静岡県三島市は、「本当に住みたい街ランキングin静岡2021」で1位に輝いた実績がある街。
都内へのアクセスの良さからも移住先に選ばれることも多い三島市だが、この記事では移住を検討する場合に気になる街のメリットやデメリット、実際に移住する場合に利用できる支援制度(補助金)はどのようなものがあるかを解説する。
参考:本当に住みたい街ランキングin静岡2021|ARUHI
静岡県三島市の基本情報
三島への移住を考え始めたら、まずは三島市についての情報をチェックしよう。
地理
三島市の面積は62.02平方キロメートルで、静岡県の東部に位置し、富士山を北に、伊豆の温泉郷が南にあるなど自然に恵まれている。
富士山に降った雨や雪が地下水となって市内に湧き出て、川や池になることから「水の都」と呼ばれている。
古くは東海道の宿場町、三嶋大社の門前町として栄えた三島市。現在は国道1号と国道136号が交差しており、沼津インターや裾野インターが作られ首都圏とのアクセスが良い。
人口
三島市の人口は、2023年4月30日現在、男性は52,164人で女性は54,453人の計106,617人。総世帯数は50,068世帯だ。
気候
年間平均気温は、15.3℃で比較的温暖な気候だ。8月の平均気温は26.3℃で、寒い時期の1月の平均気温は5℃なので東京と比較すると暖かい。
冬の雨量は梅雨時期の4分の1ほどで、日照率が高く晴れる日が続く。ただし、1月は強い寒気が富士山麓から下降することや、北西の季節風により寒いと感じる日も多い。
参考:静岡県三島市(しずおかけんみしまし)の概況・気候・人口|三島市
産業
三島市にはキレイな水と豊かな土壌で育てられた「三島ブランド」の野菜が多くある。
なかでも、標高50m以上の斜面で栽培される野菜は「箱根西麓三島野菜」と呼ばれ、首都圏へ多く出荷されている。
また、静岡県内では浜松に次ぐうなぎの産地としても知られている。
さらに、三島市では地域の産業振興を目的とし、市内の農畜産物を活用した商品を開発・提供するための経費の一部を補助している。
これにより、三島わさびのお茶漬けなど数々の商品が開発された。
三島市へ移住のメリット|街の良さを感じる6つのポイント
三島市へ移住するとどのようなメリットがあるのだろうか。「住んで良かった」と思えるポイントを紹介する。
温暖な気候
三島市は温暖な気候で、春は三嶋大社や源兵衛川の周辺の桜が楽しめ、5月からは蛍が観賞できるなど、四季折々の自然が楽しめる。
夏の川のせせらぎや、秋のイチョウ並木の紅葉、冬には風物詩である大根干しの光景など、季節ごとに三島市ならではの体験ができるのも魅力だ。
首都圏へのアクセスが良い
三島駅は、JR東海道本線やJR東海道新幹線が利用でき、新幹線ひかり号で品川まで約40分ほどで移動できる。
朝の通勤時間には、こだま号の始発が出ているため首都圏への通勤も楽にできる点が魅力だ。
移住するなら仕事を変えなければならないのではないかと心配する方も多いだろうが、三島なら転職せず通うことができるのではないだろうか。
生活しやすい環境
駅前の三島広小路商店街をはじめとした商店街には、多くの店舗が広がっていて普段の買い物に使える食料品店が充実している。
また、定期的にコンサートが開かれる市民文化会館や勉強や読書に使える図書館など、文化施設もある。
美しい自然やきれいな水が豊富
市内には、富士山の雪解け水がせせらぎとなって流れている。白滝公園や上岩崎公園、清住緑地、源兵衛川、桜川、中郷温水池など、数多くの美しい癒しのスポットがある。
さらに、木々の緑、桜や紫陽花、金木犀などの四季折々の花が楽しめる三嶋大社。数多くの樹木や湧水が楽しめる楽寿園など、美しい自然を楽しめる場所も多い。
子育てしやすい環境
三島市では子育て世帯へのさまざまな支援制度を設け、子どもや親をサポートしている。
例えば、三島市に住所があり、健康保険に加入している0歳から18歳までの子どもの通院医療費・入院医療費が無料になる。
経済的な支援のほかに、ひとり親を支援する制度や子育てについて悩みや不安を抱える方が相談できる支援なども利用できる。
観光スポットへのアクセスが良い
三島市周辺には多くの観光スポットがある。世界遺産である富士山を眺めながら生活できるのは三島市に住む魅力のひとつだ。
少し足を伸ばせば、伊豆や箱根、熱海などがあり、温泉やキャンプ場なども近場にある。三島駅には路線バスが乗り入れていて神奈川や東京、山梨、伊豆方面へのアクセスが良い。
三島市への移住のデメリット|失敗しないための注意点3つ
移住を考えた場合、メリットばかりに目が行きがちだが、失敗しないためにはデメリットにも目を向けなければならない。
大型ショッピングモールなどがない
食料品などの普段の買い物に関しては不便を感じないが、大型ショッピングモールはない。ひとつのところで欲しいものをすべて揃えようとすると難しいだろう。
そのため、買い物へ行く場合は近隣の都市部へ出向くようになる。
自家用車がないと不便さを感じる
