福島県南会津地域「ふるさとワーキングホリデー」就労体験記-只見町・南会津町

福島県只見町・南会津町ふるさとワーキングホリデー

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本記事は、総務省が推進する「ふるさとワーキングホリデー」を活用し、福島県南会津地域にて2週間の生活体験を経験した参加者が記事を執筆しています。
今回は、只見町・南会津町での就労体験についてレポートしていただきました。

目次

只見町「森林の分校ふざわ」

作成者:小林穂乃花

福島県只見町にある 森林の分校ふざわ で、ふるさとワーキングホリデーとして就労体験をさせていただきました。山に囲まれた元分校舎に一歩足を踏み入れた瞬間、時間の流れがゆっくりになるような、不思議な感覚を覚えました。滞在中にお話を伺ったのは、管理人の藤沼さん。ここは単なる宿泊施設ではなく、「都市と農村をつなぐ交流拠点」なのだと教えてくださいました。

福島県只見町の「森林の分校ふざわ」

体験することで、町とつながる

森林の分校ふざわでは、泊まるだけでは終わりません。只見の自然や人と直接ふれあう体験が、宿泊とセットになっています。

冬は、雪の上を歩ける“かんじき体験”。実際に履いてみると、ふかふかの雪の上でも沈まず歩けることに感動しました。地元のおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に集落や山を歩く時間は、観光というより「暮らしにおじゃまする」感覚に近いです。かまくら作りや除雪体験も、豪雪地帯ならではの貴重な経験でした。春から秋にかけては、恵みの森での沢歩きや山菜、新米、きのこなど、季節ごとの楽しみがあります。自然の豊かさはもちろんですが、「誰と食べるか」で味わいが変わることも実感しました。

リピーター率は約50%だそうです。夏冬は子ども連れやスポーツ団体、春秋は高齢者団体が多いとのこと。季節が変わるたびに違う表情を見せる只見だからこそ、「また来たい」と思う人が多いのだと感じました。

福島県只見町の雪景色

大学生から移住へ。藤沼さんの歩み

藤沼さんが只見に関わるようになったきっかけは、大学のゼミ活動だったそうです。福島県の事業で、過疎地域の集落と大学生をつなぎ、課題解決に取り組むプロジェクトに参加したことが始まりでした。

「卒業で終わらせるのはもったいない」と感じ、仲間と地域交流サークルを立ち上げ、社会人になってからも週末ごとに車で3時間半かけて只見へ通ったそうです。その行動力に驚きました。

やがて地域おこし協力隊として移住し、この分校を拠点に交流事業を本格化。80代の前任者から経営を引き継ぎ、協力隊として活動しながら、事業としてどう成り立たせるか模索してきたといいます。

お話を聞きながら、「好き」という気持ちがここまで人を動かすのか、と胸が熱くなりました。

関係人口をつくるということ

只見町は人口減少が進み、消滅可能性都市にも挙げられています。それでも藤沼さんは、「地元の人がこの町を諦めていないことが一番の魅力」と話していました。

森林の分校ふざわでは、使われなくなった田んぼや畑の再生、湿地の整備、ビオトープづくりなども行っています。放置すれば獣害の原因にもなる土地を、外から来た人と一緒に再生していく取り組みです。私自身、地域の課題に“当事者として関わる”感覚を少し味わうことができました。

また、大学生との連携プロジェクトも多く、自然環境の調査やマップ作り、地域の文化のデジタル化、保存食のレシピ開発、子ども向け講習など、活動は多岐にわたります。ただ人を「移住させる」のではなく、何度も通いたくなる「関係人口」を増やす。そこに強い意志を感じました。

「誇り」を育てる場所

印象的だったのは、藤沼さんのこの言葉です。

「地域に誇りがないと、親も『東京で働けばいい』と言ってしまう。だからこそ、地域の人がこの町を好きになるきっかけをつくりたい」

外から来た大学生が何度も通うこと。それ自体が地域の誇りになるのだといいます。

滞在を終える頃、私自身も「また来たい」と自然に思っていました。ただの観光ではなく、人とのつながりができたからこそ生まれた気持ちだと思います。山あいの小さな分校は、町の未来を静かに、でも確かに動かしている場所でした。

南会津町「星の郷ホテル」

作成者:鈴木美優

福島県南会津町の「星の郷ホテル」

今回のふるさとワーキングホリデーでは、福島県南会津郡にある「星の郷ホテル」にて就労体験をさせていただきました。このホテルは、木の温もりを大切にした新しさと、美しい星空が自慢の宿です。目の前にはスキー場が広がり、シーズン中には多くのアクティビティ利用客で賑わう活気ある場所に位置しています。

滞在期間中、実際にホテル内を見学させていただく機会がありました。全18室という限られた客室数だからこそ行き届いた、シンプルながらも洗練された内装が印象的でした。特徴は客室に使用されている地元の木材です。単に素材として使うだけでなく、南会津の豊かな自然を肌で感じられるよう細部までのこだわりを感じました。また、室内のインテリアも星空をイメージしたデザインとなっており、驚いたのは各部屋にプラネタリウムが設置されていたことです。たとえ天候に恵まれず外の星空が見えない夜であっても、プライベートな空間でリラックスしながら星を楽しめる。こうした「ゲストをがっかりさせない」という温かなおもてなしの心に深く感銘を受けました。

また、食事のクオリティの高さもこのホテルの大きな魅力です。地元産の旬の食材をふんだんに取り入れた創作料理や、会津の地酒へのこだわりを伺うことができました。私自身は宿泊客として実際に食事をしたわけではありませんが、料理長やスタッフの方々の「食」に対する想いやこだわりをお聞きするだけで、その質の高さが十分に伝わってきました。

地域との交流という点では、ホテルの方々との食事会で「星の郷」「ねっか」「花泉」という3種類の地酒を飲み比べさせていただいたことが、私にとって非常に貴重な経験となりました。南会津に来るまで日本酒を嗜む習慣がなかったのですが、会津酒造さんをはじめとする造り手のこだわりや、その土地ならではの体験をすることができて良かったと思いました。

就労先のメイン業務としては、Aグループの作成したコンテンツを元に南会津の食・自然・アクティビティを季節ごとに分けた観光マップの制作に取り組みました。私たちが目指したのは、観光客だけでなく地元の方々にも愛されるような、深みのあるマップです。単に既存の情報を集めるだけではなく、実際に自分たちの足で店を回り、店主の方々の声を直接聞き、自分たちで購入・試食を繰り返しながら、自信を持っておすすめできる魅力を考えていきました。

ふるさとワーキングホリデーの参加者の様子

この過程を通して、既存の観光ガイドには載っていないような、南会津の「真の魅力」を数多く発見することができました。グループで一つのプロジェクトを進めることは、想像以上に意見の調整や作業の分担が大変で、苦労した場面も多々ありましたが、それを乗り越えて形にした経験は、私にとって大きな自信となりました。

南会津の自然と人の温かさに触れたこの期間は、単なる就労体験以上の、人生の糧となる素晴らしい時間となりました。

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