黒潮と紀伊山地が生み出す、魅力あふれる聖地
羽田空港から熊野白浜リゾート空港(南紀白浜空港)まで約1時間と、首都圏からのアクセスも良好な和歌山は、全国に先駆けてワーケーションを推進してきました。「ワーケーションの聖地」とも呼ばれる和歌山では、企業向けに地域課題の解決やイノベーションの創出につながるさまざまなワーケーションプログラムを提供しています。
最近では、個人向けに「わかやまテレワーク体験」もスタートしました。コワーキングスペースでのテレワークと、地域の方々との交流を楽しむことができる内容で、とてもおすすめです。また、梅の収穫体験といった一次産業と組み合わせたワーケーションも実施されており、毎年多くの方がウェルビーイングな体験を求めて和歌山を訪れています。
熊野白浜リゾート空港(南紀白浜空港)から徒歩5分と好立地にあるコワーキング施設。個室ブースは、ダイナミックな眺望とゆったりとした空間で作業を進めることができる。
世界遺産である熊野古道や高野参詣道を修復する「道普請」。ワーケーションやSDGsへの取り組みに関心のある多くの企業や団体から注目を集めている。
和歌山県みなべ町で2022年からスタートした「梅収穫ワーケーション」。この3年で延べ977人が参加。梅農家のお手伝いをしながら、リフレッシュができると好評。
和歌山は、豊かな自然や世界遺産、新鮮で豊富な海産物と山の幸、そして魅力的なリゾートがそろう、なんとも贅沢な場所です。そんな日本のワーケーション発祥の地で暮らしている先輩にお話を伺いました。
佐野麗佳さん
東京生まれ。中国育ち。
大学時代にオーストラリアでワーキングホリデーを経験。SNSで日常を発信し、現在のインフルエンサー活動の基盤になる。ファッション誌「MORE」などで全国のお店や観光スポットの記事を書いて情報発信している。
─佐野さんが和歌山でワーケーションを始めたのはいつですか?
佐野「1年ぐらい前になります。今は和歌山と横浜の2拠点で暮らしながら、仕事をしています」
─きっかけは?
佐野「友達の紹介で和歌山の白浜町に旅行に来た時に自然の美しさに衝撃を受けました。会う人みんなが優しくて親切で一気に和歌山が好きになりました。私はライターやPRの仕事をしているので、和歌山でも仕事ができると思い、行動しました」
─白浜での働き方はどんなタイムスケジュールですか?
佐野「朝はクライアントさんからのメールやLINEの確認から始まります。トータル1時間、長くても2時間くらい。その後に白浜町のカフェに移動するんですが、そこでも投稿や原稿用の画像を撮ったり、クリエイティブで使う素材を集めてます。午後にもその素材をまとめたり、原稿を書いたりして1〜2時間ほど作業して終了。いつも夕方にはのんびりしてます。でも、原稿が完成してない時は遅くまで作業することがあります。ひとりでやっているので、月末は請求書も作ったり、かなり忙しくなります」
─ワーケーションをする中でビジネス交流などはありますか?
佐野「今住んでいるシェアハウス栄はテレワーカーが多くて。たまたまデザイナーの人がいて、カフェのデザインを直接依頼しました。一緒に住んでいるのでやりとりは早かったです。こういう交流もワーケーションならではだと思います」
─ワーケーションをする中で白浜での暮らしや地域との交流について教えてください。
佐野「スーパーに陳列されている魚の種類が珍しくて驚きます。和歌山の人はうつぼを食べますし。あと、野菜がとにかく安い。近所の方が畑で取れた野菜をシェアしてくれるのも新鮮な体験でした。人の温かさをこういうところからも感じます。また、私の場合は白浜にある『K型chocolate company』とご縁ができ、そこから人脈が広がりました」
─ワーケーションの楽しみは?
佐野「楽しみのひとつに『田舎と都会のギャップを楽しめる』ことがあります。例えば、横浜では買い物を楽しむ。和歌山では自然を楽しむ。横浜ではおしゃれなレストランへ行く。和歌山ではおばあさんがやっている食堂へ行く。そんなギャップがどちらの良さも引き立ててくれます。和歌山の海鮮は美味しくて安いです」
─VENCHI coffee standを開業したきっかけを教えてください。
佐野「私は横浜では朝はコーヒースタンドに行くんです。白浜でも朝からコーヒーをピックアップできる場所がないかなと思い、和歌山ワーケーション中に出会った方と一緒に開業して、現在運営中です。テイクアウト専門店ですが、白浜に沈むきれいな夕日が見れるので、ぜひ一度来店してください」
─最後にワーケーションの魅力を教えてください。
佐野「ワーケーションはインプットが2倍、アウトプットは無限大です。一度、私の好きな『南紀白浜』を見に来てください」