三島市は、都心部へのアクセスが良く公共交通網は整備されているものの、子どもの保育園や幼稚園の送迎は自家用車があると便利だ。
また、市内を走るバスは夜の19時から20時台が最終なので、駅が近くにない地域に住む場合は車があると便利だろう。
交通費の負担が大変
都心へ通勤している方の場合、新幹線を使えば東京まで短時間で移動できるのは便利だ。しかし、交通費の支給額が決まっている場合、自己負担となる金額が多くなってしまう。
転職せず三島市へ移住する場合、通勤費について会社がどこまで負担してくれるのか確認が必要だ。
三島市の移住支援制度・サポートまとめ
出典:三島市・移住定住応援サイト
三島市では、三島市・移住定住応援サイトを立ち上げ、移住者を増やすためにさまざまな制度やサポート支援を行っている。
市では、以下のような支援制度やサポートがあるのでチェックしてみよう。
住まい支援制度
三島市の住まいに関する支援制度は以下の通りだ。
移住・就業支援補助金
三島市では、東京圏(東京、千葉、埼玉、神奈川)から移住し、市が指定した働き方の条件に当てはまる方に補助金を交付する移住・就業支援補助金制度がある。
単身の場合は60万円、2人以上での移住では100万円(18歳未満の方と移住する場合、ひとりにつき100万円をプラスする)の補助金が出る。
住むなら三島移住サポート事業
三島市への移住・定住を促進するため、若い世帯が市内に住宅を取得し転入した場合に補助金を交付する、住むなら三島移住サポート事業。
入居日において、夫婦のどちらかが40歳未満であることなど、さまざまな条件がある。
三島市移住・子育てリフォーム事業費補助金
三島市移住・子育てリフォーム事業費補助金制度は、住宅の安全性と耐久性を高め、子育て世帯などの居住環境を良好にするとともに、若い夫婦などの市への移住促進を図るための制度だ。
補助金の交付を受けるためには、いくつかの条件があるが、その条件を満たせば住宅のリフォーム工事に要する費用の一部が補助金として支給される。
子育て支援制度
三島市では、子育て世帯を応援するためにさまざまな子育て支援制度を設けている。
子育て経済的支援
子育て世帯を経済的に支援する制度は多く、例えば子どもの健やかな育ちを社会全体で応援する児童手当は、中学3年生までの子どもを養育している方へ一定の金額を支給するもの。
子ども医療費の助成は、子どもの健やかな成長と家庭の経済的負担を軽減するための制度だ。
子どもが病気や怪我で医療機関にかかったとき(通院または入院)の医療費の一部と入院時にかかる自己負担額などを助成してくれる。
そのほかにも子育て経済的支援として、みしまっ子すくすく祝金や、住宅確保給付金などがあるのでチェックしておこう。
ひとり親家庭支援
三島市では、ひとり親家庭の支援を行っている。
市内に住まいがあるひとり親世帯に保険給付の対象となる医療費の自己負担分を助成する、ひとり親家庭等医療費助成事業や、終了に有利な資格を取得するための教育訓練を受講する方に給付金を支給する、母子家庭等自立支援給付金などがある。
子育て相談等
三島市では、子育てする世帯を応援する三島市子育て支援サイトを立ち上げ、子どもと親をサポートしている。
産後のお母さんを応援する産後ケア事業や、専門の相談員が子育ての悩みや子どもの預け先に関する相談に乗ってくれる子育てコンシェルジュなどが利用できる。
放課後児童クラブ
放課後や長期休業の間、就労などによって保護者が昼間家庭を留守にする小学生に、適切な遊び場や生活の場を提供する放課後児童クラブ。
子どもたちの健全な育成を図るために実施している放課後児童クラブは、夏休みだけの利用も受け付けている。
発達支援
3歳から就学前の子どもで、心身の発達に個別の配慮が必要な場合、ひとり一人に合った関わり方や環境設定を整える三島市児童発達支援事業所「にこパル」では、保育士は教室の運営を担当し保護者の相談乗ってくれる。
母と子の健康
妊娠中から産後までのお母さんを応援します!訪問型サポート事業は、妊娠中や産後4ヶ月以内の子どもを持つ方が、家族などのサポートが受けられない場合、またはその家族に対して家事や育児のサポートを行う事業だ。
また、自己負担500円で妊娠中に歯科健診を受診できる、妊婦歯科健診公費負担や、乳幼児の健康相談会を開催。
育児の心配事や悩みを保健師や栄養士などに相談する機会を設けるなど、母と子どもの健康を守る取り組みを行っている。
三島市への移住は支援制度やサポートを上手く利用しよう
温暖な気候とキレイな水が魅力の街、三島は都心へのアクセスが良いため今の仕事を続けながら移住を検討しやすい場所。
テレワークで仕事をする場合でも、新幹線を使えば1時間かからずに都内へ出ることができるので、必要なときに出社することも難しくない。
また、市が行っている移住支援やサポートの種類が多く、活用すれば移住に関する費用を抑えることができそうだ。この記事を参考に、三島市への移住を検討してみてはどうだろうか。