近年、移住先を探す際や求職活動中に耳にする機会が増えた「Iターン」、「Uターン」、「Jターン」。本記事ではこれらの単語の意味や特徴、違いを説明するとともに、Iターン、Uターン、Jターンを実際に推進する自治体の支援活動を紹介します。
Iターン、Uターン、Jターンとは?意味・特徴・違いまで
Iターンとは
Iターンは、生まれ育った地域以外の土地へ移住・就職すること。主に都市部出身の人が地方に就職し、移住する場合を指し、移動の流れが一直線になっていることから、Iターンと呼ばれます。
自身にゆかりのない地方部へ移動する人が多いという点がIターンの特徴で、仕事や旅行で訪れた地域に魅力を感じて移住するケースが多いといわれています。
Uターンとは
Uターンとは、地方で生まれ育った人が都市部で進学・就職した後、再び自分の故郷に戻ること。行って戻ってくる流れがアルファベットのU字に似ていることから、Uターンと呼ばれています。
Iターンとの違いは、最終的に自身にゆかりのある地域に戻る点です。Uターンの場合は地元に帰ることになるため、故郷に愛着を持つ人が行う傾向にあります。
Jターンとは
Jターンは、地方で生まれ育った人が都市部で就職し、その後に地元とは異なるものの近くの地方に移住すること。例えば、「岩手県で生まれた人が上京し、3年後に宮城県へ移住・転職する」場合はJターンに該当します。
Uターンと移動の流れが似ていますが、地元に戻らず自身とゆかりのない付近の地方に移動する点がJターンの特徴です。
Iターン、Uターン、Jターンのメリットとデメリット
Iターン、Uターン、Jターンのメリット
Iターン、Uターン、Jターン共通のメリットに、生活費削減が挙げられます。地方部は都市部と比較して物価が安く、家賃や食費などの出費を抑えることができます。また、都市部よりも人口が少ないため、通勤時の満員電車や運転見合わせからも解放!のどかな空気を楽しみながら、のびのび過ごせる点も地方暮らしのメリットです。
Uターンの場合は、なじみのある土地で暮らせるという大きなメリットもあります。慣れ親しんだ土地へ戻ることは、ある程度生活環境を想像できるため、移動の難易度を下げてくれるでしょう。
Iターン、Uターン、Jターンのデメリット
Iターン、Uターン、Jターンのデメリットに、収入の減少が挙げられます。政府統計の総合窓口に掲示されている「賃金構造基本統計調査」の結果を見ると、2022年における40代前半の男女の全国平均年収は340万1,000円。この金額を上回る平均給与を受け取っている都道府県は、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県の5都府県のみ。なかでも400万円を超えたのは東京都だけでした。
また、地方は都市部と比較して公共交通機関の運行数がかなり少なくなります。自家用車を持っていないと移動がかなり不便になる点もデメリットに感じるかもしれません。
Iターン、Uターン、Jターンにおける自治体の支援と取り組み
北海道三笠市
北海道三笠市は、UIJターン新規就業支援事業として東京圏から三笠市へ移住し、北海道が運営するマッチングサイトの登録企業に就職した人を対象に、単身で60万円、世帯で100万円の移住支援金を支給しています。起業やテレワークで就業をした場合でも支援金を受け取れるそうなので、要件をよく確認してみましょう。また、0歳児を抱える三笠市在住保護者に紙おむつを購入できる引換券を交付する、紙おむつ購入費用助成事業をはじめとした、子育てにまつわるサポートも手厚く行われています。
新潟県上越市
新潟県上越市では、東京23区に在住または通勤していた人が上越市へ転入し、一定の要件を満たす就職・起業等をした場合に移住・就業支援金を支給しています。さらに、転入から1年以内に就職した人の家賃の一部を補助する移住定住応援家賃補助金を支給し、Iターン、Uターン、Jターンを促進。そのほかにも様々な支援制度の取り組みに力を入れているので、チェックしてみてください。
長崎県長崎市
長崎県長崎市は、市が運営する長崎市移住・定住応援公式サイト「ながさき人になろう」にて、Iターン、Uターン、Jターンを希望する人に向けた求人情報を紹介しています。加えて、東京23区に在住または通勤していた人のうち、長崎市に移住して仕事を行う場合に長崎市移住支援補助金を支給。自身が条件に合うかを確認し、これらの制度をうまく活用してみてはいかがでしょうか。