地域に短期間滞在し、その土地の暮らしや仕事、人々との交流を通じて文化や魅力を体験できる「ふるさとワーキングホリデー」。
人口約350人と、離島を除くと日本で2番目に人口が少ない村である高知県大川村で、2025年11月1日から14日までの2週間にかけて実施されました。
今回参加された2名が、経験した仕事や暮らし、感じた想いを記事にまとめてくれましたので、是非ご覧ください!
大川村ふるさとワーキングホリデー体験記
高知県の山間に位置する大川村で、私たちは2週間のふるさとワーキングホリデーに参加しました。自然豊かなこの地で、地域の方々と協力し一生懸命働いた日々は、忘れられない思い出となりました。


350人の村に1500人が集まる?! 村の一大イベント「謝肉祭」
まず参加したのは、今年で42回目を迎える「謝肉祭」の準備ボランティアです。今年は設営していたテントが強風と雨で崩壊し、パイプも折れてしまうというアクシデントが発生してしまいました。作業はテントの撤去から始まり、重いパイプの運搬、木製の机と椅子200卓以上の拭き上げと整列、番号の貼り付け、炭入れなど、一日がかりの作業となりました。体力的に厳しかったものの、地域の方々と協力しながらなんとかイベントを開催できる状態まで準備することができました。


祭り当日は、配布用のお肉とお野菜の袋詰めや炭の補充などを担当しました。午前中は小雨が降ったものの、午後には晴れ間が広がり、無事謝肉祭が行われてホッとしました。炭入れの際には直接お客様と関わることができ、来場者の皆さんがBBQを楽しむ姿が印象的でした。「お肉もお野菜もとても美味しい」とたくさんお声がけをいただき、こちらまで嬉しくなるような笑顔が見られました。炭入れでは、皆さんが囲んでいるテーブルを持ち上げて炭入れに協力してくださったのが、ダイナミックで印象的でした。ステージでは歌に合わせて踊る人々の姿が微笑ましく、会場全体が一体となって温かい雰囲気に包まれていました。私たちも打ち上げで大川黒牛、土佐はちきん地鶏、新鮮なお野菜をBBQでいただきましたが、なんておいしいのだろうと感動しました。次回は謝肉祭にお客さんとして訪れてみたいです。


高知特産品「土佐はちきん地鶏」に関わる仕事体験!
もうひとつの活動は、大川村で80%以上の生産をしている「土佐はちきん地鶏」の食鳥処理加工場でのお仕事です。施設の方々はとても親切で、土佐はちきん地鶏について丁寧に説明してくださいました。事前に知識を得ることができたことで、これから行う作業への興味と理解が深まりました。
鶏肉の各部位を真空パックにし、検査機に通して出荷の仕分け作業をしたり、大人気商品のスティックフライの衣つけを手作業で行ったりしました。鶏肉をモモ肉、手羽元、手羽先に切り分ける作業は、骨に沿わせながら切るため、包丁の角度が難しく苦戦しました。
職場では5人のベトナム人実習生が働いていて、鶏肉の切り分けが非常に上手で、鶏肉を切るお手本や包丁の研ぎ方を見せてくれました。とても繊細な仕事をみんな手際よく丁寧にされていて、感心しきりでした。彼女たちは毎日本当によく働かれていて、立ち仕事で大変だと思うのに笑顔も素敵でした。その姿を見ることができたことや、彼女たちと一緒に働くことができたこと、このようなお仕事を経験できたことはとてもありがたかったです。様々な仕事をさせてくださり、丁寧に教えてくれた平賀さんには本当に感謝しています。


温かい村人との交流や大自然を満喫!
休みの日には、遊覧船に乗って大川村の大自然に魅了されました。一緒に乗船していた子があけびを分けてくれたので、初めて食べました。ちょっと抵抗がある見た目でしたが、せーので勇気を出して食べてみると、甘くておいしかったです。
地域のイベントにも参加しました。大川っこ☆キラキラフェスティバルでは、大川村の小中学校全校生徒たちが、各学年ごとに大川村についてしっかりと調べ学習した内容をスクリーンに映し出し、クイズにしたり、演技を交えて、会場の皆さんに楽しんでもらおうと工夫していました。大川村の魅力を元気に明るく発表している姿に感心し、この子たちがいる大川村の未来は明るいなと思える素晴らしいイベントでした。多くの人に見てほしいです!
産業文化祭では、みんなが作った作品の数々が並べられていて、村の大人も子供もみんなで参加しているのがいいなと思いました。ステージは、誰でも気負わずに出られるような雰囲気で、ほっこりする場面も多く見られました。また訪れる機会に恵まれたら私も歌ってみたいです。(笑)
ふるさとまつりには参加できなくて残念でしたが、青年団の皆さんと大川黒牛の櫛差しの作業をしたのも和気あいあいとしていて楽しかったです。
滞在中は青年団のミキオさんをはじめ、京子さんや谷さんによくしていただき、大川村の方々は、山村留学の生徒や地域おこし協力隊、インターンなど、他の地域から来た人にも親切に接してくださるので、ふるさとワーホリ参加者の私も大川村の350人の中の1人になれたようで嬉しかったです。




このふるさとワーホリは、大川村の魅力が凝縮した2週間でした。祭りやイベントが多いので地域の方々との関わりも多く、暮らしの豊かさを実感しました。今回のふるさとワーホリをきっかけにご縁ができたので、また皆さんと交流できればいいなと思います。関わってくださった皆さま、ありがとうございました。




執筆者:Sさん(東京都出身)、Mさん(岡山県出身)













