、非常にありがたいサービスであると言えるでしょう。
ただし、送迎サービスはあくまでも送迎が困難である人に限った支援であるため、希望する全員が対象になるわけではないということは注意しておきましょう。
子育てサロン
流山市では公民館などで子育てサロンを開いています。子育てサロンでは、育児中の悩みを共有したり、交流したりする場所として活用されています。
特に移住者にとって、周囲に知り合いがいない子育ては孤独を感じやすいものです。このようなサロンを活用することで、悩みを分かち合うことができる仲間を作ることによって、孤独感を解消することができるでしょう。
住み替え支援制度
流山市にはさまざまな世代の人たちが暮らしています。世代によってライフスタイルが変わり、当初住んでいた家では不都合を感じることが多くなる人も。
流山市では、不動産業者、建築設計事務所、工務店がチームとなって住居住み替えに関する相談に乗っています。
例えば、高齢になって大きな家に住むのが難しくなってきた人もいれば、狭いマンションではなく広い一軒家で子どもを育てたいと思う人もいます。
そういった人たちの不動産売買やリノベーションに関する不安などを解消できる相談窓口として、この制度を活用することができます。
流山市移住でときめくライフスタイルを!
流山市では、都心部でのライフスタイルと自然に囲まれたライフスタイルを両立することができるのが、移住者を惹きつける大きな魅力。また、子どもを自然の中でのびのびと育てたいと思っている子育て世帯にとっても魅力的な街です。
それぞれの移住者が理想に描く、ときめくようなライフスタイルが実現できる街の一つが流山市です。流山市への移住に興味を持った人は、一度流山市に訪れて、この街の魅力を肌で感じてみてください。